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2023.12.21
ULTRA、『1st album「到底及ばない」release party』に関西の盟友アルカラを迎えて新代田を揺らす怒涛の爆音ライブをレポート!
4人組ロックバンドULTRAが、11月1日に発売したデビューアルバム『到底及ばない』のリリース記念ライブ『ULTRA 1st album「到底及ばない」release party』を、12月12日(火)に東京・新代田FEVERで開催した。
元ecosystem、acd.の壺坂恵(G/Vo)、MASS OF THE FERMENTING DREGSの宮本菜津子(G/Vo)、WOMANの柳本修平(B/Cho)、TheSpringSummerの杉本昂(Dr/Cho)という強力な布陣で2020年11月に結成されたULTRA。タフなオルタナティブサウンドが凝縮されたデビュー・フルアルバム『到底及ばない』を引っ提げてのレコ発ライブには、関西の盟友・アルカラが出演。新代田を揺らす怒涛の爆音ライブが展開された。
アルカラは、稲村太佑(Vo/G)、下上貴弘(B)、疋田武史(Dr)の3人に、folcaの為川裕也がサポートギターとして加わる編成でライブを敢行。「水曜日のマネキン」「アブノーマルが足りない」「boys & girls」などの楽曲を披露し、パワーみなぎるステージで観客のボルテージをあげた。
MCで稲村は「ULTRAレコ発おめでとうございます! オレら、めぐたんとはecosystem時代からずっと仲良しなんですよ。ecosystemの解散くらいになったとき、関西のみんなのノリが「あの名物が」「ロック界の上沼恵美子が辞めちゃうんだ」みたいになってね。tricotのメンバーが泣いてたり、それくらい関西のecosystemの存在は大きかったんよ。10年くらい前に、ecosystemの最後のライブがあったのがここなんです。オレらも来たんだけど、めぐの衣装がキラキラで線の入ったワンピースで、どう見てもカーテンみたいでギター弾きにくそうにしてて。最後ライブ感動するかなと思ったんだけど、そのあと飲みにいって「あのカーテンなんだったんだろうな?」って話ばっかでした(笑)。なので、今日も壺坂の衣装気になるなって思ってて、さっき見たら上の服、阪急電車のシートみたいなヤツでした(笑)。そんなんもありますけど、ほんままた一緒にライブできる日が来てうれしいです!」と笑いを交えながら共演の喜びを口にした。
大勢の観客の期待感が高まる中、Diploの「Big Lost」が会場に流れULTRAのメンバーがステージに登場。アルバム『到底及ばない』のオープニングを飾る「flashback」からライブはスタートした。壺坂と宮本の伸びやかなボーカルとソリッドなギター、柳本と杉本のリズム隊のサウンドが一体となり、スリリングな爆音が観客を飲み込んでいく。
早くもブチ上がるフロアに向けて、壺坂が「ULTRAです!よろしくどうぞ!」と声を上げ、1st配信シングルとなった「愛など」をドロップ。疾走感溢れるサウンドと、ファルセットのハモリが響く。4人の繰り出すエモーショナルなサウンドに観客も拳を突き上げ呼応した。
フィードバック音からぶっといミッドテンポのビートとヘヴィなギターフレーズが鳴り響き「knight」が披露される。壺坂と宮本のボーカルは絶妙な絡み合いを見せ、間奏では2人が向き合ってギターでうねるグルーヴを作る。ゾクゾクする展開に観客は大きな拍手と歓声を送った。
MCで壺坂は「ULTRAです、こんばんわ。今日は本当にお越しくださりありがとうございます! ちょっと久々の東京で、レコ発でアルカラ先輩が出てくれることが叶いました。今日は最後まで存分に楽しんでください!」と観客に挨拶。続けて、アルカラの稲村が触れていた衣装話になり「(服の生地)ベロアなんやけど阪急電車の椅子やって言われて(笑)。でも、阪急電車(東京で)誰がわかんねんって思ってたら、ちょこちょこ笑いが起こってて関西から来てくれてる人も多いんかなと思いました。なので、また関西でもお待ちしております! 品のいい阪急電車です(笑)」と、12月20日の心斎橋CONPASSでのレコ発ライブのアピールで服装いじりを上書きする巧みさを見せた。
ライブに戻ると、ノイジーな金属音のようなギターサウンドから「Table」を披露。グルーミーなメロディと重たいビートでダークなムードを作る。混沌を抜け出していく思いを、ギターソロを織り交ぜながらタイトに激しく届けた。
ULTRAの楽曲には、強力なサウンドはもちろんのこと、メロディラインの強さというも目を引くものがある。叙情的な歌メロと分厚い音が合わさり、楽曲の芯が聴き手の心の奥深くへ刺さり込んでいくのだ。
切ない歌メロが印象的な「綺麗だね」では、エキゾチックファンク的なサウンドで切ないメロディを淡々と聴かせ、サビでエモーショナルに高まりを見せる。静と動が交互に押し寄せる波のような展開は、まさに感情の揺れそのもの。
「泡沫」は、ブレイクビーツ的な杉本のドラムからギターフレーズが絡み合うように始まる。ファルセットを活かしながら歌われるブルージーなメロディと、揺らぐように響くサウンドがとにかくエモい。音に吸い寄せられステージを凝視する観客は、曲が終わった瞬間に熱い拍手を送った。
MCタイムで、壺坂はアルカラについて語っていく。「私は前にecosystemというバンドをやったんですけど、関西から上京してFEVERで定期的に企画ライブをやってたんです。いろいろ対バンさせてもらったんですけど、アルカラとtricotくらいしかほんとに仲のいい友だちがいなくて。頼れる先輩でもあり、童顔やから子供に見えんのよ。愛らしいところもあるオモロ先輩なわけですわ。今日も「ファースト出たから出てや」って言ったら「おぉ、ええよ」って言ってくれて。普通ライブとかって「日にちいつなん?」「ギャラなんぼなん?」とかいろんなことがあって決めるのに、電話して一言返事でオッケーしてくれて、あー全然変わらへんなと思いました。アルカラは神戸で『ネコフェス』ってイベントをやって、いっぱいバンドが出るんですわ。それだけ人望があるバンドなんですよ...あまり褒めると気持ち悪いんでこのくらいにしときます(笑)。ファーストアルバムやから、私たちもかっちりしたものにしたかったし、好きなFEVERでやりたかったし、っていうところでアルカラに声かけさせていただきました」と、アルカラへのリスペクトを笑いを交えて語る。続けて壺坂は「形が違ってもまた一緒にやれるのが感動的やなって、さっきアルカラのライブ見てて思いました。いろんなことを続けていくとか、今を一生懸命生きるとかしたら、いいことあるなと思います。なんで、美味しいものいっぱい食べて必死に生きましょう!(笑)」と食と必死に生きる大事さを口にした。
トークで和んだあと、ULTRAはタイトなリズムとギターのリックの掛け合いが絶妙な「秘密」を披露。壺坂のフォークにも通じるような歌唱が新鮮だ。まだ音源化していないアルバム未収録の楽曲で、彼女たちは新たな一面を見せてくれた。
ライブもいよいよラストスパート。フィードバック音から強烈なリフとパワフルなビートが鳴り響き「INU」が歌われる。壺坂のエモーショナルなボーカルが炸裂し、スリリングなスピード感とともに観客のテンションはさらにアップ。間奏で4人が向き合いヘヴィな音を叩き出し、ラストサビでグルーヴの渦が巻き起こると観客は拳を突き上げ歓声を上げた。
鋭いビートが続き「heads」へなだれ込む。激情的なボーカル、ドライブ感溢れるギター、カオティックな音のうねり、会場を支配するのは音の塊。
「今日はありがとうございました!」の声から、ラストチューン「door」が投下される。ぶっといノイジーなサウンドに、壺坂と宮本のユニゾンのボーカルが絡み合い強烈な高揚感を煽りまくる。怒涛のサウンドに会場のテンションはマックスとなり「ありがとう!」の声でフィニッシュ! 問答無用の圧巻のステージに観客は惜しみない拍手と歓声を送った。
鳴り止まない歓声に応えて、壺坂とアルカラの稲村がステージに出てくると「アンコールはございませんので、ロングTシャツ買って帰ってください(笑)」と壺坂が笑顔で語る。「今日はほんとにありがとうございました!」と2人で挨拶し「じゃあね!」の声でライブは締め括られた。
演奏は激しくMCはフレンドリーという絶妙なバランス感で楽しませてくれたULTRA。4人のコンビネーションから繰り出される荒々しいアグレッシブなサウンドと楽曲の強さが全観客の心をがっしり掴む、ULTRAの凄みを存分に体感できるレコ発ライブだった。
文:土屋恵介
撮影:佐藤広理
ULTRA「到底及ばない」
2023年11月1日(水)
Format:Digital
Label:FLAKE SOUNDS
Track:
1.flashback
2.愛など
3.Knight
4.Table
5.INU
6.泡沫
7.heads
8.door
試聴はこちら
大阪(難波) Yogibo HOLY MOUNTAIN
OPEN 17:30 / START 18:00
starring: ULTRA
Fennel
チケット:
前売り ¥3,500/当日¥4,000 (ドリンク代別)
チケット発売開始日:
2024年1月7日(日) 10:00〜
@ultra.band
元ecosystem、acd.の壺坂恵(G/Vo)、MASS OF THE FERMENTING DREGSの宮本菜津子(G/Vo)、WOMANの柳本修平(B/Cho)、TheSpringSummerの杉本昂(Dr/Cho)という強力な布陣で2020年11月に結成されたULTRA。タフなオルタナティブサウンドが凝縮されたデビュー・フルアルバム『到底及ばない』を引っ提げてのレコ発ライブには、関西の盟友・アルカラが出演。新代田を揺らす怒涛の爆音ライブが展開された。
アルカラは、稲村太佑(Vo/G)、下上貴弘(B)、疋田武史(Dr)の3人に、folcaの為川裕也がサポートギターとして加わる編成でライブを敢行。「水曜日のマネキン」「アブノーマルが足りない」「boys & girls」などの楽曲を披露し、パワーみなぎるステージで観客のボルテージをあげた。
MCで稲村は「ULTRAレコ発おめでとうございます! オレら、めぐたんとはecosystem時代からずっと仲良しなんですよ。ecosystemの解散くらいになったとき、関西のみんなのノリが「あの名物が」「ロック界の上沼恵美子が辞めちゃうんだ」みたいになってね。tricotのメンバーが泣いてたり、それくらい関西のecosystemの存在は大きかったんよ。10年くらい前に、ecosystemの最後のライブがあったのがここなんです。オレらも来たんだけど、めぐの衣装がキラキラで線の入ったワンピースで、どう見てもカーテンみたいでギター弾きにくそうにしてて。最後ライブ感動するかなと思ったんだけど、そのあと飲みにいって「あのカーテンなんだったんだろうな?」って話ばっかでした(笑)。なので、今日も壺坂の衣装気になるなって思ってて、さっき見たら上の服、阪急電車のシートみたいなヤツでした(笑)。そんなんもありますけど、ほんままた一緒にライブできる日が来てうれしいです!」と笑いを交えながら共演の喜びを口にした。
大勢の観客の期待感が高まる中、Diploの「Big Lost」が会場に流れULTRAのメンバーがステージに登場。アルバム『到底及ばない』のオープニングを飾る「flashback」からライブはスタートした。壺坂と宮本の伸びやかなボーカルとソリッドなギター、柳本と杉本のリズム隊のサウンドが一体となり、スリリングな爆音が観客を飲み込んでいく。
早くもブチ上がるフロアに向けて、壺坂が「ULTRAです!よろしくどうぞ!」と声を上げ、1st配信シングルとなった「愛など」をドロップ。疾走感溢れるサウンドと、ファルセットのハモリが響く。4人の繰り出すエモーショナルなサウンドに観客も拳を突き上げ呼応した。
フィードバック音からぶっといミッドテンポのビートとヘヴィなギターフレーズが鳴り響き「knight」が披露される。壺坂と宮本のボーカルは絶妙な絡み合いを見せ、間奏では2人が向き合ってギターでうねるグルーヴを作る。ゾクゾクする展開に観客は大きな拍手と歓声を送った。
MCで壺坂は「ULTRAです、こんばんわ。今日は本当にお越しくださりありがとうございます! ちょっと久々の東京で、レコ発でアルカラ先輩が出てくれることが叶いました。今日は最後まで存分に楽しんでください!」と観客に挨拶。続けて、アルカラの稲村が触れていた衣装話になり「(服の生地)ベロアなんやけど阪急電車の椅子やって言われて(笑)。でも、阪急電車(東京で)誰がわかんねんって思ってたら、ちょこちょこ笑いが起こってて関西から来てくれてる人も多いんかなと思いました。なので、また関西でもお待ちしております! 品のいい阪急電車です(笑)」と、12月20日の心斎橋CONPASSでのレコ発ライブのアピールで服装いじりを上書きする巧みさを見せた。
ライブに戻ると、ノイジーな金属音のようなギターサウンドから「Table」を披露。グルーミーなメロディと重たいビートでダークなムードを作る。混沌を抜け出していく思いを、ギターソロを織り交ぜながらタイトに激しく届けた。
ULTRAの楽曲には、強力なサウンドはもちろんのこと、メロディラインの強さというも目を引くものがある。叙情的な歌メロと分厚い音が合わさり、楽曲の芯が聴き手の心の奥深くへ刺さり込んでいくのだ。
切ない歌メロが印象的な「綺麗だね」では、エキゾチックファンク的なサウンドで切ないメロディを淡々と聴かせ、サビでエモーショナルに高まりを見せる。静と動が交互に押し寄せる波のような展開は、まさに感情の揺れそのもの。
「泡沫」は、ブレイクビーツ的な杉本のドラムからギターフレーズが絡み合うように始まる。ファルセットを活かしながら歌われるブルージーなメロディと、揺らぐように響くサウンドがとにかくエモい。音に吸い寄せられステージを凝視する観客は、曲が終わった瞬間に熱い拍手を送った。
MCタイムで、壺坂はアルカラについて語っていく。「私は前にecosystemというバンドをやったんですけど、関西から上京してFEVERで定期的に企画ライブをやってたんです。いろいろ対バンさせてもらったんですけど、アルカラとtricotくらいしかほんとに仲のいい友だちがいなくて。頼れる先輩でもあり、童顔やから子供に見えんのよ。愛らしいところもあるオモロ先輩なわけですわ。今日も「ファースト出たから出てや」って言ったら「おぉ、ええよ」って言ってくれて。普通ライブとかって「日にちいつなん?」「ギャラなんぼなん?」とかいろんなことがあって決めるのに、電話して一言返事でオッケーしてくれて、あー全然変わらへんなと思いました。アルカラは神戸で『ネコフェス』ってイベントをやって、いっぱいバンドが出るんですわ。それだけ人望があるバンドなんですよ...あまり褒めると気持ち悪いんでこのくらいにしときます(笑)。ファーストアルバムやから、私たちもかっちりしたものにしたかったし、好きなFEVERでやりたかったし、っていうところでアルカラに声かけさせていただきました」と、アルカラへのリスペクトを笑いを交えて語る。続けて壺坂は「形が違ってもまた一緒にやれるのが感動的やなって、さっきアルカラのライブ見てて思いました。いろんなことを続けていくとか、今を一生懸命生きるとかしたら、いいことあるなと思います。なんで、美味しいものいっぱい食べて必死に生きましょう!(笑)」と食と必死に生きる大事さを口にした。
トークで和んだあと、ULTRAはタイトなリズムとギターのリックの掛け合いが絶妙な「秘密」を披露。壺坂のフォークにも通じるような歌唱が新鮮だ。まだ音源化していないアルバム未収録の楽曲で、彼女たちは新たな一面を見せてくれた。
ライブもいよいよラストスパート。フィードバック音から強烈なリフとパワフルなビートが鳴り響き「INU」が歌われる。壺坂のエモーショナルなボーカルが炸裂し、スリリングなスピード感とともに観客のテンションはさらにアップ。間奏で4人が向き合いヘヴィな音を叩き出し、ラストサビでグルーヴの渦が巻き起こると観客は拳を突き上げ歓声を上げた。
鋭いビートが続き「heads」へなだれ込む。激情的なボーカル、ドライブ感溢れるギター、カオティックな音のうねり、会場を支配するのは音の塊。
「今日はありがとうございました!」の声から、ラストチューン「door」が投下される。ぶっといノイジーなサウンドに、壺坂と宮本のユニゾンのボーカルが絡み合い強烈な高揚感を煽りまくる。怒涛のサウンドに会場のテンションはマックスとなり「ありがとう!」の声でフィニッシュ! 問答無用の圧巻のステージに観客は惜しみない拍手と歓声を送った。
鳴り止まない歓声に応えて、壺坂とアルカラの稲村がステージに出てくると「アンコールはございませんので、ロングTシャツ買って帰ってください(笑)」と壺坂が笑顔で語る。「今日はほんとにありがとうございました!」と2人で挨拶し「じゃあね!」の声でライブは締め括られた。
演奏は激しくMCはフレンドリーという絶妙なバランス感で楽しませてくれたULTRA。4人のコンビネーションから繰り出される荒々しいアグレッシブなサウンドと楽曲の強さが全観客の心をがっしり掴む、ULTRAの凄みを存分に体感できるレコ発ライブだった。
文:土屋恵介
撮影:佐藤広理
RELEASE INFORMATION
ULTRA「到底及ばない」
2023年11月1日(水)
Format:Digital
Label:FLAKE SOUNDS
Track:
1.flashback
2.愛など
3.Knight
4.Table
5.INU
6.泡沫
7.heads
8.door
試聴はこちら
LIVE INFORMATION
ULTRA presents 【新天地vol.1】
2024年2月25日(日)大阪(難波) Yogibo HOLY MOUNTAIN
OPEN 17:30 / START 18:00
starring: ULTRA
Fennel
チケット:
前売り ¥3,500/当日¥4,000 (ドリンク代別)
チケット発売開始日:
2024年1月7日(日) 10:00〜
LINK
@ultra_band021@ultra.band