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2023.03.26
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! the McFaddin・Somewhere・Guibaほか全22作品 -2023.03.25-
カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とナビゲーターのMISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
MISATO:3月20日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全22作品の中から、まずはPart 1をご紹介しました。リリースおめでとうございます!初登場の方がいらっしゃいます。山中タクトさん。
金子:恋する円盤というバンドのサポートギタリストを経て、その発展型のBluemsというバンドでも活動をしていたところから、現在はソロで活動されている方です。録音に参加しているメンバーが僕ら的にはわりとお馴染みというか。
MISATO:そうですね。豪華ですね。
金子:カネコアヤノさんのバンドでギターを弾いている林くんだったり、never young beachやSAMOEDOのドラムの鈴木健人さん、あとBluemsは今名前が変わって「生活の設計」というバンド名になってるんですけど、そこでベースを弾いてる辻本秀太郎さんといった人たちが参加していて、非常に良質な歌モノのポップスを鳴らしています。山中さんはもともと中学生の頃にビートルズの影響でギターや作曲を始めたそうなんですけど、まさにそのテイストが感じられる、エバーグリーンなポップスだなと。
MISATO:いろんな楽器を多用されてたりとか、ご自身の頭の中で広がっていく音楽づくりをされているんだなというのが見えるような、奥行きの深さが感じられる曲ですね。でもやっぱり声の力とか言葉の力とか、彼自身の持つ素材のよさをすごく感じられて、とっても良いです。本当に初登場かなと思うくらい完成されていらっしゃる方だなと感じました。
MISATO:そしてodol、ひさしぶりじゃないですか!
金子:約1年ぶりのリリースです。
MISATO:いつもodolの読み方が、「オドル(→)」なのか、「オドル(↓)」なのか。futuresの「フューチャーズ」か「フューチャース」なのかみたいな、そういう議論が脳内で起こっているんですけど、分かんなくなってどっちも使うんだけど、どうしたらいい?
金子:僕は普段「オドル(→)」なんだよなあ。
MISATO:そうなのかな?
金子:わからないけど(笑)。本人がどっちで言ってたかな?
MISATO:本人はどっちも使っている説があるんですよね(笑)
金子:それは困りますね(笑)。
MISATO:せめて本人がどっちかに統一してくれたらいいですね。
金子:「B'z」の読み方問題みたいなことですけど、B'zの場合はご本人たちの発音はちゃんと統一されているので、odolもそうしてもらいたい(笑)。
MISATO:ちょっと「Room "H"」にノックしに行きますか?
金子:そうですね。新曲についてですが、彼らは定期的に過去曲のリアレンジをやっていて。今回の曲ももともと2018年のリリースなんですけど、今回新たにリアレンジをしていて、アンビエント感のある前半と、後半のシューゲイザー的な轟音と、odolの持つ二面性がわかりやすく出たアレンジになっていると思います。
MISATO:「旅に出てみようか」のセリフが2018年から5年経って、今のその「旅」でどこにいるのか、どこまで来たのかが振り返られる。アレンジすると自分の立っている場所が変わっているんだなというのが感じられる良い機会になりますね。
金子:3月の終わりというタイミングにもぴったりですよね。
MISATO:そうですね!それではPart 1はどの曲を流しましょうか?
金子:the McFaddinをかけようと思います。 EPが完成しまして、約1年ぶりですね。
MISATO:おめでとうございます。
金子:彼ららしいハイブリッドさは健在で、ロックもあれば、ヒップホップもあれば、ダンスミュージックもあればというところがより極まりつつ、今回かける「irk」はギターがザクザクと鳴らされる、非常にロックテイストが強い曲です。個人的にthe McFaddinはライブを見てほしいなという気持ちが強くて、音源もかっこいいんですけど、ライブを見ると彼らが持っている独自のバンド感みたいなものがすごく伝わる気がしていて。今回のEPが出てからツアーがあって、残念ながら福岡はないんですけど、京都と東京がワンマンで、名古屋と大阪は対バンとなります。その対バン相手がNIKO NIKO TAN TANとgatoなんですよね。
MISATO:最高じゃん!
金子:FRIENDSHIP.で固めていただいています(笑)。これはぜひどこかで見てほしいなと。
MISATO:詳しくはオフィシャルウェブサイトをご覧になってください。その前にEPを聴きこんで、予習をしていただければと思います。
MISATO:the McFaddinと出会ったときの衝撃って、ELLEGARDENと出会ったときのあの「出会っちゃった感」みたいなのとちょっと似ているところがあって。特にこの曲の歌とか音はすごい青春感が漂うもので、そこがちょっと自分の中でリンクするところがあるんですけど。伝説的なバンドになっていかれるんじゃないかなと、可能性を感じています。
金子:どんどんステップアップしていってほしいですね。
MISATO:新譜ダイジェストPart 2でした。リリースおめでとうございます!Hiroka Cambridgeさんが初登場になりますか?
金子:そうですね。これまでUNERIやbarebareboysとしても活動をしてきた人で、2022年よりソロプロジェクトを開始して、今回のシングルリリースということです。
MISATO:今回客演で参加している山田大介が友人なんですけど、大介の声の成分ってJラップど真ん中みたいなものがあるなと思っていて。マネもしたくなるし、ちょっとしたエモさもあって、すごく相性がいいなと思って聴いていました。トラックを担当しているのはフランスに住んでらっしゃる方なんですね。
金子:そうなんですよね。いわゆるヒップホップというよりも、フュチャーベースとかそういう感じのトラックになっていて、そこに乗るHirokaさんの歌と山田さんのラップという組み合わせが、なかなか他にはないものになっていて面白かったです。
MISATO:やっぱりトラックが違うだけでこんなに印象が変わってくるんだなと。ただBボーイになりきれない大人の歌というのがすごく彼ららしいというか、リリックも良いですよね。
MISATO:そしてQoodow(クードウ)。これも発音に困ってしまうんだけど(笑)。
金子:彼らは関西のバンドで、FRIENDSHIP.からは毎週こういう僕好みなインディーロックバンドが一組はリリースされていて、今週だと彼らだなという感じですごく好きです。資料にはいくつかのバンドの名前が並んでいて、 OGRE YOU ASSHOLE、スーパーカー、Pavementとか、それもすごくわかるなと思いつつ、個人的には君島大空くんをすごく連想させるところがありました。彼はいろんな形態で活動していますけど、合奏形態というバンドでもやっていて、その感じにすごく通じるものがある。今年の頭に君島くんがアルバムを出していて相当良かったんですけど、Qoodowもそこに並べられるような、今の時代を感じさせるバンドだなって。
MISATO:おー!だいぶ推していますね。
金子:とてもよかったですね。
MISATO:不協和音感というか、想像しえない音の重ね方みたいなところに未知を感じるというか。
金子:ローファイ感があるんだけど、いわゆるヘタウマでは終わらずに、アレンジからミックスまでちゃんとこだわっている感じが伝わってきて、すごく良いですね。
MISATO:ではPart 2からはどの曲をかけますか?
金子:Somewhereをかけようと思います。
MISATO:アルバム『Somewhere In A Dream』のリリースです。 おめでとうございます。
金子:去年の10月から毎月新曲を出してきて、それらも含めた全10曲入りのアルバムが完成しました。プロデューサーに吉田仁さん、あとSISTERJETのWATARU.Sさんも参加していて、彼女なりのオルタナティブなフォークがギュッと詰まった作品になっています。Somewhereというプロジェクト自体が「旅と冒険」をテーマにしていて、今回のアルバムは「私の20代の記憶を音楽という形にした」と言っているんですけど、SNSを覗いたら、彼女がこれまで6年間やってきたラジオ番組を3月で卒業して、来年から音楽制作のために海外に行くそうなんですね。
MISATO:そうなんだ。
金子:20代のうちに日本でやってきたことをひとつカタチにして、またここから新たな旅立ちに向かっていくという、すごく大事な作品になっているという。
MISATO:そっか...。またbonobosを思い出しちゃった。勝手に連想して勝手に泣きそう。
金子:長らくラジオに携わっているMISATOさんからしても、思うところがあるんじゃないかなと。
MISATO:そうですね。きっと自分の音楽とは別のアウトプットの場所だったと思うし、言葉を並べると言っても全く違うじゃないですか?6年間って長い期間で、小学生が卒業するわけですもんね。すごく成長のある期間だったと思うし、いろいろな想いが詰まっている作品になっていると思うので、心してもう1回聴いてみよう。
MISATO:どこの国に行かれるかはSNSに書かれてないみたいですけど、自由気ままにゆっくり自分のペースで歩いているのが音から想像させられるというか。これからの30代の歩み方というのも、なんとなく感じさせてくれる曲になっているなと。
金子:音楽制作のために行くということだから、ぜひ海外で作った作品をまたFRIENDSHIP.からリリースしてほしいですよね。
MISATO:お待ちしています!
MISATO:新譜ダイジェストPart 3でした。リリースおめでとうございます!厚武さん!触れずにはいられない改名仲間を発見しました!
金子:改名仲間(笑)。
MISATO:私は来週から新しい名前でスタートするんですけど、この作品から新しい名前でどんどん頑張っていくぞという気合いを感じる方がいらっしゃってですね。Auks(オークス)さん!:他人事とは思えない!頑張れ!
金子:もともとAutis(オーティス)という名前で活動していたところから、Auksに改名をしたと。今回のEPはAutis時代から大切にしてきた曲を改めて録音して収録しているそうです。
MISATO:わかる!過去があってこその今だよね。
金子:自分に重ねている(笑)。
MISATO:なくなるわけじゃないのよ!
金子:ちゃんといいところは引き継ぎつつという感じで、すごくいい曲ですよね。
MISATO:本当によかったですね!
金子:ヒップホップとかソウル、R&Bを土台にしつつ、バンドメンバーにはフルートとかパーカッションの担当がいたりするのも面白い。FRIENDSHIP.的にはさっきも名前が挙がったfuturesとかと相性良さそうな感じがします。
MISATO:たしかに!タイトルがすごいキャッチーでセンスがいいなと。「バナナトリップ」とか可愛いですね。そしてsaccharinもちょっとひさしぶりなんですよ。
金子:ひさしぶりですよね。でもすでにsaccharin節みたいなものが確立されているというか。昭和のフォークや歌謡曲に通じる世界観というのはもう「saccharinだな」という感じがしますよね。
MISATO:マイクは指を揃えて持つ感じ、あの昭和歌謡の口上を思い浮かべるというか。She Her Her Hersでドラム叩いている人とは思えないですね。
金子:いい意味でね(笑)。今回の曲は「アンビバレンスな感情」がテーマになっていて、そのテーマを強調するために1曲の中で2つのリズムを並走させているという、そのアイデアも面白いですよね。
MISATO:さすがドラマー!そして、Part 3の中からお送りするのは?
金子:Guiba(ギバ)をかけようと思います。
MISATO:またこういうのばっかりよ、FRIENDSHIP.は(笑)。
金子:ばっかりって(笑)。
MISATO:もう楽しくてしょうがない!
金子:他のバンドでも活動しつつ、別のアウトプットを持つ人たちがたくさんいるということですね。Guibaは僕も初めて名前を聞いたんですけど、South Penguinのボーカルのアカツカくん、Helsinki Lambda ClubやGroup2でギターを弾いている熊谷くん、Part 1にも出てきたodolのベース、シェイク ソフィアン、そしてドラム・礒部拓見からなる4ピースで、去年の夏に結成されていたそうです。
MISATO:セルフライナーノーツがすごく上手い。ユーモアがあるというか、余裕を感じる(笑)。
金子:遊んでいますよね。
MISATO:遊んでますね。割愛してお伝えすると、「セルフレジで意気投合した4人がバンドを結成した」って書いてあるんですけど、「そんななことあるか!」というね。いいですね。
金子:このコメントからも感じられるように、それぞれがやっているバンドは結構クセが強めなんですけど、この曲に関してはすごく丹精なポップスになっていて、「この人たちが集まって、これをやるんだ」という面白さがありました。あと作品についてのコメントで「『乃木坂工事中』というテレビ番組のバレンタイン企画にインスピレーションを受けて制作した楽曲」と書いてあって。僕基本的にアイドルあんまり興味ないんですけど、乃木坂だけ興味あって、この番組のバレンタイン企画も見たことがあって。
MISATO:そうなんだ。
金子:具体的にどうインスピレーションを受けて作ったのか、個人的に聞きたいなと思いました(笑)。
MISATO:あはは。番組を見ている人でも「ああ、あのことか」みたいに納得はできない?
金子:番組で起きたことをそのままモチーフとして使っているわけではないはず。
MISATO:どこからどう広げていったんでしょうね。
金子:個人的に知りたい(笑)。
MISATO:乃木坂ファンの方いらっしゃったら、バレンタイン企画を思い出しながら聴いてみてください。
MISATO:丹精なポップスというお話もありましたけど、リズム隊はしっかり聴きごたえあるし、納得の布陣というか、サウンドだけでも納得な曲になっていますね。
金子:でもやっぱりわずかにクセがあるというか(笑)。裏側から出ちゃってる感じもいいなって。
MISATO:出ちゃってるよね(笑)。漏れ出ている感じもお楽しみください。
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
FRIENDSHIP.
キュレーターの金子厚武とナビゲーターのMISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
New Release Digest Part 1
MISATO:3月20日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全22作品の中から、まずはPart 1をご紹介しました。リリースおめでとうございます!初登場の方がいらっしゃいます。山中タクトさん。
金子:恋する円盤というバンドのサポートギタリストを経て、その発展型のBluemsというバンドでも活動をしていたところから、現在はソロで活動されている方です。録音に参加しているメンバーが僕ら的にはわりとお馴染みというか。
MISATO:そうですね。豪華ですね。
金子:カネコアヤノさんのバンドでギターを弾いている林くんだったり、never young beachやSAMOEDOのドラムの鈴木健人さん、あとBluemsは今名前が変わって「生活の設計」というバンド名になってるんですけど、そこでベースを弾いてる辻本秀太郎さんといった人たちが参加していて、非常に良質な歌モノのポップスを鳴らしています。山中さんはもともと中学生の頃にビートルズの影響でギターや作曲を始めたそうなんですけど、まさにそのテイストが感じられる、エバーグリーンなポップスだなと。
MISATO:いろんな楽器を多用されてたりとか、ご自身の頭の中で広がっていく音楽づくりをされているんだなというのが見えるような、奥行きの深さが感じられる曲ですね。でもやっぱり声の力とか言葉の力とか、彼自身の持つ素材のよさをすごく感じられて、とっても良いです。本当に初登場かなと思うくらい完成されていらっしゃる方だなと感じました。
MISATO:そしてodol、ひさしぶりじゃないですか!
金子:約1年ぶりのリリースです。
MISATO:いつもodolの読み方が、「オドル(→)」なのか、「オドル(↓)」なのか。futuresの「フューチャーズ」か「フューチャース」なのかみたいな、そういう議論が脳内で起こっているんですけど、分かんなくなってどっちも使うんだけど、どうしたらいい?
金子:僕は普段「オドル(→)」なんだよなあ。
MISATO:そうなのかな?
金子:わからないけど(笑)。本人がどっちで言ってたかな?
MISATO:本人はどっちも使っている説があるんですよね(笑)
金子:それは困りますね(笑)。
MISATO:せめて本人がどっちかに統一してくれたらいいですね。
金子:「B'z」の読み方問題みたいなことですけど、B'zの場合はご本人たちの発音はちゃんと統一されているので、odolもそうしてもらいたい(笑)。
MISATO:ちょっと「Room "H"」にノックしに行きますか?
金子:そうですね。新曲についてですが、彼らは定期的に過去曲のリアレンジをやっていて。今回の曲ももともと2018年のリリースなんですけど、今回新たにリアレンジをしていて、アンビエント感のある前半と、後半のシューゲイザー的な轟音と、odolの持つ二面性がわかりやすく出たアレンジになっていると思います。
MISATO:「旅に出てみようか」のセリフが2018年から5年経って、今のその「旅」でどこにいるのか、どこまで来たのかが振り返られる。アレンジすると自分の立っている場所が変わっているんだなというのが感じられる良い機会になりますね。
金子:3月の終わりというタイミングにもぴったりですよね。
MISATO:そうですね!それではPart 1はどの曲を流しましょうか?
金子:the McFaddinをかけようと思います。 EPが完成しまして、約1年ぶりですね。
MISATO:おめでとうございます。
金子:彼ららしいハイブリッドさは健在で、ロックもあれば、ヒップホップもあれば、ダンスミュージックもあればというところがより極まりつつ、今回かける「irk」はギターがザクザクと鳴らされる、非常にロックテイストが強い曲です。個人的にthe McFaddinはライブを見てほしいなという気持ちが強くて、音源もかっこいいんですけど、ライブを見ると彼らが持っている独自のバンド感みたいなものがすごく伝わる気がしていて。今回のEPが出てからツアーがあって、残念ながら福岡はないんですけど、京都と東京がワンマンで、名古屋と大阪は対バンとなります。その対バン相手がNIKO NIKO TAN TANとgatoなんですよね。
MISATO:最高じゃん!
金子:FRIENDSHIP.で固めていただいています(笑)。これはぜひどこかで見てほしいなと。
MISATO:詳しくはオフィシャルウェブサイトをご覧になってください。その前にEPを聴きこんで、予習をしていただければと思います。
MISATO:the McFaddinと出会ったときの衝撃って、ELLEGARDENと出会ったときのあの「出会っちゃった感」みたいなのとちょっと似ているところがあって。特にこの曲の歌とか音はすごい青春感が漂うもので、そこがちょっと自分の中でリンクするところがあるんですけど。伝説的なバンドになっていかれるんじゃないかなと、可能性を感じています。
金子:どんどんステップアップしていってほしいですね。
New Release Digest Part 2
MISATO:新譜ダイジェストPart 2でした。リリースおめでとうございます!Hiroka Cambridgeさんが初登場になりますか?
金子:そうですね。これまでUNERIやbarebareboysとしても活動をしてきた人で、2022年よりソロプロジェクトを開始して、今回のシングルリリースということです。
MISATO:今回客演で参加している山田大介が友人なんですけど、大介の声の成分ってJラップど真ん中みたいなものがあるなと思っていて。マネもしたくなるし、ちょっとしたエモさもあって、すごく相性がいいなと思って聴いていました。トラックを担当しているのはフランスに住んでらっしゃる方なんですね。
金子:そうなんですよね。いわゆるヒップホップというよりも、フュチャーベースとかそういう感じのトラックになっていて、そこに乗るHirokaさんの歌と山田さんのラップという組み合わせが、なかなか他にはないものになっていて面白かったです。
MISATO:やっぱりトラックが違うだけでこんなに印象が変わってくるんだなと。ただBボーイになりきれない大人の歌というのがすごく彼ららしいというか、リリックも良いですよね。
MISATO:そしてQoodow(クードウ)。これも発音に困ってしまうんだけど(笑)。
金子:彼らは関西のバンドで、FRIENDSHIP.からは毎週こういう僕好みなインディーロックバンドが一組はリリースされていて、今週だと彼らだなという感じですごく好きです。資料にはいくつかのバンドの名前が並んでいて、 OGRE YOU ASSHOLE、スーパーカー、Pavementとか、それもすごくわかるなと思いつつ、個人的には君島大空くんをすごく連想させるところがありました。彼はいろんな形態で活動していますけど、合奏形態というバンドでもやっていて、その感じにすごく通じるものがある。今年の頭に君島くんがアルバムを出していて相当良かったんですけど、Qoodowもそこに並べられるような、今の時代を感じさせるバンドだなって。
MISATO:おー!だいぶ推していますね。
金子:とてもよかったですね。
MISATO:不協和音感というか、想像しえない音の重ね方みたいなところに未知を感じるというか。
金子:ローファイ感があるんだけど、いわゆるヘタウマでは終わらずに、アレンジからミックスまでちゃんとこだわっている感じが伝わってきて、すごく良いですね。
Qoodowのインタビュー記事も公開しておりますので、ぜひあわせてチェックしてみてください!/p>
MISATO:ではPart 2からはどの曲をかけますか?
金子:Somewhereをかけようと思います。
MISATO:アルバム『Somewhere In A Dream』のリリースです。 おめでとうございます。
金子:去年の10月から毎月新曲を出してきて、それらも含めた全10曲入りのアルバムが完成しました。プロデューサーに吉田仁さん、あとSISTERJETのWATARU.Sさんも参加していて、彼女なりのオルタナティブなフォークがギュッと詰まった作品になっています。Somewhereというプロジェクト自体が「旅と冒険」をテーマにしていて、今回のアルバムは「私の20代の記憶を音楽という形にした」と言っているんですけど、SNSを覗いたら、彼女がこれまで6年間やってきたラジオ番組を3月で卒業して、来年から音楽制作のために海外に行くそうなんですね。
MISATO:そうなんだ。
金子:20代のうちに日本でやってきたことをひとつカタチにして、またここから新たな旅立ちに向かっていくという、すごく大事な作品になっているという。
MISATO:そっか...。またbonobosを思い出しちゃった。勝手に連想して勝手に泣きそう。
金子:長らくラジオに携わっているMISATOさんからしても、思うところがあるんじゃないかなと。
MISATO:そうですね。きっと自分の音楽とは別のアウトプットの場所だったと思うし、言葉を並べると言っても全く違うじゃないですか?6年間って長い期間で、小学生が卒業するわけですもんね。すごく成長のある期間だったと思うし、いろいろな想いが詰まっている作品になっていると思うので、心してもう1回聴いてみよう。
MISATO:どこの国に行かれるかはSNSに書かれてないみたいですけど、自由気ままにゆっくり自分のペースで歩いているのが音から想像させられるというか。これからの30代の歩み方というのも、なんとなく感じさせてくれる曲になっているなと。
金子:音楽制作のために行くということだから、ぜひ海外で作った作品をまたFRIENDSHIP.からリリースしてほしいですよね。
MISATO:お待ちしています!
Somewhereの今回のアルバムのレビュー記事も公開しておりますので、ぜひあわせてチェックしてみてください!/p>
New Release Digest Part 3
MISATO:新譜ダイジェストPart 3でした。リリースおめでとうございます!厚武さん!触れずにはいられない改名仲間を発見しました!
金子:改名仲間(笑)。
MISATO:私は来週から新しい名前でスタートするんですけど、この作品から新しい名前でどんどん頑張っていくぞという気合いを感じる方がいらっしゃってですね。Auks(オークス)さん!:他人事とは思えない!頑張れ!
金子:もともとAutis(オーティス)という名前で活動していたところから、Auksに改名をしたと。今回のEPはAutis時代から大切にしてきた曲を改めて録音して収録しているそうです。
MISATO:わかる!過去があってこその今だよね。
金子:自分に重ねている(笑)。
MISATO:なくなるわけじゃないのよ!
金子:ちゃんといいところは引き継ぎつつという感じで、すごくいい曲ですよね。
MISATO:本当によかったですね!
金子:ヒップホップとかソウル、R&Bを土台にしつつ、バンドメンバーにはフルートとかパーカッションの担当がいたりするのも面白い。FRIENDSHIP.的にはさっきも名前が挙がったfuturesとかと相性良さそうな感じがします。
MISATO:たしかに!タイトルがすごいキャッチーでセンスがいいなと。「バナナトリップ」とか可愛いですね。そしてsaccharinもちょっとひさしぶりなんですよ。
金子:ひさしぶりですよね。でもすでにsaccharin節みたいなものが確立されているというか。昭和のフォークや歌謡曲に通じる世界観というのはもう「saccharinだな」という感じがしますよね。
MISATO:マイクは指を揃えて持つ感じ、あの昭和歌謡の口上を思い浮かべるというか。She Her Her Hersでドラム叩いている人とは思えないですね。
金子:いい意味でね(笑)。今回の曲は「アンビバレンスな感情」がテーマになっていて、そのテーマを強調するために1曲の中で2つのリズムを並走させているという、そのアイデアも面白いですよね。
MISATO:さすがドラマー!そして、Part 3の中からお送りするのは?
金子:Guiba(ギバ)をかけようと思います。
MISATO:またこういうのばっかりよ、FRIENDSHIP.は(笑)。
金子:ばっかりって(笑)。
MISATO:もう楽しくてしょうがない!
金子:他のバンドでも活動しつつ、別のアウトプットを持つ人たちがたくさんいるということですね。Guibaは僕も初めて名前を聞いたんですけど、South Penguinのボーカルのアカツカくん、Helsinki Lambda ClubやGroup2でギターを弾いている熊谷くん、Part 1にも出てきたodolのベース、シェイク ソフィアン、そしてドラム・礒部拓見からなる4ピースで、去年の夏に結成されていたそうです。
MISATO:セルフライナーノーツがすごく上手い。ユーモアがあるというか、余裕を感じる(笑)。
金子:遊んでいますよね。
MISATO:遊んでますね。割愛してお伝えすると、「セルフレジで意気投合した4人がバンドを結成した」って書いてあるんですけど、「そんななことあるか!」というね。いいですね。
金子:このコメントからも感じられるように、それぞれがやっているバンドは結構クセが強めなんですけど、この曲に関してはすごく丹精なポップスになっていて、「この人たちが集まって、これをやるんだ」という面白さがありました。あと作品についてのコメントで「『乃木坂工事中』というテレビ番組のバレンタイン企画にインスピレーションを受けて制作した楽曲」と書いてあって。僕基本的にアイドルあんまり興味ないんですけど、乃木坂だけ興味あって、この番組のバレンタイン企画も見たことがあって。
MISATO:そうなんだ。
金子:具体的にどうインスピレーションを受けて作ったのか、個人的に聞きたいなと思いました(笑)。
MISATO:あはは。番組を見ている人でも「ああ、あのことか」みたいに納得はできない?
金子:番組で起きたことをそのままモチーフとして使っているわけではないはず。
MISATO:どこからどう広げていったんでしょうね。
金子:個人的に知りたい(笑)。
MISATO:乃木坂ファンの方いらっしゃったら、バレンタイン企画を思い出しながら聴いてみてください。
MISATO:丹精なポップスというお話もありましたけど、リズム隊はしっかり聴きごたえあるし、納得の布陣というか、サウンドだけでも納得な曲になっていますね。
金子:でもやっぱりわずかにクセがあるというか(笑)。裏側から出ちゃってる感じもいいなって。
MISATO:出ちゃってるよね(笑)。漏れ出ている感じもお楽しみください。
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
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FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」FRIENDSHIP.