2023.03.22
音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。 Vol.165は、関西を中心に活動しているQoodowを取り上げる。
レコーディングもミックスも自分たちで行った意欲作である1stEP『水槽から』は、毒も純粋も匂ってくる。初期衝動を封じ込めた、大切な一歩となる作品だ。
藤岡拓未(G):スイトーと名乗る男からのDMです。曲を作っていてギターも弾けるということで、バンドに誘われました。ぼくはぼくで、「良い歌うたう人、急に現れたりしないかなー」と思っていたので、快諾しました。
ナンバーガールの歌詞がすごく好きです。小説でも詩でも換えが効かない、これこそ歌詞だなと思います。言葉にするのが難しいんですが、強烈な瞬間に一気に湧き上がってきて、数秒後には消えてしまう感覚、を音とともに完全に捉えていて歌詞と音楽が一体化しているなと思います。
藤岡:何をどれだけどう書いても大事なところを取りこぼしているような気がしてきたので、考えるのをやめて、感情に決定権を委ねようと思います。
これまでに、聴いて思わず泣いてしまった2曲を選びました。
「交響曲第2番第3楽章」ラフマニノフ。中学生の頃です。吹奏楽部に入っていた影響でクラシックばっかり聴いていました。コントラバスを担当していたので、吹奏楽よりもオーケストラの曲が好きでした。
その日はなぜかよく覚えています。リビングでひとり、椅子に深く座って、どこを見るでもなく、何を考えるでもなく、じーっと聴き入っていました。
「人にやさしく」THE BLUE HEARTS。大学入試の2次試験の一週間前です。生活の全てを受験勉強に捧げていた時期でしたが、「もし失敗したら......」というプレッシャーが限界に達したその日、急にぷつっと糸が切れてしまいました。自分の部屋にスマホを持ち込むというタブーを犯して、YouTubeを見始めました。もうとにかく今までの努力を台無しにしてやろうという気持ちでした。
そこで最初に目に入ったのがこの曲のライブ映像で、再生するや否や、これでもかってほど泣きました。同時に、頭も手も足も思いっきり振り回しながら、なぜか笑ってもいて、まるで狂人でした。正直狂ったと思いましたが、声だけは押し殺していました。親にバレたら恥ずかしいので。
藤岡:3/22にリリースされた1stEP『水槽から』です。
今回収録されている5曲は、全て18歳から20歳までの間に書いたもので、個人的には10代の暮れに感じていたことやこれまで聴いてきた音楽の総括だと思っています。良くも悪くも、こんなにパワフルで無邪気な曲はもう作れないだろうと思います。
一曲選ぶとすれば、「徘徊」です。これを超える曲を作るのが今後の課題です。
藤岡:野外でライブしたいです。
あとギターは一回ぶっ壊してみたいです。
藤岡:ラジオ大好きです。一軍のイヤホンを失くしてしまって、棚の奥に眠っていたLRの区別も書いてない最悪なイヤホンを使っていた半年ほど、「こんな音質で音楽を聴くなんて失礼だろう」と思ってラジオばっかり聴いていました(ラジオは音質関係なく最高なので!)。
多い時は1日に2番組くらい聴いていましたが、今は「霜降り明星のオールナイトニッポン」「オードリーのオールナイトニッポン」、細野晴臣さんがやってる「Daisy Holiday!」と、有料アプリで聴いている「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」の4つに落ち着いています。
だいたいタイムフリー機能で、散歩や家事をしている時に聴いています。
藤岡:最近散歩していると、マスクの着用が不要になったからか、春の気候がそうさせているのか、公園や空き地で精一杯遊んでいる子どもたちをよく見かけるようになりました。2年ほど見ていなかった景色なのでとても感動したのと同時に、そこで成立する子どもだけの国にとても興味が湧きました。
Qoodow『水槽から』
2023年3月22日(水)
試聴はこちら
Qoodow
福田稜大(Vo/G)、藤岡拓未(G)、上河直柔(B)の3人にサポートメンバーpyon(Dr)を加えた4人で、関西を中心に活動している。
@qoodow_
FRIENDSHIP.
レコーディングもミックスも自分たちで行った意欲作である1stEP『水槽から』は、毒も純粋も匂ってくる。初期衝動を封じ込めた、大切な一歩となる作品だ。
活動を始めたきっかけ
福田稜大(G/Vo):漠然とバンドで歌うことに憧れがありました。そんな時に藤岡くんがYouTubeにアップロードしているオリジナル曲を見つけ、衝撃を受けました。一緒に音楽活動をしてみたいと思い、勢いのままに愛を込めたDMを送りました。藤岡拓未(G):スイトーと名乗る男からのDMです。曲を作っていてギターも弾けるということで、バンドに誘われました。ぼくはぼくで、「良い歌うたう人、急に現れたりしないかなー」と思っていたので、快諾しました。
影響を受けたアーティスト
福田:The1975。音楽もかっこいいですが、ステージングやSNSの動かし方など、あらゆる面においての魅せ方がかっこよく憧れます。ナンバーガールの歌詞がすごく好きです。小説でも詩でも換えが効かない、これこそ歌詞だなと思います。言葉にするのが難しいんですが、強烈な瞬間に一気に湧き上がってきて、数秒後には消えてしまう感覚、を音とともに完全に捉えていて歌詞と音楽が一体化しているなと思います。
藤岡:何をどれだけどう書いても大事なところを取りこぼしているような気がしてきたので、考えるのをやめて、感情に決定権を委ねようと思います。
これまでに、聴いて思わず泣いてしまった2曲を選びました。
「交響曲第2番第3楽章」ラフマニノフ。中学生の頃です。吹奏楽部に入っていた影響でクラシックばっかり聴いていました。コントラバスを担当していたので、吹奏楽よりもオーケストラの曲が好きでした。
その日はなぜかよく覚えています。リビングでひとり、椅子に深く座って、どこを見るでもなく、何を考えるでもなく、じーっと聴き入っていました。
「人にやさしく」THE BLUE HEARTS。大学入試の2次試験の一週間前です。生活の全てを受験勉強に捧げていた時期でしたが、「もし失敗したら......」というプレッシャーが限界に達したその日、急にぷつっと糸が切れてしまいました。自分の部屋にスマホを持ち込むというタブーを犯して、YouTubeを見始めました。もうとにかく今までの努力を台無しにしてやろうという気持ちでした。
そこで最初に目に入ったのがこの曲のライブ映像で、再生するや否や、これでもかってほど泣きました。同時に、頭も手も足も思いっきり振り回しながら、なぜか笑ってもいて、まるで狂人でした。正直狂ったと思いましたが、声だけは押し殺していました。親にバレたら恥ずかしいので。
注目してほしい、自分の関わった作品
福田:今回のEPから選ぶと、一曲目の水槽はボーカル録りに苦心したので聴いていただきたいなと思います。ピッチもですが、それ以上にニュアンスを大事に歌いました。何度も何度も録り直しするのが悔しくて、ライターとかお菓子とかを握りしめながら歌ってました(笑)。藤岡:3/22にリリースされた1stEP『水槽から』です。
今回収録されている5曲は、全て18歳から20歳までの間に書いたもので、個人的には10代の暮れに感じていたことやこれまで聴いてきた音楽の総括だと思っています。良くも悪くも、こんなにパワフルで無邪気な曲はもう作れないだろうと思います。
一曲選ぶとすれば、「徘徊」です。これを超える曲を作るのが今後の課題です。
今後挑戦してみたいこと
福田:音数の少ない楽曲に挑戦してみたいです。ミニマルだけど、絶妙なバランスで成り立ってる曲はかっこいいなと思います。あと、海外のフェスに出てみたいです。藤岡:野外でライブしたいです。
あとギターは一回ぶっ壊してみたいです。
カルチャーについて
触れてきたカルチャー
福田:本を読みます。もともと本を読むことは苦手だったんですが、とりあえず一冊読みきったらハマってしまって。普段歩いてる時間に見える景色が読んだことのある本の情景とリンクする瞬間が好きです。最近読んで良かったのはサリンジャーの『フラニーとズーイ』です。藤岡:ラジオ大好きです。一軍のイヤホンを失くしてしまって、棚の奥に眠っていたLRの区別も書いてない最悪なイヤホンを使っていた半年ほど、「こんな音質で音楽を聴くなんて失礼だろう」と思ってラジオばっかり聴いていました(ラジオは音質関係なく最高なので!)。
多い時は1日に2番組くらい聴いていましたが、今は「霜降り明星のオールナイトニッポン」「オードリーのオールナイトニッポン」、細野晴臣さんがやってる「Daisy Holiday!」と、有料アプリで聴いている「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」の4つに落ち着いています。
だいたいタイムフリー機能で、散歩や家事をしている時に聴いています。
今注目しているカルチャー
福田:カルチャーなのかわかりませんが、建築には興味があります。無駄が多い建物が好きです、登ったと思ったらそのまま下に降る階段がある建物とかが実際にあって、どういうわけか惹かれてしまいます。電車に乗っているとやたらと空きビルが目に入るので、そういった建物をどうやったら魅力的に改築できるかなとか勝手に想像してます。藤岡:最近散歩していると、マスクの着用が不要になったからか、春の気候がそうさせているのか、公園や空き地で精一杯遊んでいる子どもたちをよく見かけるようになりました。2年ほど見ていなかった景色なのでとても感動したのと同時に、そこで成立する子どもだけの国にとても興味が湧きました。
RELEASE INFORMATION
Qoodow『水槽から』
2023年3月22日(水)
試聴はこちら
PROFILE
Qoodow
福田稜大(Vo/G)、藤岡拓未(G)、上河直柔(B)の3人にサポートメンバーpyon(Dr)を加えた4人で、関西を中心に活動している。
LINK
@Qoodow_@qoodow_
FRIENDSHIP.