SENSA

2023.03.05

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Dewy・Halle・APOGEEほか全25作品 -2023.03.04-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Dewy・Halle・APOGEEほか全25作品 -2023.03.04-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とナビゲーターのMISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


MISATO:2月27日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全25作品の中から、まずはPart 1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!初登場の方がNishikawa Yasunariさん。

金子:作詞・作曲、アレンジ、楽器演奏、プログラミングまでを全て一人で手がける音楽家。なおかつ現代音楽とポップスを掛け合わせて新しい音楽を作り出すという。実際に曲も面白いですよね。拍子は5拍子を基調にしつつ、ミニマルミュージックっぽい感じもありながら、どんどん和声が変わっていく。そこに乗るのは歌ともラップともポエトリーともつかない感じなんだけど、でもあくまでポップスという、そのバランスが独特だなあと。

MISATO:途中にトイピアノみたいな音が入ったり、何にもカテゴライズされない曲を狙って作っているんだなというのがすごく伝わってくる楽曲でした。ご自身のセルフライナーノーツもすごく理解ができるというか。ご自身の中での狙いがちゃんと形になっている曲だなって思います。



MISATO:そして、こちらもはじめましてとなるATEMEL(アテメル)

金子:元・DATSの伊原卓哉さんと妹尾優吾さんによるユニットです。音楽性はDATSにも通じる部分があって、バンドサウンドとエレクトロニックな感じをあわせ持っているというのは似ているところですね。でも伊原さんは音楽的なルーツとしてエモが大きいらしく、自分たちの音楽を「デジタルエモーショナルロック」と呼んでいて、このよりエモーショナルな感じがATEMELらしさかなと感じました。

MISATO:そうですね。Fake Creatorsと一緒にイベントやってほしい!



金子:僕は2人組というところも含めて、BOOM BOOM SATELLITESを思い出しました。アルバムのジャケットを見たら、目をモチーフにしたジャケットになっていて、BOOM BOOM SATELLITEにも『FULL OF ELEVATING PLEASURES』という目をモチーフにしたジャケットのアルバムがあるんですよね。もしかしたら、オマージュをしているのかなと思ったりもしました。



MISATO:ルーツとして通っているかもしれないですね。さあ、Part 1からはどの曲を長めにかけましょうか?

金子Dewy(デューイ)をかけようと思います。

MISATO:Dewyも良かったです。

金子:良かったですよね。Dewyも今回が初めてのアルバムです。

MISATO:おめでとうございます。

金子:さっきのATEMELのエモとかもそうなんですけど、リバイバルのタームが今は90年代から2000年代になってきてて、ダンスミュージックでも2ステップやUKガラージが戻ってきてたり、ロックだとそれこそエモとかポップパンクが戻ってきてるみたいなことが起こっていて。Dewyは2000年代のR&Bがルーツになっていて、シンガーのerieさんはBritney SpearsやChristina Aguileraとかをルーツにあげているんですね。

MISATO:聴いてた!わかる〜。

金子:それをちゃんと今に更新して鳴らしてる感じって、「2023年にジャストかも」という感じがして。

MISATO:いまファッションも"Y2K"みたいなリバイバルがきていて。流行りは回るとわかっていたつもりだけど、本当に起こるんだなというのを実感します(笑)。

金子:年を重ねると実感しますよね(笑)。

MISATO:そうそう!少し寂しいですけどね(笑)。

金子:Dewyは2000年代をそのままやるんじゃなくて、音数が少なくて空間がある感じは今っぽいなと思うし、そのあたりのバランスがかっこいいなと思いました。



MISATO:「コロナ禍でSNS、特にInstagramの勢いが増して、完璧なものを投稿しなくちゃいけないという焦りを感じてた」というのが曲の説明にあったんですけど、すごい共感ができるところがあって。コロナ禍に入って、私のInstagramのフォロワー数が3〜400人ぐらい減っちゃったんですよ。

金子:そうなんですね。

MISATO:何を投稿していいのか分かんなくなっちゃって、投稿する度にまたフォロワー数もちょっと減ったりするし、一時期どうやってSNSと付き合って行こうかと思っていたんですけど、今はそれがまわり回って、投稿してフォロワーが減ってもいいから、自分が好きなもの投稿しようと思えるようになったんです。そのタイミングで同じことをおっしゃって、作品として作ってくれる人がいるんだと思うと、「私だけじゃなかったんだな」と思って。この曲に出会えて本当に一番救われたかもしれないです。小声で「私は最高」というささやきリリックも入ってるんだけど、それが聴こえてくるだけで、「そうだった!私最高だった!」って自己肯定感がちょっと上がりました。


New Release Digest Part 2


MISATO:新譜ダイジェストPart 2でした。リリースおめでとうございます!VivaOlaくんがかっこいいです!

金子:いつもとまた違った雰囲気ですよね。今回の曲はこれまでも一緒に制作しているKRICK(ケーリック)と新しいアルバムに向けて曲作りをしている中で、一回ボツになった曲を、その後もう少し遊び続けて、自分たちでも形にしつつ、さらにそこに仲間たちを呼んでリミックスをしてもらったという。カジュアルに遊びながら作った感じがまたいいですね。

MISATO:声ネタのリフレインとか、メロディーラインの軽やかさとブレイクの入り方とか、ハウスの好きなところがギュッと詰め込まれていて、とても気持ちが良い曲ですね。

金子:いつものR&B色というよりも、ダンスミュージック色が強くなっているのはさっき言ったような制作方法だったからこそなんでしょうね。



MISATO:そして、1曲目にお送りしたSADFRANKがアルバムですね。本当に素晴らしい。この世に作ってくれてありがとうと言いたいです。

金子:僕的にも今週イチオシのリリースではあるんですけど、1曲1曲が長めで、じっくり聴いてほしい作品だなというのもあって、ここでは短めの紹介にさせてもらおうかなと。NOT WONKのときとは違うソロだからこそ、たくさんのミュージシャンが参加していて、いろいろな音楽性が詰まった作品になっています。くるりの岸田さんがストリングスアレンジで関わっていたりとか、ゲストも非常に豪華なんですけど、今日紹介している「肌色」はアルバムの1曲目で、歌の素晴らしさが前面に出ているピアノの弾き語りで。本当にいろんな音楽的要素が入っているので、ぜひじっくりと聴いていただきたいです。



MISATO:加藤修平という音楽家の今と奥行きを見させてもらえたアルバムだなという印象があったので、ぜひアルバムを通して聴いてみてください。ではPart2でお送りするのはどの曲でしょう?

金子:はじめましてのHalle(ハル)をかけようかなと思います。

MISATO:Halleさん、はじめましてですね。

金子:若手なんですけど、「これは期待だな」ということで紹介しようと思います。もともとBroken Kangarooという名義で活動していて、15歳のときにオリジナルの曲をYouTube に投稿。17歳でリリースした「水平線」という曲がSpotifyのバイラルチャートで1位。そこから今のHalleという名義に変わったんですけど、去年はワールドカップで盛り上がったLiSAさんの「一斉ノ喝采」の作曲を担当していて。

MISATO:ちょっとちょっと!こんな才能、どこから見つけてきたんですか?

金子:すごいですよね。19歳で大抜擢。

MISATO:聴いていても圧倒的なポップスのセンスがピカイチなんだなというのは感じました。

金子:そうなんですよね。しかも、作詞・作曲、編曲、さらに映像制作までやっちゃうという。「水平線」とか「一斉ノ喝采」はわりとロック寄りな曲だったんですけど、今回の「Kid」に関してはラップが入っていて、ヒップホップ色も強くなっています。歌声は元ぼくのりりっくのぼうよみの"たなか"くんみたいな、ちょっとグラマラスな感じもあるというか、セクシーな感じもあって。トラックもすごくかっこいいし、「まさに今の時代の新しい才能がまた出てきたな」って感じがして、これは注目だと思います。

MISATO:これは覚えておかないといけないですね。



MISATO:「一斉ノ喝采」のような大きな楽曲を提供するとなると、作曲家とか作詞家としての道に進んで行かれる方も多いじゃないですか?でもまだまだ10代というところで、彼がどんな挑戦をしていくのか見守りたいですね。

金子:楽しみですね。

MISATO:新たな物語の始まりの曲だと思いますので、ぜひチェックしてみてください。


New Release Digest Part 3


MISATO:新譜ダイジェストPart 3でした。リリースおめでとうございます!はじめましてさんがいらっしゃいます。SYCLES(サイクルズ)

金子:はじめましてではあるけれど、ユニットの片割れはWOZNIAKのHoshiくんで、こちらはすでにFRIENDSHIP.から作品をリリースしています。そのHoshiくんがBROKEN HAZEというプロデューサー/DJ と一緒にエレクトロニックミュージックユニットを新たに立ち上げました。BROKEN HAZEは80KIDZとかと近い世代のエレクトロ寄りなアーティストだと思うんですけど、だからこそと言うか、ソリッドなんだけど、ちゃんとメロディアスな要素もありつつ、ロック要素もあって、WOZNIAKとの相性の良さは「わかるな」という感じがしました。



MISATO:ループすることでダンスミュージックとしての没入感がすごいんですけど、音像がわりと軽めなので聴き流せる要素もあって、シーンを選ばないなと思いました。そして、Eupholksもとてもよかったです。

金子:去年の3月にリリースしたコンセプトアルバム『hua』の続編です。曲のタイトルが「hua」と数字の組み合わせで、前作が「1」から「6」だったんですけど、今回は「7」から「10」が入っています。Eupholksはこの番組のピンチヒッターをやってくれたサトーカンナさんが、前作のリリースライブにサポートとして出演していて。

MISATO:そうなんだ!

金子:だから、この番組でも「Eupholksはリスペクトしています」ということを言っていました。

MISATO:そうなんですね。資料には「かわりつづける、かえつづける」がテーマと書いてありますね。

金子:「hua」は中国語で、漢字で言うと"変化"の"化"という字で、変わり続ける様を音楽で表しているという。

MISATO:音の使い方も面白かったです。

金子:エキゾチックな感じというか。

MISATO:オリエンタルみたいな。

金子:そうそう。ちょっと国籍がわからないような、その感じが僕もすごく好きですね。

MISATO:万里の長城を上から俯瞰しているような映像にもピッタリだと思いました。

金子:雄大な感じがしますよね。



「FRIENDSHIP.アワード」の時のサトーカンナの紹介記事はこちらになります。あわせてぜひチェックしてみてください!



MISATO:想像力を掻き立てられるEPになっています。そんなPart 3からはどなたの曲をかけましょう?

金子APOGEEをかけようと思います。

MISATO:厚武さん、お好きですよね!

金子:はい、5年ぶりのアルバム『Sea Gazer』がリリースされました。APOGEEは結成が2003年なので、間に休止期間もありつつ、今年で20周年なんですよね。

MISATO:そっか!おめでとうございます。

金子:2019年3月にオリジナルのメンバーだったベーシストが脱退して、3人編成になってからは初めてのアルバム。なんと今回は全曲レコーディングスタジオで一発録りという。

MISATO:やることが若いなあ~(笑)。すごい!でもキャリアに裏付けされたテクニック・経験があるからこそのメンタルもあって、だからこそできる一発録りかなとも思います。

金子:3人になって初めての作品だからこそのフレッシュさはあると思います。「遠雷」はアルバムの1曲目に入っている曲なので、まさにそのフレッシュさ、バンド感が全面に出つつ、でも後半になるとベースのブレイクが入って、そこからシンセのシーケンスがどんどん重なってきて、ポストプロダクションも加わってるのかな?長いキャリアを感じさせる、さすがの音響的な部分ももちろんあって、かっこいい曲でしたね。

MISATO:ライブ感もちゃんと味わわせてくれるけど、ある程度の緊張感も伝わってくる、素晴らしい作品になっております。



MISATO:こういう大先輩がいると、後輩たちは音楽を止められなくなっちゃいますよね。

金子:続けているとどんどん新しい景色が見えてくるんだなというのを感じさせてくれますよね。

MISATO:そこに到達したいなと感じさせてくれる大先輩ですね。


RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
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FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。

放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)

番組MC
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金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3

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MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

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Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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