SENSA

2022.12.08

【読むラジオ】MC:森山公稀(odol) YMO特集!1983年の散開後を中心に解説!「Room H」-2022.12.07-

【読むラジオ】MC:森山公稀(odol) YMO特集!1983年の散開後を中心に解説!「Room H」-2022.12.07-

FM福岡で毎週水曜日 26:00~26:55にオンエアしている音楽番組「Room "H"」。九州にゆかりのある3組のバンド、ユアネスの黒川侑司、松本 大、odolの森山公稀が週替わりでMCを務め、彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。
今週のMCは、odolの森山公稀が担当。SENSAでは、オンエア内容を一部レポート!
(聴き逃した方やもう一度聴きたい方は、radiko タイムフリーをご利用下さい。)

(森山)近況をということで、最近は12月18日に大阪でYAJICO GIRLのイベントにodolをお誘いいただいているのでその準備だったり、先週発表されたこの番組「Room "H"」初のイベントが行われるということで、そのイベントの準備だったりをしております。どちらもとても楽しみにしています。大阪と東京にはなってしまうのですけれど、ご都合がよろしかったらぜひお越しください。  

YAJICO GIRLの四方颯人とodolのミゾベリョウの両者の対談が公開されていますので、あわせてぜひチェックしてください!



この番組発のイベントの開催決定!番組MCの3人が集まる貴重なライブとなります。詳細は下記からチェック!




YMO特集:「散開後のYMO」について

今回はYMO特集をお送りしていきたいなと思います。ついに来ました。意外とこれまで特集という感じでがっつりとはやってきていなかったですね。2022年ももう終わりますので、締めくくりとして改めてYMO特集をやらせていただこうかなと。
ただYMO特集といっても、やっぱり全部を語り尽くすというのはなかなか難しいですので、どういう切り口にしようかなと考えていたんですけれど。
今回は「散開後のYMO」に絞ってやっていこうかなと思います!そして裏テーマ的には、これまでYMOをほとんど聴いていなかった方にも何か1曲でも引っかかってもらえたらいいなという感じで、なるべくたくさん音楽を流しながらやっていきますね。
YMOのお三方は本当に音楽的、文化的な興味が幅広く、時期によってどんどん作る音楽も変化していきますので、いろんな時期に分けて作品を紹介して、みなさんもどこかにピンとくるというようなことがあればいいなと思っております。
基本はYMOの3人としての音楽を軸にしますが、お三方のソロにも触れつつご紹介していきますね。
ということで前置きはこんなところにしまして、本題に入る前にひとつ音楽を聴いいただこうかなと思います。せっかくなので、こういったコーナーの合間にもYMO周りの音楽をオンエアしたいなと思ってこの曲を選びました。METAFIVEの「Luv U Tokio」。




散開後のYMOの流れについて
まずはYMOのざっくりとしたご紹介を、散開後の流れを中心にお話ししていきます。
イエロー・マジック・オーケストラ、通称YMOは1978年に細野晴臣さん、坂本龍一さん、そして高橋幸宏さんの3名で結成されて、5年後の1983年に散開、つまり解散をしました。5年間しか活動はしてなかったんですね。その散開後は3人で一緒にやったり、やらなかったりを、ざっくりと10年おきぐらいのスパンで繰り返しています。1983年に散開して、最初10年間は3人でやるということはなかったのですが、10年後の1993年にYMOの"再生"という形で『テクノドン』というアルバムを出します。
この『テクノドン』というのはYMOの再結成を待ち望まれていた中でのアルバムでした。でも、そうですよね。5年間で大きなバンドになってすぐに解散しちゃって、10年間音沙汰なしだったので、「再生」と聞いたときの周りからの期待感やプレッシャーというか、そういうのも強かったんじゃないかなと想像できますね。メンバー的には「これでようやく本当にYMOを終わらせたんだ」みたいなところで、アルバムとしてはその1枚だけを出して"再生"は終わります。

そこからまた10年ぐらい経って、2000年代前半にだんだんと3人の距離が近づき始めます。その大きなきっかけのひとつとなったのは細野さんと幸宏さんが2人で始めたスケッチ・ショウというユニットがあって、このユニットに教授(坂本龍一)が参加したりとか。逆に教授のお仕事にスケッチ・ショウとしてお二人が参加したりということが頻繁に始まりまして、そこからまた集まり始めるんですね。それが2000年代で、それ以降は普通にお互いのイベントや番組に参加したり、ある意味元YMOのメンバー同士というより、友人同士みたいな関係性とも言えそうですね。

散開後のYMOのメンバーそれぞれについて:細野晴臣
そんな流れで集まったり、集まらなかったりというのを繰り返しているお三方ですので、まず本日の前半は散開の時期、1983年前後の話からやっていきたいなと思います。1983年はもうYMO解散目前の時期なんですけれども、YMO自体はとんでもなく大きなものになっちゃってて、メンバーそれぞれに抱えるフラストレーションとか、ストレスとかで大変だった時期なのかなとは思うんですけれども、それでもこの時期も変わらずすごくいい音楽がたくさん生まれてるんですよね。この時期はまだYMOをやってますので、本日のテーマが「散開後のYMO」ということで、散開後に繋がる、この時期のソロ作品をご紹介していきたいと思います。

YMOが終わるとなったその頃、お三方はそれぞれどんな音楽を作っていたのか、聴いていきたいなと思います。あとでご紹介もしますけど、皆さんご存知の『戦場のメリークリスマス』もこの時期なんですよね。ということで音楽を流して行きたいのですが、この80年代セクション1曲目には細野晴臣さんの「スポーツマン」という曲を選んでみました。これは『フィルハーモニー』という1982年のリリースのアルバムに収録されてるので、実際は散開よりは前のアルバムにはなるんですけれども、この時期ってもう細野さんの中でというか、メンバーの中で、だいたい「YMOを終わらせるだろうな」というのが見えていた時期かと思いますので、ここから始めていきたいなと思います。



かっこいいですね。このシンプルさの中の音の洗練されたかっこよさ、細野さんの音楽はやっぱり本当に素晴らしいですよね。これが1982年、散開の前年です。YMOらしさもまだ残しつつみたいなところもあるんですけど。細野さんってYMO期間中というのはソロを作ってなかった中で、この『フィルハーモニー』で解禁したので、やはり次に意識が向いていた時期なのかもしれないですね。

散開後のYMOのメンバーそれぞれについて:坂本龍一
そんな中で、その翌年についに教授の『戦場のメリークリスマス』が出るんですね。83年になって、教授も出演された『戦場のメリークリスマス』という映画のそのサウンドトラックですけれども、まあ誰もが知っているんじゃないかなと思います。
ということでこちらもせっかくなので音楽をお送りしていきたいんですけれども、この『戦場のメリークリスマス』はいくつもバージョンがあるのですが、さらに世界中のアーティストがカバーをしているので、それを含めると何百バージョンもありそうですね。オリジナルバージョンも本当にすごくいいんですけれども、今回の特集の目的に普段聴かない人向けに届けたいというのもあるので、フラットに聴いていただくために、この83年のバージョンではなくて、2012年にリリースされた僕も大好きなバージョンがありますので、そのバージョン聴いていただきたいなと思います。ピアノとバイオリンとチェロのトリオです。



この曲はいつ聴いてもいいですよね。このバージョンも良くないですか?ピアノとバイオリン、チェロのトリオでのカバーアルバム『THREE』に収録されているバージョンなんだけど、テンポは割とゆったりしてて、でも激しさもあっていいですね。このピアノとバイオリン、チェロの編成でのカバーアルバムというのは他にも『1996』というアルバムがありまして、これにも『戦メリ』は収録されていて、これもまた違った演奏で素晴らしいのでぜひ気になった方は聴き比べてみたりしてください。

散開後のYMOのメンバーそれぞれについて:高橋幸宏
ということで本日は散開後のYMO特集の前半、80年代編をお送りしているのですが、細野、坂本ときて続いては高橋幸宏さんの曲をご紹介したいなと思っているところなんですが、先ほど『戦メリ』を紹介しましたよね。その流れでぜひご紹介したい作品があるんですね。『四月の魚』のサウンドトラックです。
『四月の魚』という映画をご存知でしょうか?教授は1983年の『戦メリ』に出演もして音楽も作ったのですけれども、高橋幸宏さんも同じように映画の主演と音楽を担当しているんですよね。この『四月の魚』という映画なんですけど、配給の関係で、サントラが先に1985年にリリースされて、映画はその翌年に公開されたみたいです。幸宏さんにとって初のサウンドトラックでもあるんですね。ここに収録されている「マリのテーマ」という曲があって、これサントラなんですけど、個人的にすごく好きなんですよね。今年の初めあたりにリイシューが出たんですけれども、その時にすぐに僕の読書用プレイリストみたいなやつに追加されたんですけど(笑)。この独特のムードがすごく好きなんですよね。



すごく良くないですか?僕はこの映画自体を実はまだ観たことがなくて、だからこそ映像のイメージが付いてなくていいのかもしれないんですけど。幸宏さん主演でしかも噂によると幸宏さんに当て書きした作品みたいな、キャラがそのまま幸宏さんみたいな映画らしくて、観てみたい気もしつつという感じなのですが、もし観たことある方がいたら感想を教えてください。
こちらが1985年リリースのサントラなので、YMOの散開から2年経ったところですね。

という感じで散開の前後というのは、YMOとしてもそのタイミングで作品を出してはいるんですけれども、お三方ともすごくたくさんの作品を出されていたんですよね。ということで1983年前後の作品を3曲お送りしたのですが、最後にこの時期の作品でもう一つだけご紹介しておきたいものがあるので、オンエアさせてください。
細野晴臣さんの『S-F-X』というアルバムです。このアルバム本当に大好きなんですよね。CDを開けずに持ってるんですけど、開けてるのも持ってるんですけど(笑)。そのくらいこのアルバムが好きで、『S-F-X』というのは一応6曲なので、アルバムという感じじゃないかもしれないですけど、すごくかっこよくて、YMO時代とはガラッとイメージを変えてというか、また細野さんが新しいことをしようというのがすごく分かる音楽になっております。
まずはお聴きください、細野晴臣さんの「BODY SNATCHERS」。



かっこいいですね。なかなか尖ってますよね。当時にしてみたら先鋭的なサウンドというか。今だと皆さんの耳も慣れてて「こういうサウンドもあるよね」と思うところもあるかもしれないけども、当時にしてみたらすごく最先端なサウンドですね。でもやっぱりそれをポップに表現するという、細野さん、本当にありがとうございますという感じなんです。これがYMOの散開後の翌年なので、最初に聴いた細野さんの「スポーツマン」の2年後ですね。でもこの変わり方というか、どんどん新しいものを生み出していく感じは、すごいですよね。


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Photo by Shaikh Sofian



12月7日(水) オンエア楽曲
odol「三月」
METAFIVE「Luv U Tokio」
細野晴臣「スポーツマン (2019 Remastering)」
坂本龍一「Merry Christmas Mr. Lawrence (THREE Ver.)」
高橋幸宏「マリのテーマ」
細野晴臣「BODY SNATCHERS」
YELLOW MAGIC ORCHESTRA「BE A SUPERMAN」

番組へのメッセージをお待ちしています。
Twitter #fmfukuoka #RoomH をつけてツイートしてください。MC3人ともマメにメッセージをチェックしています。レポート記事の感想やリクエストなどもありましたら、#SENSA もつけてツイートしてください!


RADIO INFORMATION

FM 福岡「Room "H"」
毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"203号室(毎週水曜日の26:00~26:55)"では、音楽番組「Room "H"」をオンエア。九州にゆかりのある3組のバンド、ユアネスの黒川侑司、松本大、odolの森山公稀が週替わりでMCを務め、本音で(Honestly)、真心を込めて(Hearty)、気楽に(Homey) 音楽愛を語る。彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。

放送時間:毎週水曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC
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黒川侑司(ユアネス Vo.&Gt.)
福岡で結成された4人組ロックバンド。感情の揺れが溢れ出し琴線に触れる声と表現力を併せ持つヴォーカルに、変拍子を織り交ぜる複雑なバンドアンサンブルとドラマティックなアレンジで、
詞世界を含め一つの物語を織りなすような楽曲を展開。
重厚な音の渦の中でもしっかり歌を聴かせることのできるLIVEパフォーマンスは、エモーショナルで稀有な存在感を放っている。2021年12月1日に初のフルアルバム「6 case」をリリース。2022年6月1日にソロ第1弾シングル「この星からの脱出」をリリース。
オフィシャルサイト @yourness_on @yourness_kuro

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松本大
長崎県出身。2021年までLAMP IN TERRENのフロントマンとしてバンド活動し、現在次の活動に向けて準備中。
@pgt79 @n.trueve

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森山公稀(odol Piano&Synth.)
福岡出身のミゾベリョウ(Vo.)、森山公稀(Pf./Syn.)を中心に2014年東京にて結成した3人組。ジャンルを意識せず、自由にアレンジされる楽曲には独自の先進性とポピュラリティが混在し、新しい楽曲をリリースする度にodolらしさを更新している。
2022年3月16日に「三月」を配信リリース。
オフィシャルサイト @odol_jpn @KokiMoriyama


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FM福岡「Room "H"」

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