SENSA

2022.09.12

YONA YONA WEEKENDERS磯野くんの〈ラーメンから歌が聴こえる〉season2

YONA YONA WEEKENDERS磯野くんの〈ラーメンから歌が聴こえる〉season2

〈ツマミになるグッドミュージック〉を奏でるバンド、YONA YONA WEEKENDERSのVo.磯野くん。自他共に認める大好物の"ラーメン"を音楽に例える連載企画「ラーメンから歌が聴こえる」が4月にMikikiで1度最終回を迎え、新たにSENSAで2ndシーズンがスタート!引き続き、各地のラーメンから聴こえてくる歌と共に紹介していく!

数年前、新婚旅行で初めてハワイを訪れた。出発するまで、ハワイは芸能人と海好きで"映え"好きな陽キャが行く場所であり、しがないインドアなサラリーマンの僕には縁が無いと思っていた。
そもそも、僕は海が好きではない。日焼けするし、海水はベトベトするし、あんな人混みの中でラーメン太りした体を晒しながら泳ぐなんて、とんだ罰ゲームだ。
とは言え、奥さんの強い希望もあって気の進まないまま荷造りをしたことを覚えている。

しかし、不覚にも僕はたった一週間ほどの滞在ですっかりハワイの虜になってしまった。カラッと晴れた空にリゾート感満載のオシャレな街並み、雄大な自然。何より海が嘘みたいに透き通っていて美しく、僕は毎日ビーチへ繰り出し、イルカウォッチングのツアーにも参加。海嫌い&出不精が嘘のように超絶アクティブに過ごした。
ここでは書ききれない程にたくさんの魅力、そして"映え"が溢れるハワイ。そりゃ毎年行きたくなるっすわ。

今年はコロナ禍以降はじめての行動制限の無い夏だが、残念ながら僕にはハワイに行く金も時間もない。
ならば・・・と向かったのは、渋谷駅からファイヤー通りを原宿方面へ数分行ったところにあるラーメン屋"吉法師"。
おいおい、ハワイとラーメンの何が関係あるんだよ!とツッコまれそうだが、実はここのラーメン、まるでハワイの海のごとく"青く"て"映える"と言うのだ。

S__62373920.jpgS__62373916.jpg
美容室の様な佇まいの外観に目を奪われつつ、入口にあるタッチパネル方式の食券機で噂の鶏清湯 青(1000円)と替玉(100円)の食券を購入。

S__62373894.jpgS__62373914.jpg
そしてもはや当たり前化してきた、ラーメンを待つまでのルービーも忘れずに。
店内を見渡すと至る所に"初音ミク"のフィギュアが飾ってあるが、これはラーメンの青と関係あるのだろうか。そんなことを考えているうちに、ラーメンが着丼した。

093B6974-D0D0-4E47-894A-DC91BB1B809A.jpg
なるほど、青い。想像していた以上に青い。というか、真っ青だ。ブルーハワイ色のスープの中に青く染まった麺、トッピングは白髪ネギ、カイワレ、そして鶏チャーシューに味玉が乗る。

S__62373904.jpgS__62373903.jpg
お世辞にも食欲をそそるとは言い難いビジュアルだが(小声)、吉法師のインスタプロフィールに書かれた「美味しさ以上のなにかを提供します」の真相を確かめるべく、恐る恐るスープを一口啜ると・・・美味い!
鶏ガラベースの塩スープは、鶏の旨味が凝縮されていながらスッキリとしていて、無限に飲めそうな美味さだ。

S__62373910.jpg
澄んだスープの秘密は"掃湯(さおたん)"という技法らしい。高火力で長時間炊き上げて作った鶏白湯に鶏ひき肉を加えて煮込むことで、旨みを抽出するとともに、灰汁をひき肉に吸わせ白湯を清湯化させるというものだ。なるほど、相当に手が込んでいる。

S__62373901.jpg
そこに合わさるのは少しウェーブしたパツパツ食感の中細麺。これまたスープに良く合う。インパクト抜群なスープに視覚を惑わされがちだが、しっとりと柔らかな鶏チャーシュー、絶妙な半熟加減の味玉もハイレベルで、僕の味覚は確かな満足感を得ていた。

S__62373898.jpg
スープを飲みすぎないうちに替え玉を注文。出てきた替玉はやはり普通の色。スープに投入するとあっと言う間に青く染まった。視覚と味覚がちぐはぐなままではあったが、あっという間に完食。こんな感覚は初めてだ。「美味しさ以上のなにか」、言語化するのは難しいが、コレなんじゃないか。

S__62373907.jpg
ちなみに同行したスタッフが注文した鶏清湯 岩下の新生姜(1000円)は鮮やかなピンク色。僕の晩酌のレギュラーおつまみ、岩下の新生姜の風味が良いアクセントになっていてこちらも激ウマだった。

青く澄んだスープに、確かに凝縮された鶏の旨味。そんな吉法師の一杯から聴こえてくるのは、1996年にリリースされたスピッツの通算7作目のアルバム「インディゴ地平線」だ。



軽快でユーモラスな1曲目"花泥棒"から始まるこの作品は、青い空の様に爽やかでポップな"初恋クレイジー"、アルバムタイトルを冠したスローなロックナンバー"インディゴ地平線"、そして"渚"へと続く。
初期スピッツのローファイでパンクな部分も感じさせながら、最後を締めくくるのはスピッツの代表曲の一つである"チェリー"。

草野マサムネ氏が「裸足で地面に立ち、真っ直ぐ地平線を見つめるイメージ」と表現する様に、これまでのファンタジックな世界観から、リアリスティックな視点で描かれた楽曲に、透き通る様な草野氏の歌声が相まって「至高のポップス以上のなにか」を感じさせる大名盤となっている。

S__62373890.jpg
さて、薄々勘づいてはいたが、青いラーメンで僕のハワイ欲が満たされることは無かった。
しかしながら、吉法師のラーメンで感じた「美味しさ以上のなにか」は、とても印象深いものになった。今度奥さんを連れてこようっと。
皆さんにも是非体感してもらいたい"映える"一杯だ。

PROFILE

yyw_A_1400.jpg
YONA YONA WEEKENDERS
"ツマミになるグッドミュージック" を奏でるメロコア・パンク出身の4人組バンド。
Vo. 磯野くんの表現力豊かな歌声と骨のあるバンドサウンド、長きにわたってアンダーグラウンドなシーンの最前線で活躍した彼らが作りだすステージは必見。
メジャーデビュー1周年となる2022年4月7日に1st Album「YONA YONA
WEEKENDERS」LP盤、配信シングルとしてbonobosのフロントマン・蔡忠浩とfeatした「夜行性 feat.蔡忠浩(bonobos)」をリリース。同月にbonobosを迎えたツーマンイベントを大盛況で終え、5月には配信シングル「1989's」をリリース。そして、6月には初となる恵比寿・LIQUIDROOMでのワンマンライブを開催した。


RELEASE INFORMATION

yyw_jk_1200.jpg
YONA YONA WEEKENDERS「嗜好性」

Track:
1.考え中 
2.1989's
3.Ice Cream Lover
4.夜行性 feat. 蔡忠浩(bonobos)
5.月曜のダンス



LIVE INFORMATION
YONA YONA WEEKENDERS 4th EP 「嗜好性」発売記念インストアイベント
2022年9月23日(金・祝)大阪府 タワーレコード梅田NU茶屋町店 イベントスペース
2022年9月30日(金)東京都 タワーレコード渋谷店B1F CUTUP STUDIO


嗜好性 EP Release Oneman Tour
yyw_chirashi.jpg
2022年11月12日(土)大阪府 Shangri-La 
2022年11月13日(日)愛知県 池下CLUB UPSET
2022年11月19日(土)福岡県 graf 
2022年11月26日(土)岡山県 CRAZYMAMA 2nd Room
2022年12月11日(日)東京都 LIQUIDROOM


LINK
オフィシャルサイト
@yyw_from_tyo

気になるタグをCHECK!