SENSA

2022.05.26

THE 2、新体制初の自主企画3Days初日に魅せた盟友OKAMOTO'Sとのエモーショナルな夜

THE 2、新体制初の自主企画3Days初日に魅せた盟友OKAMOTO'Sとのエモーショナルな夜

 2022年2月22日に新メンバーとして森夏彦(Ba)と歌川菜穂(Dr)を迎え、新体制でのスタートを切ったTHE 2。その第一歩となる楽曲「恋のジャーナル」を引っ提げて、新体制初の自主企画「THE 2 man LIVE 2022 -KOI NO JOURNALISM-」が5月16日から18日にかけての3日間、渋谷クラブクアトロで開催された。2マンのお相手はOKAMOTO'S、ハルカミライ、フレデリックの3組。そのうち、THE 2のメンバーとは同世代であり、古舘祐太郎とも10代の頃からの付き合いであるOKAMOTO'Sが出演、そのカップリングも含めとてもエモーショナルになった初日の模様をレポートする。

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ソールドアウトとなったクアトロのステージにまず立ったのはOKAMOTO'S。オカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(Gt)、ハマ・オカモト(Ba)、オカモトレイジ(Dr)の4人加えてサポートメンバーとしてBRIAN SHINSEKAI(Key)を加えた5人は「BROTHER」からライブをスタート。いきなり分厚いグルーヴとコーラスが鳴り響き、フロアを問答無用で巻き込んでいく。ギターリフが唸るロックンロール「Keep On Running」にファンキーなミクスチャーロック「Young Japanese」、そして煌びやかなディスコチューン「Dance To Moonlight」と、ベクトルはさまざまながら一様に熱いバンドマン魂と音楽愛を炸裂させる楽曲たちに、オーディエンスも手拍子したり手を振ったり拳を上げたり、初っ端から前のめりで食らいつく。「久々だよ、こんな対バン。俺たち結構気合い入ってるから」。そんなショウの言葉通り、熱のこもったパフォーマンスが怒涛のように展開していく。

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 コウキのギターが冴え渡った「Picasso」を終えて、ハマが「今日は我々としても非常に嬉しい日」とこのステージに立った喜びを口にする。それと同時にTHE 2・古舘佑太郎を「あのアホ」とイジり始めるのが彼ららしい。数年前食事に行ったときに古舘が歯磨き粉を持ってきたという話(正確には、歯磨き粉そっくりのリップクリームだったらしいが)をはじめ、古舘にまつわるエピソードを開陳しつつも、その口調にはバンドどうし、ミュージシャンどうしの積み重ねられた友情が感じられる。新たなメンバーとともに再出発したTHE 2について「ワンマンバンドでいてほしくないわけ」と独特の言い回しでエールを送りつつ、返す刀で例の「メガ古舘」をいじり倒すハマ。絶好調である。

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 そんなMCのノリも、一発音を鳴らせば吹き飛ぶのがこのバンド。ギターリフがブルージーでスモーキーなムードから圧巻のセッションへと突入していく「Lagoon」で空気をグッと引き戻すと、BRIAN SHINSEKAIのキーボートとともにビッグなスケールで展開する「Sprite」を経てジャングリーなギターが心地よい「M」へ。飛び跳ねながら歌うショウに合わせてフロアでも一斉にジャンプ。一気にクライマックスに上り詰めると、ラストは「90'S TOKYO BOYS」。ハマとレイジのソリッドなリズムセクションとコウキのエモーショナルなギターリフ、そしてうねるようなグルーヴを乗りこなすようにして展開するショウのヴォーカル。ドラマティックなサビのメロディも含めてOKAMOTO'Sの真骨頂とてもいうべきパフォーマンスをオーディエンスの記憶に焼き付けると、「次はTHE 2です!」と彼らはステージを降りた。

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 そしていよいよこの日の主役、THE 2の出番だ。中国四千年の歴史を感じさせる壮大なSEとともに登場した古舘、加藤綾太(Gt)、森夏彦(Ba)、歌川菜穂(Dr)。古舘の弾き語りから一気にギアを入れて加速する「ルシファー」でこの記念すべきライブの幕を切って落とすと、「どうもTHE 2です、今日はよろしく!」という古舘の叫びと加藤のギターリフを合図に「Anthem song」へ。歌川のドラムと森のベースが繰り出す力強いリズムの上で加藤のギターが踊り、古舘が声を張り上げる。スティックを振るう歌川の顔には笑みが浮かび、4人がこのステージを楽しんでいるのが早くも伝わってくる。

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 フロアから手拍子が巻き起こり、天井のミラーボールもキラキラと輝いた「ケプラー」、印象的なギターサウンドが一足先に夏を連れてきた新曲を披露して「急行電車」。歌川の刻むハイハットと加藤と古舘、2本のギターがキラキラと眩しい光を放つ。これまで彼らが「2」として演奏してきた楽曲も、メンバーが代わり、まるで生まれ変わったようにみずみずしく響く。「まさにこの緊張感と高揚感を味わうにはどうしてもバンドしかない。我々、活動休止を経て戻ってまいりました!」。そう「復活」を宣言すると、OKAMOTO'Sとの関係性を語り始める古舘。長い付き合いの中で初めて「一緒にやろうと告白したらOKもらえました!」と言いつつ、「ハマくんはほんとに僕のことが好きなんだな」と先ほどのOKAMOTO'SのMCに突っ込むと大きな拍手が起きる。「僕ら4人はみんな違うバンドをやってきて、それを乗り越えて今ひとつのバンドをやっている。OKAMOTO'Sはずっと幼馴染みでやり続けている。これってどっちも正義だなって思う。どっちのストーリーもロマンチックだなって思います」。そんな言葉とともに2バンドのメンバー全員が東京生まれであることに触れて「東狂」へ。続く「ロボット」では加藤のリフとコーラスが楽曲の切なさと鋭さを増幅させる。

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 その後も一瞬たりとも止まらない勢いでライブは進む。加藤のヴォーカルもエモーショナルに響き渡った「DAY BY DAY」をパンキッシュに走り抜けると「Family」へ。ドシャメシャな音がギリギリのところで手を繋ぎ、ひとつの曲になっていくような美しさ。これこそロックバンド、これこそTHE 2である。そして古舘がギターとともに朗々と歌い上げて始まった「How many people did you say "GoodBye"」を経て、本編ラストはもちろん「恋のジャーナル」。ステージには「メガフルタチ」(「俺の熱き思いが詰まったバケモンですよ」と古舘は紹介)も登場し、新生THE 2のサウンドが鳴り渡る。オーディエンスのハンズクラップも盛り上げに一役買う中、生まれ変わったバンドの姿を見せつけてみせた。

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 アンコールでは新曲「恋のジャーナル」とはまた一味違った新曲「ミスサンシャイン」も披露。メロウで洒脱なグルーヴを基調とした、これまでの楽曲とはまったく違うニュアンスを持った曲で、かなり新鮮だった。そして歌川から改めて妊娠の報告があり、さらに森からはこのライブにスポンサーがついたというお知らせ。そんな驚きのニュースを受けて、「何が起こるかわからないTHE 2なんですけど、振り返ってみると予定調和はひとつもなかったなって思って」と古舘は話し始める。メンバーが脱退し加藤と2人だけになってしまったときにどうしてバンドをやめなかったのか。なぜこのメンバーで再び動き始めたのか。それをちょっとつんのめりながら話すと、失敗を乗り越えて帰ってきたクアトロのステージで彼は「1年以内にリキッドルームでやりたいと思います」と宣言した。「みんなで地図からはみ出して、楽しんでいけたらなと思います」。そんな思いを込めて鳴らしたラスト「My favorite things」。朗らかなメロディと柔らかなギターサウンド、そして弾むようなリズム。その音自体が、ここから始まるTHE 2の旅路を祝福するように鳴り響いた。

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文:小川 智宏
写真:中村里緒



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THE 2 オフィシャルサイト
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OKAMOTO'S オフィシャルサイト
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