SENSA

2022.04.01

ユレニワ、バンド史上最大規模となるワンマンライブ『LAND』で魅せた愛と革命と熱狂

ユレニワ、バンド史上最大規模となるワンマンライブ『LAND』で魅せた愛と革命と熱狂

2022年3月27日(日)に、ユレニワがバンド史上最大規模となるワンマンライブ「LAND」を渋谷WWWにて開催した。チケットはなんと全て"手売り"でソールドアウト。彼らの気持ちが直に込められたチケットを握りしめた観客が渋谷WWWに集まった。ユレニワはこの1年、多くのサーキットや対バンイベントに参加し、定期ワンマン公演「エロス」を毎月全10回に渡って開催。(今後はリニューアルして6月から2マンライブ形式で再開。)さらに、バンド初のワンマンツアーも駆け抜けるなど、精力的にライブを重ねていった。そんな中、満を辞して開催された渋谷WWW公演。おそらくかなり気合の入ったライブになるだろう、という期待感が開演前の会場を満たしていた。

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定刻を少し過ぎた頃、青く煌めくミラーボールが回るステージに、RENJU(Dr/Cho)、種谷佳輝(Gt/Cho)、宮下レジナルド(Ba/Cho)、シロナカムラ(Vo/Gt)が順に登場。定位置に着くと、一斉かつ盛大に4人が各楽器をかき鳴らした。この爆音を聴くと「ユレニワのライブが始まるぞ」と思う。そして、RENJUの重厚感ある大きいビートが響く『あばよ、ビューティー』でライブは幕を開けた。ゆったりとしたテンポが彼らの堂々とした佇まいを助長し、不穏なサウンドが入り混じるアウトロのセッションを経て、そのまま『だらしないね』へ。思い切り歪ませたギターサウンドとシロの痛烈な叫びが混在し、体の内部が震えるような爆音が突き抜ける。何かに取り憑かれたような4人の狂気的なパフォーマンスに、早くも目を奪われてしまった。

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そのまま音を止めることなくRENJUのビートと観客の手拍子で『遺書』になだれ込み、種谷の耳馴染みの良いギターフレーズでライブはポップに舵をきる。さっきまで何かに取り憑かれていたような彼らが、パッと目を覚ましたような明るい表情を見せた。表現の幅がグッと広がった抑揚あるライブに、オーディエンスは自由に踊り跳ねていて、早くも渋谷WWWが狭く感じるほどの熱量を生み出していた。バンド史上最大規模なんて思えず、むしろもっと大きいところでこの爆音を浴びたい。そう思った。

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ようやく音を止め、3曲分の拍手が沸き起こる。そして少しの静寂を切り裂いた『Lilac』。一言一言、一音一音を丁寧に紡ぐグルーヴィな演奏と、優しいオレンジの照明が相まって、とても温かい空気を生み出していた。音楽を鳴らすことが愛しくてたまらない、というような情感たっぷりの演奏にうっとりしてしまう。そして面白いくらいにBPMを落としたり上げたりと変幻自在なアウトロを繰り返したのちに『Hello Glow』へ。細かいアレンジで曲が繋がれ、一瞬たりとも目が離せないパフォーマンスが続く。観客は『Hello Glow』の変則的なリズムにも見事ノッてみせ、拳を上げたり、体を揺らしたりと「これでこそライブ!」という自由な空間を作り上げていた。生のライブにこだわっている彼らにとって、思いのままに楽しんでいるフロアは素晴らしい景色だっただろう。

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MCでは全員が順番に声を届け、如何に渋谷WWW公演を心待ちにしていたか、ソールドアウトの喜び、このご時世で足を運んでくれたことへの感謝などを伝えた。そして「新曲をやってもいいですか?」と『まじまいえんじぇる』へ。一見爽やかさを感じるナンバーだが、ところどころにユレニワ節が炸裂していて、少しひねくれたサウンドが彼らの豊かな音楽性を知らしめる。そしてRENJUの迫り来るビートで焦らしに焦らして『Cherie』へ。徐々にギアを上げていき、待ってましたと言わんばかりのサビで一斉に拳が突き上がる。そんな光景を嬉しそうに見渡しながらギターフレーズを弾く種谷の姿がとても印象的だった。

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さらに「かかってこい!」と間髪入れずに『PLAY』へ。ここで特筆したいのが底上げされたライブ力だ。衝動のままに動き回るフロントの3人。耳をつん裂くような音の洪水。光が交錯するステージ。派手な演出を抜けた先に広がる独特なイントロと退廃的なシロの歌。向き合いながら呼吸を確認するように弾く宮下とRENJUの絶妙なグルーヴ。それら全てが目まぐるしく瞬時に過ぎ去っていくのだ。圧倒的すぎる。静と動が瞬時に切り替わる中で、しっかりと4人の真ん中で音が鳴っている。否応なしに魅了されてしまう演奏力だ。定期公演やワンマンツアーなどで積み重ねてきた時間が、ユレニワと音楽の距離感をグッと縮めているようだった。

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楽曲が終わり静寂が訪れると、背面の幕が開け巨大なスクリーンが露わになり『焦熱』が始まる。スクリーンに映し出された芸術的で奇妙な模様が『焦熱』の不安気なメロディーと見事マッチしていて、ユレニワ独特の世界観を一層引き出していた。自由に動き回る彼ら自身こそが演出の中心であるかのように感じたり、かと思えば次の瞬間にはそれがVJの映像や光に入れ替わったりと、ライブの魅せ方が非常に洗練されている印象を受けた。

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「すごく楽しいです。改めて来てくれてありがとうございます!」とシロが挨拶をし、手売りでチケットがソールドしたことについて「バンドの泥臭い部分を出した感じですけど、性に合ってるなって思うし、こういう感覚でバンドを続けていきたいな。ユレニワはユレニワをしたいなっていう風に思っています。」と語った。そして、様々な出会い方でライブに足を運んでくれたであろう観客に「どんな人にも、ユレニワはユレニワでいますよ。」と自由な解釈への余白を残した言葉を届け『Bianca』へ。甘さと不穏が混じったようなサウンドと、スクリーンに映し出された綺麗さと荒々しさが同居した映像が、この曲が持つ二面性をよく表していた。シロのセルフライナーノーツにもある「美しさと汚らわしさの対比」。この輝かしい舞台に立つまでに1枚1枚チケットを観客へ届けてきた、そんな彼らに合う1曲だ。

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そして壮大で美しいバラードを奏でたのちに『fusée 101』を挟んで『まぼろしの夜に』へ。視覚的な刺激を与える摩訶不思議な映像とシューゲイザー要素満点のサウンドが神秘的な空間を創り出す中で、彼らは感情のままに怒涛のラストスパートを弾き倒す。続く『バージン輿論』では、感傷的に鳴る種谷のフレーズから一気にスピードを上げ、楽曲はダイナミックに展開していった。この楽曲は、本当にナマモノだなと思う。もちろんライブはどの曲もナマモノだけれど、『バージン輿論』は特に人間臭くて愛に溢れていて、彼らの内から湧き出る音楽をダイレクトに感じられる。どんなに規模が大きくなっても、1人1人の心に届いていく、最高のラブソングだ。

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そして『革命児』へ。RENJUの「俺らが革命児!」という言葉に頷いた人も多いだろう。どこか異質で、でも美しくて、眩しくて、危なげな彼らは本当に"革命児"という言葉がよく似合う。後半のシンガロング部分ではRENJUがドラムセットから飛び出し全身で手拍子を煽り、フロント3人はオフマイクで歌った。オーディエンスは声の代わりに頭上で大きくクラップをする。音数は少なくても、素晴らしい一体感が会場を包んだ。その光景を眺める4人の表情が純粋無垢でキラキラしていて、さらにシロが「聞こえるぞ!」と叫んでサビに突入するもんだからグッとくる。彼らがとにかく幸せそうに音楽を奏でていて、でも歌っている歌詞は《愛という財産を労働で占めてしまうような/優等生にはなりたくないのだ》というパンチラインで、まったく面白い革命児たちだ。きっと彼らなら、夢でもなんでもなく《世界に平和と愛を》与えてくれるだろう。

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ゲームの世界のような電子音が聞こえる中で、3月9日にデジタルリリースされた新曲『恋人たちのヒム』が鳴らされた。青とピンクの照明やキラキラ回るミラーボールが、遊び心ある音像にピッタリ。相変わらず楽曲の展開はひねくれているけれど、繊細なロマンチシズムが光っていてライブ全体の良いアクセントになっている。そして本編最後の『Birthday』へ。カオティックな映像演出がすごくユレニワらしい。息混じりに優しく歌うシロに寄り添うような演奏がラストで一気に音圧を増し、ダイナミックな演奏で本編を締めくくった。怒涛のラストスパートに目を見張るように動かなかったフロアが、最後の一音が鳴り終わると同時に解き離れたように手を叩き、彼らがステージを去った後も拍手は鳴り止まなかった。

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その拍手に応え、最初に登場したのはRENJU。そして"宣伝部隊"をステージに呼び込むと種谷を中心に「LAND」限定のゲリラCD(『恋人たちのヒム』と『知りたい』を収録)を含めたグッズ紹介へ。後からシロが登場すると、横一列に並べられた4つの椅子にそれぞれが腰掛け、配信ライブの視聴者に向けて感謝を伝えた。そしてここで、重大発表。大役を任された宮下が告げたのは、なんと、全11箇所を巡る『JURENIWA IS EARTH TOUR 2022』の開催だ!これには観客からも大歓声の代わりに今日一番の大きな拍手が沸き起こる。自身最大規模のワンマンライブ会場で、さらなるステップを堂々と掲げる彼ら。どんどん大きくなっていく姿を目の当たりにし、これからのユレニワがより一層楽しみになった。

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そしてアンコールへ。1曲目はゲリラCDの収録曲『知りたい』のショートバージョン。1人の頭上に温かな光が灯り、とても素朴でアットホームな空気の中アコースティックで丁寧に奏でた。種谷のギターラインと共に音階を行き来するシロの歌がとても綺麗で、アンコールの幕を静かに開けた。「"LAND"っていうのは"一つの国"という意味もあるそうですよ。そういう意味を込めてタイトルをつけたところもありまして。一丸となれたんじゃないかなと俺は思っているんだけど、どうでした?」と問いかけるシロの言葉に、会場は大きな拍手で応える。観客にお礼を丁寧に伝えた後、『Neverland』へ。ステージ全体がよく見える照明とエモーショナルな歌がたまらなくエンディング感を醸し出していて、儚く、切なく、眩しかった。彼らがこうやって着実に大きくなっていく姿があまりにも眩しかったのだ。最後の一音が鳴り終わると観客は頭上で拍手をし、最高のライブが締め括られた...と思ったその時、種谷が思いっきり歪んだギターをかき鳴らし、会場は急遽暗転。激しい照明と暴れるように弾き倒す彼らに度肝を抜かれ、《あいが許された世界で/ぼくらはどんな事でも出来る筈なのに》とラストナンバー『阿呆』へ。

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体力を少しも余すことなく出し切るようにかき鳴らし、一通り弾いた後に「おかわり」としてBPMを上げた『阿呆』を再度演奏!宮下は笑顔でメンバーと観客を交互に見ながら弾き倒し、RENJUはどこにそんなパワーが秘められているのか?というくらいのダイナミックなドラミングを披露。種谷はギリギリまで前に出てフロアを見ながら嬉しそうに弾き、シロは歌と叫びを自由自在に操っていた。宮下と種谷が背中合わせでかき鳴らす姿も最高で、《あいは無限だ、じかんは有限だ!》という歌詞が、限られた時間の中で精一杯の愛を残していく彼らにピッタリだった。一ミリも余すことなく今持っている愛全てを吐き出す。その精一杯の愛を受けとったフロアは、思わずダブルアンコールを求めたが「見ての通りですが、やり尽くしました(笑)」とシロが屈託のない笑顔で応えた。「でもツアーやるから、ぜひ遊びにきてほしい。そしたらさ、本編楽しかったらアンコールしてよ。」と気心の知れた友達に話すように伝えると、「もちろん!」と言わんばかりの長い拍手が送られた。間違いなく、ユレニワとフロアにいた全員の心が通って一丸となった素敵なワンマンライブ「LAND」だった。

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1年前、定期公演の発表を聞いた時には、ブラッシュアップされるであろう彼らの未来がとても楽しみだった。ところが、彼らはブラッシュアップどころか大変革を遂げ、1年前に思い描いていた未来を優に越える素晴らしいライブを繰り広げたのだ。持ち前のパワフルなパフォーマンスに足された繊細さや丁寧さ、緻密なグルーヴが光り、狂気的な演奏にはより一層のヤバさが磨かれた気がするし、繊細さはすごく新鮮に沁みていく。演出の面も含めて表現の幅が一段と上がり、想像以上に洗練されたユレニワを魅せてくれた。そんな彼らの熱狂をまた、全国各地で見ようじゃないか。メキメキと大きくなっていく彼らの今を、見逃さないでほしい。

文:髙橋夏央
写真:村井香

ユレニワ ワンマンライブ 2022「LAND」SET LIST
1. あばよ、ビューティー
2. だらしないね
3. 遺書
4. Lilac
5. Hello Glow
6. まじまいえんじぇる
7. Cherie
8. PLAY
9. 焦熱
10. Bianca
11. まぼろしの夜に
12. バージン輿論
13. 革命児
14. 恋人たちのヒム
15. Birthday

EN
1.知りたい
2. Neverland
3. 阿呆


ユレニワワンマンライブ 2022「LAND」STREAMING LIVE
2022年3月27日(日)
渋谷 WWW

アーカイブ配信チケット
購入期限:4/10(日)21:00まで
視聴期限:4/10(日)23:59まで

詳細はこちら


RELEASE INFORMATION

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ユレニワ「恋人たちのヒム」
2022年3月9日(水)
Format:Digital

Track:
1.恋人たちのヒム

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LIVE INFORMATION

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「JURENIWA IS EARTH TOUR 2022」
2022年6月18日(土)
千葉LOOK

2022年6月20日(月)
仙台enn 2nd

2022年6月22日(水)
札幌Sound lab mole

2022年6月24日(金)
宇都宮HELLO DOLLY

2022年6月26日(日)
静岡UMBER

2022年6月28日(火)
岡山PEPPERLAND

2022年6月29日(水)
福岡Queblick

2022年7月1日(金)
大阪CLAPPER

2022年7月4日(月)
名古屋HUCKFINN

2022年7月5日(火)
横浜F.A.D

2022年7月10日(日)
新宿Marble *ワンマン

*各地対バンあり/ツアーファイナル公演のみワンマンライブ。
*対バン/チケット情報などは後日解禁。

定期公演「エロス -ラバーズ編 -」
2022年6月8日(水)
渋谷La.mama
*以降毎月8日に同会場にて実施。

出演:ユレニワ+1組


LINK
オフィシャルサイト
@JURENIWA

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