SENSA

2022.03.15

ユアネス、バンドの歩みと楽曲の物語が熱く交差したツアーファイナル

ユアネス、バンドの歩みと楽曲の物語が熱く交差したツアーファイナル

1月15日の福岡を皮切りに、全国7ヶ所を巡ってきたユアネスの「ONE-MAN LIVE TOUR 2022 "6 case"」。これまで培ってきたバンドの世界観と新たな挑戦を詰め込んだ初のフルアルバム『6 case』を引っ提げて繰り広げられてきたツアーは、3月13日、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でファイナルを迎えた。新旧の楽曲を織り交ぜて展開したライブは、ホールならではの演出が格別の没入感を生み出し、バンドにとってひとつの到達点といえるようなパフォーマンスとなった。

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Photo by 佐藤広理


SEの「ZQ5QEBS」とムービーをバックに登場した古閑翔平(Gt)、田中雄大(Ba)、小野貴寛(Dr)、そして黒川侑司(Vo&Gt)の4人。1曲目となった『6 case』収録の「アミュレット」から、いきなりアグレッシブなバンドサウンドが展開する。田中の誘いに応えて客席では手拍子が巻き起こり、一気に会場内の空気も熱く盛り上がる。ホールの天井の高さや空間の広がりを活かした色鮮やかな照明効果が、もとより物語性の強いユアネスの楽曲をさらにドラマティックに変貌させていく。歌い終えた黒川が「ありがとう」と挨拶。客席からは待ってましたとばかりの大きな拍手が送られる。

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Photo by ナカムラキサ


続く「BE ALL LIE」ではスクリーンにミュージックビデオの映像が流れ楽曲の世界をよりディープに伝えると、小野のドラムソロから入っていった「少年少女をやめてから」へ。タイトなリズムと古閑の緊張感あふれるギターサウンドが楽曲の切ないムードをこの上なく高めていく。ここで黒川が「じつは今、機材トラブルになってるんですよ」と衝撃の告白。どうやらイヤーモニターの調子が悪く、音が聞こえないらしい。確かに耳を気にしている様子はあったのだが、塊のようなバンドのサウンドはそんなことを感じさせない力強さだ。「ちゃんと全員に均等に届くように歌いますので、任せといてください!」という頼もしい一言に、ひときわ大きな拍手が巻き起こる。

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Photo by ナカムラキサ


そこからポエトリーリーディング「変化に気づかない」から「凩」という1st EP『Shift』の流れを再現。古閑のエモーショナルなギターソロがステージの真ん中で美しく照らし出される。歌い終えた黒川は「任せてください、大丈夫。今日めっちゃいいライブできますわ」――自分に言い聞かせるように口にした。そしてその後のステージ上で、彼らはその言葉を自ら証明していくことになる。

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Photo by ナカムラキサ


中盤のハイライトとなったのが、アニメーションのミュージックビデオを背に演奏された「色の見えない少女」。とても切ないストーリーが語られるこの楽曲だが、4人による生身のパフォーマンスと映像がシンクロすることで、そのドラマは何倍にもエモーショナルに進化していた。しかし映像がなくとも、この日のユアネスのパフォーマンスはとても熱く、塊のような強度を体現していたと思う。小野のドラムから放たれる音の密度、気持ちを載せた古閑のギター、それを支える田中のベース。そしてその上で黒川は感情をすべて解放するように伸びやかに声を響かせる。「日照雨」、「泳ぎ手」、「躍動」、「Layer」......クライマックスに向けて、4人の音もどんどん人間臭くなっていくのだ。

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Photo by ナカムラキサ


せっかくのツアーファイナルなので、ということで、メンバーに話を振る黒川。古閑が観客に「時間を割いてきてくれたことが心の支えになっている」と礼を述べると、田中も「こうして観に来てくれることが力になる。本当、会えてよかったです」と語る。それを聞いた小野は田中が「こっち見て感極まった顔してた」と暴露。黒川を含め4人とも、充実したいい表情だ。黒川はコロナ禍を経て実現した2年ぶりのツアーに感無量といった感じで「ライブできるということが嬉しい。これからもみんなが楽しめるような音楽を提供できたらいいな」と宣言してみせた。

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Photo by ナカムラキサ


ここからいよいよライブは終盤戦。「Bathroom」の抒情的なメロディを情感たっぷりに歌い上げる黒川に、古閑が渾身のギターソロで応える。小野と田中はときおり目を合わせて濃密なグルーヴを奏でている。そんなバンドの構造が露わになったのが続く「私の最後の日」。黒川の独唱からバンドが入ってきて感情の奔流になっていく展開はとても感動的だ。そして早くも本編ラストの曲へ。スクリーンの上で日常を切り取った写真が流れる季節を感じさせるなか演奏された「籠の中に鳥」がスケールの大きな風景を描き出してみせた。

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Photo by 佐藤広理


アンコールで再びステージに登場したメンバー。涙もろいという古閑が口を開き「演奏している僕らからすると、聴いている人の1秒1秒を......」と言葉を詰まらせる。「人生を使って聴いてもらっているということをすごく意識して僕は音楽をやっているので、すごく嬉しいです。」そんな古閑の言葉を受けて田中は「彼は聴いている人の人生も、メンバー4人ぶんの人生も背負って曲を作ってくれているんです」と古閑に対する感謝を伝えつつ、福岡時代に作った「色の見えない少女」のMVをそのままの形でここまで連れてくることができたことを感慨深げに語っている。楽曲の物語はもちろん強いが、そこにこの4人の積み重ねてきた日々、その物語も重なっているから、このライブはこんなにも感動的だったのだ、とその言葉を聴いて思った。

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Photo by 佐藤広理


その後、黒川が昨年開催した「ONE-MAN LIVE 2021 "LATENT"」の映像化(Blu-ray)と今年6月から7月にかけての弾き語りソロツアーの開催を発表し、いよいよアンコールの演奏がスタート。『6 case』から「ヘリオトロープ」、そしてアルバムのクラウドファンディング限定盤のみに収録されている「スポットライトさがして」を披露すると、黒川が「スペシャルなゲスト」をステージに呼び込む。登場したのはシンガーのnemoi。そうして披露されたのは、そう、ユアネスにとって初のフィーチャリング楽曲であり、曲のテイストとしても新たな挑戦となった「49/51」だ。ミラーボールが煌めくなか、黒川とnemoi、ふたつの声が重なり合う時間は、ツアーファイナルだからこその特別なものだった。そんな一幕を経て、ラストソングとして彼らが選んだのは「POP」。黒川の「元気が出るような曲」という説明通り、客席では観客の腕が高々と掲げられ、最後の最後、この日一番の一体感がLINE CUBE SHIBUYAに生まれたのだった。

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Photo by 佐藤広理


文:小川智宏
写真:佐藤広理、ナカムラキサ

LIVE INFORMATION

黒川侑司 弾き語り TOUR 2022
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2022年6月11日 (土)
仙台 HIGHBURY
①OPEN 15:00 / START 15:30
②OPEN 17:30 / START 18:00
Info. GIP 0570-01-9999

2022年6月18日 (土)
札幌 musica hall cafe
①OPEN 15:00 / START 15:30
②OPEN 17:30 / START 18:00
Info. musica hall cafe 011-261-1787

2022年6月25日 (土)
東京 LOFT HEAVEN
①OPEN 15:00 / START 15:30
②OPEN 17:30 / START 18:00
Info. LOFT HEAVEN 03-6427-4651

2022年7月01日 (金)
広島 Live Juke
OPEN 18:30 / START 19:00
Info. Live Juke 082-249-1930

2022年7月02日(土)
福岡 ROOMS
①OPEN 15:00 / START 15:30
②OPEN 17:30 / START 18:00
Info. ROOMS 092-751-0075

2022年7月15日 (金)
名古屋 BL cafe
OPEN 18:30 / START 19:00
Info. BL cafe 052-741-1620

2022年7月16日 (土)
京都 紫明会館
①OPEN 15:00 / START 15:30
②OPEN 17:30 / START 18:00
Info. GREENS 06-6882-1224

Ticket: 全自由席¥ 4,000-(税込)*ドリンク代別

オフィシャル最速先⾏受付 (抽選)
3月13日(⽇) 21:00 ~ 3月21日(⽉) 23:59
https://w.pia.jp/t/kuro-yourness-22/


ユアネス LIVE
2022年3月18日(金) 
愛知 Hakubi「巴・粉塵爆発ツアー」 
2022年3月19日(土)
香川 SANUKI ROCK COLOSSEUM 2022 -MONSTER baSH × I♡RADIO 786
2022年4月2日(土)
栃木 RADIO BERRY haruberrylive2022
2022年4月15日(金)
大阪 Another Scene of Each
2022年4月16日(土)
兵庫 トアロード・アコースティック・フェスティバル2022
2022年5月22日(日)
東京 TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2022


RELEASE INFORMATION

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ユアネス「6 case」
Format:Digital / CD ¥3,300 (tax in)
Label:HIP LAND MUSIC

Track:
01. 籠の中に鳥
02. アミュレット
03. 色の見えない少女
04. 日照雨
05. ヘリオトロープ
06. Alles Liebe
07. 49/51 (feat.nemoi)
08. 凩 (6 case ver.)
09. 躍動
10. Layer
11. Bathroom (6 case ver.)
12. 「私の最後の日」

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レギュラーRADIO
担当:黒川侑司(Vo / Gt)
(松本大、森山公稀(odol)と週替わりでMCを担当)
FM福岡「ROOM "H"」
毎週水曜 26:00 - 26:55
*radikoでエリアフリー / タイムフリー 試聴可能

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