SENSA

2022.03.03

【読むラジオ】MC:松本大 レコーディングで使用するマイクの特徴を語る「Room H」 -2022.03.02-

【読むラジオ】MC:松本大 レコーディングで使用するマイクの特徴を語る「Room H」 -2022.03.02-

FM福岡で毎週水曜日 26:00~26:55にオンエアしている音楽番組「Room "H"」。九州にゆかりのある3組のバンド、ユアネスの黒川侑司、松本 大、odolの森山公稀が週替わりでMCを務め、彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。
今週のMCは、松本 大が担当。SENSAでは、オンエア内容を一部レポート!
(聴き逃した方やもう一度聴きたい方は、radiko タイムフリーをご利用下さい。)

ゲスト:レコーディングエンジニア/サウンドプロデューサー 生駒龍之介

▼前回のトーク内容はこちら▼

松本:FM福岡から松本大がお送りしているRoom "H"。ここからは@リビングルーム拡大版、ゲストをお迎えしております。レコーディングエンジニア/サウンドプロデューサー...。先週なんと言っていましたっけ?

生駒:プロデューサー・エンジニアだね。

松本:その生駒龍之介さんです。前回に引き続き2週目のご登場です。今週もよろしくお願い致します。ということで松本大から見た生駒さんのすごいところ。前回の放送で聞けなかった方のためにざっくりですが、生駒さんのご紹介をさせていただきたいと思います。生駒さんはLAMP IN TERREN時代にめちゃくちゃお世話になったレコーディング・エンジニアさんで、サウンドプロデューサー/作曲家/編曲家としてもご活躍されているお方。具体的にこんなことを一緒にしてきましたという話ですと、僕らは『The Naked Blues』 と『FRAGILE』 の2枚を一緒に作ってますよね?

生駒:そうだね。

松本:「ほむらの果て」もやっていますよね?

生駒:あとはライブの陰には大体いるね。

松本:そうですね。「心身二元論」とか「カームダウン」もやってます。僕らのライブ配信をいい音で聴けるのは生駒さんのおかげです。自分の配信とかでも言ったりしてたんですけど、そんな感じでかなり僕らと深い関わりをしてくれている方です。
僕が今までご一緒してきて、生駒さんは、まず第一に、レコーディングという仕事というか、作業自体を楽しんでくれてるなという印象がありますね。だから中学の時に初めてバンドを結成してギターを持ち寄って、「一緒に音鳴らして楽しいぜ」という時のあの感覚にちょっと近いんですよ。曲作って構築していく中で、生駒さんと話してて、「これこうなったら面白いんじゃない?」というか。自分が作ってきた曲を評価されるのも、自分の歌を評価されるのも、そのレコーディングの途中で何か新しく「これ入れたらいいんじゃない?」みたいな感じでやるのも、ちゃんと受け止めてくれて、キャッチボールしていく感覚とかも、すごく毎回新鮮というか。やっぱ音楽は僕の中では、スクラップ&ビルドだったりするので、構築していく作業だったり「これいらないね」みたいな感じで外していく作業とか。その形を整えていくものが、1つ1つ変わっていく過程というのが毎回新鮮なんですよね。だからそれはスタジオで練習するのと全然違う感覚なんですよ。俺が音楽やってて一番生きがいを感じる瞬間だったりするので、それを楽しんでくれているということ自体が僕はもう救いになっているし、だから生駒さんじゃないとダメなんじゃないかなと思うんですよね。

生駒:正直楽しいですよ。事件もいっぱいあって(笑)。

松本:事件もいっぱいあります。事件のことは僕本人なので、あんまり覚えてないので、生駒さんに話してもらおうかと思いますが、LAMP IN TERRENの作品作りで僕が1番印象に残っているのは「Fragile」かも。生駒さんとやっていく中で音の波というか、音像が見せる景色というのは、もちろんスピーカーもでかいし、爆音で聴いてるので意識したりする部分なんですけど、自分の中での最新の音の感動という面でいうと、「Fragile」だったかなと思います。

生駒:なるほど。「だいぶできてきたぞ」って思ってたら、新しい素材が送られてきて、「これはじゃあ元のこれはいらないんだっけ?」って聞いたら、「これ消してもらっていいです」って返答があって、「これ消すのね」という(笑)。俺の中で、これはどこを歩いているんだろうと分からなくなるぐらいの葛藤の中で、進んでいた中の1個ではあったけど。

松本:あの曲に関しては、完全に一人で作業しちゃっていたんですよね。しょうがない部分もあったのかなと(笑)。

生駒:それが大の面白いところでもあるんだよね。

松本:そんな「Fragile」の話をしましたけど、ここでは生駒さんが手がけてきた曲の中で俺がすげえなと思った曲を紹介したいのですが、これは前回の放送を聞いてる限り、ピアノと歌だけで投げられてそのアレンジを生駒さんが考えられるという形だったんですよね?だとしたらすごいなと思います。マジで半端ないなと思います。どちらも天才だなと思いました。

生駒:そんなことはない。

松本:それでは聴いていただきましょう、大塚愛で「PEACH」。



レコーディング時によく使用するマイクについて

松本:この番組一曲宅録カバー音源を流すという企画をやっておりまして、僕も毎回自宅で録音した音源をオンエアしてるんですけど、最近は結構弾き語り中華という感じなことをしてたりするけど、宅録で歌をめちゃくちゃ重ねたりとか、あとは最近はちょっとパソコンの仕様が変わって、今マイクが使えなくなっちゃったので、オーディオインターフェイスがいかれて。あとでその話をします。

生駒:え、そうなんだ(笑)。

松本:なのでiPhoneで一発録りをやっている感じなんですよ。

生駒:なるほどね。

松本:iPhoneの音いいですよね。それで今日は宅録について悩み相談のコーナーを設けてもらってるので、聞きたいこと聞いていこうかなと思います。歌を録るときに、マイク2〜3本並べて1回録ってみて、「これがいい」とか言ってるじゃないですか?その違いが全然わからないです。

生駒:基本的に3本立てるとしたら、絶対、大に合わないだろというマイクなんか立てないから、大に合いそうなマイクから3本とか選んで立っているじゃん?そうなってくると基本的には間違いじゃないマイクが3本立つから、ピアノと歌、アコギと歌みたいなシンプルな時だったら、その自分で歌った声をヘッドホンで聴きながら歌を歌ってるから、アーティストってその表現に直結してくるんだよね。もうすごい高音が出てる、息だったりとか空気感がすごい出るマイクだと、ブレスの仕方にすごく気を遣ったりとか、そういう風になっていく。だからシンプルな時はそういう部分に影響されるというのはありつつも、それに影響されつつちゃんとしたそういう表現もするから、たぶん、さほどそんなに影響はないというか。なんだけど、バンドとしてとかでアンサンブルが出来上がってる状態、ドラム、ベース、ギターとかっていっぱい入って出来上がっているオケの中だと、隙間というのは決まってるじゃん?

松本:そうですね。

生駒:いまこのオケには、硬いハットがずっと鳴ってる、そしたら高域勝負したら絶対負けちゃうし、派手になってしまうし。そしたら一番この曲の中でも、このマイクの美味しい部分を録ってくれてるやつが一番声が前に出てきて、声の表情が出てくるよねというのを選定してるから、声の音質の違いというよりかは、比較してる時はだいたいハマりで考えてることは多いかも。

松本:そうですよね。レコーディングしてる時に、パターンで覚えているというか。この曲はこういう雰囲気だから、たぶんこのマイク使うんだろうなという感じで覚えてるんですけど、音の違いみたいなものがあんまり分かってないから、結局自分の声のどういう帯域が合うと思って、その選択をしてるのかというのを。ちょっとものすごいコアな話になっちゃうと思うので、リスナー置いてきぼりだと思うんですけど、マイクは何が1番使用率高かったんでしたっけ?

生駒:今までので考えたら、サイン書いてもらってやつかな?

松本:あれなんていうやつでしたっけ?

生駒:Soundeluxというメーカーの「251」というマイク。

松本:いくらぐらいするんでしたっけ?めっちゃ高かった印象があります。

生駒:あれはもうヴィンテージの類に入るから、見つけてというのができれば、それでも6〜70万ぐらいで買えるかなという気はする。

松本:へえ〜すごい。

生駒:その大元になってるELA Mというのがあって、そのELA Mというのも大は使ってたけど、ガッツリ張ると、大の声だと倍音が過多になりすぎて、あんまりよくないときもあって、だけどちょっと弱音で歌う時、表現力をマックスにしたい時とかは、そっちのELA Mの方が「すごく表情が出ていいね」ってなって使ってた時もあるし。逆に叫ぶから倍音過多になりすぎると良くないという時に、倍音がタイトにまとまってくれるマイクも使ってたから、4パターンぐらい使ったね。

松本:僕はもともと20代前半のときってNEUMANNしか使ったことなかったんだけど、ポリープ手術して以降、歌がかなり変化してるのもあって、NEUMANNが全然合わなくなったことに昨年のレコーディングで気付いたんですけど、 なんでなんですかね。

生駒:NEUMANNってどっちかというと、中域のマイクだからね。人間の耳が一番聴こえると言われてるのが、1Kとか2Kっていうところなんだけど、そこら辺一帯の帯域が一番押しが強いというマイク?ボイスオーバーじゃないけど、昔ドイツのちょっと戦争を引き起こしちゃった総督いるでしょ?その人が「俺の声がとにかくカッコよく出せるマイク作れよ」と。「演説でかっこいい声で喋りたいからそういうマイク作れよ」と言って作らせたのが、いわゆるNEUMANNのマイクだったわけですよ。

松本:そうなんですね。

生駒:だから人間の声をかっこよく聴かせるというか、太くとか、存在感を上げるとか、そういう方向のマイクだったわけ。余談なんだけど、その人が「俺の声で、聞いてる大衆に『凄い!』と思わせたいから、地面にスピーカー埋めて、大迫力な声にしてくれ」と言ってやらせたのが、いまの映画館でみんなが体験しているウーハーという、あれの元なんですけど(笑)。

松本:えー、すご!

生駒:そういうドイツ型のマイクの中域の逆になってるのが、AKGって言われるマイクだね。

松本:AKGは全然歌えなかったです。

生駒:そのAKGは、逆にオーケストラとかが盛んだった国、オーストリアかな?そこが作ってるマイクだから、オーケストラって近くで聴く音楽じゃないじゃん?ある程度の距離で全体のバランスが一定に飛んで来てる音楽を聴くじゃん?それをちゃんと録るためにって考えて、遠めの音を良く録るために高域が伸びて、レンジが広いというマイクになってる。そのSoundeluxの「251」の元になってるのは、どちらかというとAKG系なんだよね。

松本:へえ〜。

生駒:CK12 Brass Capsuleという高域が伸びるCapsuleでという方向なんだよね。これもう話し始めたらたぶん2年ぐらい話すから(笑)。

松本:そうですね。ここら辺にしておきましょう。最近生駒さんが素直に好きだなと思った曲はどんな曲ですか?

生駒:いろいろ悔しさというかなんだろうな。音楽をやっている人間としてやられたなぁという曲です。100円ショップに買い物に行ってて、路駐して運転できる子に乗ってもらって、「ちょっとなんかがあったら移動してね」という状態で急いで買いに行ったのよ。店の中で早歩きして、バーっと選んでやってるような状態だったのに、買いたいものを見てる時に流れてた曲が、普通に「これなんだろう?」って思って。自分が急いでるのに、スピーカーの所に行って聴いてて、サビ1回聴いて、いろいろとやられたという雰囲気というか。

松本:どういう部分で思ったんですか?

生駒:音楽をやっている側として考えたら、こういうようなメロディーっていうのは世の中にいっぱいあったなという感じなんだけど、こういうリズムの録り方で、こういう風な表現の仕方でやれたというのと、落とし所としてこういう落とし所を見つけられたのって、聴いたことないなという感じかな。

松本:なるほど。

生駒:頭の中でもそれを聴いた瞬間に「これやられた、絶対に売れるな、クルな」と思って、誰かも知らず車に乗った時に、隣にいたやつに鼻歌で「これなんて曲か知ってる?」と聞いて、「あーそれは〇〇じゃないの?」って言われて、「そうなんだ。へえ〜そんなにキテる人なんだ」といった記憶がある。

松本:それでは曲紹介お願いします、

生駒:米津玄師の「Lemon」。



松本:ここでもう1曲。今度はプロの耳で聴いて、この曲すごいと思った最近の曲を教えていただけますか?

生駒:基本的にすごいって、さっきまで言ってた音楽って自分の衝撃だったり、事件的なものだったりとかを無視した、心の中のもの。前回聴いてもらったやつとかって、心情的な部分で働いたものが沸いたけど、今回のやつはどちらかといえば、音楽的な方向で選びました。いわゆるカウンターカルチャーってあるじゃん?昔流行っていたものが何年か後にまた来るみたいな。そういうカウンターカルチャーをあえて仕掛けるようなアーティストがファンごと裏切って、でもその裏切りを"裏切られた"じゃなく、凌駕する瞬間が好きで。

松本:たしかに選ばれている曲はそんな感じですね。

生駒:そういう意味でいうと、LAロックとかJanet Jacksonとかそういうのが流行ってた時代に突如としてやった、Maroon 5の「This Love」とか。あと最近で言ったら、モダーンR&Bとかさヒップホップとか、シンセいっぱいの80'sのリバイバルとかやってる中で、突如としてできた曲だったりとか。その曲がもう僕の最近の中では最大の裏切りであり、最大の称賛を贈りたい曲というか。

松本:まあ言うてもこの曲は"心のドア叩いてます"けどね。

生駒:(笑)。

松本:"心"関係になるのですが、曲紹介お願いします!

生駒:Bruno MarsとAnderson .PaakによるSilk Sonicで「Leave The Door Open」



音楽以外で影響を受けたカルチャー

松本:ということで2週にわたって深い話をお伺いしてまいりましたが、どのくらいカットされるかわかりません。いよいよラストパートに突入ということで、ちょっと音楽以外の話もしてみたいなと思います。音楽活動以外で今これをしている時が楽しいというのはどんな時ですか?

生駒:趣味が高じてというのと、やらざるを得ない状況というのも噛み合って覚えていったことだったけど、MVの編集をやっている時が一番楽しいかな。

松本:結局ものづくりなんですね。

生駒:なんでなんだろうね。

松本:なんでなんでしょうね(笑)。

生駒:映画観に行ったりとかも、仕事終わってレイトショーとか行っていたけど、いまはコロナ禍で時間早くなっちゃってたりするから行けてないんだけど。だいたい夜中の1時とかぐらいに仕事が終わって、「早く終わったな」と思った時は2時ぐらいのレイトショーに滑り込みに行って映画とか見るのは気晴らしだったんだけど。でもMVとかやってる時って、ある意味言い訳できるじゃん?

松本:どういう意味?

生駒:同じクリエイティブとして言えば、言い訳はできないんだけど、技術的な部分とかやってきた歴史とか。

松本:「これは俺が最近始めたことだし...」みたいな言い訳ですね!

生駒:そうそう!心の中の言い訳をつぶやきながらできるっていうのって、最大の趣味だと思ってて。

松本:なるほどね。それはたしかに趣味かも。言い訳できるのは趣味ですね。

生駒:だって言い訳できるクリエイティブだよ?めちゃくちゃ楽しい(笑)。

松本:それはたしかにそうかもしれないな...。同感です!音楽以外で影響を受けたもの、映画や本やアートなどを1つ教えてもらえますか?

生駒:映画...いろいろあるけど、心がなんだか疲れてて挫折しそうになった時に必ず観たら、しかも最後の15分を観るだけで立ち直れるっていう俺の中の素晴らしい映画は「アルマゲドン」なんだけど(笑)。わかりやすいんだよね。だけど全部全てひっくるめて、結局のところ一番自分が影響を受けて、いまの自分の骨格にも血肉にもなってる、幼少期から考えてね。一番そうなってるのって「ドラえもん」かなって思って。

松本:えーーーーーーー!

生駒:もう100周回ってね。いっぱい考えて、自分の中の格好つける部分とかそういう服も全部脱いで、どんどん布脱いで真ん中にポツンってあるものっていうのは何だろう?と思ったら、「ドラえもん」のような気がした。

松本:なるほどね。音楽以外で影響を受けたもの...。僕はそれでいうとファッションかもしれないですね。

生駒:そういうの羨ましいな。

松本:"まとう"という感覚がすごいある、曲にしても。自分がどういう姿で歩いているか、鏡を見た時にどういう風に映るかということと、近い感覚で自分がどういう世界に行きたい、いたいか、どんな世界に向かいたいか、というその"まとう"感覚がありますね。だからファッションかなと思いました。

生駒:なるほど。

松本:一番リラックスできるのはどんな時?これ気になる!いつ?

生駒:「気になる!いつ?」って言われると何にもなんかこうグッとくる返信はできないんだけど、いい感じでミックスだったりとかそういうクリエイティブが出来上がってきて、それにワクワクしてる時が一番リラックスしてるかも。

松本:いやヤバすぎこの人(笑)!風呂とかじゃないんだ?

生駒:お風呂に浸かるというのは、当然1回リセットする瞬間だからあれだけど。リセットするっていうのと、リラックスっていわゆる心身状態がものすごく安定するというか、気持ちがいい感じで安定してるとき、自分がいま一番輝けているかもって思える瞬間が一番やっぱり俺は安定してる。でもお風呂とか入って何もやってないときは、それはそれで落ち着くけど、ずっとお風呂入ってる間に「早く出て、あれやんないと」という気持ちになっちゃう。

松本:わかる。考え事がね。

生駒:逆にそうなっちゃう。

松本:僕がリラックスできる瞬間は、死ぬほど疲れて一瞬で寝落ちするその"一瞬"ですね。

生駒:それはあるよ。それはもう気絶でしょ?

松本:気絶だね。最近でいうとLAMP IN TERRENが一度終わって、新しいプロジェクトを始めようという中で、ほぼ11月にレコーディングとかは終わってから、12月はライブ以外何もしなくて、1月の序盤とかも何にもしてなかったんすけど、人生で初めて思考が止まった瞬間だったんですよね。大体「次に何やろ?」「これやろう」みたいな感じで考えてきてたんだけど、たぶんそのぐらいでかい終了だったんだろうな、LAMP IN TERRENってと思って。初めて何にも手つかないというか、何考えてもうまくいく未来が見えないという感覚に陥って。LAMP IN TERRENを続けるという方向で考えたとしても、それはそうだったんですけど。逆にその何も出てこない瞬間、ゲームしたり犬と遊んだりした。

生駒:飼ってたね。

松本:たぶんそれは結構人生の中で初めて「これをリラックスと呼べる瞬間だな」という。ミュージシャンとかその仕事をしてる人って、僕はもはや普通の人間ではないと思ってますけど、消防士にしても教師にしてもサラリーマンにしても、サラリーマンというその肩書きというか、そういう生き物になっちゃってるから、僕はミュージシャンという生き物だったんだけど、そういう生き物ではない、何もない人という感じのリラックスの感覚はありましたね。

生駒:なるほど。

松本:僕、松本にとって人生の先輩でもある生駒さん。生駒さんにとっての憧れの、さらに先輩ですね。僕からグランパに当たる人は誰かいます?

生駒:自分がその大塚愛の現場を通して会った人で。ライブの制作だったりとかをやってるような人がいて、その人がやっぱり自分の中で言ったら兄貴と言えるような人かな。

松本:へえ〜。兄貴?

生駒:若かった俺に対して、ご飯とか普通に行って、「今日は払いますよ」と言おうが何があって絶対に払わさないで奢ってくれて、そのとき俺に「俺がこうやってお前にやってやってるように、お前は自分がこいつ好きだなって思うやつに同じことをしてやれ」って言う人で。俺の中では"かっこつけマン"なんですけど、"かっこつけマン"が俺の中にも宿ったという感じですね(笑)。

松本:意外と仁義のある人ですよね。仁義というかそういうのを大事にする方ですよね、生駒さんは。

生駒:でもそういうとこから来てるんじゃないの?

松本:なるほどね。これから挑戦したいことは?

生駒:恥ずかしくもあっては基本的に「馬鹿じゃねーの?」って思うような「いやいやいや」と思われる話だからあんまり人には言ってないけど、"夢は夢"としてでいうと、いつか自分で劇伴、映画の音も含めて、映画の撮影も含めて、編集も含めて、まるまる映画を一本自分で作って死にたい。

松本:おーなるほど!

生駒:本当に「何を言ってんだか」という感じだけど。

松本:いやいや悪くないですよ!

生駒:そういう感じだけど、夢は夢。

松本:悪くないですよ。俺出ますよ。

生駒:(笑)。

松本:少しだけお芝居できるようになったので!

生駒:それはもう出てきてもらえるような脚本持ってくるわ(笑)。

松本:お願いします!全然やります。割とできてるらしいですよ。
そろそろ時間が来てしまいました。2週にわたっていろいろとお話ししてきて、感想などあります?

生駒:今でも緊張してます。

松本:まだしてる(笑)。

生駒:でも普段喋れないことを喋りたいと思ってきたから、すごい楽しかったです。

松本:いろんなお話を聞けてもう嬉しかったですよ。もうちょっとなんか込み入った話とかも2人で飯食いながらとかしたいですね。生駒さん、2週にわたってありがとうございました!Room "H"、ゲストの生駒龍之介さんでした。

生駒:ありがとうございました!

松本:制作時のエピソードなのですが、2人で作った曲だったなと思います。LAMP IN TERRENで「Fragile」。



松本:生駒さんを2週に渡ってお呼びしました。実を言うと最近ちょっとスタジオに入りまして、レコーディングなるものをしていました。俺これ多分ここで初めて言うことになるのかな。レコーディングみたいなことをやったんですよ。やったんですけど、その件で生駒さんと話したんですよ。そしたらまだこの収録のことを引きずってた。「まだ固くなっちゃうんだよ」とずっと言ってた。意外とあの人は日常がループしてるのかもね。そのアップデートされてない感じがするんだよね(笑)。だからこの前あった衝撃的なこととかがいつまでもループしてるという。選曲でも米津玄師の「Lemon」がありましたよね。「まだそれ言ってんの?」みたいなことを思ったりするんですけど(笑)。たぶん追求したいことが日常とは別のところにある人なんだろうなとすごく思います。だから生駒さんには定期的にめちゃくちゃ刺激を受けてもらわないと、あの人はアップデートできないんじゃないかなと思うので、頑張って頂きます。

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3月2日(水) オンエア楽曲
Travis「Driftwood」
大塚愛「PEACH」
米津玄師「Lemon」
Bruno Mars, Anderson .Paak, Silk Sonic「Leave The Door Open」
Todd Terje「Inspector Norse」
LAMP IN TERREN「Fragile」

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RADIO INFORMATION

FM 福岡「Room "H"」
毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"203号室(毎週水曜日の26:00~26:55)"では、音楽番組「Room "H"」をオンエア。九州にゆかりのある3組のバンド、ユアネスの黒川侑司、松本大、odolの森山公稀が週替わりでMCを務め、本音で(Honestly)、真心を込めて(Hearty)、気楽に(Homey) 音楽愛を語る。彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。

放送時間:毎週水曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC
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黒川侑司(ユアネス Vo.&Gt.)
福岡で結成された4人組ロックバンド。感情の揺れが溢れ出し琴線に触れる声と表現力を併せ持つヴォーカルに、変拍子を織り交ぜる複雑なバンドアンサンブルとドラマティックなアレンジで、
詞世界を含め一つの物語を織りなすような楽曲を展開。
重厚な音の渦の中でもしっかり歌を聴かせることのできるLIVEパフォーマンスは、エモーショナルで稀有な存在感を放っている。2021年12月1日に初のフルアルバム「6 case」をリリース。
オフィシャルサイト @yourness_on @yourness_kuro

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松本大
2006年に長崎県で結成。バンド名「LAMP IN TERREN」には「この世の微かな光」という意味が込められている。松本の描く人の内面を綴った歌詞と圧倒的な歌声、そしてその声を4人で鳴らす。聴く者の日常に彩りを与え、その背中を押す音楽を奏でる集団である。
2021年12月8日にEP「A Dream Of Dreams」を配信リリース。
オフィシャルサイト @lampinterren @pgt79 / @lampinterren

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森山公稀(odol Piano&Synth.)
福岡出身のミゾベリョウ(Vo.)、森山公稀(Pf./Syn.)を中心に2014年東京にて結成した5人組。ジャンルを意識せず、自由にアレンジされる楽曲には独自の先進性とポピュラリティが混在し、新しい楽曲をリリースする度にodolらしさを更新している。
2022年1月26日に「望み」を配信リリース。
オフィシャルサイト @odol_jpn @KokiMoriyama


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FM福岡「Room "H"」

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