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2021.11.09
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!DURAN・NOT WONK・Sen Morimotoほか全18作品 -2021.11.03-
カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、11/3にオンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
MISATO:11月1日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全18作品の中から、まずは前半9作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!!最後のSHU-MIはタイトル読むとき「トゥーーーー・レイト!!」と読みたくなりますね(笑)。
金子:「Too」の「o」が、「oooooo」とついてますからね(笑)。
MISATO:何個ついてるのかな?6個ついてますね。
金子:なので、「トゥーーーー・レイト!」ですね(笑)。
MISATO:これが正しい発音ですよね(笑)。さあ他にも予感が...!また問題作を作ってくれました。
金子:前回もそうだったんですけど、今回もSNSのコミュニケーションみたいなところが曲のテーマになっていて、歌詞を読むと、Instagramとかでブランド品のロゴを前に出して、それをさも自分のネームタグのように見せてる人がいるけど、それって自分がモノを消費しているようで、実は消費されてるんじゃない?みたいな、ちょっと皮肉めいた目線が入っています。「still life」というのは静物画のことなんですけど、そういうブランド品のロゴを出してるようなInstagramが現代の静物画なんじゃないか?ということでこのタイトルになっていて、相変わらず面白いなーと思いました。
MISATO:最高ですね。色々なブランドの名前が出てくるんですけど、私まさに同じことしてるなと思って、グサッと刺さっています(笑)。友達がアップしてたら、それに"いいね"していたなという。
金子:ドープなトラックも、この「祝福されたい、祝福されたい」というリフレインのちょっと不穏な感じもいいですね。やっぱり好きです。
MISATO:peelingwardsは、ayutthayaとのスプリットで既に一度出ている?
金子:はい、一度紹介はしてますね。cinema staffの三島くんと辻くんがやってるバンドで、三島くんはシネマだとベースですけど、ここではボーカル・ギターというバンドです。ちなみに、Mercy Woodpeckerも少しcinema staffっぽいなと思って。
MISATO:あ、わかります!
金子:シネマはそもそもオルタナとかポストロック、ハードコアみたいなちょっとコアな音楽性をポップに昇華して、そういうのがJ-ROCKの基本ラインみたいなものを作ってきたとも言えるので、それでMercy Woodpeckerみたいな下の世代にも結果的に影響を与えてるんだと思います。それに対してpeelingwardsはJ-ROCK的な広い目線とかは関係なしに、「俺はこれが好き」というのをやってるバンド。三島くんの男臭い絶叫系のボーカルだったり、ゴリゴリの音圧だったり、「俺たちはこれが好きだからこれをやる」というスタンスを貫いていて、シネマみたいなバンドもやりつつ、peelingwardsみたいにインディーで自分たちのやりたいことを貫く姿というのは、非常にかっこいいなと思いますね。
MISATO:作品紹介でいただいた資料には「いつの間にか曲名がプロレスだらけになっている」という(笑)。この一文がその男臭さ象徴してますね。
金子:今回EPなんですけど、曲のタイトルはみんなプロレス絡みで、アーティスト写真もマスクマンみたいだったりして。
MISATO:いいですね、遊び心が。
金子:"男の子"感ね。
MISATO:男の子感といえば、DURANもある種、男の子感があるかなと。
金子:peelingwardsとかDURANとか、深夜3時に聴くもんじゃないですね(笑)。
MISATO:みなさん、覚醒させて申し訳ございません(笑)。
金子:今週は少しロック色強めな感じですけど、セカンド・アルバム『Kaleido Garden』が出るDURANを改めて紹介しておくと、日本生まれフィリピン育ちのミュージシャンで、これまでスガシカオさんとか小袋さんとか、B'zの稲葉さんのサポートをしたり、あとEXILEのATSUSHIさんのRED DIAMOND DOGSというバンドとか、a flood of circleにも参加したり、非常に多彩なキャリアを持っている方です。で、今回2枚目のアルバムで、全25曲という(笑)。
MISATO:昨今ひさしぶりにこんな数を聞きました。超大作なのに3ループぐらいしてたんですよ。それがなんか不思議で、彼の術中にはハマったなという感じで(笑)。
金子:25曲とはいえ、尺自体は1時間にも満たないぐらいなんですよね。やっぱりこのコロナ禍の中で、改めて生の演奏の大事さみたいな、もともと大事にしていたものをもう一度見つめ直して、今回のアルバムを作ったみたいです。なので一発録りだったり、なかにはレコーディング当日にノープランでセッションをして、それをそのまま収録してたりして。
MISATO:うわー痺れる〜。
金子:だから結構短い曲とかも入っていて、25曲っていうボリュームになってるという。以前にも紹介したcoldrainのドラムのKatsumaとコラボレーションしてたり、トラックメーカーの906 / Nine-O-Sixとコラボレートしたり、複数のゲストが参加していて、今日ご紹介する曲はKenKenとのコラボです。DURANがギターヒーローなら、KenKenはベースヒーローですからね。
MISATO:私この曲聴きながら巌流島かなと思って。宮本武蔵 VS 佐々木小次郎みたいな。宮本武蔵がKenKenだと思うんですけど(笑)。
金子:そうなのかな(笑)。どっちがどっちかはわからないけど、でもそのくらいのバトルが曲の中で繰り広げられていますね。さっきのpeelingwardsはバンド4人の音圧でドカン!という感じですけど、こっちは一つ一つの楽器の音がしっかり立った上で、絡みも非常にわかりやすくて、その上でドカン!と伝わってくるものもちゃんとある。思わず擬音が多くなっちゃう感じの曲ですね。テンション上がります。
MISATO:深夜3時にテンション上げてもらいましょう(笑)。
MISATO:お送りしているのは「Love The Way You Move feat. KenKen」。覚醒した人が多くいるのではないでしょうか?
金子:覚醒しちゃいますね。
MISATO:いやーかっこいいですね。血がたぎるというか。この2人の決着は最後どうなったんでしょうかね?
金子:巌流島って最後どうなるんでしたっけ?
MISATO:最後どうなるんだろう。
金子:宮本武蔵が勝つのかな?
MISATO:ドローにしたいな(笑)。
金子:ドローにしましょう、ここではドローです(笑)。
MISATO:全部通して聴いていただけると、「Answers」という曲から始まって「Answers 2」で終わるという憎い演出もありますので、ぜひアルバムを聴いてみてください。
MISATO:11月1日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全18作品の中からPart 2をお送りしました。厚武さん、今夜はTAMTAMという文字が夢に出てきそうです。
金子:何回言いましたかね(笑)。
MISATO:わからないです(笑)。それぞれのメンバーのソロ・プロジェクトや別名義のユニットなど、形態を変えてTAMTAM関連の楽曲が一気にリリースになったんですね。すごい。
金子:これは以前TAMTAMがライブのマーチャンダイズとして、メンバーがソロをやる企画をやって、そのときカセットテープで販売されたそうなんですけど、それが配信リリースされるということで。
MISATO:面白いですね。
金子:TAMTAMはHiatus Kaiyoteやthe Internetとか、いわゆるフューチャー・ソウルと呼ばれてるような人たちと比べられることが多かったりしたんですけど、彼らも結構個人個人で活躍していたりして、そういう意味ではTAMTAMがこういう動きをするのも納得ではあります。
MISATO:日本ではまだ馴染みがないかもしれないですけど、自然な流れなんでしょうね。
金子:でもここまでやるのはなかなかないと思うから面白いなあと思うし、音楽的にもアンビエントとか環境音楽とか、そういうオン・トレンドなところをしっかり押さえてる感じが、やっぱり音楽偏差値高いバンドだなと。
MISATO:1人1人の高さが分かるし、あと好みもそれぞれあるんだなって、そういうところも見えて面白いですね。あとSen Morimotoのリミックス企画が面白い。
金子:Sen Morimotoは先々週に初めて紹介して、そのときはKan Sanoのリミックスだったんですけど、今後は隔週でリミックスを、かなり長期にわたってリリースするらしく、今週はUQiYOがリミックスをしています。
MISATO:嬉しいな〜。
金子:UQiYOもサブスクの時代に海外でたくさん聴かれて、改めて注目された方ですね。あと最近だと空間オーディオ、いわゆる5.1chをAirPodsで聴けちゃうみたいな、そういう方面にも力を入れていて、少し前に出したアルバムは空間オーディオに対応していたりして。このリミックスは空間オーディオ対応というわけではないと思うんですけど、ミックスが立体的でかなり面白いことになっていて。
MISATO:UQiYOらしいですね。フロントマンのYuqiくんがイヤホンの設計とかできる人なんですよね。
金子:もともとそういうところで働いていたらしいですね。
MISATO:それもあって、やっぱり音に対するマニアック度が他の方よりも専門性があるので、今回のリミックスすごいですね。
金子:ぜひヘッドフォンで聴いていただきたい楽曲です。
MISATO:そんな中、1曲お送りしたいのですが。
金子:はい、今週はNOT WONKです。
MISATO:NOT WONKはFRIENDSHIP.からは初になりますよね?
金子:そうですね。
MISATO:なんか嬉しいな〜。選んでくれてありがとうございます。
金子:この番組でよく90年代インディー・ロックっぽいバンドが出てきてる、みたいな話をしてると思うんですけど、それってそもそもNOT WONKであり、彼らを輩出したKiliKiliVillaというレーベルがあるんですけど、そこが発火点だった印象があって。NOT WONKは北海道出身のバンドなんですけど、彼らみたいなバンドが地方から出てきて、すごく注目を集めたことによって、全国から90年代だったり、人によって80年代だったり、そういうインディーロック、パンク的なバンドが全国的に広がった印象があります。NOT WONK自体はメジャーに進んで、2枚アルバムを出して、「さあ、この動きがどう広がるんだろう」と楽しみに見ていたんですけど、そのタイミングでコロナになっちゃって。やっぱりコロナって、でかいバンドよりも、ライブハウスで今まさに伸びてきている、みたいなバンドにとっての影響が大きくて。
MISATO:かなり足枷になりましたね。
金子:NOT WONKなんかはまさに、これからどうなっていくかっていうタイミングだったから、影響は大きかったと思います。そんな中での次の一手として、今後BROTHER SUN SISTER MOONを出しているレーベルと一緒にやっていくことになっているらしく。
MISATO:え!おめでとうございます!
金子:それで今回、FRIENDSHIP.からリリースっていうことなんですけど。
MISATO:なるほど、そういう経緯だったんですね。
金子:今回はリミックスなんですけど、これがなんのリミックスかというと、さっきちらっと言った、もともと彼らが所属していたKiliKiliVillaというレーベルをやっている、与田さんがリミックスしてるんですね。与田さんはもともとDJとしても活躍していた人で、インディー・ダンス界隈で有名な方なんですけど、今まさに次の段階へ進んで行こうとするバンドへ向けた餞、みたいなリミックスなんです。
MISATO:え、もうそれは泣いちゃうやつですね...。なかなか背中を押せないですよね、一緒にやってきて、苦楽を共にした、でもその次のステージに彼らが行くんだったら、自分の元から巣立った方がほうがいいというときに、これを出せるかと言ったら...。男気がもう...素晴らしいですね。
金子:そういうストーリーも加味して聴くと、よりグッとくるものがあると思います。
MISATO:お送りしているのは、NOT WONK「the place where nothing's ever born (YODATARO Remix)」。まさに文化を継承する、文化の日にぴったりな楽曲かもしれないですね。自由であったり、彼らの文化を根絶やさないように、カルチャーをずっと続けていくためには。
金子:やっぱり文化の草の根はインディーから広がっていきますからね。
MISATO:FM 福岡からお送りしている「Curated Hour~FRIENDSHIP. RADIO」。続いてのコーナーは「金子厚武のこれ気になる!」。毎月月初めのこの時間は音楽ライターの厚武さんに、今旬の音楽トピックについてお話ししてもらうという時間です。今夜はどんなお話でしょう?
金子:最近このコーナー、ライブイベント紹介コーナーみたいになってるんですけど(笑)。
MISATO:そういう仕事も始めたんですか(笑)?
金子:せっかくライブが少しずつできるようになってきてるので、足を運んでもらったり、あと配信も一般的になってきて、全国どこでも見れるようになってきたので、お知らせできると良いかなって。ちなみに、今月ご紹介するのはがっつりFRIENDSHIP.絡みのイベントです。11月22日に「Soundscape:Curated by FRIENDSHIP.」が東京のリキッドルームで開催されて、配信も行われる予定になっております。
MISATO:素晴らしい4組が。
金子:bonobos、Keishi Tanaka、LITE、odolというね。
MISATO:完璧ですね。
金子:この番組ではお馴染みの方々が出るという。イベントタイトルの「Soundscape」っていうのは、FRIENDSHIP.が公開しているプレイリストの名前で、「Soundscape」というタイトル通り、風景が見えるような音を集めたプレイリストになっています。先月このコーナーでイベントの告知をしたLITEはVJと一緒にライブをやってたりもするし、odolもそういうことやってたり、映像との親和性が高い人たちが出るなという印象があります。
MISATO:今回はライブストリーミングもあり、有観客でもあるという、ハイブリッドですか?
金子:そうです!
MISATO:ということは、福岡にいる方も見れる?
金子:もちろんです!そもそもこの「Soundscape」というプレイリストは、昨年の4月から始まっているんですよ。つまりはコロナ禍になってから始まっていて、要は外に出られない中で、家にいても風景が見えるようなプレイリストを作ろうっていうことで始まってるプレイリストなんですよね。そこから1年半ぐらい経って、これからまだどうなるかわからないけど、少しずつ外に出れるようになってきて、イベントも開催できるようになってきた中で、このコロナ禍に始まったプレイリストのタイトルをつけてイベントをやるというのは、一区切りじゃないけど、「またここから外に出て行けるようになったらいいね」という、そういう意味合いも勝手に感じたりして。
MISATO:音って今の自分の心象であったり状況によって、見せてくれる絵を変えてくれるものだと思うから、4月に聴いたプレイリストの同じ曲をいま聴いても、違う絵が浮かぶ気がする。その変化を自分の中で楽しんでほしいですね。
金子:きっとね、1年半経ってるから、みなさん心象も大きく変わっているでしょうからね。
MISATO:「いい夫婦の日」、皆さんライブストリーミングもありますので、詳しくはウェブサイトをご覧になってください。そんな中、ご紹介するのは?
金子:4組の中から、そのプレイリストに入ってる曲をかけようかなと思います。Keishi Tanakaの「Where You Know」。
MISATO:Keishiさんのライブは生で見たいなー。
金子:ですよね。僕は行こうと思います。
MISATO:11月22日ですので、ぜひチェックお願いします。
日時 : 2021年11月22日 (月・祝前日)
会場:恵比寿LIQUIDROOM
開場 17:30 / 開演 18:00
出演:bonobos、Keishi Tanaka、LITE、odol
チケット:
<来場+アーカイブ配信付きチケット>
S TICKET (イス席 + 配信アーカイブ付き) 前売¥5,000(D代別/税込)
A TICKET (スタンディング + 配信アーカイブ付き) 前売¥4,000 (D代別/税込)
<配信チケット>
前売¥2,000(税込)
当日¥3,000(税込)
チケット購入はこちら
FM福岡で毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"303号室"(毎週水曜日の27:00~27:55)では、FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」をオンエア。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週水曜日 27:00~27:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
FRIENDSHIP.
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、11/3にオンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
New Release Digest Part 1
MISATO:11月1日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全18作品の中から、まずは前半9作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!!最後のSHU-MIはタイトル読むとき「トゥーーーー・レイト!!」と読みたくなりますね(笑)。
金子:「Too」の「o」が、「oooooo」とついてますからね(笑)。
MISATO:何個ついてるのかな?6個ついてますね。
金子:なので、「トゥーーーー・レイト!」ですね(笑)。
MISATO:これが正しい発音ですよね(笑)。さあ他にも予感が...!また問題作を作ってくれました。
金子:前回もそうだったんですけど、今回もSNSのコミュニケーションみたいなところが曲のテーマになっていて、歌詞を読むと、Instagramとかでブランド品のロゴを前に出して、それをさも自分のネームタグのように見せてる人がいるけど、それって自分がモノを消費しているようで、実は消費されてるんじゃない?みたいな、ちょっと皮肉めいた目線が入っています。「still life」というのは静物画のことなんですけど、そういうブランド品のロゴを出してるようなInstagramが現代の静物画なんじゃないか?ということでこのタイトルになっていて、相変わらず面白いなーと思いました。
MISATO:最高ですね。色々なブランドの名前が出てくるんですけど、私まさに同じことしてるなと思って、グサッと刺さっています(笑)。友達がアップしてたら、それに"いいね"していたなという。
金子:ドープなトラックも、この「祝福されたい、祝福されたい」というリフレインのちょっと不穏な感じもいいですね。やっぱり好きです。
MISATO:peelingwardsは、ayutthayaとのスプリットで既に一度出ている?
金子:はい、一度紹介はしてますね。cinema staffの三島くんと辻くんがやってるバンドで、三島くんはシネマだとベースですけど、ここではボーカル・ギターというバンドです。ちなみに、Mercy Woodpeckerも少しcinema staffっぽいなと思って。
MISATO:あ、わかります!
金子:シネマはそもそもオルタナとかポストロック、ハードコアみたいなちょっとコアな音楽性をポップに昇華して、そういうのがJ-ROCKの基本ラインみたいなものを作ってきたとも言えるので、それでMercy Woodpeckerみたいな下の世代にも結果的に影響を与えてるんだと思います。それに対してpeelingwardsはJ-ROCK的な広い目線とかは関係なしに、「俺はこれが好き」というのをやってるバンド。三島くんの男臭い絶叫系のボーカルだったり、ゴリゴリの音圧だったり、「俺たちはこれが好きだからこれをやる」というスタンスを貫いていて、シネマみたいなバンドもやりつつ、peelingwardsみたいにインディーで自分たちのやりたいことを貫く姿というのは、非常にかっこいいなと思いますね。
MISATO:作品紹介でいただいた資料には「いつの間にか曲名がプロレスだらけになっている」という(笑)。この一文がその男臭さ象徴してますね。
金子:今回EPなんですけど、曲のタイトルはみんなプロレス絡みで、アーティスト写真もマスクマンみたいだったりして。
MISATO:いいですね、遊び心が。
金子:"男の子"感ね。
MISATO:男の子感といえば、DURANもある種、男の子感があるかなと。
金子:peelingwardsとかDURANとか、深夜3時に聴くもんじゃないですね(笑)。
MISATO:みなさん、覚醒させて申し訳ございません(笑)。
金子:今週は少しロック色強めな感じですけど、セカンド・アルバム『Kaleido Garden』が出るDURANを改めて紹介しておくと、日本生まれフィリピン育ちのミュージシャンで、これまでスガシカオさんとか小袋さんとか、B'zの稲葉さんのサポートをしたり、あとEXILEのATSUSHIさんのRED DIAMOND DOGSというバンドとか、a flood of circleにも参加したり、非常に多彩なキャリアを持っている方です。で、今回2枚目のアルバムで、全25曲という(笑)。
MISATO:昨今ひさしぶりにこんな数を聞きました。超大作なのに3ループぐらいしてたんですよ。それがなんか不思議で、彼の術中にはハマったなという感じで(笑)。
金子:25曲とはいえ、尺自体は1時間にも満たないぐらいなんですよね。やっぱりこのコロナ禍の中で、改めて生の演奏の大事さみたいな、もともと大事にしていたものをもう一度見つめ直して、今回のアルバムを作ったみたいです。なので一発録りだったり、なかにはレコーディング当日にノープランでセッションをして、それをそのまま収録してたりして。
MISATO:うわー痺れる〜。
金子:だから結構短い曲とかも入っていて、25曲っていうボリュームになってるという。以前にも紹介したcoldrainのドラムのKatsumaとコラボレーションしてたり、トラックメーカーの906 / Nine-O-Sixとコラボレートしたり、複数のゲストが参加していて、今日ご紹介する曲はKenKenとのコラボです。DURANがギターヒーローなら、KenKenはベースヒーローですからね。
MISATO:私この曲聴きながら巌流島かなと思って。宮本武蔵 VS 佐々木小次郎みたいな。宮本武蔵がKenKenだと思うんですけど(笑)。
金子:そうなのかな(笑)。どっちがどっちかはわからないけど、でもそのくらいのバトルが曲の中で繰り広げられていますね。さっきのpeelingwardsはバンド4人の音圧でドカン!という感じですけど、こっちは一つ一つの楽器の音がしっかり立った上で、絡みも非常にわかりやすくて、その上でドカン!と伝わってくるものもちゃんとある。思わず擬音が多くなっちゃう感じの曲ですね。テンション上がります。
MISATO:深夜3時にテンション上げてもらいましょう(笑)。
MISATO:お送りしているのは「Love The Way You Move feat. KenKen」。覚醒した人が多くいるのではないでしょうか?
金子:覚醒しちゃいますね。
MISATO:いやーかっこいいですね。血がたぎるというか。この2人の決着は最後どうなったんでしょうかね?
金子:巌流島って最後どうなるんでしたっけ?
MISATO:最後どうなるんだろう。
金子:宮本武蔵が勝つのかな?
MISATO:ドローにしたいな(笑)。
金子:ドローにしましょう、ここではドローです(笑)。
MISATO:全部通して聴いていただけると、「Answers」という曲から始まって「Answers 2」で終わるという憎い演出もありますので、ぜひアルバムを聴いてみてください。
New Release Digest Part 2
MISATO:11月1日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全18作品の中からPart 2をお送りしました。厚武さん、今夜はTAMTAMという文字が夢に出てきそうです。
金子:何回言いましたかね(笑)。
MISATO:わからないです(笑)。それぞれのメンバーのソロ・プロジェクトや別名義のユニットなど、形態を変えてTAMTAM関連の楽曲が一気にリリースになったんですね。すごい。
金子:これは以前TAMTAMがライブのマーチャンダイズとして、メンバーがソロをやる企画をやって、そのときカセットテープで販売されたそうなんですけど、それが配信リリースされるということで。
MISATO:面白いですね。
金子:TAMTAMはHiatus Kaiyoteやthe Internetとか、いわゆるフューチャー・ソウルと呼ばれてるような人たちと比べられることが多かったりしたんですけど、彼らも結構個人個人で活躍していたりして、そういう意味ではTAMTAMがこういう動きをするのも納得ではあります。
MISATO:日本ではまだ馴染みがないかもしれないですけど、自然な流れなんでしょうね。
金子:でもここまでやるのはなかなかないと思うから面白いなあと思うし、音楽的にもアンビエントとか環境音楽とか、そういうオン・トレンドなところをしっかり押さえてる感じが、やっぱり音楽偏差値高いバンドだなと。
MISATO:1人1人の高さが分かるし、あと好みもそれぞれあるんだなって、そういうところも見えて面白いですね。あとSen Morimotoのリミックス企画が面白い。
金子:Sen Morimotoは先々週に初めて紹介して、そのときはKan Sanoのリミックスだったんですけど、今後は隔週でリミックスを、かなり長期にわたってリリースするらしく、今週はUQiYOがリミックスをしています。
MISATO:嬉しいな〜。
金子:UQiYOもサブスクの時代に海外でたくさん聴かれて、改めて注目された方ですね。あと最近だと空間オーディオ、いわゆる5.1chをAirPodsで聴けちゃうみたいな、そういう方面にも力を入れていて、少し前に出したアルバムは空間オーディオに対応していたりして。このリミックスは空間オーディオ対応というわけではないと思うんですけど、ミックスが立体的でかなり面白いことになっていて。
MISATO:UQiYOらしいですね。フロントマンのYuqiくんがイヤホンの設計とかできる人なんですよね。
金子:もともとそういうところで働いていたらしいですね。
MISATO:それもあって、やっぱり音に対するマニアック度が他の方よりも専門性があるので、今回のリミックスすごいですね。
金子:ぜひヘッドフォンで聴いていただきたい楽曲です。
MISATO:そんな中、1曲お送りしたいのですが。
金子:はい、今週はNOT WONKです。
MISATO:NOT WONKはFRIENDSHIP.からは初になりますよね?
金子:そうですね。
MISATO:なんか嬉しいな〜。選んでくれてありがとうございます。
金子:この番組でよく90年代インディー・ロックっぽいバンドが出てきてる、みたいな話をしてると思うんですけど、それってそもそもNOT WONKであり、彼らを輩出したKiliKiliVillaというレーベルがあるんですけど、そこが発火点だった印象があって。NOT WONKは北海道出身のバンドなんですけど、彼らみたいなバンドが地方から出てきて、すごく注目を集めたことによって、全国から90年代だったり、人によって80年代だったり、そういうインディーロック、パンク的なバンドが全国的に広がった印象があります。NOT WONK自体はメジャーに進んで、2枚アルバムを出して、「さあ、この動きがどう広がるんだろう」と楽しみに見ていたんですけど、そのタイミングでコロナになっちゃって。やっぱりコロナって、でかいバンドよりも、ライブハウスで今まさに伸びてきている、みたいなバンドにとっての影響が大きくて。
MISATO:かなり足枷になりましたね。
金子:NOT WONKなんかはまさに、これからどうなっていくかっていうタイミングだったから、影響は大きかったと思います。そんな中での次の一手として、今後BROTHER SUN SISTER MOONを出しているレーベルと一緒にやっていくことになっているらしく。
MISATO:え!おめでとうございます!
金子:それで今回、FRIENDSHIP.からリリースっていうことなんですけど。
MISATO:なるほど、そういう経緯だったんですね。
金子:今回はリミックスなんですけど、これがなんのリミックスかというと、さっきちらっと言った、もともと彼らが所属していたKiliKiliVillaというレーベルをやっている、与田さんがリミックスしてるんですね。与田さんはもともとDJとしても活躍していた人で、インディー・ダンス界隈で有名な方なんですけど、今まさに次の段階へ進んで行こうとするバンドへ向けた餞、みたいなリミックスなんです。
MISATO:え、もうそれは泣いちゃうやつですね...。なかなか背中を押せないですよね、一緒にやってきて、苦楽を共にした、でもその次のステージに彼らが行くんだったら、自分の元から巣立った方がほうがいいというときに、これを出せるかと言ったら...。男気がもう...素晴らしいですね。
金子:そういうストーリーも加味して聴くと、よりグッとくるものがあると思います。
MISATO:お送りしているのは、NOT WONK「the place where nothing's ever born (YODATARO Remix)」。まさに文化を継承する、文化の日にぴったりな楽曲かもしれないですね。自由であったり、彼らの文化を根絶やさないように、カルチャーをずっと続けていくためには。
金子:やっぱり文化の草の根はインディーから広がっていきますからね。
今旬の音楽トピックについて紹介するコーナー「金子厚武のこれ気になる」
MISATO:FM 福岡からお送りしている「Curated Hour~FRIENDSHIP. RADIO」。続いてのコーナーは「金子厚武のこれ気になる!」。毎月月初めのこの時間は音楽ライターの厚武さんに、今旬の音楽トピックについてお話ししてもらうという時間です。今夜はどんなお話でしょう?
金子:最近このコーナー、ライブイベント紹介コーナーみたいになってるんですけど(笑)。
MISATO:そういう仕事も始めたんですか(笑)?
金子:せっかくライブが少しずつできるようになってきてるので、足を運んでもらったり、あと配信も一般的になってきて、全国どこでも見れるようになってきたので、お知らせできると良いかなって。ちなみに、今月ご紹介するのはがっつりFRIENDSHIP.絡みのイベントです。11月22日に「Soundscape:Curated by FRIENDSHIP.」が東京のリキッドルームで開催されて、配信も行われる予定になっております。
MISATO:素晴らしい4組が。
金子:bonobos、Keishi Tanaka、LITE、odolというね。
MISATO:完璧ですね。
金子:この番組ではお馴染みの方々が出るという。イベントタイトルの「Soundscape」っていうのは、FRIENDSHIP.が公開しているプレイリストの名前で、「Soundscape」というタイトル通り、風景が見えるような音を集めたプレイリストになっています。先月このコーナーでイベントの告知をしたLITEはVJと一緒にライブをやってたりもするし、odolもそういうことやってたり、映像との親和性が高い人たちが出るなという印象があります。
MISATO:今回はライブストリーミングもあり、有観客でもあるという、ハイブリッドですか?
金子:そうです!
MISATO:ということは、福岡にいる方も見れる?
金子:もちろんです!そもそもこの「Soundscape」というプレイリストは、昨年の4月から始まっているんですよ。つまりはコロナ禍になってから始まっていて、要は外に出られない中で、家にいても風景が見えるようなプレイリストを作ろうっていうことで始まってるプレイリストなんですよね。そこから1年半ぐらい経って、これからまだどうなるかわからないけど、少しずつ外に出れるようになってきて、イベントも開催できるようになってきた中で、このコロナ禍に始まったプレイリストのタイトルをつけてイベントをやるというのは、一区切りじゃないけど、「またここから外に出て行けるようになったらいいね」という、そういう意味合いも勝手に感じたりして。
MISATO:音って今の自分の心象であったり状況によって、見せてくれる絵を変えてくれるものだと思うから、4月に聴いたプレイリストの同じ曲をいま聴いても、違う絵が浮かぶ気がする。その変化を自分の中で楽しんでほしいですね。
金子:きっとね、1年半経ってるから、みなさん心象も大きく変わっているでしょうからね。
MISATO:「いい夫婦の日」、皆さんライブストリーミングもありますので、詳しくはウェブサイトをご覧になってください。そんな中、ご紹介するのは?
金子:4組の中から、そのプレイリストに入ってる曲をかけようかなと思います。Keishi Tanakaの「Where You Know」。
MISATO:Keishiさんのライブは生で見たいなー。
金子:ですよね。僕は行こうと思います。
MISATO:11月22日ですので、ぜひチェックお願いします。
Soundscape : Curated by FRIENDSHIP.
日時 : 2021年11月22日 (月・祝前日)
会場:恵比寿LIQUIDROOM
開場 17:30 / 開演 18:00
出演:bonobos、Keishi Tanaka、LITE、odol
チケット:
<来場+アーカイブ配信付きチケット>
S TICKET (イス席 + 配信アーカイブ付き) 前売¥5,000(D代別/税込)
A TICKET (スタンディング + 配信アーカイブ付き) 前売¥4,000 (D代別/税込)
<配信チケット>
前売¥2,000(税込)
当日¥3,000(税込)
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RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FM福岡で毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"303号室"(毎週水曜日の27:00~27:55)では、FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」をオンエア。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週水曜日 27:00~27:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
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