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2021.10.04
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!ポニーのヒサミツ・Funkindustry・am8ほか全21作品 -2021.09.29-
カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
MISATO:9月27日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、今週は全21作品でございます。その中から前半11作品ダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。お祭り騒ぎですね。
金子:盛りだくさんですねー。
MISATO:たくさんいらっしゃいますが、CaTEyeも番組ではお馴染みになってきました。
金子:今回、女性のソロアーティストが大槻美奈さんとかLayaさんとかいろんな人がいるんですけど、CaTEyeはEPがリリースということで。『Love Rescue Hotline-愛情急救熱線-』 という作品なんですけど。
MISATO:良いですねー。
金子:中国出身で、中国語も日本語も英語も操れるトリリンガルの面白いラッパーですけど、今回は『Love Rescue Hotline』というタイトル通り、恋愛がモチーフになった楽曲が入っていて。海外のアーティストだと、テイラー・スウィフトにしろアリアナ・グランデにしろ、自分の恋愛を赤裸々に歌詞にして、その上でちゃんと自分のアイデンティティを強く打ち出しているアーティストがすごく多いじゃないですか。今作がそうなのかははっきりとはわからないですけど、でもきっとCaTEyeも恋愛をモチーフにしながら自分なりのメッセージを打ち出しているタイプなのかなって。なので、歌詞にも注目しながら聴いてもらえたらなと。
MISATO:さらにYUNOWAが。「あ、今回こういう感じか」とびっくりしちゃいましたが。
金子:これまでのイメージよりもアグレッシブな感じで。
MISATO:強いYUNOWA。
金子:リリース自体は半年振りで、前にリリースされた「痒み」はいろいろなプレイリストに入ったり、みのさんがApple MusicでやられているTokyo Highway Radioで取り上げられたり、かなり反響もあって。今回はそれ以来、半年振りということですけど、まあ、かっこいいですよね。
MISATO:カッコいい!
金子:アグレッシブになったと言っても、もちろん、いわゆるロックになったということではなくて、相変わらず隙間の作り方が非常にかっこいいし、後半はセッションみたいになっていって、リアルタイムでループさせてるっぽいですけど、そのあたりはダブっぽさもあったりとか、彼ららしいシグネチャーサウンドがしっかりあった上で、新しい要素も見せてくれていて。やはりかっこいいなと思いました。
MISATO:あのビートになってもリズムが一定で、「どうやって叩いているの?」と思うし、曲作りから後悔してないかなって思う。これライブで再現するの大変じゃないかなって(笑)。
金子:ベースラインとかも音作り含めてめっちゃかっこいいし。
MISATO:かっこいいですよね。
金子:ライブ見たいなー。
MISATO:見たいですよねー。さあ、こちらもライブが見たくて、そして私たちが散々この番組でもコラボしてほしいねなんて言ってたのが遂に実現ですね。
金子:それはあれですね、Funkindustry feat. Juaのことを言っているわけですね。
MISATO:よっ!Juaくん!
金子:この人たちがリリースすると毎回僕たち盛り上がってますけど、曲調はこれまでのディスコファンクとかアシッドジャズ的なものからはちょっと違ったタイプの、ボサノバチックなギターから入って、新たな色を見せつつ、途中からビートとともにJuaくんのラップが入ってくるという。
MISATO:待ってましたよ。
金子:前にちょっと言ったかと思うんですけど、フランス出身のFunkindustryと日本を拠点に活動しているJuaくんがこうやってコラボレーションすることによって、お互いの国にアピールできるっていうのはやっぱりサブスク時代ならではのところで。Juaくんはフランス語を喋れる人で、ラップもできる人なので、「なるほど!」っていう組み合わせで。めちゃめちゃ好相性だと思いますね。
MISATO:この曲の制作についてJuaくんが「記憶は死なない、思い出は永遠、過去に生きれば、良い思い出も心を蝕んでいく」と語っていらっしゃいますけど、いろんな言語を使いながら、すごく詩的な歌詞を紡いでいるんだなっていう。
金子:哲学的な部分でも共有できるものがあったのかもしれないですね。
MISATO:言語が同じだとその哲学の真髄になる本質の部分の会話ができるじゃないですか。言語が違うとどうしてもひとつ隔たりがあるっていうのが難しいところを、この組み合わせは飛び越えていけるっていうのも、これが生み出されたきっかけになってるのかなとも思いますね。
MISATO:9月27日週リリースの新譜ダイジェストPart 2をお送りしました。Part 2ははじめましてさんが結構多いですね。Kamisadoもそうだし、東京◯X問題も良かったなあ。さらにSuhmも初めてですよね。
金子:この番組で紹介するのは初めてですね。
MISATO:タイトルもすごいですね、すごく目をひくタイトル。
金子:「僕の死体はジャケにして」。ちょっと怖いですね。Suhmは元Kidori Kidoriのマッシュのソロプロジェクトで、Kidori Kidoriのときはポストパンクとかガレージロックとかの色合いが強かったですけど、今回は結構色合いも変わっていて。11月にアルバムが出るそうで、それに先駆けての先行トラックなんですけど、アルバム自体セルフメディケーション、瞑想みたいなことがテーマになっているらしく。ちょっと内省的な作風ではあるんだけど、でもその中で思考を巡らせて、それによって次へ進んでいくような、何かそういう作品になってるのかなあという気がして、楽しみですね。
MISATO:今回はわりと内省的というか、自分のルーツ、そしてその哲学について語ってる歌がちらほら入ってますね。
金子:マッシュくんもともと音楽性だけじゃなくて、思考もすごく面白い人なんですよね。
MISATO:なるほど。ポニーのヒサミツさんも初?
金子:そうですね。一見バンド名っぽい名前ですけど、この方も男性ソロアーティストで。キャリアはもう長くて、以前はカクバリズムから作品を出してたりとか、知ってる人はよく知ってるミュージシャン。今回はTETRA RECORDS からのリリースで、And Summer ClubとかTaiko Super Kicksとか、「このレーベルから出てるのは間違いない」という、お墨付きな感じになってきましたけど。
MISATO:間違いない!
金子:ポニーのヒサミツも11月にアルバムが出るんですけど、それはエキゾをテーマにしていて、今回の曲も細野晴臣さんとかからの流れを感じさせる曲だったり、アルバムがどうなってるかとても楽しみなアーティストですね。
MISATO:これはいいですね。ようやく自分のやりたいことがいろんなところで固まってきたっていう感じもあるんですかね。アルバムは11月、楽しみですね。
MISATO:さて、そんな中で1曲何を紹介しましょう。
金子:今週はひさしぶりにam8をちょっと長めにかけようかなと。
MISATO:番組始まって一番最初にかけましたもんね。
金子:そうでしたね。おひさしぶりと言いつつ、曲はずっと紹介し続けていたんですけどね。もともと昨年の12月に『iDoM』というアルバムが出ていて、そこからバージョン違いだったりリミックスだったりをコンスタントにリリースし続けていて、それもサブスク時代ならではだなって感じでしたけど、純粋な新曲はかなりひさびさのリリースなんです。フィーチャリングも相変わらずセンスが良くて、今回はまず大比良瑞希さん。MISATOさん、お友達だとお伺いしましたが。
MISATO:そうなんですよ、瑞希〜。何だかちょっと意外でした、こういうフィーチャリングの形になるのが。彼女のアコースティックな雰囲気っていうのが、良さのひとつでもあるじゃないですか。それをKIKI TAMさんと一緒にやるっていうところで、それぞれの声質がこれだけ違うと、女性ボーカル同士でこういった形になるんだなって、新しい発見をくれたのはam8の良さだなあという。
金子:KIKI TAMさんは香港でモデルとかでも活躍されてる方らしくて、この中国語のラップと大比良瑞希さんの歌の相性も面白いですね。
MISATO:声質がすごく対照的ですもんね、お二人。可愛らしい感じ。
金子:お互いを生かし合っている感じがしますよね。
MISATO:瑞希のクールな感じがさらに際立ってる。1曲の中にすごくいろんな要素が詰め込まれていて、am8の知見の広さというか、感じるところがありますね。
金子:そしてこの曲がいずれアルバムに入り、さらにはまたリミックスとかでいろんなバージョンが出てくるんだろうなあと思うと、先々まで楽しみになりますね。
MISATO:楽しみにしています!
MISATO:続いては5週目があるときだけのスペシャルコーナー「MISATOの推しゴト」!!!私、MISATOがこれから推したいFRIENDSHIP.アーティストを紹介するお時間でございます。
金子:なるほど。あの「推し」の推しゴトですよね。
MISATO:そういうことです。みなさん、いろいろな推しゴトをせっせと活動されてると思うんですけど、私はFRIENDSHIP.から、この番組で出会ったアーティストをこれからどんどん推していきたいというところで、第1回目の今日ご紹介するのはhyuen!!!
金子:おーーーっ。
MISATO:hyuenは5人のメンバーで構成されているアート集団になります。Noah Watanabe、Ayumu Tsutsui、Yusuke Arai、Keiichiro Nishizawa、Edwardo Ueda、この5人によるチームなんですけど、結成が2019年で、結成した途端にコロナ禍になってしまって、だからライブの数も5回とかそれぐらいなんですよ、未だに。なので、人前でのライブはかなり少ないんですが、トータルアートを意識しているチームっていうのはアウトプットまでドラマがあって、そのストーリー展開にすごくドキドキするチームだなぁと。曲自体に関しても、ボーカルNoahくんの生まれ育ったバックグラウンドのひとつにアメリカがあるので、日本語と英詞を自然に組み合わせて歌詞を作るっていうところと、音楽性として、エレクトロサウンドではあるんですけど、作曲担当が3人もいるので、みなさんが自分のルーツとか自分の好みっていうものを抜き差ししながらひとつを作り上げていくところで、曲作りからもアート性がうかがえるのが魅力だなと。そのアートというのも、グラフィックのデザインも3DCGとか実写の映像なんかもみんなで撮って最後まで落とし込んでいる。
金子:そういう人たち増えてきましたね。
MISATO:ホント増えましたね。特にFRIENDSHIP.ではそういうアーティストもたくさんご紹介してきたんですけど、これってライブができない今の時代の強みでもあるなと思うんですよ。例えば、ミュージックビデオとかショートフィルムとかも、15秒とかでもいいのでそういう動画をどんどん作って、SNSで発信していって欲しいなと思ってて、今は画で見せる、伝える時代じゃないですか。そういったことを自分たちでディレクションできるユニットなんじゃないかなと。
金子:アーティスト写真とかも見ましたけど、匿名性が高い感じで、彼らの美意識みたいなものがすごく感じられました。
MISATO:ここからゆくゆく大きなステージに行ったときに、millennium paradeみたいに音とアートの創造からの表現ってところに繋げていく未来も見えるし、WONKみたいに3DCGのライブも出来るだろうなーとか。WONK、King Gnu、Suchmosあたりって、みんな出身が音大で、洗足が結構キーワードになってるんですけど、ボーカルのNoahくんも、今年洗足を卒業したばかりなんですよ。
金子:じゃあ、まだ若いんですね。
MISATO:そうなんですよ。あそこの音大の流れとか繋がりって、横にバーッと広がっていくネットワークがあるので、彼らもすでにフィーチャリングの曲とかもあるし、広がり方という意味では、一時代を築いたKing GnuとかSuchmosとか、あの辺りの雰囲気っていうのを、もう1回何か波を起こしてくれそうな予感がしていて、そういう意味でも推していきたいなと思っています。
金子:いろんな方向に広がっていきそうですね。
MISATO:ですね。アルバムが10月の終わりにリリース予定なので、まだ1曲しかサブスクにアップされてなくて。
金子:まさにこれからですよね。
MISATO:みなさん、古参ぶれるので、是非チェックして欲しい(笑)。
金子:そういう言い方も推しゴトっぽいですよね。
MISATO:みなさん、推しゴトしませんか!
FM福岡で毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"303号室"(毎週水曜日の27:00~27:55)では、FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」をオンエア。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週水曜日 27:00~27:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
FRIENDSHIP.
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
New Release Digest Part 1
MISATO:9月27日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、今週は全21作品でございます。その中から前半11作品ダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。お祭り騒ぎですね。
金子:盛りだくさんですねー。
MISATO:たくさんいらっしゃいますが、CaTEyeも番組ではお馴染みになってきました。
金子:今回、女性のソロアーティストが大槻美奈さんとかLayaさんとかいろんな人がいるんですけど、CaTEyeはEPがリリースということで。『Love Rescue Hotline-愛情急救熱線-』 という作品なんですけど。
MISATO:良いですねー。
金子:中国出身で、中国語も日本語も英語も操れるトリリンガルの面白いラッパーですけど、今回は『Love Rescue Hotline』というタイトル通り、恋愛がモチーフになった楽曲が入っていて。海外のアーティストだと、テイラー・スウィフトにしろアリアナ・グランデにしろ、自分の恋愛を赤裸々に歌詞にして、その上でちゃんと自分のアイデンティティを強く打ち出しているアーティストがすごく多いじゃないですか。今作がそうなのかははっきりとはわからないですけど、でもきっとCaTEyeも恋愛をモチーフにしながら自分なりのメッセージを打ち出しているタイプなのかなって。なので、歌詞にも注目しながら聴いてもらえたらなと。
MISATO:さらにYUNOWAが。「あ、今回こういう感じか」とびっくりしちゃいましたが。
金子:これまでのイメージよりもアグレッシブな感じで。
MISATO:強いYUNOWA。
金子:リリース自体は半年振りで、前にリリースされた「痒み」はいろいろなプレイリストに入ったり、みのさんがApple MusicでやられているTokyo Highway Radioで取り上げられたり、かなり反響もあって。今回はそれ以来、半年振りということですけど、まあ、かっこいいですよね。
MISATO:カッコいい!
金子:アグレッシブになったと言っても、もちろん、いわゆるロックになったということではなくて、相変わらず隙間の作り方が非常にかっこいいし、後半はセッションみたいになっていって、リアルタイムでループさせてるっぽいですけど、そのあたりはダブっぽさもあったりとか、彼ららしいシグネチャーサウンドがしっかりあった上で、新しい要素も見せてくれていて。やはりかっこいいなと思いました。
MISATO:あのビートになってもリズムが一定で、「どうやって叩いているの?」と思うし、曲作りから後悔してないかなって思う。これライブで再現するの大変じゃないかなって(笑)。
金子:ベースラインとかも音作り含めてめっちゃかっこいいし。
MISATO:かっこいいですよね。
金子:ライブ見たいなー。
MISATO:見たいですよねー。さあ、こちらもライブが見たくて、そして私たちが散々この番組でもコラボしてほしいねなんて言ってたのが遂に実現ですね。
金子:それはあれですね、Funkindustry feat. Juaのことを言っているわけですね。
MISATO:よっ!Juaくん!
金子:この人たちがリリースすると毎回僕たち盛り上がってますけど、曲調はこれまでのディスコファンクとかアシッドジャズ的なものからはちょっと違ったタイプの、ボサノバチックなギターから入って、新たな色を見せつつ、途中からビートとともにJuaくんのラップが入ってくるという。
MISATO:待ってましたよ。
金子:前にちょっと言ったかと思うんですけど、フランス出身のFunkindustryと日本を拠点に活動しているJuaくんがこうやってコラボレーションすることによって、お互いの国にアピールできるっていうのはやっぱりサブスク時代ならではのところで。Juaくんはフランス語を喋れる人で、ラップもできる人なので、「なるほど!」っていう組み合わせで。めちゃめちゃ好相性だと思いますね。
MISATO:この曲の制作についてJuaくんが「記憶は死なない、思い出は永遠、過去に生きれば、良い思い出も心を蝕んでいく」と語っていらっしゃいますけど、いろんな言語を使いながら、すごく詩的な歌詞を紡いでいるんだなっていう。
金子:哲学的な部分でも共有できるものがあったのかもしれないですね。
MISATO:言語が同じだとその哲学の真髄になる本質の部分の会話ができるじゃないですか。言語が違うとどうしてもひとつ隔たりがあるっていうのが難しいところを、この組み合わせは飛び越えていけるっていうのも、これが生み出されたきっかけになってるのかなとも思いますね。
New Release Digest Part 2
MISATO:9月27日週リリースの新譜ダイジェストPart 2をお送りしました。Part 2ははじめましてさんが結構多いですね。Kamisadoもそうだし、東京◯X問題も良かったなあ。さらにSuhmも初めてですよね。
金子:この番組で紹介するのは初めてですね。
MISATO:タイトルもすごいですね、すごく目をひくタイトル。
金子:「僕の死体はジャケにして」。ちょっと怖いですね。Suhmは元Kidori Kidoriのマッシュのソロプロジェクトで、Kidori Kidoriのときはポストパンクとかガレージロックとかの色合いが強かったですけど、今回は結構色合いも変わっていて。11月にアルバムが出るそうで、それに先駆けての先行トラックなんですけど、アルバム自体セルフメディケーション、瞑想みたいなことがテーマになっているらしく。ちょっと内省的な作風ではあるんだけど、でもその中で思考を巡らせて、それによって次へ進んでいくような、何かそういう作品になってるのかなあという気がして、楽しみですね。
MISATO:今回はわりと内省的というか、自分のルーツ、そしてその哲学について語ってる歌がちらほら入ってますね。
金子:マッシュくんもともと音楽性だけじゃなくて、思考もすごく面白い人なんですよね。
MISATO:なるほど。ポニーのヒサミツさんも初?
金子:そうですね。一見バンド名っぽい名前ですけど、この方も男性ソロアーティストで。キャリアはもう長くて、以前はカクバリズムから作品を出してたりとか、知ってる人はよく知ってるミュージシャン。今回はTETRA RECORDS からのリリースで、And Summer ClubとかTaiko Super Kicksとか、「このレーベルから出てるのは間違いない」という、お墨付きな感じになってきましたけど。
MISATO:間違いない!
金子:ポニーのヒサミツも11月にアルバムが出るんですけど、それはエキゾをテーマにしていて、今回の曲も細野晴臣さんとかからの流れを感じさせる曲だったり、アルバムがどうなってるかとても楽しみなアーティストですね。
MISATO:これはいいですね。ようやく自分のやりたいことがいろんなところで固まってきたっていう感じもあるんですかね。アルバムは11月、楽しみですね。
MISATO:さて、そんな中で1曲何を紹介しましょう。
金子:今週はひさしぶりにam8をちょっと長めにかけようかなと。
MISATO:番組始まって一番最初にかけましたもんね。
金子:そうでしたね。おひさしぶりと言いつつ、曲はずっと紹介し続けていたんですけどね。もともと昨年の12月に『iDoM』というアルバムが出ていて、そこからバージョン違いだったりリミックスだったりをコンスタントにリリースし続けていて、それもサブスク時代ならではだなって感じでしたけど、純粋な新曲はかなりひさびさのリリースなんです。フィーチャリングも相変わらずセンスが良くて、今回はまず大比良瑞希さん。MISATOさん、お友達だとお伺いしましたが。
MISATO:そうなんですよ、瑞希〜。何だかちょっと意外でした、こういうフィーチャリングの形になるのが。彼女のアコースティックな雰囲気っていうのが、良さのひとつでもあるじゃないですか。それをKIKI TAMさんと一緒にやるっていうところで、それぞれの声質がこれだけ違うと、女性ボーカル同士でこういった形になるんだなって、新しい発見をくれたのはam8の良さだなあという。
金子:KIKI TAMさんは香港でモデルとかでも活躍されてる方らしくて、この中国語のラップと大比良瑞希さんの歌の相性も面白いですね。
MISATO:声質がすごく対照的ですもんね、お二人。可愛らしい感じ。
金子:お互いを生かし合っている感じがしますよね。
MISATO:瑞希のクールな感じがさらに際立ってる。1曲の中にすごくいろんな要素が詰め込まれていて、am8の知見の広さというか、感じるところがありますね。
金子:そしてこの曲がいずれアルバムに入り、さらにはまたリミックスとかでいろんなバージョンが出てくるんだろうなあと思うと、先々まで楽しみになりますね。
MISATO:楽しみにしています!
今推したいFRIENDSHIP.アーティストを紹介するコーナー「MISATOの推しゴト」
MISATO:続いては5週目があるときだけのスペシャルコーナー「MISATOの推しゴト」!!!私、MISATOがこれから推したいFRIENDSHIP.アーティストを紹介するお時間でございます。
金子:なるほど。あの「推し」の推しゴトですよね。
MISATO:そういうことです。みなさん、いろいろな推しゴトをせっせと活動されてると思うんですけど、私はFRIENDSHIP.から、この番組で出会ったアーティストをこれからどんどん推していきたいというところで、第1回目の今日ご紹介するのはhyuen!!!
金子:おーーーっ。
MISATO:hyuenは5人のメンバーで構成されているアート集団になります。Noah Watanabe、Ayumu Tsutsui、Yusuke Arai、Keiichiro Nishizawa、Edwardo Ueda、この5人によるチームなんですけど、結成が2019年で、結成した途端にコロナ禍になってしまって、だからライブの数も5回とかそれぐらいなんですよ、未だに。なので、人前でのライブはかなり少ないんですが、トータルアートを意識しているチームっていうのはアウトプットまでドラマがあって、そのストーリー展開にすごくドキドキするチームだなぁと。曲自体に関しても、ボーカルNoahくんの生まれ育ったバックグラウンドのひとつにアメリカがあるので、日本語と英詞を自然に組み合わせて歌詞を作るっていうところと、音楽性として、エレクトロサウンドではあるんですけど、作曲担当が3人もいるので、みなさんが自分のルーツとか自分の好みっていうものを抜き差ししながらひとつを作り上げていくところで、曲作りからもアート性がうかがえるのが魅力だなと。そのアートというのも、グラフィックのデザインも3DCGとか実写の映像なんかもみんなで撮って最後まで落とし込んでいる。
金子:そういう人たち増えてきましたね。
MISATO:ホント増えましたね。特にFRIENDSHIP.ではそういうアーティストもたくさんご紹介してきたんですけど、これってライブができない今の時代の強みでもあるなと思うんですよ。例えば、ミュージックビデオとかショートフィルムとかも、15秒とかでもいいのでそういう動画をどんどん作って、SNSで発信していって欲しいなと思ってて、今は画で見せる、伝える時代じゃないですか。そういったことを自分たちでディレクションできるユニットなんじゃないかなと。
金子:アーティスト写真とかも見ましたけど、匿名性が高い感じで、彼らの美意識みたいなものがすごく感じられました。
MISATO:ここからゆくゆく大きなステージに行ったときに、millennium paradeみたいに音とアートの創造からの表現ってところに繋げていく未来も見えるし、WONKみたいに3DCGのライブも出来るだろうなーとか。WONK、King Gnu、Suchmosあたりって、みんな出身が音大で、洗足が結構キーワードになってるんですけど、ボーカルのNoahくんも、今年洗足を卒業したばかりなんですよ。
金子:じゃあ、まだ若いんですね。
MISATO:そうなんですよ。あそこの音大の流れとか繋がりって、横にバーッと広がっていくネットワークがあるので、彼らもすでにフィーチャリングの曲とかもあるし、広がり方という意味では、一時代を築いたKing GnuとかSuchmosとか、あの辺りの雰囲気っていうのを、もう1回何か波を起こしてくれそうな予感がしていて、そういう意味でも推していきたいなと思っています。
金子:いろんな方向に広がっていきそうですね。
MISATO:ですね。アルバムが10月の終わりにリリース予定なので、まだ1曲しかサブスクにアップされてなくて。
金子:まさにこれからですよね。
MISATO:みなさん、古参ぶれるので、是非チェックして欲しい(笑)。
金子:そういう言い方も推しゴトっぽいですよね。
MISATO:みなさん、推しゴトしませんか!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FM福岡で毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"303号室"(毎週水曜日の27:00~27:55)では、FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」をオンエア。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週水曜日 27:00~27:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
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