SENSA

2021.09.05

LIGHTERS「swim in the milk」──'90sインディー色も鮮やかな"青春後期"のサウンドトラック

LIGHTERS「swim in the milk」──'90sインディー色も鮮やかな"青春後期"のサウンドトラック

 寡聞にして知らなかったが、大学生時代にアルバイト先で出会ったRumi Nagasawa(ヴォーカル/ギター)とEmi Sakuma(ベース/コーラス)が2018年10月に結成したのがLIGHTERS。ライヴではサポートメンバーを加えた3人組で演奏するそうだ。2019年に3月にシングル「blue」を発表、以後EP2枚を経て今年8月にリリースした初フルアルバムが『swim in the milk』である。ドラマーにHAPPYのSota Hayashida、サウンドプロデューサーにDYGLのKohei Kamotoを迎え、成長の跡を見せている。
 歪んだギター、地を這うようなベース、力強いドラムス、華奢なヴォーカルが奏でるメロディが自然とハミングを誘う。1990年代のインディーロックに影響を受けたそうだが、ペイヴメントやストロークス、ピクシーズ、ダイナソーJr.などが彷彿とする。よく練られたアンサンブルやコーラスの絡みから美意識の高さがうかがえる。
 軽快なロックンロール(「Little me」「could be」「milkshake」ほか)がアルバムの背骨をなし、4AD的なダークポップ(「black moon」「eternal sunday」)や寂しげなワルツ(「you and me」)、カントリー(「coffee」)、シューゲイズ(「swim in the milk」)のテイストが絡んでスムーズな流れを作っていく。あえて単純化したが当然いろんな要素が盛り込まれていて、「Date at IKEA」や「Leave me alone」はそんな彼女たちのハイブリッド性を代表する曲といえるだろう。
 コンセプトは「架空の映画のサウンドトラック」。その映画も『リアリティ・バイツ』や『シングルス』『クルーレス』といった1990年代青春映画のイメージで、ヤングアダルトなLATER YOUTH(自主レーベルの名称)の生活感に寄り添ってくれそうだ。
 歌詞はすべて英語だが、CDのブックレットには日本語訳が併載されている。面白いのは直訳ではなく、英語詞のストーリーやアイデアを日本語で表現したものであるところだ。いずれは日本語で歌うLIGHTERSも聴いてみたい。

文:高岡洋詞





RELEASE INFORMATION

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LIGHTERS「swim in the milk」
2021年8月25日(水)
Format: Digital
Label:LATER YOUTH RECORDS

Track:
1. Little me
2. black moon
3. could be
4. you and me
5. Date at IKEA
6. coffee
7. milkshake
8. eternal sunday
9. Leave me alone
10. swim in the milk

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PROFILE

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LIGHTERS
2018年10月結成、東京を拠点とし正式メンバーはGt.vo の Rumi Nagasawa と Ba.cho の Emi Sakuma によるバンド。
自主レーベル"LATER YOUTH RECORDS" より 2019年3月1st Single「blue」、2019年12月 1st EP「Everything」をリリース。
2020年12月にリリースした1st Mini Album『bitter peanut butter』がタワレコメンに選出される。さらに BAYCAMP 2020 TIP OFF ACTのオーディションに合格するなど大型フェスにも参加。


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@lighters_jp
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