SENSA

2021.04.07

HoSoVoSo「春を待つ僕ら2」──三重県桑名市在住の"歌の風来坊"が描く、日々のハイライト

HoSoVoSo「春を待つ僕ら2」──三重県桑名市在住の"歌の風来坊"が描く、日々のハイライト

 三重県桑名から全国に向けて、アコースティックギター一本担いでどこへでも。ライブハウスはもちろん、酒場にバー、街の催し物など、ひょひょいと音楽を届けて回る「歌の風来坊」、HoSoVoSo。コロナ禍以降、表立って全国を飛び回ることは出来なくなったが、三重・愛知・岐阜を中心に朝市やマルシェなどで相変わらず毎日のように歌っている。

 本作は昨年以降にリリースしてきた弾き語り音源『山からの便り』『山からの便り2』、そしてファンクラブ会員限定公開の『ファンクラブ』の3作から抜粋された配信限定再構成作品だ。言ってしまえばここには彼の代表曲である「ストーク」のような軽快でとびきりのポップネスも、「峠」のようなしんしんと悲しみが積もりゆくエモーションもない。その日あった出来事を並べた「ある日のこと」、朝と夕焼けの情景から考えを巡らせている「素顔」を始め、ふわっと浮き上がった感情を丁寧に折り詰めしていくような、いずれもささやかな楽曲が12篇収められている。清流のようにさらさら流れる心地よい歌の質感はその多くが宅録であるがゆえのソフトな発声にも起因しているが、ライブハウスのような音楽を聴くことを目的とした場所だけではなく、人が右に左に流れていく催し物で歌うことが増えたこともソングライティングに影響しているのかもしれない。桑名にあるカフェを織り込んで作られた「MuGicafeのテーマ」が象徴しているが、いわばその場所の背景になることも厭わない歌たちなのだ。

 そんな優しいメロディと歌声に溢れている本作だが、一方でドロっとした本音も「あてどない道を進む」では垣間見える。"意味がないなんて言わんでくれよ 僕はその道を進む あてどない 居場所もない それでも向かうなら ほらただ死ぬまで生きていくだけ" 。一見悲愴なやるせなさが表れているようだが、彼にとって自分がやっていることなんて儚く、あてどないことは百も承知なのだ。それでも嬉々として歌い手としての街道を突き進む覚悟の表明がここに伺える。飄々としていてしたたかなHoSoVoSoの、昨年以降の日々がハイライトされた作品だ。

文:峯 大貴




RELEASE INFORMATION

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2021年4月7日(水)
Format: Digital
Label: FRIENDSHIP.

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オフィシャルサイト
@HoSoVoSo2
@hosovoso
FRIENDSHIP.

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