SENSA

2021.03.03

更新するポストパンクで美学を貫く新世代バンド「NEHANN」

更新するポストパンクで美学を貫く新世代バンド「NEHANN」

今回のレコメンドは、NEHANN(ネハン)です。

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NEHANN
2019年2月結成、平均年齢23歳。ジョイ・ディヴィジョンやバウハウス、ザ・キュアー、エコー&ザ・バニーメンといった80年代ポストパンクの美学を正しく受け継ぎながら、90年代グランジ~オルタナティヴ以降のセンスをちりばめた現在進行形のアンサンブルを奏でる5人組バンド。今大きく変わりつつある国内のインディーシーンで独自の存在感を放ちはじめている。

NEHANN「Under the Sun」


自分たちがどういう音楽を好み、何を目指すのかを明確に提示できるミュージシャンは強い。瞬間的なトレンドには決して流されず、自分の体に血肉となるほど深く刻みこまれたルーツミュージックをベースにしながら、次の世代に生きる者の感性で自由に新しい音楽を生み出していくことができるから。
2019年に結成された5人組バンドNEHANNは、まさにそういうバンド。たとえば、1stシングル「Under the Sun」は、彼らが80年代ポストパンクの影響下に生まれたバンドであることを如実に表しているのではないでしょうか。執拗なまでに繰り返される冷徹なビート、耽美なバリトンボーカルが紡ぐゴシックなムードは、ジョイ・ディヴィジョンの名曲「Disorder」を彷彿とさせます。同時に、バンド名にニルヴァーナへのリスペクトが込められていることからも分かる通り(ニルヴァーナのバンド名は、仏教用語「涅槃の境地」に由来する)、90年代グランジの影響も強く受けているNEHANNの音楽性は、いわゆる大衆に迎合する類のものではないかもしれません。でも彼らは「これこそが自分たちにとっていちばんかっこいい音楽だ」と全力で叫び続けている。新しい時代とは、そんなNEHANNのように、ブレずに「好き」を貫ける異端児こそ生み出していくものだと思います。



現時点でNEHANNは7曲のシングルを配信しています。バンドを結成した2019年には、前述の「Under the Sun」を皮切りに、ひときわダークにうごめくサウンドがカオティックな陶酔感を生む「Labyrinth」、まるで踏切の遮断機のように危機感を煽るギターのディストーションが不気味な印象を残す「HAZARD」を発表。2020年には初のバラード曲「Ending Song」や、"ネオ東京"をテーマによりビートを強く効かせた「TEC」というように、バンドが掲げるポストパンクとグランジのハイブリッドという音楽性を少しずつ拡張する楽曲をリリースしています。

NEHANN「Star」



今回は、独自の感性で自身のロックを開拓するNEHANNを紹介しました。先日彼らが発表した最新シングル「Star」はこれまで以上に開放的で、ブリティッシュ・ロックの伝統を継承するようにメロディの輪郭が美しく伸びやかに際立っています。この「Star」を聴くと、NEHANNは決してコアな音楽好きの間だけで評価されるアンダーグラウンドな存在ではなく、広くロックシーンへと浮上してゆく強いエネルギーを持ったバンドであることを期待したくなります。


LINK
@nehannband
@nehannband
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