SENSA

2021.01.27

人生の分岐点に奏でる拠り所としての音楽「Absolute area」

人生の分岐点に奏でる拠り所としての音楽「Absolute area」

今回のレコメンドは、「Absolute area」です。

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Absolute area
山口諒也(Vo/Gt)、萩原知也(Ba)、高橋響(Dr)よる3人組ロックバンド。2014年、高校の同級生で結成。全ての作詞作曲編曲を手がけるボーカル山口のソングライティングと歌声が最大の魅力であり、同世代からの支持を得ている。2017年インディーズ活動支援アプリeggsにて、代表曲「ひと夏の君へ」が再生回数1位を獲得し、「未確認フェスファイナリスト」にも選出。2020年11月18日に、前作『カフネ』から1年ぶりとなる2nd配信シングル『introduction』をリリースした。

「introduction」





Absolute areaの最新曲「introduction」は、ストリングスを大胆に取り入れた壮大なアレンジと晴れやかな転調で聴かせるバラードナンバー。選んできた選択肢は正しかったのだろうか、自分に存在する価値はあるのだろうかと、自分の弱さを曝け出す歌詞には、きれいごとで誤魔化すような言葉は何ひとつもありません。もがいている、必死で変わろうとしている、そんな歌。これまでのアブソにも、葛藤をテーマにした楽曲はあったけれど、ここまで生々しく、何よりボーカルの山口諒也(Vo/Gt)が力強い歌唱で、自分自身の迷いを断ち切るように吐露する歌は、初めてではないでしょうか。

この「introduction」を含むシングルについて、オフィシャルツイッターにメンバー全員のセルフライナーノーツが掲載されています。


一部抜粋すると、「introduction」という作品をリリースしたことについて、山口は"始まりの合図"であると位置付けています。同時に、ずっと追い続けている憧れの人は22歳のときにデビューしたこと、そして、いま自分もその年齢に達したことが、とても大きな意味を持っている、とも書いています。「introduction」という作品の背景には、たとえ周りの人には理解されなくとも、自分にとって深い意味を持つ節目の時を迎えたことが関係している。だからこそ覚悟をもって、この先の見えない現状でも自分を信じて進み続けるという希望を、こんなにも力強く歌えたのではないかと感じました。作り手の本当の想いは作り手にしかわかりません。でも、その人生の分岐点に何が起きたかを想像することで、この「introduction」という楽曲が、決して他人事の歌ではなく、同じように誰かに憧れてみたり、自分以外の何かになりたいと願ってしまう、弱くて矮小な自分自身にも重なり、強く心を揺さぶられてしまいます。

「無限シナリオ」





カップリングに収録されている「無限シナリオ」もまた未来への想いを歌った一曲。リズムに打ち込みも取り入れた新機軸となるアレンジは、ここから全力でジャンプするために助走をするような、飛行機が上昇気流にのって滑空していくようなバンドサウンド。タイトルの「無限シナリオ」から連想されるのは、2019年に発表された2ndミニアルバムのタイトル『無限遠点』。無限遠点とは、簡単に言うと、理論上交わるはずのない2本の平行線がやがて交わる点のこと。『無限遠点』という作品は、そういう"もしも"の可能性を様々な楽曲で歌っています。アブソの歌は、人生を"線"や"1本道"にたとえて、その分岐点で抱く迷いについての歌が多い。「無限シナリオ」もそう。人生というシナリオには無限の選択肢があり、私たちはそのひとつしか選べない。だから後悔もするし、迷いもします。そういうとき、Absolute areaの音楽が拠り所になれたら。『introduction』というシングルは、バンドがそういう覚悟を背負ったという証のような1枚のように感じています。

というわけで、今回は、Absolute areaの新たなスタートとなる最新作『introduction』について掘り下げて紹介しました。ライブやリリース情報の詳細は、オフィシャルサイトやSNSをチェックしてみてください。

LINK
オフィシャルサイト
@absolute_area_
@absolute_area_official
Official YouTube Channel

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