SENSA

2019.06.17

韓国発。ポップ&ストレンジ「空中泥棒」

韓国発。ポップ&ストレンジ「空中泥棒」

今回のレコメンドは、「空中泥棒」です。
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空中泥棒
空中泥棒 (a.k.a 公衆道徳)韓国の宅録アーティスト。2015年、現行の宅録インディーとは一線を画す脅威的な内容の1stアルバム『公衆道徳』(《公衆道徳》名義)をリリース。 このアルバムが、翌年の「ソウル・レコード・フェア」で限定盤LPとしてアナログ化される等、マニアの間ではかなり話題となった。また、その翌年リリースされた日本盤も、内容の素晴らしさから口コミで話題となり、韓国インディーの作品としては異例のロングセールスとなった。2018年に名義を「空中泥棒」とし、内容的に1stと双璧をなす2ndアルバム『Crumbling』をリリース。



空中泥棒「鉄鎖」






穏やかなギターアルペジオとささやくような歌声で始まりアコースティックな楽曲かと思ったのもつかの間。トレモロをかけたように震えるリズム、ぶちぶちとしたノイズ、ピッチがゆれる不穏和音、ベースライン、コーラス、その他にも形容できない様々な「音」が重なり、曲が進んで行く毎にそれらが複雑に絡まりあっていきストレンジな空気感を生み出しています。

空中泥棒「曲線と透過性」






こちらは女性ボーカルが入った楽曲。前半は跳ねたリズムでアーバンポップな印象ですが、後半になるとリバーブが深くなっていきシンセが飛び交い、心地の良いドリームポップに変化をしていきます。男性ボーカルと女性ボーカルのアンサンブルが美しい一曲。

公衆道徳「白い部屋」






「公衆道徳」名義で発表された楽曲。「公衆道徳」の作品の方は歌とギターが主軸になっていて、よりオーガニックな雰囲気。Nick Drake、Tim Buckley、Jose gonzalez、Iron & Wineのような、どこか影がある土着的かつ美しいメロディーが際立っています。ジャズような軽快な瞬間があったかと思うと、テルミンのような浮遊感のある音が響いたり、こちらも一筋縄ではいかない遊び心がある曲になっています。自由な発想力を感じる曲の構成とアレンジ。そして様々な音を散りばめてまとめあげるセンスに脱帽です。

ライブや公式活動は一度も行われていないようですが、韓国のインディーズシーンでも注目を集めており、日本でもくるりの岸田さんがレコメンドしていたりじわじわと人気が広がっています。
過去に発表されている2タイトルの国内リリースは日本のバンド「Lamp」が主宰するレーベル「Botanical House」から販売されておりオンラインストアで購入可能になっております。

またサブスクだと英語表記の「Mid-Air Thief」で検索するとどちらの名義の作品も聴くことができます。Lamp、MIZ、折坂悠太、東郷清丸などをお好きな方はぜひチェックしてみてください!

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