【読むラジオ】MC:黒川侑司(YOURNESS) 「余白」をテーマに選曲!「Room H」-2025.4.15-
RADIO
2026.04.19
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!古舘佑太郎・エスキベル・kanekoayanoほか全27作品 -2026.4.18-
カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
みさと:4月13日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全27作品の中からPart-1をダイジェストでご紹介しました。まずはÅlborg。
金子:ひさびさの新曲ですけど、やっぱりいいですね。今回の「Like Her」は数年ほど前から書き始めていた詩があって、やっと完成できた曲だそうです。セルフライナーノーツを読むと、「大切に思っていても母には伝えられないことや聞けないことがあって、そうした小さなしこりが残ったまま日々がどんどん過ぎていって。そんなことがどこかで続いていくのかもなと思って書きました。似ているところも、似たくなかったところも愛せたらいいのにと思って書きました」ということで、お母さんに対する思いが綴られているというところもひとつのポイント。音楽的には、彼女たちらしいインディフォークで、Miyaさんの歌であり、管楽器の音色がとてもいいし、口琴の「ビヨ〜ン」という音がアクセント的に使われているのはちょっとユーモラスだったり。歌詞のメッセージとサウンド感のバランスがとてもいい、Ålborgらしい曲だなと思いました。
みさと:同性の親って、自分が大人になるといろんなことが答え合わせされて、良くも悪くも疑問が浮かんだり立ち止まったりすると思うんですけど、すごく深いテーマでもありながら、遊び心のあるおもちゃのような楽器を使うというのは、一緒に笑い合った過去を表現しているようにも感じたし、Ålborgらしい安定感の中に疑問を持たせてくれるような、自分の人生と照らし合わせられるような一曲だったかなと思います。続いて、Larks Lou。
金子:Ålborgには岩方禄郎くんが参加していて、先週は昔からやっているエルモア・スコッティーズのリリースもあったんですけど、禄郎くんはもともとNITRODAYをやっていて、NITRODAYのギターのやぎひろみさんはLarks Louのメンバーなので、その繋がりもあって紹介したいなと。NITRODAYからの流れで言うと、ÅlborgよりもLarks Louの方が近くて、この歪んだギターはNITRODAYとも通じるところがありつつ、よりスケールの大きいサウンドを鳴らすのがLarks Louの特徴だと思うので、今回もかっこいい仕上がりでした。
みさと:メンバーにとっても、大切なストーリーがあってこの曲は生まれたということなので、誰がどんな音を鳴らして、どんな思いを込めているのか、特に古いファンの方たちには味わっていただきたいなと思います。そんなPart-1から、どうしましょう?
金子:古舘佑太郎くんの新曲を紹介しようと思います。
みさと:ソロ名義ではFRIENDSHIP.からは一応はじめましてという形になりますね。
金子:ソロアルバムとしては、実に10年ぶりになります。
みさと:おめでとうございます!
金子:2024年にTHE 2が解散してしまって、どうしようという中で、ミュージシャンの先輩であるサカナクションの山口一郎さんから「お前はカトマンズに行け」と言われて、なぜか旅行をすることになり。
みさと:あはは(笑)。
金子:昨年それをまとめた書籍『カトマンズに飛ばされて 旅嫌いな僕のアジア10カ国激闘日記』というのを出していて。
みさと:まさに飛ばされたんだもんね。
金子:この本が結構話題になったわけですけど、旅の中で最後にやり残したことはないだろうかと思ったときに、ギターを手に作り始めたのが今回のアルバムだと。作詞・作曲・編曲まで古舘くんが全部やってるんですけど、編曲には元LILI LIMIT、現MO MOMAで、最近だとyonigeやGhost like girlfriendのサポートもしている土器太陽くんがサポートで入っていたりするので、二人の共作的な部分も含めて、クオリティの高い作品になっています。いろんなタイプの曲が入っているんですけど、「かけら」はUKロック的なグッドメロディの曲になっていました。古舘くんは4月5日が誕生日で、35歳になったらしいんですけど。
みさと:おめでとうございます。
金子:大人になった今の古舘くんを感じさせつつ、「かけら」を聴くと、喪失感や青さみたいな、これまでの古舘くんらしさも残っているので、昔からのファンにとっても、嬉しい部分かなと思いながら聴きました。
みさと:まさに言葉と記憶を整理するような一曲だなと感じています。今、厚武さんがおっしゃったその経緯を頭に浮かべながら聴いていただけると、より古舘くんの10年だったり、どんな歩みを経てきたのか想像できるし、知らなくても、恋愛の曲に聴こえるというか。音楽に対しての思いが、恋愛の曲だったり、誰かを思う気持ちにも当てはめられるような楽曲になっているので、どんなタイミングからでも、このアルバムに触れていただければと思います。
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。まずは、DURDN!
金子:Part-2は踊れる曲がたくさんありましたけど、DURDNもそうですよね。2月に大阪と東京でワンマンツアーがあって、そのタイトルが『UNFOLD』。「広げる」とか「開く」といった意味のタイトルだったので、ここからより開けていく、広げていくタイミングに入っているのかなという印象を受けました。今回の「MEMAI」に関しては、まさに踊れる一曲。シティポップとニュージャックスウィングの中間のようなサウンドがDURDNらしいですし、"DURDNっぽい曲"をしっかり出してきたなという、また新たな始まりを感じさせました。セルフライナーノーツを読むと、「恋をすると相手を理解したいと思うけれど、その人の世界にはなかなか辿り着けない。この曲は、その距離やもどかしさをSF的なメタファーで描いた楽曲」とのことで。去年の12月にリリースされた「AFTER TASTE」は"記憶のレストラン"をモチーフにした楽曲だったり、DURDNはサウンドのかっこよさはもちろん、歌詞も毎回独特の世界観があって、面白いなと思いながら聴かせてもらいました。
みさと:魅力的なコンセプト作りで、今回はグルーヴがありながらスムーズで、まさに開けたシティポップスタイルなので、どこまでも届いていきそうな楽曲だなと感じています。目を閉じても、恋のきらめき、ミラーボールがまぶたから離れないような没入感と、恋に沼ってしまう感じがすごく表現されているかなと思います。続いて、はじめましてさんです。m/lue.(ミリュー)。
金子:m/lue.さんはFRIENDSHIP.からのリリースは初なんですけど、個人的には前から応援していまして。シンガーソングライターで、いろんな音楽性があるんだけど、アンビエント・ポップというのが一番わかりやすい説明になるかな。FRIENDSHIP.的にはKhamai Leonのbejaくんと赤瀬くんが彼女をサポートしていて、制作もライブも一緒にやっているというところで、親和性もあります。ちょっと前に七尾旅人さんとツーマンライブをやっていて、それはバンドセットでめちゃくちゃ良かったです。今回の曲は「惑星」というタイトルで、世界が滅びる瞬間を描いていると。去年出したアルバムが「遠くの景色を想像する」みたいなことをテーマにしたアルバムで、その中で今の社会で起こっていることを考えた中で、世界が滅びる瞬間を描き、そこからその先の希望をなんとか見つけようとする、そういうテーマ性が感じられます。アレンジはやはりアンビエント的で、じわじわと盛り上がっていって、世界の滅びを描いていく、映像的な曲という感じがしました。リリース日にはミュージックビデオも公開されるということなので、それも気になります。
みさと:DURDNのSFをテーマにしたというのと世界観は近いのかなと思いながらも、誰が歌って誰が作るかでこんなにアウトプットが違うんだなと。音楽って面白いなと改めて感じています。「惑星」というタイトルだけだと、アンリアルな世界観なのかなと最初は思ったんですが、今のご時世で起こっていること、社会問題含めて、そこから想像させられる楽曲だったので、アンリアルとリアルが入り混じった空気感がすごく魅力的だなと感じています。OBAKE通信然り、はじめましてさんによくbejaくんが関わっていますよね。いいなと思うところにbejaくんありという感じもしていて、本当に空間演出力の高い人なんだなと改めて感じながら聴かせてもらいました。そんなPart-2から、どうしましょう?
金子:エスキベルの新曲を紹介しようと思います。
みさと:今回EPです。
金子:エスキベルは去年ドラマーが抜けて、今回から3ピースの新体制としてスタート。この番組でも何度も名前を出しているエンジニアのKensei Ogataさんが、これまでもレコーディングを手伝っていたんですけど、今回から本格的にミックスにも関わっています。Kensei Ogataさんの繋がりもあってか、ドラムには雪国のメンバーが参加しているというのもポイントですね。エスキベルはもともと日本的なフォークの歌心、はっぴいえんど的な感覚と、サウンド的にはUSのインディフォークが混ざっているところが面白さとしてありつつ、音響的な実験精神もあるバンドなんですよね。それこそポストロックっぽさもあって、そのあたりが雪国とも通じる部分なのかなと。今回の作品は、よりそういった音響的な部分が突き詰められている印象を受けました。この曲は「むかう」というタイトルで、EPのタイトルも同じ意味の『Overthere』。ここから新しい場所に向かっていく作品であり、一曲なのかなと思います。
みさと:セルフライナーノーツで、「東海道から見える太平洋、穏やかな海、自分の生まれた地の変化が連想されて、そこからメロディと詩をつけた」という言葉をいただいています。初めて触れる雄大な景色、文化を見たときに、圧倒されながらも、少しずつ自分が景色の一部になっていくような感覚があると思うんですが、そのときのことを思い出しました。EPの流れ的に「むかう」、そしてどこが自分の生きる場所なのかというところに向かっていくと思うんですけど、一人旅のお供にしたいと思った作品だったし、一人旅イコール自分の人生のお供なのかな、なんてことを感じながら聴かせてもらいました。
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。はじめまして、Temples!
金子:TemplesはUKのロックバンドなんですけど。
みさと:FRIENDSHIP.からなの!?嬉しい!
金子:海外のアーティストのリリースも時々あるんですが、アジアが多いので、UKのロックバンドは結構珍しいですよね。しかもTemplesは2010年代から活動していて、過去にはUKでもトップ10に入ったことがあったり、『FUJI ROCK FESTIVAL』で来日したりと、ロックファンからすると「おお、Temples!」と思うようなバンドがFRIENDSHIP.からリリースしてくれるのは嬉しいです。もともとサイケデリック・ロック的な出自がありつつ、今回の曲に関しては、イビサのダンスミュージック黄金期の楽曲をイメージしているということで、ダンサブルなグルーヴの曲になっていて。FRIENDSHIP.から出しているJohnnivanと結構近い気がするので、一緒にやったらいいなとか思いました。
みさと:最高!私もフジロックで2回ぐらい観ているかな。本当に好きなバンドで驚いています。もともと彼らが持っているサイケな要素と、イビサのトワイライトな空がすごくフィットするなと思いながら聴いてました。イビサという、天井のないクラブ空間に、どこまでも広がるような奥行きのある、そんなサウンドかなと感じてます。ぜひ聴いてみてください。続いて、Shimon Hoshinoさんなんですけど、今週はinvisible design、そしてTokyo Psychedelic Orchestra、2つの名義で雨にまつわる曲がリリースされています。
金子:そうなんですよね。invisible designの方は「rain on moss」で、苔に降る雨。Tokyo Psychedelic Orchestraは「Rain Breathing Through Concrete」なので、コンクリートを流れていく雨。同じ雨でも、2つの名義の違いによって描き方も違うというのが、改めて面白いなと思いました。聴き比べてみるのもいいのではないでしょうか。
みさと:invisible designはアロマの調香がいつもジャケットに載っているんですけど、今回アロマ検定1級を持っている私として気になったのが、「シダーウッド」、「グリーンモス」に加えて、一番上に「レインウォーター」と書いてあって。雨をそのまま入れているのかな。タイトル的に苔に降る雨じゃないですか。アスファルトではなく、『もののけ姫』の世界観というか。ああいった感じに降るときに、雨も一緒に調香して香りを立たせているんだと思って、やっぱりプロは違うなと。緑だったり木の上に雨や香りが落ちるのと、コンクリート、アスファルトのモワッとした香りを味わうって全然違うので、それが音として表現されていて、面白い2作だと思います。そんなPart-3から、どうしましょう?
金子:kanekoayanoの新作を紹介しようと思います。
みさと:今回はライブアルバムですね。
金子:今年の1月に日本武道館で開催されたワンマンライブの音源を、そのまま全曲収録。25曲が収録されたライブアルバムになっています。
みさと:そんなに聴かせてもらっていいんですかね(笑)。1曲2曲ならわかるけど、全編通してってすごいですよね。
金子:僕もこの日は観に行ってるんですけど、すごいライブでした。それが臨場感たっぷりに味わえるので、「もうとにかく聴いてくれ」って感じなんですけど(笑)、今回紹介する「カーステレオから」は、ライブの最後に演奏された曲。もともと2018年に出た『祝祭』というアルバムに入っていた曲なので、バンドになる前だし、今みたいにサイケ、オルタナといった感じになる手前の曲ではあるんだけど、でもこの曲はクラウトロック的な要素をもともと持っていて。ちょっと前にカネコさんのソロ音源(『できるだけ/友達がいる』)が出て、「OGRE YOU ASSHOLEともちょっと近しい感じあるよね」という話をしたと思うんですけど、2018年の頃からそういう要素は持っていて、それが時間を経てバンドになって、何十倍、何百倍にもビルドアップされて、この演奏になっているので、そこを楽しんでもらえたらなと思います。
みさと:「この曲って叫ぶんだっけ?」と思って(笑)。あの重低音の聴かせ方とか、本当にバンドなんだなと。やっぱりライブって、バンド、ステージに立っている人が成熟していくことも大きな要素だと思うんですけど、そうやって一緒に何年もかけて、ファンたちと一緒にここまで来た感じがすごく伝わってくる。これって生のライブでしか味わえない熱気だし、スピーカーから漏れてくるぐらいの熱を感じられる。観ていないのに、あのときのライブの空間に自分もいたような感覚にしてもらえる。そんなアーティストはやっぱり少ないと思うので、スペシャルな存在だと思います。
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:INTER FM 毎週土曜日25:00-25:55/ FM福岡 毎週土曜日26:00-26:55 (radikoで全国で聴取可能)
DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。

金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
New Release Digest Part 1
みさと:4月13日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全27作品の中からPart-1をダイジェストでご紹介しました。まずはÅlborg。
金子:ひさびさの新曲ですけど、やっぱりいいですね。今回の「Like Her」は数年ほど前から書き始めていた詩があって、やっと完成できた曲だそうです。セルフライナーノーツを読むと、「大切に思っていても母には伝えられないことや聞けないことがあって、そうした小さなしこりが残ったまま日々がどんどん過ぎていって。そんなことがどこかで続いていくのかもなと思って書きました。似ているところも、似たくなかったところも愛せたらいいのにと思って書きました」ということで、お母さんに対する思いが綴られているというところもひとつのポイント。音楽的には、彼女たちらしいインディフォークで、Miyaさんの歌であり、管楽器の音色がとてもいいし、口琴の「ビヨ〜ン」という音がアクセント的に使われているのはちょっとユーモラスだったり。歌詞のメッセージとサウンド感のバランスがとてもいい、Ålborgらしい曲だなと思いました。
みさと:同性の親って、自分が大人になるといろんなことが答え合わせされて、良くも悪くも疑問が浮かんだり立ち止まったりすると思うんですけど、すごく深いテーマでもありながら、遊び心のあるおもちゃのような楽器を使うというのは、一緒に笑い合った過去を表現しているようにも感じたし、Ålborgらしい安定感の中に疑問を持たせてくれるような、自分の人生と照らし合わせられるような一曲だったかなと思います。続いて、Larks Lou。
金子:Ålborgには岩方禄郎くんが参加していて、先週は昔からやっているエルモア・スコッティーズのリリースもあったんですけど、禄郎くんはもともとNITRODAYをやっていて、NITRODAYのギターのやぎひろみさんはLarks Louのメンバーなので、その繋がりもあって紹介したいなと。NITRODAYからの流れで言うと、ÅlborgよりもLarks Louの方が近くて、この歪んだギターはNITRODAYとも通じるところがありつつ、よりスケールの大きいサウンドを鳴らすのがLarks Louの特徴だと思うので、今回もかっこいい仕上がりでした。
みさと:メンバーにとっても、大切なストーリーがあってこの曲は生まれたということなので、誰がどんな音を鳴らして、どんな思いを込めているのか、特に古いファンの方たちには味わっていただきたいなと思います。そんなPart-1から、どうしましょう?
金子:古舘佑太郎くんの新曲を紹介しようと思います。
みさと:ソロ名義ではFRIENDSHIP.からは一応はじめましてという形になりますね。
金子:ソロアルバムとしては、実に10年ぶりになります。
みさと:おめでとうございます!
金子:2024年にTHE 2が解散してしまって、どうしようという中で、ミュージシャンの先輩であるサカナクションの山口一郎さんから「お前はカトマンズに行け」と言われて、なぜか旅行をすることになり。
みさと:あはは(笑)。
金子:昨年それをまとめた書籍『カトマンズに飛ばされて 旅嫌いな僕のアジア10カ国激闘日記』というのを出していて。
みさと:まさに飛ばされたんだもんね。
金子:この本が結構話題になったわけですけど、旅の中で最後にやり残したことはないだろうかと思ったときに、ギターを手に作り始めたのが今回のアルバムだと。作詞・作曲・編曲まで古舘くんが全部やってるんですけど、編曲には元LILI LIMIT、現MO MOMAで、最近だとyonigeやGhost like girlfriendのサポートもしている土器太陽くんがサポートで入っていたりするので、二人の共作的な部分も含めて、クオリティの高い作品になっています。いろんなタイプの曲が入っているんですけど、「かけら」はUKロック的なグッドメロディの曲になっていました。古舘くんは4月5日が誕生日で、35歳になったらしいんですけど。
みさと:おめでとうございます。
金子:大人になった今の古舘くんを感じさせつつ、「かけら」を聴くと、喪失感や青さみたいな、これまでの古舘くんらしさも残っているので、昔からのファンにとっても、嬉しい部分かなと思いながら聴きました。
みさと:まさに言葉と記憶を整理するような一曲だなと感じています。今、厚武さんがおっしゃったその経緯を頭に浮かべながら聴いていただけると、より古舘くんの10年だったり、どんな歩みを経てきたのか想像できるし、知らなくても、恋愛の曲に聴こえるというか。音楽に対しての思いが、恋愛の曲だったり、誰かを思う気持ちにも当てはめられるような楽曲になっているので、どんなタイミングからでも、このアルバムに触れていただければと思います。
New Release Digest Part 2
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。まずは、DURDN!
金子:Part-2は踊れる曲がたくさんありましたけど、DURDNもそうですよね。2月に大阪と東京でワンマンツアーがあって、そのタイトルが『UNFOLD』。「広げる」とか「開く」といった意味のタイトルだったので、ここからより開けていく、広げていくタイミングに入っているのかなという印象を受けました。今回の「MEMAI」に関しては、まさに踊れる一曲。シティポップとニュージャックスウィングの中間のようなサウンドがDURDNらしいですし、"DURDNっぽい曲"をしっかり出してきたなという、また新たな始まりを感じさせました。セルフライナーノーツを読むと、「恋をすると相手を理解したいと思うけれど、その人の世界にはなかなか辿り着けない。この曲は、その距離やもどかしさをSF的なメタファーで描いた楽曲」とのことで。去年の12月にリリースされた「AFTER TASTE」は"記憶のレストラン"をモチーフにした楽曲だったり、DURDNはサウンドのかっこよさはもちろん、歌詞も毎回独特の世界観があって、面白いなと思いながら聴かせてもらいました。
みさと:魅力的なコンセプト作りで、今回はグルーヴがありながらスムーズで、まさに開けたシティポップスタイルなので、どこまでも届いていきそうな楽曲だなと感じています。目を閉じても、恋のきらめき、ミラーボールがまぶたから離れないような没入感と、恋に沼ってしまう感じがすごく表現されているかなと思います。続いて、はじめましてさんです。m/lue.(ミリュー)。
金子:m/lue.さんはFRIENDSHIP.からのリリースは初なんですけど、個人的には前から応援していまして。シンガーソングライターで、いろんな音楽性があるんだけど、アンビエント・ポップというのが一番わかりやすい説明になるかな。FRIENDSHIP.的にはKhamai Leonのbejaくんと赤瀬くんが彼女をサポートしていて、制作もライブも一緒にやっているというところで、親和性もあります。ちょっと前に七尾旅人さんとツーマンライブをやっていて、それはバンドセットでめちゃくちゃ良かったです。今回の曲は「惑星」というタイトルで、世界が滅びる瞬間を描いていると。去年出したアルバムが「遠くの景色を想像する」みたいなことをテーマにしたアルバムで、その中で今の社会で起こっていることを考えた中で、世界が滅びる瞬間を描き、そこからその先の希望をなんとか見つけようとする、そういうテーマ性が感じられます。アレンジはやはりアンビエント的で、じわじわと盛り上がっていって、世界の滅びを描いていく、映像的な曲という感じがしました。リリース日にはミュージックビデオも公開されるということなので、それも気になります。
みさと:DURDNのSFをテーマにしたというのと世界観は近いのかなと思いながらも、誰が歌って誰が作るかでこんなにアウトプットが違うんだなと。音楽って面白いなと改めて感じています。「惑星」というタイトルだけだと、アンリアルな世界観なのかなと最初は思ったんですが、今のご時世で起こっていること、社会問題含めて、そこから想像させられる楽曲だったので、アンリアルとリアルが入り混じった空気感がすごく魅力的だなと感じています。OBAKE通信然り、はじめましてさんによくbejaくんが関わっていますよね。いいなと思うところにbejaくんありという感じもしていて、本当に空間演出力の高い人なんだなと改めて感じながら聴かせてもらいました。そんなPart-2から、どうしましょう?
金子:エスキベルの新曲を紹介しようと思います。
みさと:今回EPです。
金子:エスキベルは去年ドラマーが抜けて、今回から3ピースの新体制としてスタート。この番組でも何度も名前を出しているエンジニアのKensei Ogataさんが、これまでもレコーディングを手伝っていたんですけど、今回から本格的にミックスにも関わっています。Kensei Ogataさんの繋がりもあってか、ドラムには雪国のメンバーが参加しているというのもポイントですね。エスキベルはもともと日本的なフォークの歌心、はっぴいえんど的な感覚と、サウンド的にはUSのインディフォークが混ざっているところが面白さとしてありつつ、音響的な実験精神もあるバンドなんですよね。それこそポストロックっぽさもあって、そのあたりが雪国とも通じる部分なのかなと。今回の作品は、よりそういった音響的な部分が突き詰められている印象を受けました。この曲は「むかう」というタイトルで、EPのタイトルも同じ意味の『Overthere』。ここから新しい場所に向かっていく作品であり、一曲なのかなと思います。
みさと:セルフライナーノーツで、「東海道から見える太平洋、穏やかな海、自分の生まれた地の変化が連想されて、そこからメロディと詩をつけた」という言葉をいただいています。初めて触れる雄大な景色、文化を見たときに、圧倒されながらも、少しずつ自分が景色の一部になっていくような感覚があると思うんですが、そのときのことを思い出しました。EPの流れ的に「むかう」、そしてどこが自分の生きる場所なのかというところに向かっていくと思うんですけど、一人旅のお供にしたいと思った作品だったし、一人旅イコール自分の人生のお供なのかな、なんてことを感じながら聴かせてもらいました。
New Release Digest Part 3
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。はじめまして、Temples!
金子:TemplesはUKのロックバンドなんですけど。
みさと:FRIENDSHIP.からなの!?嬉しい!
金子:海外のアーティストのリリースも時々あるんですが、アジアが多いので、UKのロックバンドは結構珍しいですよね。しかもTemplesは2010年代から活動していて、過去にはUKでもトップ10に入ったことがあったり、『FUJI ROCK FESTIVAL』で来日したりと、ロックファンからすると「おお、Temples!」と思うようなバンドがFRIENDSHIP.からリリースしてくれるのは嬉しいです。もともとサイケデリック・ロック的な出自がありつつ、今回の曲に関しては、イビサのダンスミュージック黄金期の楽曲をイメージしているということで、ダンサブルなグルーヴの曲になっていて。FRIENDSHIP.から出しているJohnnivanと結構近い気がするので、一緒にやったらいいなとか思いました。
みさと:最高!私もフジロックで2回ぐらい観ているかな。本当に好きなバンドで驚いています。もともと彼らが持っているサイケな要素と、イビサのトワイライトな空がすごくフィットするなと思いながら聴いてました。イビサという、天井のないクラブ空間に、どこまでも広がるような奥行きのある、そんなサウンドかなと感じてます。ぜひ聴いてみてください。続いて、Shimon Hoshinoさんなんですけど、今週はinvisible design、そしてTokyo Psychedelic Orchestra、2つの名義で雨にまつわる曲がリリースされています。
金子:そうなんですよね。invisible designの方は「rain on moss」で、苔に降る雨。Tokyo Psychedelic Orchestraは「Rain Breathing Through Concrete」なので、コンクリートを流れていく雨。同じ雨でも、2つの名義の違いによって描き方も違うというのが、改めて面白いなと思いました。聴き比べてみるのもいいのではないでしょうか。
みさと:invisible designはアロマの調香がいつもジャケットに載っているんですけど、今回アロマ検定1級を持っている私として気になったのが、「シダーウッド」、「グリーンモス」に加えて、一番上に「レインウォーター」と書いてあって。雨をそのまま入れているのかな。タイトル的に苔に降る雨じゃないですか。アスファルトではなく、『もののけ姫』の世界観というか。ああいった感じに降るときに、雨も一緒に調香して香りを立たせているんだと思って、やっぱりプロは違うなと。緑だったり木の上に雨や香りが落ちるのと、コンクリート、アスファルトのモワッとした香りを味わうって全然違うので、それが音として表現されていて、面白い2作だと思います。そんなPart-3から、どうしましょう?
金子:kanekoayanoの新作を紹介しようと思います。
みさと:今回はライブアルバムですね。
金子:今年の1月に日本武道館で開催されたワンマンライブの音源を、そのまま全曲収録。25曲が収録されたライブアルバムになっています。
みさと:そんなに聴かせてもらっていいんですかね(笑)。1曲2曲ならわかるけど、全編通してってすごいですよね。
金子:僕もこの日は観に行ってるんですけど、すごいライブでした。それが臨場感たっぷりに味わえるので、「もうとにかく聴いてくれ」って感じなんですけど(笑)、今回紹介する「カーステレオから」は、ライブの最後に演奏された曲。もともと2018年に出た『祝祭』というアルバムに入っていた曲なので、バンドになる前だし、今みたいにサイケ、オルタナといった感じになる手前の曲ではあるんだけど、でもこの曲はクラウトロック的な要素をもともと持っていて。ちょっと前にカネコさんのソロ音源(『できるだけ/友達がいる』)が出て、「OGRE YOU ASSHOLEともちょっと近しい感じあるよね」という話をしたと思うんですけど、2018年の頃からそういう要素は持っていて、それが時間を経てバンドになって、何十倍、何百倍にもビルドアップされて、この演奏になっているので、そこを楽しんでもらえたらなと思います。
みさと:「この曲って叫ぶんだっけ?」と思って(笑)。あの重低音の聴かせ方とか、本当にバンドなんだなと。やっぱりライブって、バンド、ステージに立っている人が成熟していくことも大きな要素だと思うんですけど、そうやって一緒に何年もかけて、ファンたちと一緒にここまで来た感じがすごく伝わってくる。これって生のライブでしか味わえない熱気だし、スピーカーから漏れてくるぐらいの熱を感じられる。観ていないのに、あのときのライブの空間に自分もいたような感覚にしてもらえる。そんなアーティストはやっぱり少ないと思うので、スペシャルな存在だと思います。
番組の後半はWOZNIAKがゲストで登場!
RADIO INFORMATION
「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:INTER FM 毎週土曜日25:00-25:55/ FM福岡 毎週土曜日26:00-26:55 (radikoで全国で聴取可能)
NEW Releases FRIENDSHIP.
ラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。
番組MC

金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10




