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RADIO
2025.12.28
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!ゆうさり・Redhair Rosy・リ・ファンデほか全17作品 -2025.12.27-
New Release Digest Part 1
みさと:12月22日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全17作品の中からPart-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!まずははじめましてさんです。Serotonin Mist(セロトニンミスト)。
金子:このバンドは2023年結成、東京を中心に活動する5人組。ニュースクールやメタリックなハードコアの要素を取り入れたエモーティブ・ハードコアに、直接的な表現の歌詞を乗せるというコンセプトを念頭に活動を始めたと。今回『現実の鏡』というタイトルのアルバムで、セルフライナーノーツを読みますと、"家父長制、再開発による文化の平板化、労働環境の劣悪さ――日々最悪を更新する現代社会に対する怒りと抵抗を、1990年代から2000年代のエモ・ハードコアの系譜で表現したアルバム"ということで。こういう社会に対するメッセージもそうだし、アルバム全体が12曲で16分と、ショートチューンがたくさん入ってる作品になっていたり、まさにエモコア、激情系ハードコアという感じがして、そのカッコよさを現代にストレートに鳴らしているバンドだなという印象でした。
みさと:現代の社会問題に対しての風刺の仕方ってジャンルによって表現の仕方が変わるよなということを改めて考えさせられましたし、その中にしっかりそれぞれ美学があるなと感じました。1分10秒という短さの中で、自分たちが持ってる思いをどう表現していくのか。解像度が高くないと、短くまとめることも難しいと思うので、自分たちの中でのハッキリとした意識、意見、思いが短い時間の中にパッケージされている、素晴らしいアルバムになっています。続いて、LOLOET。
金子:LOLOETは来年1月にアルバムを出すことが発表されていて、そこに向けて単曲がリリースされているわけなんですけど、彼女たちは環響音をテーマにした「オルタナティブ・アンビエントバンド」と名乗っているぐらいなので、やっぱりアンビエント的な音像が特徴でありつつ、この曲に関しては結構アコースティックな音色でまとめられていました。トランペットがすごく印象的。さっきのSerotonin Mistと音楽性は全然違うんだけど、LOLOETの和田彩花さんはもともとアイドルで活動していたバックグラウンドがありつつ、今はフェミニズムとか差別とか、そういったことも歌詞に織り込みながら表現している人だったりするので、社会に向けて発信する意識という意味では、ある種ハードコアな側面もあるというか。LOLOETはそういう存在だなと感じたりしてます。
みさと:まさにこの2曲を続けて聴くことで、何を社会に対して問題提起しているかのアンテナと、そのアウトプットの仕方という点で、それぞれ違うけれども、その思いをどういうふうに社会に向かって発信していくか、その自由さやそれぞれにおける役割も感じられました。やっぱり、音楽を通してだからこそ伝えられることがあるよなと思いました。
金子:音楽的にはむしろ真逆なんだけどね(笑)。
みさと:全く違うけど、熱いものを持っているところはすごい共通項だなと思うし、それぞれのバンドの良さというか、音楽ジャンルの良さを再確認できるかなとも思います。環境音も使ったりしていて、すごく技巧派な感じもしますよね。
金子:来年出るアルバムが文字通り『環響音』というタイトルなので、楽しみです。
みさと:楽しみです!そんなPart-1から、どうしましょう?
金子:Shöka, rilium, ゆうさり(ショウカ リリウム ユウサリ)の楽曲を紹介しようと思います。
みさと:ゆうさりさんはFRIENDSHIP.からリリースしてくださっていましたが、Shökaさん、riliumさんははじめましてになりますね。
金子:女性3人による共作の楽曲で、もともとこの3人が今年の8月に行った共催のライブに向けて作られた曲なんですけど、個人的に3人ともすごく注目していた人たちで。ゆうさりさんはFRIENDSHIP.ではお馴染みの名前なんですけど、Shökaさんはピアニストで作曲家の梅井美咲さんとharuyoiというユニットをやっていたり、「菅野咲花と鬼虎魚」という名前でバンド活動もしていて、君島大空くんや松丸契くんも参加していたりと注目のアーティストなんですよ。riliumさんもシンガーソングライターで、コンポーザーで、サポートでもいろんなバンドに参加。今は雪国のライブにサポートとして参加していたり、注目の人たちが集まっていて。
みさと:そうなんですね。
金子:で、今回は共同で1曲作っていて、トラックメイクと生楽器の混ざり具合がすごく面白い。今の人たちって、楽器演奏もできるし、歌も歌えるし、トラックメイクもできるというのが普通になってきていて、この3人もまさにそう。そういう人たちがユニットを組んだり、バンドに参加したり、今回みたいに一緒に曲を作ったり、自由に活動することによって、どんどん新しい音楽が生み出されているという、その状況がすごく面白いなと改めて感じさせてくれる1曲でもありました。
みさと:デジタルネイティブに加えて、オールクリエイティブという最強の時代で、1人でも作れる人たちが3人集まると、こういう化学反応が起きるという、すごくいい例だなと思います。タイトルは「Stab at the light 『』」、"光の刺し傷"とriliumさんは訳されているんですが、それぞれ共通のワードはありながらも、個人によって解釈が少し独特というか、オリジナリティがあるというのも、それぞれのアーティストとしての感性があるんだなと思うし、その中で自分の中にある思いとグラデーションになりながら、3人でやると1つの曲ができるという面白さも、セルフライナーノーツを読んで感じました。素晴らしい楽曲です。
New Release Digest Part 2
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます!さあ、はじめましてさんです。.jvkn(ドットジュカン)。
金子:この方はシンガーソングライターでもありつつ、美術家としても活動していて、美術家としては「立石従寛」という名義で活動していて。これ本名なのかな?もしかしたら違うのかな。「従寛」って面白い名前ですよね。
みさと:美術家さんっぽいですよね。
金子:「.jvkn」という名前からしても、アート性の高さを感じさせますけど、今回の曲は去年に出したセカンドシングル「集合論」のアコースティックバージョン。原曲自体も割とアコースティックな音色ではあるんだけど、ビートとかシンセのレイヤーが入っていて、ダンサブルな仕上がりなのに対して、今回のバージョンはまさにアコースティックな仕上がり。その対比の面白さもあるし、ダンサブルな原曲の方を聴くと、個人的にはちょっとサカナクションっぽさを感じて。音のミニマルな感じ、ワードの面白さ、歌い回しとか、ちょっと通じる部分があって面白いなと。Part-2には微熱くんがいて、彼はもともとサカナクションのファンだったところから活動を始めていたりもして。.jvknさんもサカナクションのファンの方にぜひチェックしてほしいなと思いました 。
みさと:今回、初めて出会ったアーティストさんなんですが、アコースティックバージョンということもあると思うんですが、削ぎ落とした音像でドラマを生み出すことができる人なんだなと想像できるような1曲になっていました。すごく気になる人に出会えて嬉しいです。続いて、Dan Mitchelさん、今回EPリリースです。
金子:今週は12月24日がリリース日だったので、クリスマスソングが結構あるかなと思ったけど、あんまりなくて。
みさと:今年、なかったですね。
金子:そんな中で、Dan Mitchelさんがちゃんとクリスマスソングを出してくれていて。
みさと:なんてったって"ドラマティックアーティスト"ですからね。
金子:「Welcome Home at Sweet Christmas』というタイトルからして文字通りのクリスマスソング。すでにクリスマスは過ぎちゃってるわけですけど、セルフライナーノーツを読むと、"日本のクリスマス"みたいなイメージで、いろんな文化を取り込んだオリジナルのお祭りみたいな曲になって、"これはクリスマスソングと言いつつも、日本人にとっては年末ソングと言ったほうがいいのかもしれません"というコメントもあったり。クリスマスは過ぎちゃいましたけど、この年末に聴いてほしい1曲として、ご紹介したいなと思います。
みさと:"Christmas"というワードが入っているので、きらびやかな要素も浮かんではくるんですけど、全編通してクリスマスサウンドかと言われたらそうではない。日本の年末、日本のクリスマスに楽しめる落とし所というのが素晴らしいなと思いましたし、12月になったらこの曲を聴きたくなるような、ドラマを生み出してくれるような仕上がりになっていたかなと思います。そんなPart-2から、どうしましょう?
金子:Redhair Rosyの新曲を紹介しようと思います。
みさと:ヒー!やっぱりカッコいいですね!
金子:Redhair Rosyは元the McFaddinで、今年FRIENDSHIP.に帰ってきてくれたわけですけど、年末にまた新曲をリリースしてくれました。タイトルの「8abyrousa=バビルサ」というのはインドネシアに実在する珍しい野生の豚のことで、通称"死を見つめる動物"と呼ばれていると。なぜ死を見つめているのかというと、牙が巻くような形になってて、それがどんどん成長していくと、自分に刺さっちゃう、みたいな。
みさと:イノシシみたいな牙をイメージしていただけるとフィットすると思います。
金子:そんなバビルサから、「人間もどこかで死を考え続けている。人間も同じなのではないか?」という曲の着想を得ていると。この発想がまず面白いですよね。サウンド的には、最初の鍵盤のリフがLCD Soundsystemの「All My Friends」という名曲っぽかったり、後半に向けて歪んだギターが入ってきて、グワーッと盛り上がっていく感じとか、Redhair Rosyらしいカッコよさもあって、面白い1曲だったなと思います 。
みさと:怒りとか、自分の中での矛盾、死生観が内包されつつも、サウンドだけ聴くと、疾走感と開けた印象もあるんですよね。ただ、このテーマをちゃんと知った上で聴くと、人生の走馬灯のように聴こえてきたりもする。あとは生き急いでる感覚に捉える方もいるかもしれない。聴き手によって、そして今どこに立っているかによってこの曲はすごく広がりを見せるだろうなと。日々変化していくような楽曲なんじゃないかなと思います。
New Release Digest Part 3
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます!さあ、リ・ファンデさん。
金子:リ・ファンデさんは約1年ぶり、ひさしぶりのリリースなんですけど、今年の11月で活動10周年を迎えて、今月の21日に10周年ライブをゆうらん船と一緒にやっていて。おそらくこの曲もそこで披露したのかなと思います。
みさと:おめでとうございます!みんな、小躍りしたかな?
金子:この曲も12月24日リリースらしいというか、ご本人のコメントにも"リラックスしながらも、小躍りできるような、どこか煌めきのある音楽がいいなと思って作りました"とあるので、まさに今の時期にぴったりですよね。年末に聴くのもいいと思います。
みさと:ホーンが入って、オルガンが入って、このビート感なので、本当に年末っぽいですし、10周年というタイミングもきっと意識されたんだろうなと。ジャケットはご自身の幼少期の写真を使っていたり、ご自身の人生とアーティストとしての期間をきっと振り返られて作った1曲でもあるんじゃないかなと思っています。続いて、Sunday カミデさん。
金子:「15才」というタイトルで、15才の頃を思い出しながら、自分の周りにいた様々な環境の友達を思い出して描かれた1曲と。
みさと:あぁ〜、そういうことだ。
金子:孤独を抱えている主人公が描かれていて、家族みんなでカレーライスを食べるような団欒の姿を思い浮かべている。すごく切ないんだけど、それでも希望を持っている、そんな力強さも感じられるような1曲になっていたかなと思います。
みさと:15才って本当に絶妙な年齢というか。自分自身のことを振り返っても、"もう大人だから..."みたいな顔をしていたけれど、社会から見ると本当に子供だし、何も見えていなかった。でも、自分の中で思春期ということもあって、抗いたい何かみたいなこともあって。少し目を外に向けると、自分の生活とは全く違う同い年の子たちがいることに気づいたり、まさにそういった視点で描かれていく1曲ではあるんですけど、どんどん社会が変わっていく今だからこそ、聴かれるべき1曲だなとも思いましたし、自分との違いがある人間に対してどう思っていくのかとか、どう育てていくのかとか、環境がもたらす未来に対しての問題提起みたいなところは、どの年代の人でも聴いてほしいなと思いました。そんなPart-3から、どうしましょう?
金子:Mop?の新曲を紹介しようと思います。
みさと:今回EPです。
金子:Mop?は元LILI LIMITの牧野純平くんのソロプロジェクト。この後にゲストコーナーがありますけど、ニューリリースとしては今年最後にかける曲なので、弾き語りの、メッセージがスッと染みてくるような曲がいいなと思って、この曲を選びました。ご本人のコメントで、"昔からアレンジに自信がなくて、歌もピッチが安定しない。それでも声を褒められることがあったので、いっそそのまま使ってみようと思った"と。
みさと:そうかぁ。覚悟、勇気。
金子:なので基本はシンプルな弾き語りなんですけど、でもそうやって余計なものを外していったら、意外と自分の好きなものができて、"足りないものに抗うのも大事だけど、受け入れることも大切なんだ"と思ったと。そして、そんな自分の足りないものを埋めてくれるのが仲間なんだろうなということを思い、これを機にメンバー募集をすることにしたそうで、"Mop?はここからバンドとして動いていけたらなと思っています"とあります。今回のEPのタイトルが『求人』なのは、そういうことなんですよね。
みさと:求人募集でございます。
金子:この弾き語りの音源を持って、バンドメンバーをこれから求人していくと。今年はkanekoayano、DURAN、miidaとか、ソロからバンドになった人たちがたくさんいたわけですけど、来年はMop?というバンドの作品が届けられるんじゃないかと、期待したくなっちゃいますね。
みさと:バンドメンバーに対する「求人」という意味と、"苦手なことをそのまま活かせる先"という意味での「求人」ということもあるんじゃないかなと思います。生きづらい人たちが足りないものを補って正五角形を作るのではなくて、歪な形でもいいから得意なところを伸ばしていこうというような、そういう教育観点がここ数年どんどん広がってきている気がしていて。だからこそ、"苦手なことをさらに活かして、プラスに変えられる職場"みたいな、それには仲間が必要で...というお言葉もいただきましたけど、そういうバンドに、そういう場所に行きたいという気持ちも込めての求人なのかなっていう気もしています。言葉選びも含めて、センスが光るEP。聴いてみてください。
番組の後半はSpecial Favorite Musicがゲストで登場!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10




