INTERVIEW

2026.06.24

「奇跡やと自分が思わへんかったら奇跡なんて生まれへん」踊ってばかりの国が十人十色の心模様を踊らせる『PRISM』メンバー全員インタビュー

「奇跡やと自分が思わへんかったら奇跡なんて生まれへん」踊ってばかりの国が十人十色の心模様を踊らせる『PRISM』メンバー全員インタビュー

踊ってばかりの国が約2年ぶりとなる10thフルアルバム『PRISM』を完成させた。
ひとことでいって、大変なサイケデリック・ロックである。

みちあふれる光の洪水のようなフィードバック・サウンドは、自他の境界を見失うほどに酩酊的でありながら、タッチやアタックの質感が生々しく伝わってくる。
幽玄さと暖かみをかねそなえた驚異的なサウンドの基底部では、しなやかに腰を揺らすグルーヴがうずまいている。
踊ってばかりの国史上もっとも踊れるアルバムなのではないかというぐらい、今作で展開されるビートはものすごく多岐にわたっている。
そんな前代未聞の音像を泳ぎまわる下津光史のヴォーカルはますます素晴らしさを増し、はかなく美しいホーリーな空気をたたえている。
インディペンデントな姿勢で活動を続けながら、幅広いリスナーに絶大な信頼をもって受け入れられている踊ってばかりの国の存在は、この国の、いや世界のバンドシーンにおける一つの希望である。今回はメンバー5人にアルバムの制作について語ってもらった。


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やっぱサイケってダサくないね!(笑)

─まず、最初にMVとともに先行公開された「PSYCHE STAR」についてお聞きしたいんですが、発表されたとき"すげえタイトルだな"と思ったんですよ。結成19年目、10枚目のフルアルバムの最初の曲がこのタイトルってことに、何かしらの宣言的なバイブスを感じたんですが。


下津光史(Vo/Gt):歌詞書いてるとき、最後になんか連呼したくて思いついたのが「PSYCHE STAR」やったんすけど、我ながらバカな名前~って(笑)。オケができあがってから歌つけたんすけど、しょぼいタイトルやったら曲負けしてまうから、でっかくいこう!と。

─調べてみると、踊ってばかりの国って実はあんまり"サイケ"って言葉を扱ってないんですよね。2014年にリリースされた「サイケデリアレディ」だけみたいで。それで今日は、過去の某音楽誌のインタビューを持ってきたんですけども。2011年の下津さんのインタビューです。


下津:うわやばい、やばい、こわいよ~~~~!! 見て、コレ!!

谷山竜志(Ba):呪物じゃんこんなん!

─ 一部抜粋します。「サイケってダサいっすよね(笑)。リバーブ踏んでディレイかけてるだけなんすけどね。2万円ぐらいでサイケできますから」。


一同:(笑)

下津:ほんまにやめよ、炎上するで(笑)。

─ここから15年後の現在、あらためて下津さんの"サイケ"って言葉に対するイメージを伺いたいと思いまして。


下津:や、当時は"サイケ"って言葉がコスられきってたんで、そこに対する反骨みたいな感じやったんですよ。俺、サイケって人それぞれ違うと思ってるんです。で、この15年でいろんな人のサイケを知るじゃないですか。やっぱサイケってダサくないね!(笑)。

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─ありがとうございます(笑)。前作『On the shore』から約2年ぶりのアルバムですが、いつ頃から制作してたんですか?


下津:曲ごとにできた時期は違うんですよ。「Blowin' in the wind」はおととしの正月だったかな。「China Bike」は(2024年の)中国ツアーから帰ってきた日、眠れずに朝陽の中で書きました。

谷山:2025年の頭ぐらいから、曲できるたびにプリプロ(※事前の仮録音)みたいな感じで。

下津:基本的な曲作りのプロセスはずっと同じっすね。僕が日頃書いてて、弾き語りを投げて、考えてもらって、みんなで組み立てて、できあがり。

─今回、あたらしく挑戦したことって何かありますか? 音作りとか、フレーズの構成とか......。


谷山:今回、一番変わったのはドラムの音じゃないかな。大季のセットはIZU STUDIOで借りました。

坂本タイキ(Dr):シンバル以外は全部借り物です。自分の持ってるセットじゃないローもいいかなって。

下津:ドラムのマイクも普通よりだいぶ突っ込んで録ったんすよ。たとえばWilcoとか、海外のバンドってビートが立ってるじゃないですか。でも日本のバンドって同じオルタナとかでも立ってないじゃないですか。それが僕らイヤで、やったらあかんことしました。

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─セオリー外のマイキングなんですね。


下津:海外的なサイジングというか。大季の強弱とか隙間のグルーヴがより見えるようになったから、それが踊りやすいっていうのに繋がってると思いますね。フレーズとかも完璧に洗練されてきてるから今。

─ギターも今回かなり重ねてますよね。ギターがウォール・オブ・サウンド的というかシューゲイザー的というか、よりサスティンやフィードバックなどの音響的部分が強くなった印象を受けました。


大久保仁(Gt):だいたいフィードバックさせてますね。

丸山康太(Gt):音数を減らして、その代わりにディストーションとかいっぱいかけてみようって。最初は一発で完成させようと思ってやってたけど、どんどん欲が出てきて......。

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─今回、CD・レコード・配信でそれぞれ別にマスタリングしているそうですが?


谷山:GOK SOUNDの近藤(祥昭)さんが提案してくれたんですよ。どれも近藤さんがマスタリングしてくれたんですけど、分けて作ってもらったというか。近藤さんがそこらへんめちゃくちゃ詳しい人だからおまかせしました。

下津:これ、踊ってばかりの国の黄金コースです。マスタリング近藤さんでミックス(濱野)泰政さん・(KITTY IZU STUDIO)。今回確信を得ましたね。あとは長生きを祈るだけです。

ポップスからはもう完全に逸脱したかも

─レコーディングするときに、その場の思いつきや偶発的な出来事で本来意図していたものとは全然違うものになったけれども、それが結果オーライでむしろ良くなったみたいな、スタジオミラクルってありましたか?


下津:スタジオワークじゃないんですけど、「ネモフィラ」に青葉市子さんが友情出演してくれて。それとかウチでちょっと音合わせして、一発目のテイクでバーッてやったら、「それ採用!」ってなりましたね。

谷山:めちゃくちゃ速攻で終わったもんな。

下津:そっからただの飲み会になって(笑)。「ネモフィラ」は、丸ちゃんが自分のギターに対してリアルタイム・ダブとかしてたんで、結構セッション性高い曲ですねえ。

丸山:あんま上手くいかなくて難しかったです。自分でやったのと、濱野さんがやったのと、両方混ぜたりして。

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─大久保さんはどうでしょうか?


大久保:「PSYCHE STAR」のオクターブファズとかは完全ひらめきですね。これしかねえなって。あと「逢魔ヶ時」の12弦アコギ。下津ちゃんのアイディアなんだけど、レコーディングで使ったの初めてで。

谷山:あれ? アコーディオン弾いてる瞬間とかなかったっけ?

大久保:「PSYCHE STAR」は俺がアコーディオンやってますね。あとコーラスもちょっとやったけど全カットになりました(笑)。

下津:ていうかあれやな、レコーディングの記憶が結構曖昧だね(笑)。言われて思い出すことめっちゃあるわ。

─坂本さんはどうですか?


坂本:何も思い出せない。

一同:(笑)。

坂本:思った通りにポンポンポンポンやって終わりました。

谷山:鉄壁ですよ。

坂本:後から足しすぎるの違うなっていうのもあったから、シンプルにパーッて。あんま考えてないかも。全部最初に思いついたのをやってます。

下津:ドラムはもうほぼ一発録りですね。行っても2テイク。生成AIの待ち時間より早い。坂本さんはAIの時代が来てもまだ食っていけますね。

─個人的に坂本さんは"ハイハットだけで踊らせられるドラマー"というぐらい、ハイハットワークがすばらしい印象があるんですが、今回はとくにプレイが多彩で鮮やかだと思いました。


下津:彼のドラムはほんまに歌いやすいっすよ。ハイハットしか聴いてないときあります。

─ギターアンサンブルはどう組み立てているんですか? ギター3本いると、それぞれ音域がかぶらないようにとか大変そうなイメージがありますが。


下津:もう俺、コードとか捨てましたね今回。ガイドつけちゃうみたいなことはもうやめた。「ニーチェ」のサビとか全くコード弾いてないすもん。絶対そんなことしたらあかんすけど。

─ここでもセオリー外のことをやってるんですね。


下津:ポップスからはもう完全に逸脱したかも。「Choose your life」とかはベースもアンサンブルに絡ませましたね。そのあたりもシューゲイザー感というか80年代、90年代のロック感が出てるかもですよね。仁さんと丸ちゃんの空間系の塩梅に合わせる感じ。

─大久保さんと丸山さんはディスカッションとかするんですか?


大久保:いや、自然発生的に。「ここちょっと歪ませたほうがいいかな?」とかは聞くけど、音像は見えてるというか。

丸山:あんまり打ち合わせとかはないですね。何回もやるうちに出てきたものから、いい感じのヤツをっていう。今回はプリプロもできたからだいぶ早かったですね。

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─前作「On the shore」のベースはダブっぽい音作りが多い印象でしたが、今回は一転してかなりナチュラルな感じですね。


谷山:前作はテレキャスベースとかローの強い楽器を使ってたんですけど、今回はアンサンブルに溶け込めるようにしたいなと思って。モワモワしないように、でもバキッとしすぎないように。録音のときはほとんどバイオリンベースでやりましたね。倍音がふくよかだし低音もキツすぎないし、丸くて馴染みがいいような気がして。

下津:フレーズは大季と何回も話し合ってたね。

谷山:二人でスタジオ入ったりとか、アドバイスもらったら試したりとか、ちょこちょこ。

下津:二人三脚でやってるなーと思いましたね。基本楽しくやってますよ、みんな各々の時間も過ごすし。

─レコーディング中のスタジオってどんな空気感なんですか?


谷山:険悪になったりとかは全くなく、和気藹々とやってたと思いますけど。なんなら毎晩飲みすぎることをエンジニアさんに怒られる(笑)。

大久保:飲み過ぎだよ!って(笑)。

谷山:「10時集合っていうから来たのに誰も起きてないじゃん!」とか言われて(笑)。

─そんな毎晩飲み会的な感じなんですか?


下津:飲む人も飲まない人もおるけど、基本俺は誘惑に負けて飲みます。

谷山:ダビングとか歌入れのときって他の人はわりと暇だったりするから、それで飲み始めたりして(笑)。

踊れる感覚って、リズムの展開がプログレッシヴやからと思う

─このアルバムの背景にはそんな一幕があったと。レコーディングを振り返って、とくにこの曲は大変だったな、難産だったなっていう曲はありますか?


丸山:「6月の現状」かな。違うフレーズずっと試して、3テイク目で「きた!」って。

大久保:「ネモフィラ」か「6月の現状」かなぁ。単音弾きというかメロディで攻めてるから情報量が多くて、そこを整理するのが結構大変で。この曲の深淵が見えた!みたいなところまでいきました。

下津:はぁ~~~(笑)。

大久保:一歩踏み入れてしまったみたいな(笑)。

谷山:「酸性雨」も難しかったけど「ネモフィラ」も大変だった。細かいリズムの感じ方みたいなのがみんなと割と遠かったりして、どーしよーって。「どうやったらそうなるの?」って相談をすげえしながら。

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─「ネモフィラ」、不思議な曲ですよね。ギターのカッティングだけ聴くとレゲエなのに、全体的に俯瞰して聴くと、これってレゲエなのかなあ?という。あれはレゲエなんですか?


下津:「ネモフィラ」はレゲエなのか問題は正直ありました。や、俺と仁と大季は完璧にレゲエやと思ってやってたんですよ。大季もちゃんとカリブ海アプローチしてて。谷山だけ......東の海に。

一同:(笑)。

下津:ベースが一生決まらなかったんですよ。

谷山:ずっと迷ってて。

下津:谷山の中にレゲエがねーんだってなって、まずレゲエを伝えるところからやったんですよ。まるまる一回僕が全部弾いてみるとかもやったっす。それを聴いてまた考え直してもらうみたいな。まぁでも「!‼︎」とかもそうなんですけど、レゲエではないんすよね。セオリー外のことをしてるんで。それをどう料理していくのかみたいなところもありますよね。

─今回ベーシスト的に参考にしたバンドとかプレイヤーっていましたか?


谷山:録音中、クーラ・シェイカーとかめっちゃ練習してました俺。

下津:まぁ、マッドチェスターですよ。インド音階に沿うようなベースっていうかね。

─「PSYCHE STAR」のベースとかまさにマッドチェスターって感じでしたが。


谷山:アレは下津の作ってきたギターフレーズをなぞってるだけで、丸のギターを支えるぐらいのイメージでやってますね。最後、歌入ってきたところでちょっと動けたらいいね、みたいな話をしてたかな。フレーズ覚えるのに結構苦労したかも。

─坂本さんはどうですか? ほぼ1テイクで終えたとのことですが、これはちょっと苦戦したかもみたいな場面は......


坂本:苦戦したところ? ないです。

一同:(笑)。

下津:俺もうマジでファンクラブ作ろうかな、創始者になろう(笑)。

坂本:「酸性雨」とかは大股でゆっくり歩くような、隙間を感じるっていうのは意識しました。

─「酸性雨」の深く沈み込むようなグルーヴ感も、バンドの新境地を感じました。


下津:ちなみにライヴでは大季が初のコーラスです。あれ歌がクソむずくて。アレンジが決まって完全に歌い方が変わったから、ギターのフレーズも全替えしたり、いろいろ考えました。どこで言葉を切るかとか、ハイハットの邪魔しないようにとか。

─あの歌、めちゃくちゃ難しそうですね。歌唱的にいちばん難易度が高いのは「酸性雨」ですか?


下津:や、歌唱的には完璧に「6月の現状」すね。ずっとめっちゃ高いし、言葉多いんすよ。「Blowin' in the wind」もそうなんすけど、高音でずっとウワーって歌ってるから、普通に過呼吸になりそうです。

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─歌入れはどんな風にやっているんですか?


下津:なんかもう勢いやと思ってて。ノったら録るって感じ。前は最後の二日で歌入れするとか日程決めてたけど、今回は思いついたままに入れさせてもらうようにしました。

─今回は一曲の中にいろんなビートが詰め込まれていますよね。8ビート以外の事柄が多いというか。踊ってばかりの国史上、いちばん踊れるアルバムなんじゃないか説が僕の中であります。


下津:その踊れる感覚って、リズムの展開がプログレッシヴやからと思うんですよ。この展開は僕ひとりじゃ絶対できないんで。ここを僕は聴いてもらいたい。

─プログレッシヴという表現、とてもしっくり来ます。これまで以上に景色が一気にガラッと変わるような展開が多いですね。


下津:僕ら楽譜がないんで、回数とか覚えるのが大変なんですよ。僕は歌っていう手がかりがあるから、歌に沿っとけば飛ばすことはないけど、楽器ってなるとやっぱ回数との戦いだと思ってて。

─「超新星」も3部構成になってますもんね。


下津:これはもう完全に坂本さんです。元々ただの三拍子のブルースで作ったんですけど、大季が色々展開させてくれて。それで「どっちがいいかな~......両方やっちゃわね?」って。

絶対ケータイとかにはメモらない、デジタルの文字で印象入れちゃうと変わるから

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─歌詞について伺います。これずっと聞いてみたかったんですけど、以前、下津さんに取材したとき、作曲用のノートを見せてくれたことがあったんですよ。最初に曲名があって、コードとか譜割りとかもなく、ただ詞が一行ずつ書かれてるっていうのを見て、めちゃくちゃ衝撃受けて。消しゴムをかけた跡すらなくって、初めから決まっていたことをそのまま書き写したみたいなノート。実際にリリースされた曲と一字一句おなじ詞だし。それで下津さんに「歌詞とメロディ、どっちから先に作るんですか?」って聞いたら「同時ですね。わたくしはそれ以外は歌とは呼ばない」って言ってて。


下津:渋っ、渋いなーそいつ(笑)。でもポリシーですね。イタコ業や思うてるんで。奇跡やと自分が思わへんかったら奇跡なんて生まれへんから。

─ド頭から最後まで、一気にスルッとできちゃうんですか?


下津:そうですね、書くってなったら15分ぐらいで書けちゃう曲とかもある。あと書き直さないっすね。筆を執るまでにめっちゃ考えて、絶対に引き返さない。まぁ病むっすけどね、前後は。死にそうになるっすけど。

─普段、思いついたフレーズをメモったりとかしますか?


下津:あー、脳裏に溜めてます。瞬間とか言葉とか。絶対ケータイとかにはメモらないんすよ、デジタルの文字で印象入れちゃうと変わるから。で、溜めてたものがバチっときたら作り出す。"きた! 何この空気!? 楽しー!"みたいな。で、病む(笑)。

─歌詞は基本的に実体験に基づいてるんですか?


下津:脳ミソの中で再現する映像は一曲一曲あるかも。「China Bike」は中国行ったときの気持ちを書いたし、「Blowin' in the wind」は正月子供と凧揚げしてるときだし。あと普段感じたこととか。「酸性雨」は今の時世に向けてますね。"人間が根源的に自由忘れてねえ?"って思うから、そういう、言わないと良くないなーってことは言います。

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─「Choose your life」も風刺的な詞ですよね。


下津:みんな悩みすぎやろ!と思って。余計なもんめっちゃついてないか!?って。あと書いた頃がオアシスの来日で賑わってたんで、"やっぱこれでいいんじゃねー!? 人間これでよくねー!?"って。ロックがやれることってそれだと思ってます。

─下津さんの歌詞には〈悪魔〉って言葉がよく登場しますが、下津さんにとって悪魔ってどういう存在なんですか?


下津:いいヤツだと思ってますよ。神様も悪いヤツは悪いやろうし、いいヤツはいいやろうし。ベジータが絶対悪いワケじゃないじゃないですか。ベジータなりの想いもあるワケじゃないですか。絶対の正義なんか絶対存在せえへんから、それが極端になっていくと人間全員が生きづらくなると思う。グレーなものもあっていいと思うし。人間なんか汚物出しながら歩いていくワケやから、その汚物を出さんことにはできへんというのは常々思てます!(笑)。

─ありがとうございます(笑)。今回「ニーチェ」を再録していますが、この曲を収録した理由はなんですか?


下津:大切な曲なんすよねやっぱ。踊ってばかりの国はこの曲から確信に変わった。意気込みだけじゃなくて、現実にもそれが実感できたのが「ニーチェ」やったから、絶対アルバムに入れたかったんです。でも『On the shore』だと、あの曲たちのキャラに対して暗すぎるというか合わへんなというのがあったので。だから機を待っていましたね。


─アルバムの曲順ってどんな感じで決めてるんですか?


谷山:今回結構スッて決まったんじゃないかな。

下津:「PSYCHE STAR」が録れてこれは一曲目やろってなって。「ネモフィラ」とか6、7、8曲目あたりはめっちゃ悩んだけど、最初と最後は二日目の飲み会で決まってた(笑)。

谷山:他の案も試したけど、最初の案がほぼ大元みたいな感じですね。

─そういうのも含めてとてもいい流れがあるんですね。


下津:いいときはね(笑)。

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泥臭い部分も綺麗な部分も一人ひとりあるから、それを見落とさんように

─MVについても伺います。現在、新譜から「PSYCHE STAR」「6月の現状」のMVが公開されておりまして、どちらも拝見させていただきましたが、「6月の現状」、すごくキレイだな~カッコいいな~と思った一方、マジで過酷そうだなぁと。


下津:いやもう、一回愚痴っていいですか?

一同:(笑)。

下津:あれマジで過酷で。背中にビート板つけられた状態で、普通に水深3メートルぐらいあるところに全員で降りていけって言われて。

大久保:段ボールパッキングするテープでビート板固定してね。

下津:俺泳げるからまだあれっすけど、これ一日付き合わせるとマジで死ぬヤツ出てくるなと思って、一回デニーズで朝ご飯食べがてら会議して。で、これちょっとメンバーにはやらせられないっすねーってなって、俺そっから9時間ひとりで入水っす(笑)。


─だから下津さんの入水パートだけ長いんですね。


下津:なんかもう、芸人ですよ。ドッキリグランプリみたいな。

谷山:最後流れるのめちゃくちゃ上手くなってたもんな。自然にスーッて流れてたもん。

下津:まだ首、筋肉痛ですもん。丸ちゃんとか最初の3分で震え始めてましたからね。

坂本:俺も震えてたよ。

谷山:俺も震えてた。

丸山:めちゃくちゃしんどかった。

下津:帰っていいよって言っても、みんな待ってくれてんすよ。みんな優しいから。

谷山:心配だったもんな。

下津:でも仁は撮影後、DJしに行きました。

大久保:QUATTROに外タレ観に行ってから、DJしに行った。

下津:タフすぎやろ。

大久保:撮影よりDJのがしんどかった(笑)。

谷山:たいして寒くねーとか言ってたもんな。

下津:最後の方とか夕方やしもう、普通に吹き荒んでるんですよ。雨降ってたし。映像業界はヤバいって思いましたね。

─思い出もさまざまということで......「PSYCHE STAR」の撮影はどうでしょうか?


大久保:スムーズでしたよね。

坂本:一時間ぐらい巻いて終わったよね。

下津:マネージャーの脳内に映像があったぽくて。それで監督の川口さんと事前に打ち合わせをやってくれてたんですよ。レイヤーが見える演奏をMVでやったことなかったんで、やってみたくて。


─そろそろまとめに入っていこうと思いますが、今回のアルバムタイトル『PRISM』について。(紙資料に)下津さんの言葉によると"人生はプリズム"とありますが。


下津:まず、プリズムって綺麗やしね。屈折してるし、超サイケじゃないですか。みんな十人十色やって思うんですよ。心模様も一色じゃないし、いまの自分と5年後の自分は違うし、間違ったってよくねー!?ってのもあるし。それで僕らが『PRISM』っていうたら光見えるんかなって。泥臭い部分も綺麗な部分も一人ひとりあるから、それを見落とさんように名付けました。世界は綺麗だよ!って。ひとりの考え方で誰かを救い続けるなんて無理やし、協力しあった方が良くね?みたいな。

─ありがとうございます。では最後に、7月から始まる『Blowin' in the wind』ツアーへの意気込みをお願いします。


丸山:うーん............楽しみたい。楽しませたいし。これを聴いて来てくれたお客さんと楽しみたい。

下津:僕らライヴ大好き人間ですからマジで。なんやかんや疲れるけど生きてる心地がするのがライヴなんで。全箇所全力でやっちゃうんでね、そっちも全箇所全力で来てくれと。

谷山:なんばHatchとか、今まで俺らがやった中で一番大きい場所だから、単純に楽しみだなって。函館行くのも初めてだから楽しみだし。

坂本:長くこのメンバーで続けてきて、今かなりいいと思うんで、特別なツアーになるかなと。

大久保:心を込めて演奏します。踊りに来てほしい。

下津:僕がお客さんなら、沖縄2DAYS攻めます(笑)。

取材・文:山塚リキマル
撮影:石毛倫太郎

RELEASE INFORMATION

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踊ってばかりの国「PRISM」
2026年6月10日(水)【CD先行発売】品番:FL1010 価格:¥3,300(税込) 
2026年7月8日(水)【2枚組LP】品番:FL1011 価格:¥4,950(税込)
各種ストリーミング 2026年6月24日(水)より全曲配信開始
Label:FIVELATER

Track:
1. PSYCHE STAR
2. ニーチェ
3. Blowin' in the wind
4. 酸性雨
5. 逢魔ヶ刻
6. ネモフィラ
7. Choose your life
8. 6月の現状
9. シーラカンス
10. 超新星
11. China Bike

試聴はこちら

LIVE INFORMATION

10th Full Album "PRISM" RELEASE TOUR「Blowin' in the wind」
踊ってばかりの国_TOUR_1500_20260609.jpg
2026年7月3日(金)
神戸 CHIKEN GEORGE

2026年7月4日(土)
広島 CLUB QUATTRO

2026年7月11日(土)
神奈川 横浜 Bay Hall

2026年7月17日(金)
石川 金沢 VVV4

2026年7月19日(日)
長野 松本 ALECX

2026年8月1日(土)
岩手 盛岡 wave

2026年8月2日(日)
宮城 仙台darwin

2026年8月8日(土)
愛知 名古屋 Bottom line

2026年8月29日(土)
函館ARARA

2026年8月30日(日)
札幌 PENNY LANE24

2026年9月10日(木)
香川 高松DIME

2026年9月12日(土)
大阪 難波Hatch

2026年9月19日(土)
福岡BEAT STATION

2026年9月21日(月)
沖縄OUTPUT

2026年9月22日(火)
沖縄OUTPUT

2026年10月2日(金)
東京 LINE CUBE SHIBUYA

チケット
https://eplus.jp/sf/detail/0480770001?P6=001&P1=0402&P59=1


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