【MAP OF FRIENDSHIP.】Vol.07 シンマチダ(Oaiko)
INTERVIEW
2026.05.26
grating hunny×テレビ大陸音頭インタビュー!2006年生まれの2バンドを育んできた音楽・映画・YouTubeとは!? 世代感が浮き彫りになったスペシャル対談
信頼できる同世代と新しい音楽のムーブメントを起こすしかねえ(スズキ)
─6月20日にパンゲアでツーマンが行われますが、grating hunnyがテレビ大陸音頭を誘った理由や、これまでのテレビ大陸音頭に対する印象から伺えますか?
スズキ:ルーツの感じが同じだなと思える同い年のバンドがあんまりおらへんくて。自分は高校生からバンドをやっていて、そもそもあんまり友だちもおらへんくて、先輩ばっかとずっとやってる感じやったんですけど。高校3年のときにテレビ大陸音頭を聴いて、初めて同い年のバンドに対して嫉妬みたいなものを覚えたというか......それまで同い年のバンドは舐めてたっていうか、僕がいちばんかっこいいと思ってたんですけど。テレビ大陸音頭には、「負けたくない」みたいに思って。音楽シーンみたいなもののなかに、バラバラなバンドがいっぱいいるなかで、自分がやりたいことをやるには信頼できる同世代と新しい音楽のムーブメントを起こすしかねえと思っていまして。そこにほんまにいちばんうってつけなのがテレビ大陸音頭で。ライブを観させてもらううちに、一緒にやりたすぎて大阪にお呼びしたっていう経緯です。

─じゃあ満を持してのツーマンなんですね。今のラブコールを受けて千代谷さんどうですか?
千代谷:いやあ、嬉しいですね。
─千代谷さんはgrating hunnyのライブを観たことは?
千代谷:あります、1回。一緒に出た『下北沢にて』。さっきスズキタが言ってた話も、なんかわかるなあって思って。まだ19歳なんで、そういうスピリッツはあって。ライブを観たときもかっこいいなあと思って。下北のライブだったんで、正直ちょっと緊張してたんですけど、グレハニを観て柔らぎましたね。
─それが去年の12月だったんですよね。
スズキ:そのときが初対面でした。
千代谷:自分たちのライブ終わった後にグレハニのみんなが来て。
スズキ:10分ぐらいライブハウスの前で喋ってたみたいな。
─じゃあ、まだお互いのことは、そこまで深く知らなかったりするのか。
千代谷:そうっすね。そんときは軽くね「同じ2006年生まれだからがんばろうぜ」みたいな話はしたんですけど、そんなに話し込んではないよね。
スズキ:うん。そのときに LINE交換して、やり取りする状態になったんですけど、ちょっと緊張しちゃうんすよね。才能がある友だちだから。
千代谷:いやいやいや。

─この対談を機に打ち解けられるといいですね。じゃあ、お互いのルーツとか、バンドを始めるきっかけになったアーティストって、どういう人たちなのかなっていうところからはじめたいんですけど。まずはスズキさん、いかがでしょうか。
スズキ:ロックにはまったきっかけのバンドをあげると神聖かまってちゃんで。
千代谷:うん。最高、最高。『つまんね』はヤバいですね。
スズキ:小学校3年生のとき、神聖かまってちゃんのライブ映像が プレイステーション VitaのYouTubeのおすすめに流れてきて、9歳の僕は放送事故やと思って興味本位で観ていたんですけど、そっから気になっちゃっていっぱい曲を聴いていたら、もうめっちゃいちばん大好きなバンドになって、小中学生時代を支えられたみたいな。そっからの子さんが好きなバンドとか掘っていって。バンドをはじめるきっかけで言うとPK shampooの存在がデカくて。そこでバンド界隈みたいなものに憧れはじめたというか。バンドやってる人ってかっこいいな、僕もやろうかなみたいな。
─じゃあ千代谷さんのルーツや、バンドをはじめるきっかけはどの辺りですか?
千代谷:小学5年生のときに、仲良かった子がスピッツとマイケル・ジャクソンが好きで。僕も話題についてくために聴き出してハマっていったんですけど。僕は(ニンテンドー)3 DSのYouTubeでいろんな音楽を調べるようになって。あとは、もともとお父さんも音楽がすげえ好きで、小林克也さんの『ベストヒット USA』に恋に落ちていて。そういうのも観て育ったんですよね。
─この前、ライブ後の立ち話で千代谷さんがジェームス・チャンスを好きだって言っていて。洋楽の、しかもレジェンドの名前が出てきたことに驚いたんです。スズキさんは洋楽も聴きますか?
スズキ:いや、あんまり洋楽は聴かないんですよね。
─でも、昔の日本のアーティストとかは聴いたりします?
スズキ:それはめっちゃあります。ベタやから恥ずかしいんですけど、細野晴臣の『HOSONO HOUSE』は中学生のときに大好きで聴きまくっていました。あとは、大江千里も好きです。音楽作りの影響も受けました。映画もドラマも『モテキ』が大好きで。1話のサブタイトルが「格好悪いふられ方」(大江千里の楽曲と同名)で、そっから聴きはじめた感じですね。
─千代谷さんは、どういう入口から昔の音楽を掘っていったんですか?
千代谷:小6か中1ぐらい3DSでディーヴォを聴いて、そこでポストパンクという言葉を覚えて。日本だとトリプルファイヤーとかを知って、ポストパンクやべえなってなって。そこの経緯でコントーションズも知って。ほんとかっこよくって! だからジェームス・チャンスが亡くなったときはショックでした。

─いろんな入り口があって、今の10代は過去の音楽を聴き継いでいるんですね。
スズキ:そういえばテレビ大陸音頭の記事で(YouTubeの)『みのミュージック』を見ていたって書いてあって。僕も中学生のときに見ていたから。たぶん僕ら、思春期に『みのミュージック』をリアルタイムで見てた最初の世代なんですよ。
千代谷:そうかも。僕たち世代にとって『みのミュージック』の功績って、すごいでかいと思いますね。
スズキ:うん。教科書的になってるロックを早めに聴けたのは『みのミュージック』のおかげなんで。
千代谷:僕はみのさんがやってたカリスマブラザーズにもだいぶ食らってた。
スズキ:え、YouTuber としてってこと?
千代谷:そうそう。おもちゃの銃のナーフを紹介する動画とかめっちゃ好き。
スズキ:YouTuberなら禁断ボーイズのメサイアのオフ会行ったことある。小学生のときT シャツも持ってた。
千代谷:禁断ボーイズ好きなんや、すごいね。
スズキ:これ同世代ならではですね。
─子どもの頃からYouTubeが普通にあった世代っておふたりぐらい? もっと上?
千代谷:でも、小学生ぐらいから洗礼受けてたのって06世代ぐらいからじゃないですか?
スズキ: 確かに。『好きなことで、生きていく』ってYouTubeのCMがあったじゃないですか。あのとき小学校低学年だったんで、まるっとYouTubeが流行ってる国で育ったっていう意味では、この世代からかもしれないですね。

自分たちは関西のシーンにも影響を受けています(千代谷)
─なるほどね! そういった影響からgrating hunnyやテレビ大陸音頭に辿り着くには、いろんな曲り道があったと思いますけど。grating hunnyは大阪で、テレビ大陸音頭は北海道で、地方じゃないですか。だから地元のバンドシーンの影響も大きかったのかなって。そういうところってスズキさんはありますか ?
スズキ:そうですね。高校2年生とかからライブハウスに出始めたんで。特にライブのやり方に関して、大阪のノリみたいな影響は受けてんやろうなって思います。「楽しんでくださいお客さん」っていうの以上に、「対バンに負けないぞ」みたいな。そういう軸ができたのは大阪のおかげかもしれないですね。
─最初からバチバチ系のバンドと一緒にやってた感じだったんですか?
スズキ:そうですね。高校生のときも自分から「イベント呼んでください」みたいに憧れてる人に向けて言っていたので。そういう機会には恵まれていたかもしれないです。
─千代谷さんは、北海道のバンドシーンからの影響はご自身でも感じますか?
千代谷:そうですね。あんまりジャンルでは括りたくないですけど、北海道のポストパンクシーンって、今めちゃくちゃおもろいと思ってて。3、4回目ぐらいのテレビ大陸音頭のライブで、the hatchっていう先輩バンドの企画に呼んでもらって。161倉庫っていう場所に出演するってなって、入ったらもうなんかすごい汚いし怖いし。でも、そこでライブやっていろんなバンドを観て、自分たちはこういう音楽をやりたいなっていうのがはっきりと決まった感じはありますね。
─でも3、4回目のライブで、そういうコアなところに呼ばれたのがいい話ですね。
千代谷:それも北海道のシーンの面白いところだと思っているんですけど。テレビ大陸音頭の前身で、アフリカは君に語りかけるっていう3ピースのバンドをやってて。
─またいいバンド名ですね(笑)。
千代谷:ありがとうございます(笑)。北海道にタデクイっていうバンドがいて、よく一緒にやらしてもらってたんですけど、そっからthe hatchの方に紹介してくれて。タデクイとthe hatchって音楽性は違うけど仲が良くて。そうやってごちゃ混ぜでいろんなバンドが交流し合う面白さのなかで僕たちもやってきたので、いろんなバンドに影響を受けて今があります。

─大阪と北海道では、ちょっと違ったバンド同士の関係性がありそう。
千代谷:そうですね。北海道のポストパンクシーンはちょっとクールというか。大阪だとオシリペンペンズとかミドリとかのイメージがありますし。
─辿っていくとね。
千代谷:そうです。スズキタの話を聞いても、確かにそのバチバチ感があるなと思ったんですけど。でも自分たちは関西のシーンにも影響を受けていますね。
─あと共通点としては、ふたりとも学校に通いながらバンドをしているんですよね。高校生のときからバンドをはじめつつ、それ一本に絞らずに学生と兼ねる道を選んだのはなんでだったのかなって。まずスズキさんから教えていただけますか?
スズキ:やっぱフリーターになってバンドやるよりも、学生っていう猶予をもらってバンドをやる方が、効率がよさそうっていう(笑)。
─正直ですね(笑)。
スズキ:社会に出れるほどまだ大人じゃないというか。周りに普通に大学に行かなあかん空気もあったっすね。
─千代谷さんは? 先日、土曜日に仙台でライブを観させてもらいましたけど、平日は学校、週末はライブっていう多忙な生活になっても両立させたかった?
千代谷:僕は正直フリーター派だったんですけど。高3で進路を決めるときに、ほかのメンバーがみんな大学に行くって言ってて、じゃあ学校に行こうかなって(笑)。そのとき、好きなミュージシャンが進学してるのかどうかとか、Wikipediaでめちゃくちゃ調べて。ファブリックの志村(正彦)さんは上京したとか、ナンバガの向井(秀徳)さんはライブハウスで働いていたとか、進学しなかった先人もいて。でも、みんなが学校に行くなら置いていかれるっていう気持ちにもなって、ちょっと興味があったデザイン系の専門学校に進学を決意したっていう。
─スズキさんも先人たちの動向は調べたんですか?
スズキ:調べたかなあ? 大阪のバンドの先輩たちとかと喋って「行った方がええよ」みたいな意見はもらいましたね。あと三四少女っていう、すごい仲良い先輩のメンバーが、僕が今行ってる大学に行ってて、なんか面白そうで。じゃあ僕も行こうみたいな。あとクリトリック・リスのスギムさんや、ヤバイTシャツ屋さんのこやま(たくや)さんも同じ大学を卒業してるから行こうみたいな気持ちもありました。

─ふたりとも芸術系の学校に行っているところも共通してますね。
千代谷:そうっすね。そっか、芸大なんや。
スズキ:そうなのよ。
─じゃあ、音楽にアートの勉強が還元できている感触はありますか?
スズキ:僕は映画を学んでいて、映画をめっちゃ観るようになって。これまで映画は、じっとしてられへんからあんま観てこなかったです。2時間も集中できなかったっていう。でも、やむを得ず観ることが増えて。映画からインスピレーションを受けて、曲ができるみたいことも出てきました。
千代谷:最近は何を観たの?
スズキ:芸大で観たのは『スタンド・バイ・ミー』『リトル・ヴォイス』とか
千代谷:おお、最高、最高。なんかジュブナイル系が多いね。
─千代谷さんも映画は好きですか?
千代谷:そうですね。マジで昔から好きで、だんだん観る映画もコアになってきてますけど。いちばん好きな映画は『メリーに首ったけ』ですね。
─いきなりポップなの来ましたね。スズキさんは観たことあります?
スズキ:ないですね。日本人の映画のほうが観がちかもしれないです。
千代谷:じゃあ園子温の『愛のむきだし』は絶対好きだと思う。4時間あるけどね。
スズキ:ええ!? 長いな。
千代谷:あとは『宮本から君へ』。
スズキ:それは観た。最高! いいシーンばっかで。主題歌もエレカシの宮本(浩次)さん("Do you remember?")。

─千代谷さんは学校でどんなことを学んでいるんですか?
千代谷:僕はポスターやフライヤーを作っていて。アートというより仕事的というか。でも、最初にラフを描くんですよね。それを先生に見てもらって進めてくんですけど、それは曲作りに還元できてますね。なんて言うんですかね。段階を踏んで作ってくっていう方法を今まで曲作りにおいて取ってなかったんですけど、最近はコードをつけてみたり、ちゃんと段階を踏んで作るということをしています。
2006年世代のボスに挑むみたいな感覚(スズキ)
─ところでgrating hunnyは、1月に初ワンマンを成功させたかと思ったら、2月にはメンバーがふたり脱退するという、激動の年を迎えていますよね。
スズキ:そうなんですよ。メンバーがいないとできへん。だからギターのオダ(キッペイ)とは一致団結して、2時間おきぐらいでLINE してる感じです。だから逆に言うと、ふたりの意識次第なんで。ちょうど2週間前ぐらいにもすごい熱い話をしていたんです。「めちゃめちゃがんばろう」みたいな。
─ここからが楽しみですよね。テレビ大陸音頭は、ずっとメンバーは一緒ですか?
千代谷:そうですね。高校から一緒にやってるんで、ベースの人はちょっと先輩なんすけど。ずっとやってる絆みたいなのはあるかもしんないです。

─そういう意味でも、6月のツーマンでgrating hunnyはテレビ大陸音頭からパワーをもらえるといいですよね。
スズキ:はい。なんていうかテレビ大陸音頭からいちばん信頼されるバンドになりたいですね。今回の企画に限らずもっと一緒にやっていきたいし。
千代谷:いや、そうだね。それは俺もね、感じてるよ。
スズキ:あの、僕ほんまに小中高で友だちをそんなに作らずに少数精鋭でやってきたんですけど、小中で3人、高でひとりみたいな。竜司はそこで出会った友だち全員の雰囲気にめっちゃ似てるんです。
千代谷:すごい究極や、俺。
スズキ:同い年のバンドマンで親友になれるんじゃないかと思ってるんで。
千代谷:でもDMでも話し込んだもんね。
スズキ:そう。ほんま1時間ぐらい。だから6月も楽しみっすね。テレビ大陸音頭と一緒だったら、時代をね、切り拓いていったりできるんじゃないかみたいなのを思ったりもする。僕、世代意識めっちゃ強いんすけど、2006年世代のボスに挑むみたいな感覚かもしれないです。
千代谷:え、ボス!?
─千代谷さんも、世代感みたいなものは大事にしていますか?
千代谷:そうですね。北海道にも06世代のマブダチっているんですけど、やっぱ津々浦々ではあんまりいないので。そんななかでグレハニがこうやって一緒にやろうって言ってくれるのは本当にうれしいし。「06」が流行語になるぐらいの勢いでやっていきたいですよね。
─今回のツーマンのみならず、2バンドが進んでいく道のりを見守るのが、いち音楽ファンとしても楽しみです。最後に、それぞれから今後の展望を伺えますか?
スズキ:企画を組んだり新曲を作るペースは、ふたりになってからの方が早まっているので。これまでライブが忙しすぎて曲作りをやる時間がない感じやったんですけど。「今は軸足を固める時期」という感じになったら、落ち着いて曲が作れるようになって。毎週ぐらいオダと曲の案を出し合って、作ってってやってる状況です。

─心配しているファンの方のためにも、決して立ち止まってないってことは強く言っといた方がいいですね。
スズキ:うん、立ち止まってない。
─そしてテレビ大陸音頭はアルバム(『VS Tairiku Ondo』6月10日)も出ますし、今年どんどん飛躍していきそうな気はしますね。
千代谷:うん、そうっすね。止まっちゃダメっすね!
スズキ:え、アルバムってさ、もう録音は終わってるの?
千代谷:もう録音は終わって、今ミックスしてる。
スズキ:ミックス終わったらちょうだいよ!
千代谷:そうだね、マジで。6月20日はアルバムのCDも売ってる状態だと思うので。グレハニにも渡せたらいいな。
スズキ:マジかよ。なんか渡すじゃ僕も。タオルとかあげる。
千代谷:タオル欲しいね!

─ライブだけではなく打ち上げも盛り上がりそうな気がします(笑)。北海道と大阪だから頻繁には会えないと思うし。ファンの方も、なかなか観られない対バンだと思うし。そういった意味でも楽しみですよね。
スズキ:ありがとうございます。楽しみです。
千代谷:ありがとうございました。最高っすね。
取材・文:高橋美穂
写真提供:grating hunny=木下時輝,テレビ大陸音頭=saylaphotos
RELEASE INFORMATION

grating hunny「キスしてほしい」
2026年1月14日(水)
Format:Digital
Label:SEEZ RECORDS
Track:
1. キスしてほしい
試聴はこちら

テレビ大陸音頭「直撃世代」
2026年5月27日(水)
Format: Digital
Track:
1. 直撃世代
プリアド/プリセーブはこちら
LIVE INFORMATION
grating hunny pre. 『何かと戦う夏へ』

2026年6月20日(土)
大阪 / 心斎橋 Live House Pangea
w/ テレビ大陸音頭
チケット前売:¥3,000 (ドリンク代別)
チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/gratinghunny-o/
ローソンチケット:https://l-tike.com/gratinghunny/
イープラス :https://eplus.jp/gratinghunny/
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grating hunnyオフィシャルサイト
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