SENSA

2025.10.08

かっこよさもかわいさも内包してDIYに突き進むネオ・ミクスチャーロック「Puff」-Highlighter Vol.251-

かっこよさもかわいさも内包してDIYに突き進むネオ・ミクスチャーロック「Puff」-Highlighter Vol.251-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。Vol.251は、東京を中心に活動するインディーポップバンド・Puffを取り上げる。
VJを含めたメンバーで構成されており、ロックンロール、インディーロック、オルタナティブロック、マッドチェスター、シンセポップ、ヒップホップなどを、サポートメンバーを含めた6人編成のフルバンドセットから、3人編成のクラブセットまで、自由なスタイルで昇華している。 ミュージックビデオやジャケットなどのアートワークも自分たちで手がけているので、ビジュアル面にも注目してほしい。


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活動を始めたきっかけ
iramina:長らくベーシストとして活動したり、ソロプロジェクトでの音楽活動をしていたのですが、ずっとやってみたかったけど勇気がなくてなかなか踏み出せていなかった「自分が曲をつくって歌うバンド」をやろうと思い、友人を中心に声をかけて結成しました。

kubo:自分はJan fluというバンドをずっとやっていて、その活動でiraminaと知り合いました。Jan fluのMVのアニメーションをiraminaに制作してもらったりと、親交があったなかでPuffの立ち上げに誘ってもらいました。

sanuchida:音楽・バンド経験はまったくなくて、同じ映像会社で働いてるiraminaにステージ立つVJをやらないかと誘いを受け、そこでVJというものにも初めて触れました。

remi:ソロで活動していた時にiraminaくんと知り合い、自分とiraminaくんの歌詞にシンパシーを感じていたので、何か一緒にやれたらいいな〜と思っていたところを誘ってもらって。
自分がやりたかったことが全部詰まっていたし、こんなことってあるんだ!おもしろそ~!と思ったのでふたつ返事で加入しました。

影響を受けたアーティスト
iramina:人生単位でいちばん影響を受けたのはBUMP OF CHICKENで、中学生の時にBUMPを聴いてバンドをやりたいと思いました。Puffをやるうえで強く影響を受けているバンドはThe GO!teamだと思います。サウンドも好きなんですが、GO!teamやLos Campesinos!米米CLUBみたいな大人数のバンドに憧れがあったので、とにかく6人以上でバンドをやりたかった気がします。基本的にはバンドサウンドが好きです。
作詞家としては小沢健二いしわたり淳二草野マサムネ(敬称略)など日常をあっと驚く美しいワードで描く人が好き。



kubo:邦楽だとthe band apartが好きです。洋楽はFriendly FiresPhoenixなどのインディポップからの影響が強いと思います。ダンサブルな音楽が好きみたいです。ハードロックやメタルも好きで、PuffではAC/DCLed ZeppelinMAGADETHなどからの影響も強いです。ギターソロは好きにしていいよと言われてるのでなるべく弾きまくるようにしてます。



sanuchidaくるりの「ハイウェイ」を聴いて、私の身体にあっている......!!と生まれて初めての感覚になってから、自分ってこういう音楽が好きなんだなと自覚しました。
そこから音楽への興味は深まっていったと思います。
派手な生活を送るタイプではないので、生活を歌ってくれていたシャムキャッツや、どんな感情も包み込んでくれるスピッツにはいつも支えられています。



remi:めっちゃ影響受けたな~というアーティストはすぐには思いつかないのですが、ニューウェーブやパンクロック・テクノ・シューゲイザー・EUの音楽・ギャルHIPHOP・ゲーム音楽には影響を受けています。QUEENは2世代で好きなので根っこの部分ではロックの血が通っていると感じています。自分はエンターテイメント性がある作品が特に好きなのですが、ヨーロッパの方のアーティストは音+視覚的なエンターテイメント性がすごいんですよね。
Puffのビジュアル面を自分が担当することもあるのですが、どうパッケージングしていくかという考え方は今のPuffの活動で活かされつつあると思います。




注目してほしい、自分の関わった作品
iramina:今作『JUNK MAGIK』は全部関わっています。1曲ずつ触れると膨大になってしまうので、全体的な部分だけ書きますが、Puffのなんとなくのコンセプトとして「かっこよくてかわいいもの」というイメージがあって、今作はそれをかなり表現してるつもりです。可愛さだけじゃなくてカッコよさもある、そういう部分を受け取ってもらえると嬉しいなと思います。
また、歌詞についてもあれこれ考えてることを頑張って詰め込んでいるので、いろいろ想像を膨らませてキャッチしてくれたら嬉しいです。アルバムの中で「Charming Pieces」だけ僕以外のメンバーがまるっと作詞作曲をやってくれて、僕はギターソロだけ弾いたので、そのギターソロは特に聴いてほしいです。

kubo:今作では主にリードギターパートのアレンジで関わりました。また「Imaginary Eyes」「Charming Pieces」をiramina、remiと共同で作曲しました。
自分がディレクションしたトラックにiramina,remiが作った歌メロと歌詞が乗り、共同作業ならではの化学反応が起きていて面白い楽曲になっているのではないかと思います。
「Charming Pieces」ではAyumi Nakamura(Walm)が鍵盤ハーモニカの演奏を担当してくれているのですが、サウンドエンジニアでもある彼の手腕によってかなりリッチな音で録音できているので、是非注目してみてほしいです。

sanuchida:普段は歌で参加させてもらったりしてますが、楽器や演奏で役立てることがないので「Fight Song」でホイッスルが吹けてうれしかったです。力一杯吹くのがコツです。
今作『JUNK MAGIK』のティザー映像の制作をしたのですが、曲を視覚化するにあたって今まで以上に曲について考えました。全曲共通して、モヤモヤをエネルギーに変えてくれる力を持ってて最高です。



remi:本作では歌やコーラスを担当しました。曲によってちょっとずつ歌い方を変えたりしているので、好きポイントを見つけてくれたらうれしいです!
「Charming Pieces」は自分がメロディーとリリックを、「Imaginary Eyes」では自分のラップパートでリリックを書いていて、自分が歌詞を書くときは言葉遊びでキャッチーなポイントを入れることをいつも意識しているので、日本語があることで生まれる語感を感じてくれると楽しいと思います!



今後挑戦してみたいこと
iramina:結成からここまでバンド内でMVもジャケットもグッズも完結させていて、それはそれで一貫性のあるアウトプットができていたとは思うのですが、これからはもっと外のいろんな人と関わって化学反応を起こしていけたらいいな〜と思っています。

kubo:自分はここまでMVの制作はしていないのですが、MV制作はチャレンジしてみたいです。

sanuchida:野外でライブしたことないのでいつかしたいです。
普段のライブに風と空が加わるなんて気持ちいいですよね、きっと。

remi:自分も↑のみんなに同意です!いろんなクリエイターの方とも化学反応を起こしてみたいですし、外の風を感じたりしてみたいです。
自分はタイに関わりのある家に生まれたので、タイや台湾などアジアでライブしてみたい気持ちがあります。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
iramina:創作物・物語に影響を受けていることが多いです。 宗田理先生の「ぼくらシリーズ(『ぼくらの七日間戦争』など)」を子どもの頃にずっと読んでいて、その影響で「弱いものが結束して強いものに立ち向かう」的なものに熱くなるマインドが身体に流れているなと思います。あと漫画『シャーマンキング』の主人公・麻倉葉のような、ユルいけど優しくてカッコいい人になりたいなと思っていました。



kubo:漫画や小説が好きです。好きな漫画家は幸村誠、岩明均など。小説は伊坂幸太郎が特に好きです。普遍的なものや人間の心の機微を描いている作品が好きなのかもしれません。

sanuchida:芸人さんの深夜ラジオで育ちました。特に『爆笑問題カーボーイ』がずっとすきです。
太田光のようにやさしくて無茶苦茶な人間になりたいです。
『オールナイトニッポン』よりTBSラジオ『JUNK』派なのですが、今回のアルバムの名前にも(JUNKというワードが)入っているので運命なんだと思います。



Remi:自分のクリエイティブで影響を受けているのが、海外のガーリーカルチャーやシュルレアリスム系の映画・アートです。
チェコやフランス映画・アメリカ映画にそういった世界観のものが多いです。ウェス・アンダーソン監督やジャック・ドゥミ監督の作品が特に好きです。あと人にめっちゃ勧めてるのが『ブリグズビー・ベア』。
これらの世界観は色使いや美術がすごくいいので、一見美しくて可愛くて儚く見えますが、表面的なもののなかに内面の逞しさであったり、戦いがあって。わたしのマインドを形作ったものの一部だと思います。



今注目しているカルチャー
Iramina:YouTubeで『オモコロチャンネル』ばかり観ています。編集長の原宿さんにPuffを聴いてほしい。



kubo:カルチャーなのか微妙なところですが最近原付バイクに乗り始めて、これが非常に楽しいです。自分の行動範囲が広がるという体験は何ものにも代え難いワクワクを与えてくれます。

Sanuchida:Plushie Loveのぬいぐるみを眺めるのにハマってます。
アメリカにの姉妹が手作りで作ってるらしいです。
ハマっていると言いつつ、もう1、2年前から数体おうちにいるのですが、見たことないの蛍光ピンクのほっぺと気怠そうな表情がたまらなくいいということに最近気づき始めました。



remi:カルチャーとは少し違うかもしれませんが、数年前から昔の食器を集めることにハマっています。旅先で出会うリサイクルショップで安くていい形のものを見つけたときはお宝発見の気分。自分の思ういい形は完璧じゃなかったり、やっつけみたいな部分があったり、何に使うんだろうこれ?みたいな。そこに愛おしさを感じて抱きしめたくなります。

RELEASE INFORMATION

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Puff「JUNK MAGIK」
2025年10月8日(水): Digital Release
2025年10月12日(日):CD Release

試聴はこちら


LIVE INFORMATION

Puff自主企画「HAVEN2」
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2025年10月12日(日)
下北沢 BASEMENT BAR & THREE
開場14:30 開演15:00

-LIVE ACT-
Puff
アマイワナ / UlulU / ゆうべの星 / 生活の設計(アコースティックセット) / Superyou / QUINCAMPOIX

-お笑いライブ-
街裏ぴんく

-FOOD-
寺田食堂 / たびたび

-STORE-
(TT) press / ぴょす

TICKET ¥3,500
※22歳以下 ¥1,500
※小学生以下入場無料&同伴保護者1名¥500
(いずれも別途ドリンク代¥600)

チケット予約フォームはこちら

PROFILE

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Puff
東京を中心に活動するインディーポップバンド。2022年結成。
iramina(Vo/G)、remi(Vo/Syn)、kubo(G/Syn)、sanuchida(VJ)からなる4人組。

VJを含めたメンバーで構成されており、ロックンロール、インディーロック、オルタナティブロック、マッドチェスター、シンセポップ、ヒップホップなど様々なジャンルから影響を受けたサウンドと、ポップなメロディ、癖のある歌詞を武器に、サポートメンバーを含めた6人編成のフルバンドセットから、3人編成のクラブセットなど自由なスタイルで活動をしている。
また、バンド内には映像作家やデザイナーなど、様々な分野で活躍するメンバーも在籍しており、ミュージックビデオやジャケットなどのアートワークも自らで手がけ、かっこよさとかわいさが共存したアウトプットを目指している。

LINK
オフィシャルサイト
@Puff_JP
@puffjpn
@Puff_JP
TikTok
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