SENSA

2025.05.30

First Love is Never Returnedの飛躍に5人の個性あり──改めての名刺代わりとなる新作『POP OUT! Ⅲ』インタビュー

First Love is Never Returnedの飛躍に5人の個性あり──改めての名刺代わりとなる新作『POP OUT! Ⅲ』インタビュー

札幌を拠点に活動する5人組・First Love is Never Returned(以下、ラブネバ)が新レーベル「HEiLO RECORDS」(ヒイロレコーズ)を立ち上げて、3枚目のミニアルバム『POP OUT! Ⅲ』を発表した。昨年はtuki.や離婚伝説らと共に「Spotify:Early Noise 2024」の10組に選出され、プレイリストを軸にリスナーが急増。「Unlucky!!」はSpotifyのみで300万回再生を突破している。それに伴い北海道の内外でライブの機会が増えて、リアルな対バンやオーディエンスとの交流から、新たな刺激を受け取る一年にもなった。

BIGMAMAのヴァイオリニスト・東出真緒をゲストに迎えた「僕らの行進曲」や「挿入歌」でこれまで以上に幅の広いリスナーを意識すると同時に、ラブネバとしては初めてKazuki Ishida以外のメンバーが作詞作曲を担当した楽曲も収録され、5人それぞれの顔がよく見えるようになった『POP OUT! Ⅲ』は、バンドにとって改めての名刺代わりとなる作品だと言っていいだろう。スペシャルな歌声と、一音楽ファンである市井の人の感覚を併せ持つIshidaを軸としながらも、フロントマン経験者が3人存在する集合体としてのユニークさも際立つ、メンバー全員インタビューをお届けする。


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僕らのストーリーは他で経験した人があまりいないようなもの(Kotakemori)

─新レーベル「HEiLO RECORDS」を立ち上げて、3枚目のミニアルバム『POP OUT! Ⅲ』がリリースされます。昨年以降は怒涛の勢いでリスナー数を増やしていきましたが、IshidaくんとYujiくんの前身バンド時代から含めると短くない歴史があり、徐々にメンバーが集まり、コロナ禍も経ての現在の状況には感慨深いものもあると思います。そんなこれまでの足跡も踏まえて、新たなスタートを控えた現在の心境を聞かせてください。


Kazuki Ishida(Vo/G/Key):2022年末に「シューズは脱がないで」のリリースで再始動をして、そこからプレイリストとかに入れていただいて、一曲ずつ向き合ってきて、自分のなかではその流れが今も続いてる感じなんです。ただ去年一年間は札幌から飛び出して、プレイリストのなかで見ていたニューカマーのアーティストさん、僕自身も一リスナーとして聴いていたアーティストさんたちとイベントでご一緒させてもらえる機会が出てきて、意識は大きく変わったと思います。もしかしたら、そういう出会いがなければ、現時点で満足しちゃってたかもしれないけど、そこで出会った人たちの動向を見ると、みんな一様に活躍してるから、僕たちも頑張んなきゃと思う気持ちが強くなりました。

Yuji Sato(B):新しい環境に変わって、何かが始まるタイミングではあるんですけど、結局大事なのは自分たち自身の意識だなって、最近はより強く思うようになりました。もちろん、活動は昔よりも濃くなって、幅も広がってるから、そういうなかで出会ってきた人たちのことは大切にしたいですけど、環境は変わっても自分たち自身はこれまでと変わらずに、より深めていくっていう感覚ですね。

Keita Kotakemori(G/Key/Cho): IshidaとYujiが最初にバンドを組んで、僕が入って、Mizukiが入って、Arataが入って、僕とArataはもともと別のバンドでフロントマンだったりもするから、アニメとかRPGの物語みたいだなっていうのは常々思っていて。今回新たなステップに行ったにもかかわらず、またSENSAで取り上げてもらえることも、主人公がいろんなことを経験して、かつて仲間だったやつに背中を押されて、「お前ら頑張ってこいよ!」って言われてる感じがして。僕らのストーリーは他で経験した人があまりいないようなものだと思うので、すごく稀有な経験をしてるなって、この2〜3年すごく思いますね。

Mizuki Tsunemoto(Dr):このバンドに入ってから今に至るまでずっと目まぐるしく変化が起きていて、すごいスピード感で、息をつく間もなく今に至ってるなと思っていて。もちろん、これからもっと大事な時期になると思うし、背中を押してくれる人がたくさんいることもこの数年でかなり実感しているので、応援してくれる人にしっかり形として返していけたらなと思ってます。

Arata Yamamoto(G/Cho):最初にサポートとして『POP OUT!』の制作に入らせてもらって、そこから正式メンバーとして加入した個人的な理由のひとつとしては、自分の音楽の幅をもっと広げたいっていうのがあって、それが、現状僕が思い描いてた以上に大きなものになっているのはすごく感じています。ここから新しいレーベルでやっていくんですけど、楽曲制作やライブに関してはこれまでも一生懸命取り組んできたので、そのスタンスは変えずに、とはいえ期待度は自ずと上がってくると思うので、それに必死に応えていきたいなっていう気持ちが大きいですね。

Ishidaの歌詞って、「あ、俺これ思い当たるな」みたいなことがある(Kotakemori)

─「HEiLO RECORDS」という名前は誰がつけたんですか?


Kotakemori:マネージャー含め、みんなでいろんな候補を出し合って決めました。「緋色」には「家族愛」や「想いが滲む色」みたいな意味があって、さっきも言った通り、背中を押してくれる人への想いも込めていて。あとは「HERO」っていう言葉をかけたりもしてますね。

─「緋色」という言葉自体はどこから出てきたんですか?


Kotakemori:語感から出てきた部分もあるんですが、札幌でずっとお世話になっている方のお子さんの名前からも取らせていただきました。

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─そこも含めて、大切な人や場所との繋がりが表れているレーベル名なんですね。そんなレーベルからの第一弾として『POP OUT! Ⅲ』が出るわけですが、3月には先行で「挿入歌」が配信されています。この曲を先行に選んだのはどんな理由がありましたか?


Ishida:去年まではずっとプレイリストを意識して楽曲制作に向き合ってきたんですけど、そこからまたちょっと違うチャンネルというか、よりもっと広くに届く曲はどういう曲かを意識するようになってきて。ここまでやってきたなかで得たフィードバックを活かしつつ、これまでとは違うチャンネルで作ってみたいと思って、みんなもそれを感じ取ってくれて、この楽曲が出来上がった感じですね。

─「それが恋だと言ってくれ!」の<主題歌はまだ聴こえてこない>もそうだし、「挿入歌」では<リアルな世界に音楽は鳴らない ドラマティックな展開もなくて>と歌われていて、Ishidaくんの歌詞は常に市井の人の視点というか、日常的な視点が大事にされているように思うのですが、そこは意識していますか?


Ishida:自分が完全にそういう人だからだと思うんです。これは正しいか正しくないかはわからないですけど、こういう活動をさせてもらってることとか、ステージに上ってることとか、マイクを持って歌ってることとかに、どこか恥ずかしさみたいなものをずっと感じてるんですよね。それがステージングにとっては邪魔な存在になるときも多々あったりはするんですけど、でも多分そういう人間なので、書く歌詞もそういう形になるのかな。

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─ライブのMCもKotakemoriくんがメインだったりするわけですけど、こういう性格のIshidaくんがいて、でもやっぱり歌い出すと一瞬でその場の空気が変わるっていう、そこはラブネバの大きな魅力になってると思うんですよね。


Kotakemori:僕はもともと別のバンドでフロントマンをやっていて、そのとき理想としてたのはIshidaとは逆というか、自分が矢面に立ってバンドを引っ張っていくようなフロントマンだったんです。ただ良くも悪くもですけど、そういう人たちの書く曲はリアルさがなかったりする部分もあったりはして。でもIshidaの書く歌詞って、一つひとつのフレーズが「あ、俺これ思い当たるな」みたいなことがあるんですよね。「こういうボーカリストだからこそ刺さる部分があるんだ」と思えるようになったのは、自分としては成長というか、視野が広がった感じはしますね。

─「挿入歌」はこれまで以上にスケール感のあるポップソングになっていて、BIGMAMAの東出真緒さんのヴァイオリンが非常に効いています。去年BIGMAMAと対バンをして、そこから交流を深めたそうですね。


Mizuki:「挿入歌」ができたときに、Ishidaくんから「弾いてもらったら面白いんじゃないか」っていう案が出てきて、まさかやってもらえるとは思ってなかったんですけど、参加してもらえることになって。最初はワクワク半分、緊張半分だったんですけど、すごく楽曲に寄り添ってくれて、優しさがプレイにも出てると思います。

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─最初にIshidaくんも言ってくれたように、去年は北海道の内外でいろんなバンドと共演をしてきたと思うんですけど、特に印象深いバンドを挙げてもらえますか?


Kotakemori:BIGMAMA以外だと、やっぱりEmeraldと対バンしたのはすごくでかかったですね。圧倒的な上手さを見せつけられたんですけど、北海道のバンドを歓迎してくれるというか、僕らのことを好きでいてくれるバンドマンがいることが、僕らにとって自信にもなるし、でも負けちゃいけないとも思うし、すごい相乗効果が生まれているなといつも思ってます。あとはFIVE NEW OLDとの対バンもね、特にIshidaとYujiにとっては目標というか、すごく大きかったのかなって。

Yuji:そうですね。都会的なイメージをサウンドに取り入れたバンドが増えてきて、僕らもそれを研究するなかで、すごく意識したバンドのひとつがFIVE NEW OLDでした。それまで音源とかでしか聴いてなかったけど、実在のバンドというか、集合体が鳴らす音をスピーカーからリアルに体感できたのはすごく大きな経験でした。Enfantsと対バンしたときも似たような感覚で、もともと松本大さんの前のバンドもよく聴いてたし、実在する人間から出てるものを目の当たりにする機会はすごく大きかったと思いますね。

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Kotakemori:あとはやっぱりBillyrromと新東京とのスリーマンツアーじゃない?

Arata:あのツアーは個人的にもすごく刺激になりました。ほぼ同じ世代で、ニューカマーとして活動していて、いろんなプレイリストで見かけるし、ライブ映像もちょくちょくSNSで上がってきて、ずっと気になる存在だったんですけど、いざ対バンをしてみて、戦友みたいな気持ちにもなったし、レベルの高さもすごく感じて。しかも一緒のツアーだったから、回を追うごとにものすごい勢いでパワーアップしてるのを見たりすると、「やばい」と思ったりもして、でもそういうマインドが絶対大事だと思うんです。そういう気持ちが制作への意気込みにもつながるので、すごくいい経験でした。

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Kotakemori:こうやってターニングポイントになった対バンを振り返ってみると、意外と僕らってロックバンド然としたスピリッツを持ってるというか、そういうライブをやるバンドに惹かれるんだなって、改めて思いますね。Emeraldも中野(陽介)さんがたまにすごいロックバンドみたいな側面を見せるときがあったり、FIVE NEW OLDはもともとパンクバンドだったので、ライブだとそういう部分も見れるし、Billyrromも彼らがやってきたのはもともと結構ロックだったりして。やっぱり俺らってそういうところに惹かれるんだなっていうのは、メンバー全員感じたと思います。

このバンドはメンバーそれぞれに面白さがある(Ishida)

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─そうやっていろんなバンドから刺激を受けることは、じゃあ自分たちの強みは何なのか、自分たちが武器にすべき部分は何なのかを見つめ直すことにもなったかなと思うんですけど、そこに関しては今どう感じていますか?


Kotakemori:Ishidaのボーカルがまずピカイチっていうのはもちろんありつつ、あとは自分で言うのもなんですけど、ボーカルが3人いるバンドって変だなって(笑)。でもそれって自分たちでは普通にやってたことなので、人に言われて気づいたことでもあって。バカでかい声でコーラスをして、たまにIshidaの声を食ってたり、でもそれはIshidaがそうやってくれって言うんですよ。ちょっと控えめに、Ishidaの声を生かすコーラスをしようと思ったら、「いや、むしろもっと大きい声でコーラスをしてくれ」って。

Arata:僕も最初の頃はIshidaさんの声に寄り添う研究をしてたんですけど、「もっと歌ってくれていいから」って言われて、途中から完全にシフトチェンジした。

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Kotakemori:それでやっていったら、周りから面白がられるようになって。

─『POP OUT! Ⅲ』ではコーラスをフィーチャーするだけでなく、KotakemoriくんとArataくんが1曲ずつ作詞作曲をしてるのも大きなポイントですよね。


Kotakemori:それもIshidaの提案です。「もっとバンドにジョインしてくれ」っていうお達しがあって。

Ishida:シンプルに「助けて」っていうのもあるんですけど(笑)、ふたりはもともと曲が書けるから、以前からお願いはしてて、それを今回のタイミングで改めてお願いした感じです。途中の話にも通じるんですけど、圧倒的に人を惹きつける、カリスマみたいなフロントマンに憧れたりもしつつ、でも僕はそうじゃないと思っていて、その代わりこのバンドはメンバーそれぞれに面白さがあると思うんです。これまで結果的に自分が作った曲が多くリリースされていて、Ishida色が強いバンドになってるけど、もっとみんなの色が出るようになったらいいなと個人的には思っていて、それをいちばんわかりやすく示すのが、自分以外のメンバーにも曲を作ってもらうことかなって。

─Ishidaくん作曲の「僕らの行進曲」は「挿入歌」同様に東出さんが参加したポップソングで、これまで以上に広い層のリスナーを意識しつつ、やっぱりコーラスが非常に印象的な曲になってますよね。


Ishida:そうですね。「僕らの行進曲」は、もともとひとりで音楽を始めたところから、今は仲間と一緒にやっているっていう、バンドのストーリーを曲にしたものでもあるので、その「仲間と一緒に」っていう部分をコーラスで表現したっていうのが大きいんですけど、でもやっぱり自分以外の色も強くしたい考えはありました。

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─ゲームになぞらえてバンドのストーリーを描きつつ、そこに現代的なSNSの視点も織り交ぜた歌詞はすごくユニークですよね。一方で、Kotakemoriくんの「メモリーフラッグ」に関しては、どんなイメージで作ったのでしょうか?


Kotakemori:四つ打ちの曲が少なかったので、まず四つ打ちの曲を作り始めて、サウンドに関しては、僕はもともとロックバンドの出身なので、オルタナティブなフレーズだったり、シンセだったりを入れてみて。歌詞に関してはアニメの『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』で声優をやっていた風間俊介さんと津田健次郎さんの対談を見て、風間さんは徐々に(武藤)遊戯そのものに、津田さんは徐々に海馬(瀬人)そのものになっていった、みたいな話がすごく面白くて。それを自分たちに置き換えたときに、社会人から徐々にバンドマンになっていく、そのストーリーを歌詞にしようと思ったんです。あとはちょっと尖ったものにしたいなっていうのもあって、〈一枚に賭けたplayingで〉とか〈いつもの攻撃的styleを〉とか、キーがいちばん高いところにキラーワードを持っていくのはこだわりました。あえてIshidaが書かないような言葉を書いて、リスナーの方を驚かせたいなっていうのもありましたね。

─考え方として、これまでのラブネバっぽい曲を作るのか、それとも違うものを出すのかがまず選択肢としてあったと思うけど、やっぱりKotakemoriくんが書く曲だからこその部分がはっきり感じられる曲になってますよね。


Kotakemori:これまで自分が通ってきたものが出てると思うんですけど、でもそれだけだったらあまりにもラブネバっぽいものからかけ離れすぎちゃうから、この曲のグルーヴ感はジャミロクワイを意識して、Yujiに頑張ってもらいました。

─MizukiくんはもともとKotakemoriくんと一緒にバンドをやっていたわけですが、もともとのKotakemoriくんっぽい曲なのか、それともラブネバをやってきたからこそ生まれた曲なのか、どう感じましたか?


Mizuki:後者だと思います。昔の経験と今の経験をミックスしてできたんじゃないかな。Keitaがちらっと言ってたのは、「Ishidaくんが歌ったら面白そうな曲を歌わせてみたい」っていうことで、Keitaが考えたメロディをIshidaくんが歌うっていうのは、聴いててすごく面白かったですね。Ishidaくんはアジャストする能力もすごく高いんですよ。Keitaから要望があったときはそれにピタッとはめてくるし、「これ入れたら面白いんじゃない?」みたいなプラスのアイデアも持ってて、すげえなって。

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Kotakemori:アタマのフックはIshidaが入れてくれたんです。最初のちょっとR&Bっぽいようなセクションは、Ishidaが鼻歌で歌ったメロディーを持ってきていて、Ishidaは楽曲制作においてはサポートに徹することもできるんだなって。

Ishida:そんな褒めていただけるんですね(笑)。もともとバンドを始めるよりも遥か昔から、洋楽のインストゥルメンタルに自分で勝手にメロディーをつけて、それを宅録するところから音楽を始めてるので、その頃のことを思い出しながら、作ってくれた楽曲をよりよくしたいなと思ってやった感じです。

─「メモリーフラッグ」というタイトルはどこから出てきたんですか?


Kotakemori:「HEiLO RECORDS」の成り立ちにも通じるんですけど、お世話になった人にも届くといいなっていう思いがあって、「遊戯王」の世界観と、社会人からバンドマンっていうのを軸にしつつ、<覚えてる?踊ったステージの上>とかは、大学の軽音楽部でめっちゃ仲良かった人に伝わるような言葉を選んだりしてて、そういうところから出てきたタイトルですね。

─KotakemoriくんはルーツのひとつとしてBUMP OF CHICKENがあるんですよね。ロック的な熱さも含めて、「メロディーフラッグ」がモチーフになってるのかなって。


Kotakemori:言われてみるとそうですね。いろいろタイトルの候補をもらった上で、これがいいなと思ったんですけど、自分のなかに内在してるものから出てきたのかもしれない。

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「こういう曲があったら喜んでくれるかな?」って作り続けてきた(Ishida)

─Arataくん作詞作曲の「落日々」はどんなイメージで作った曲ですか?


Arata:途中のIshidaさんの話にも通じるんですけど、メンバー各々のカラーを出したいなと思って作りました。ベースだったらYujiさんのルーツにあるR&Bやアシッド系のフレーズを落とし込んだり、ドラムは逆にパンチのある、ロック色強めのフレーズにしたり、Kotakemoriさんに関しては今回ボコーダーを使ってるんですけど、僕らロバートの秋山(竜次)がメロディーを適当に歌うのがめちゃくちゃ好きで(笑)。

Kotakemori:それにインスパイアされました(笑)。

Arata:ボコーダーでそれを面白おかしくてやってみたらアクセントとしていいんじゃないかなって。曲自体はもともと別で僕がやっているバンドでやろうかなと思って、8年前くらいに作ったんです。でもちょっとバンドのカラーに合わないなと思って、留めておいたんですけど、Ishidaさんの歌が乗ったらいい感じになりそうだと思って、今回形にしてみました。

─Yujiくんのベースは間違いなくこの曲の鍵になってますよね。


Yuji:今回スラップが入ってて、もともとスラップ好きだったんですけど、昔は4弦だったのが5弦になって、ライブで立って演奏するにあたって、正確性に欠けるから、自分的に封印してたんです。今回それ引きずり出された感じで(笑)、自分的にはちょっと懐かしくもあり、でもこのバンドをやるようになってから学んだノリも生かしつつ、あとは実際にお客さんが聴いてくれるところも想像しながら作りましたね。

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─Ishidaくんの歌声を軸にしながらも、メンバー5人の顔がこれまで以上に見える作品になって、改めての自己紹介に相応しい作品になったように思います。最後に、ここから先の活動に対する現時点での展望を話してもらえますか?


Ishida:僕は今も一リスナーとして、日々音楽を聴くことをすごく楽しみにしていて。洋楽も聴くし、日本のニューカマーの曲も聴くし、そうやって日々自分が生きてるなかで、「こういう曲があったら喜んでくれるかな?」っていう曲を作り続けてきたつもりなので、そこに関してはこれからも変わらず、しっかりいい曲を残していきたいと思います。ライブに関しては現状僕以上に他のメンバーがいろんなことを考えてくれてるんですけど、新しい曲をどんなふうに演奏するのか、どんなパフォーマンスをするのか、そこもこれまで以上に高めていきたいですね。

取材・文:金子厚武
撮影:小畑ちひろ

RELEASE INFORMATION

First Love is Never Returned「POP OUT! Ⅲ」
2025年5月28日(水)
Format:Digital / CD

Track:
1.僕らの行進曲
2.Black or White?
3.それが恋だと言ってくれ!
4.夜的平成浪漫(読み:ヨルノヘイセイロマンス)
5.メモリーフラッグ
6.落日々(読み:らくじつび)
7.挿入歌

LIVE INFORMATION

#FLiNR S/A TOUR 2025 [WHAT IS POP OUT?]
8月23日(土) 大阪 梅田シャングリラ
9月5日(金) 東京 渋谷WWW X
9月27日(土) 北海道 札幌ペニーレーン24
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