SENSA

2025.01.10

新たなスタートラインに立ち、現実逃避できるほど自由に奏でる──Helsinki Lambda Club『月刊エスケープ』メンバー3人個別インタビュー

新たなスタートラインに立ち、現実逃避できるほど自由に奏でる──Helsinki Lambda Club『月刊エスケープ』メンバー3人個別インタビュー

Helsinki Lambda Club(以下、ヘルシンキ)は今、あらゆる可能性の岐路に立っている。最新EP『月刊エスケープ』の5曲は、その事実を伝えてくれている。

元より指向していた、ポップ・パンク好きゆえの瞬発力満点のバンド・サウンド。そこから徐々に色合いを強めていった海外のインディ・ロックと共振しながらのフレッシュな感性。それからこの数年はサイケデリックな酩酊感を増し、現在はそこにダンサブルな音楽性も絡んできている。橋本薫の甘やかで、何物にも縛られたがらないような歌声も魅力たっぷりだ。

今回のインタビューでは、ヘルシンキのメンバー3人それぞれにこのEPと、それからバンドのこれまでとこれからについて話を訊いた。さらには年初らしく、個々人の2025年への抱負を語ってもらった。ファンのみなさんには、ぜひEP『月刊エスケープ』に浸ってほしいと思う。


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「『いっぱい弾く』ということがテーマとしてあって。『いかに己を出せるか』みたいなのが裏テーマでした」(稲葉航大)

というわけでインタビューのひとり目は、ベースの稲葉航大。ステージではいつもハジけたところを見せてくれる男だが......この日、取材時間を直前に控えた会議室で、マネージャーのスマホに着信が! 「これはイヤな予感が」とこぼした彼女の言葉通り、彼はこの朝、寝坊してしまったのだ。
そのため今回は、この人だけがリモート取材に。そんな中でも現状について、率直な気持ちを語ってくれた稲葉だった。


─稲葉くん稲葉くん。聞こえますか~?


稲葉航大(B):聞こえます! すみません。お願いします。

─はい、お願いします。えっと、マネージャーさんによると、最近はあまり寝坊していなかったという話なんですが。


稲葉:そ、そうですねぇ。寝坊は......なるべくしないようにしてたんですけど。すみません! 大事な時にやっちゃうんですよね。昔からそうです。

─そうですか、わかりました(笑)。ではそんな稲葉くんに、まずはここまでのヘルシンキについて訊きたいです。このバンドの活動だったり、その中での自分自身だったりについて、今どんなことを考えたり思ったりしていますか?


稲葉:うーん......僕は結成時からいるんですけど。いろんなところを見てきたんですよね。メンバーが脱退するところも見ましたし、加入するところも見ました。それこそレーベルに入ってCD出せるようになったこともありましたし、オーディションに合格したこともあったし。そういう意味でこの10年を思い返すと、経験的にはすごく濃密だったなと思ったりします。

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─海外でライヴもやりましたしね。では現在のバンドについては、どんな状態だと感じてますか?


稲葉:逆に今、新たなスタートラインじゃないですけど、たぶん「ここからどういう方向に行くんだろう」みたいな状態なのかなと思いますね。バンド的には。

─ふむふむ。そこであなた自身は前向きな状態にありますか?


稲葉:僕はそうですね。前向きではあります。

─じゃあバンドの雰囲気はどんなふうに感じてます?


稲葉:まあ相変わらず、ですね(笑)。みんな、わりと仲いいなぁって思いますね。

─それはいいことですね。僕、今度のEPを聴いて、自然体というか、ニュートラルというか、気負わず、でもやりたいことをちゃんとやってるように感じたんです。5曲それぞれに個性があって、曲ごとに目指すことがちゃんと実行できていて。そこから次の章に進もうとしているのかな、と。


稲葉:ほんと、それはそうですね。ニュートラルっていうのは、すごくわかるというか。一昨年の10周年のあのアルバム(『ヘルシンキラムダクラブへようこそ』)は......まあプレッシャーに感じてはなかったですけど、わりと「頑張って作んなきゃ」みたいな感じがあったんです。でもそれを経て今回は、単純に「曲作れたから出すか」みたいな感じですね。そういう意味ではほんとスタートラインに立ったんですね。ここからどうしていこうかな、って感じです。やっぱり。

─なるほど、わかりました。今回は堀江(博久)さんがプロデュースした「たまに君のことを思い出してしまうよな」がありますが、この制作はどうでしたか?


稲葉:めっちゃ刺激的というか、いろいろ学びが多かったですね。とくに今回は僕らから「ドラムは打ち込みでいきたい」という話をしていたので、その打ち込みのドラムに対するベースの置きどころみたいな......けっこうベースの話をすることが多くて。ただルートを弾いてるだけだけど、2、4(拍目)だったり、どこにアクセントを入れるかによってのり方が変わってくるとか。そういうところに「こうしてみて」とかいろいろ言ってもらえて。制作も、最初は打ち込みのドラムとベースと歌だけのトラックを作って。それで、ベースとドラムの絡みだけで曲として成立するか?みたいな感じでやってました。

─そうなんですね。それは当初から目指した方向ではあったわけですか?


稲葉:そうですね、80年代っぽいアプローチをしたいっていう話は元々あって。だから打ち込みにはしたかったんですよね。

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─そういうベースを弾いてみて、どうでした?


稲葉:いや、めっちゃ大変でした! けっこう苦労しましたね、この曲に関しては。でも堀江さんもバンドマン然としてる人なので、「ベース、ちょっと動きすぎてる気がするけど、でもそれがバンドらしくていいと思う」みたいに言ってくれて。堀江さん、ちゃんとヘルシンキをいろいろ聴いて、各々の役割を把握してくれていたんですよね。ただ、この曲に関しては、打ち込みのベースのトラックを作って、それをいじって、良さそうなのを見つけ練習する、みたいな感じで......初めての経験で、めっちゃ大変でした。

─なるほど。ほかの4曲に関してはどうでした? 気を配ったところとか、目指したところがあれば、教えてもらいたいんですが。


稲葉:そうですね。今回は自分の中で「いっぱい弾く」ということがテーマとしてあって。「いかに己を出せるか」みたいなのが裏テーマでした。自分の内から出るフレーズをより出したいな、という気持ちが、なんとなくありましたね。

─そうですか。あの、近年のヘルシンキって、サイケデリック的なアプローチが多いじゃないですか。そこらへんはどんなふうに思ってます?


稲葉:そうですね。なんだかんだいろんなジャンルはやってますけど、そこが起点になってるような気はしてます。ただ、いろいろ悩みましたね。まあサイケではありつつ、今回は最初のコンセプト的には「ダンスっぽいのを入れたい」ということだったので。そういう意味では、とくにベースは頑張んなきゃな、みたいな感じでした。

─そこで試行錯誤をしたわけですね。逆に、すんなりできた曲ってあります?


稲葉:「THE FAKE ESCAPE」はすんなりできたかもしれないです。みんなもそんなに悩まずできた気がしますね。

─これが1曲目にあるからニュートラルというか、自然体な印象を受けたんですよ。バンドがこれまでやってきたことから先に行こうとしていながら、今の自分たちの感覚でしっかり音を出すとこうなるよっていう気がしまして。


稲葉:そうですね。それで言うと「THE FAKE ESCAPE」に関しては、スタジオでみんなで合わせて作った感じがデカくて。ほかの曲は、ここ最近ずっとLogicだったりとかでデモを固めてからサポートドラムの岡田(優佑/BROTHER SUN SISTER MOON)に投げて、そっからスタジオ入ってく、みたいなのが多いんですけど。「THE FAKE ESCAPE」は16小節ぐらいの元ネタがあって、それをみんなとスタジオで「ここから展開どうしていこうか」とか話していった感じですね。なので、バンド然としたやり方でした。

─わかりました。しかしこのバンドはサウンドや目指す方向が徐々に変わってきてますけど、そこはどんなふうに考えてます? たとえばイベントとかで何年ぶりかにヘルシンキを観たら「今はこんな曲やってるの?」「こんなバンドだったっけ?」と思うお客さんって、多いと思うんですよ。


稲葉:たしかに(笑)。いや、絶対多いですよね。ちょうどこの間、友達にも言われました。大学の時の友だちがBiKNっていう渋谷のサーキットイベントに遊びに来て、「ひさびさに観たけど、前はこんなんじゃなかったよね?」「こんなバンドだったっけ?」と言ってました(笑)。でもそいつ、「前と全然違ったけど、カッコ良かった」みたいに言ってたので、めっちゃうれしいなって。そういう変化の仕方ができたらいいなと思うんですけどね。

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─進歩しているということですからね、それは。


稲葉:うん、そうですね。そういう意味では「お客さんを裏切りたいな」みたいな気持ちも、ちょっとあったりするので。裏切りつつも、共感してもらえるような、というか。カッコいい形でありたいな、と思います。

─はい。そしてこのEPを聴いても、まだ変化の過程にあるんだろうなという気がします。ここから行く先がどこなのか、完成形がどうなるのか、全然見えないですけれども、それもまた楽しみだなと思いました。ツアーもありますけど、これからまた新しいバンドの姿が出てくるのを期待しております。


稲葉:ありがとうございます。

─ええ。では最後に、2025年の抱負を教えてください。


稲葉:なんですかね......うーん。「挑戦」ですかね。

─おっ、カッコいい。どんなことに?


稲葉:バンドに関しても、10周年を終えて、今回アルバム出して。2025年はここから新しい目標が見えてきそうだなって、なんとなく思ってるんで、それに向かっての挑戦でもあるし、個人的にも「もっとベース頑張りたいな」って気持ちがあるんで、それへの挑戦でもあるし。いろいろ、変化していけたらいいなって思ってます。

「いろいろやってたことが、やっと身について。アウトプットがより純度の高いものになってきている」(熊谷太起)

インタビュー、ふたり目はギターの熊谷太起。ライブでは最高のギターを轟かせてくれる人だが、口数が少なそうなイメージで、普段どんなことを感じ、考えているのかに興味があった。ここではバンドへの冷静な視点とふたりとの関係性、そしてこれからのことへの思いなど、素直な気持ちを話してくれたと思う。
まずは、彼が関わるほかのバンドの話から始めた。


─今日はヘルシンキの新しいEPについてのインタビューなんですが、その前に。この間、Guibaのライヴを楽しませていただきまして。


熊谷太起(G):本当ですか? ありがとうございます。この間のリリバ(11/18 渋谷WWW X)ですか?

─はい、いい感じだったと思います。そうして、ほかのバンドをやっていることは、どうですか?


熊谷:「それぞれのバンドがそれぞれに活きてくることはあるな」と思いながらやってますね。

─うんうん。あとはGroup2でも弾いていて。


熊谷:そうですね。オリジナルメンバーとしてやってるのは、その3つですね。あとはサポートとかで弾いてます。

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─いくつかの現場を見た上でのヘルシンキって、どんな存在ですか?


熊谷:うーん、なんだかんだ、ヘルシンキの規模感は、僕が今までやったりサポートしてるバンドと比べるといちばん大きいぐらいなので。スタッフもしっかりいるし、バンドメンバー以外の周りに支えられてる感じがあるというか。それを強く感じますね。チームが出来上がってるというか。

─ヘルシンキに入って2024年で8年目に入りましたが、どうですか? このバンドをやっていて。


熊谷:もちろん楽しいんですけど、音楽的には変化していってると思います。メンバーが抜けたりもあったし、サポートも替わったりしていて、そういう経験はほかではなかったので。楽しいだけじゃない、バンドを続ける大変さみたいなのをいちばん感じるバンドですね。

─そこでの音楽性の変化に関してはどうですか? ギタリストだから、音色や弾き方という意味で重要だと思いますけど。つまり適応していかなきゃいけないわけじゃないですか。


熊谷:はい。でも変化することに関しては、マイナスな捉え方はまったくしてなくて。自分自身、その時々で音色のアップデートみたいのをつねにしていくのも好きですし、いくべきだとも思ってるので。

─そこで「こんなの弾けるかな」とか「よくわかんない領域なんだけど」みたいなことってないんですか?


熊谷:ヘルシンキでは、そこはあんまりないかもしれないですね。自分の引き出しの中でできることを広げて、バンドの音像の広がりと込みで成長していってる感覚ですね。

─そうですか。その都度、やれることをやっていってると。


熊谷:そうですね。そこで無理はしていないです。自分たちができる範囲で、やれることをやってるほうが多いと思います。

─ふむふむ。橋本くんのその時のモードに「これはついていけんな」と思うことって、なかったですか。


熊谷:今のところはないですね。今後わかんないですけど(笑)。

─あはははは。


熊谷:でもあんまりない気がしますね......よっぽど変なことを言い出したら、みんな「おいおい」ってなるかもしれないですけど、そこのバランス感覚はあると思うんで。なので、今までも別に思ったことないですし、 今後も大丈夫だとは思ってます(笑)。

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─わかりました。で、今度のEPなんですけど、そうしてやれることをやってきた成果がバンドに根付いてる気がするんですよ。


熊谷:うん、そうですね。僕らはほかのバンドに比べると、(新作を)出すごとにけっこう色が変わっていってるんで。それでいろいろやってたことが、やっと身について。アウトプットがより純度の高いものになってきている感じはありました。それプラス、堀江さんだったり、僕ら以外の目線が入ることで、僕らのやりたいことがいつもより高い次元で出せてるし。その出し方もちょっと勉強させてもらうことができたかな、っていう感じですね。

─あなた個人は堀江さんとの制作で、どんなことを感じたり、考えたり、学んだりしました?


熊谷:ギターの話で言うと、僕はわりと自由にやらせてもらったというか、自由にやって「いいね」って言ってもらう感じだったんです。ただ、曲を作っていく上で、そのクオリティを高めていく作業を僕らはあんまりやってきてなくて。稲葉も話してたかもしれないですけど、ベースのルートを弾くにしても、強弱でノリを加える、みたいなことを......なんとなくは意識してたかもしれないですけど、ちゃんと言語化して意識することが、今までなかったんです。実際それをやって、本当にノリも変わって......という経験は今後にも生きるなと思いました。

─たしかに稲葉くんはだいぶ苦労したと言ってました。その「たまに君のことを思い出しちゃうよな」以外の楽曲についてはどうですか?


熊谷:今回はどれも印象深いんですが、個人的には「Yellow」はけっこう苦労したというか、時間かかりましたね。いつもは自分の中でいいなと思ったフレーズをブラッシュアップして、それをそのまま採用するんですけど。「Yellow」はけっこう練り直して、何回も違うパターンを考えました。だから、ちょっと大変でしたね。

─かなり振り幅ありますよね、この曲のギターは。繊細なところも、すごくハードな瞬間もあるじゃないですか。


熊谷:(笑)そうなんですよね。とくに最後のソロとかは、もうバージョン4、5ぐらい、全然違うソロを経て、あれになった感じですね。

─最後の曲の「My Alien」はストーリー的な起伏がありますけど、この曲はどうアプローチしました?


熊谷:この曲はアレンジを進めていってる段階で「自分の役割はこうだろうな」っていうヴィジョンがわりとすぐにあったんで、あんまり悩まず。ギターに関して言えば、想像通りに進んだ感じですね。途中のダブのところとか最後ガーってなるところとかは、あんまり決め込まずに、レコーディングの時にいろいろ試して、重ねて、いい部分を使う、みたいな感じでやりました。

─そうですか。僕はこのEPを聴いて、ヘルシンキというバンドの可能性が今はあちこちにある印象を受けまして。もっとドス黒いサイケに行くかもしれないし、ハードな方向に行くかもしれない。それと、もうちょっとポップな方向に行くのもありじゃないかと思いました。


熊谷:ああ(笑)、でも、ほんとにおっしゃる通りです。前作ぐらいから、何をやってもヘルシンキになるっていうのがわかり出してきたので。次どうなるか、ほんと、僕らもわかんないですし、どっちもやるかもしれないですし。

─どれもやるかもしれない? サイケも、ロックも、ポップも。


熊谷:僕はもう、どれもやっちゃえばいいなって思いますけどね。それがもはや強みだと思いますし。今回なんか(ジャンルが)全然バラバラですけど、これでまとまった作品にもなってるわけですし。今後も......まあ、そうじゃなくてもいいんですけど。もうなんでもいいなっていう感じですね。

─そう思うわけですね。しかし、熊谷くんは途中加入ですよね? あのふたりはずっと一緒にヘルシンキをやっていて......あ、でも知り合ったのは、それよりもっと前でしたっけ?


熊谷:そうですね。もともと稲葉は僕の大学の後輩ですし。稲葉の前にベースをやってた人が薫くんの地元の友達で、それが僕の大学の同級生で。だから僕はこのバンドが結成される前から、ふたりとも知ってました。

─なるほど。で、それからこのバンドに入って、深い付き合いになっていったと。


熊谷:稲葉は大学もサークルもずっと一緒だったんで、普通に遊んだりしてました。薫くんは、僕は一瞬、ヘルシンキでサポートをやってた時期があって、それを経てメンバーになってるんですよね。そのタイミングで深い関係になっていった感じです。

─そうして続いてきてるわけですね。ハタから見ると、3人はとてもウマが合ってるように見えるんですけれど。


熊谷:ああ。すごくいいバランスだとは思いますね。

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─じゃあ今後もヘルシンキで、ずっと弾いていってくれますよね。


熊谷:(笑)でも最近ね、バンドから脱退とか、休止とか、そういう話ばっかりですからね。そうならないように、頑張るしかないなって感じですね。

─あらためて訊きますけど、あの人たちと一緒に音を出していることの面白さってどういうところだと思います?


熊谷:ええ~? どういうところなんだろう......僕、友達としかバンドをしたことがなくて。だから音楽性どうこうってよりかは、友達だから。それは、ほかのやってるバンドも全部そうなんですけど。

─つまり人としての関係が、まずあって。


熊谷:そうですね、僕はそれでしかないかもしれないですね。

─じゃあ橋本くんと稲葉くんの人間としての、どういうところが魅力なんですか?


熊谷:(笑)......人間的な魅力? それはムズい話ですね。

─まあ友達だと、よけいにそういうのは考えないかもしれませんね。ただ、重なるところ、共鳴できるところがあるはずだとは思うんです。


熊谷:えー、何だろう。でも......たしかにそういうの、ちょっと言語化したいですけど。

─では違う訊き方をしますけど、彼らふたりのことは好きですか?


熊谷:いや、好きですよ......(笑)。嫌いだったらできないですね。

─ですよね。どういうところが好きですか?


熊谷:え、どういうとこが好きなんだろう......(30秒黙考)......もともとは、やっぱり音楽が好きとか、好きなものが近いとか。そういう人ってあんまり周りにいなかったんで、それが最初の軸ではあったと思うんですけど。でも今や、べつにそういう次元でもないっていうか......まあ、ちょっと違いますけど、家族とか、そういう域というか。だから好きなところとか、意識してないかもしれないです。だから(言葉が)全然出てこないです(笑)。そうですね......家族と友達の間みたいな感じかもしれないですね。

─なるほど。仕事仲間とは違う?


熊谷:仕事仲間っていう認識はないですね。あんまり仕事と捉えてないので、それゆえに良くない部分とかもあるんですけど。僕に関しては。ゆるいというか、プロフェッショナルの自覚があまりないというか。

─そうですか? ちゃんとやってると思いますけどね。


熊谷:最近、そういうことをめっちゃ考えるんですけど。人それぞれ向き不向きで、出来ることと出来ないことがあって。そこで、プロとしてめちゃくちゃ縛りつけられて、うまくいく人と行かない人がいて。僕らはたぶん、うまくいかないほうな気がしていて。

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─あ、そうですか?


熊谷:ある程度遊びがあった状態でこそ、本領を発揮するというか。

─ああ、なるほど。とても納得できますね。


熊谷:(笑)......ちょっとこれ、いいことなのか良くないことなのか、微妙な話ですけど。

─いや、でもちゃんとやることはやってると思いますし、たしかに、ゆるさがここまでのヘルシンキの魅力だとも思います。で、これはみんなに話してもらおうと思うんですけど、最後に2025年の抱負を載せようと思いまして。


熊谷:個人的な話で、ですか。それで言うと、最近、ギターをもっとうまくなりたいなって思っていて。ほんと去年、すごく強く思いだしたんです。「うまいに越したことないな」というのを、すごく強く思って。2025年はギターをもっとうまくなりたいですね。

─なるほど。それは具体的に、どういうことをするんですか。


熊谷:シンプルに、ギターに触る時間を増やして、もっといろんなものを弾けるようになる。それこそ、今まで弾けなかったものとかも弾けるようになったりすれば、自分の幅が広がるので。だからギター頑張ろうかなと、最近......今更、なりました。

─いや、いいと思いますよ。そういうのに遅いなんてことはないと思うし。この時点の努力が将来的に花開くかもしれないですし。


熊谷:いや、ほんと、遅いことはないと思います。

「もっと余計なこと考えずに、音楽作ることに楽しんで集中していきたいなって、より思うようになってる」(橋本薫)

インタビューの最後は橋本薫。EPについてはもちろん、バンドの現状や今後のことはもちろん、思いがけず彼が10代の頃の話まで及んだ局面もあり、腑に落ちることがたくさんあった取材となった。また、途中でインタビューどころかミーティングのようなやり取りにもなったが、ファンのみなさんにはそこまで含めて楽しんでもらいたいと思う。
結成から10年以上が経過しているが、橋本は、そしてヘルシンキは、もっともっと大きく羽ばたけるのではないかと、期待している。


─最初に稲葉くんの取材をしたんですが、寝坊してくれたおかげで、彼だけリモート取材になりました。


橋本薫(Vo/G):(笑)すみません。ちゃんとしゃべれてました? 大丈夫ですか。

─意外とちゃんとしゃべってくれました(笑)。で、まず訊きたいのが、ヘルシンキのここまでの歩みと現状についてなんです。橋本くん自身はどんなふうに思ったり、考えたりしてるんですか?


橋本:そうですね......まあ後悔とかはそんなにないですけど。ほんとに、やるべくしてやった道のりを来てるなっていう感覚はありつつ、でも悔しいなっていう部分もありつつ。音楽を作るという意味で言うと、この10年は本当にまだ実験の途中だな、と。「このバンドは実験を重ねていくバンドだな」という認識が途中から芽生えてきたので......セールスとは微妙なバランスを取りつつも、つねに実験をしてる感じだったんですね。それで今は、自分の武器は何で、またこっからどういう音楽作っていこう?みたいな。だからまた振り出しというか。まあ積み上げたものとかありつつも、気持ちとしては、まっさらな感じになってきていますね。

─ふむふむ。いや、僕もそういうふうに感じていました。


橋本:あ、そうですか(笑)。一致してた。

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─今度のEPにはニュートラルな印象を受けるんです。バンドの現在がナチュラルに出てるし、じゃあ次はどんなところに向かっていくのかな?っていう期待もあるし。


橋本:ありがとうございます。

─で、さっきの話の中で「悔しいなという部分もあり」というひとことがあったんですが、それはどういう点なんですか?


橋本:簡単に言うと、数字的な部分っていう話になっちゃうと思うんですけど。「よくやったよな」とも思うし、でも自分の音楽の持つ可能性を信じてあげるとするなら、もっと広がってもいいんじゃないかなと思うし。せめぎ合いはすごいありますね。見ようによっちゃ広く聴かれるような音楽にも感じるし、見る角度を変えれば「いや、でもインディーの音楽だよな」って気もするし。そこは自分でなかなか判断しづらい部分ではあるんですけど、でも広げたいなとは思って、ずっとやってはきたので。そういう意味では、多少の悔しさみたいなのはあるかもしれないです。

─なるほど。ここまでの話を聞いて、僕もそう思ってました。で、橋本くんもそう思ってないかな?と考えてました。


橋本:あ、ほんとですか?(笑) すごい。

─いや、その通りなんですよ。僕はヘルシンキに、もっと売れてもらいたいんです。


橋本:ありがとうございます。

─デカい会場でオーディエンスを爆上げしてもらいたいんですよ。ただ、ここまでずっと自分たちの音の研鑽を重ねてきたのも事実で、さっきのように期待しながら思うのも、ちゃんと積み上げてきてるのがわかるからなんです。まあ僕はあなたたちの歴史を全部見てるわけじゃないので偉そうなことは言えないですけど、さまざまなトライ&エラーもあっただろうしね。だからこそ、ここからどうなるだろう?という期待を持っています。


橋本:良かったです(笑)。そこが一致してましたね。

─で、そんな中でこのEPですが、前のアルバムのあとは、どんなふうに作品を作っていこうと思っていたんですか?


橋本:いつもジャンルっていう面では多岐に渡るものになりがちで。絶対そうなっちゃうんですけど、自分の中で「次はもうちょっと統一感のある作品を作りたいな」っていう意識がまずあって。で、なんで統一感出すかっていうと、ダンスというか踊れる曲みたいな部分で......言ってしまえば、4つ打ちの曲とかもっといっぱいやろうかな、みたいなモードだったんです。あと、当時はNewJeansとかにハマってたんで、ちょっとドラムンベースっぽい感じの曲を作ったりはしてたんですね。ただ、それを進めていく中で、2024年に入って、自分で設けた制限にはめて曲を作っていくのが燃えない作業だなぁとはうっすら思いつつ。

─ふむふむ。そこで方針転換を?


橋本:ダンスっていう軸からちょっと外れる、でもいいなって思う曲とかも断片がちらほら出てきたりして。そっからどんどんズレて、「これ、やっぱやりたいしな」みたいになっちゃって。そこでアメリカ行ったりイギリス行ったりっていうのも経てるんですね。その中で、今作ろうとしてるこの作品ってエスケーピズム(=現実逃避)みたいなものが軸になってるんじゃないかなっていうことに気づいて。そこからまた自由に、エスケープっていうつながりで作っていった感じです。

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─それでこのEPのタイトルになったわけですね。それで今回、橋本くんが書いたセルフライナーノーツに、『月刊エスケープ』はかつての『月刊真木よう子』が頭にあったと書いてあって。


橋本:(笑)若い子は誰も知らないですよね。

─まあ真木よう子さんのことはともかく、今はもうあの『月刊』シリーズは出てないですよね。きっと。


橋本:たぶん全然ないと思います。ほんと20年近く前とかですよね。ロゴとかすげえかっこよかったなって記憶があるんですよね。シャッ!となってる感じ。

─あのシリーズには、まだ写真にこだわった雑誌時代の熱いものがありましたね。


橋本:商業的なものの中でも、作り手の作品性をしっかり持たせてて、ある種豊かだったなぁ、みたいな感じはありますね。それが自分の脳裏にはずっとこびりついてたっていう。

─それをタイトルにしたと。話に出たNewJeansもですが、こうしてちょっとレトロな感覚も混ざっているわけですね。


橋本:そうですね。あと、自分たちがやってきた80年代や90年代のものを消化したりすることって、2000年代(のカルチャー)がやったこととも通じるというか。ミックスして、その時代の独自のものを提示したって意味ではそういうところにも通じてくるし、それが、自分が10代とかを過ごした時代だったんですね。あとは最近、たとえば「音楽ひとつひとつに対して喜ぶ時間がちょっと減ってるな」みたいな意識もあったりして。「1回立ち止まって、それをゆっくり、大事にする時間があったほうがいいよな」とかもあらためて思ったりして。それで今回は(配信だけではなく)CDを作りたいなというのはありました。その情熱とか愛を確認する時間を持ってほしいから......2000年代とかへの憧憬みたいなのもちょっと含めて、ですね。

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─なるほどね。橋本くんの2000年代って、主に中学から高校の頃?


橋本:そうですね、中学生、高校生とかです。

─どんな子だったんですか?


橋本:どんな子だったんですかねぇ......。ほんと僕は、スクールカーストで言うと最初だけ調子乗ってトップの集団とかにいるんですけど、途中でイヤになっちゃって。中2で太宰治とか読み始めちゃって、一気にグンってねじれちゃって、めちゃくちゃ卑屈になって、1回もう底辺まで落ちて、いじめられたりして。

─うーん、そうだったんですか。


橋本:で、中3で受験とか始まるし、「もうちょっとちゃんとしねえとな」ってなったりして。高校でもわりとそんな感じでした。毎回、どういう立場の人とも仲良くはなれるっちゃなれる、けど、どこにもあんまり属してない。それはもしかしたら10代からずっとあったのかもしんないっすね。

─どこか今のバンドの立場と似てますね。


橋本:「結局、人間がやってるもんだな」ってのは、すごく思うことですね。パッとキャッチーな魅力がある人は、パッと売れていくっちゃ売れていくし。いろんなとこ行ったり、自分の中の何かをあまり提示してこなかったりで、たぶんパッと、簡単に魅力に気づいてもらえる人生ではなかったと思う。

─(笑)君の人生、まだ終わってないけど。その、あっち行ったりこっち行ったりもそうですけど、橋本くんはその時々の興味に、ものすごい純粋に向かってきてるわけじゃないですか。


橋本:そうですね。それはほんとにそうです。

─だから急に音が変わったりして、ファンの人たちも「向かおうとしてる方向がよくわかんないな」みたいな時期も、きっとあったと思うんです。それだけ純粋で衝動的で、素直だなと思うんですけれども。さて、これをバンドとして運営していくにはどう整理しよう?っていうところがあるんじゃないかと思うんですね。


橋本:そう、整理が苦手すぎるんですよね。整理が苦手すぎるがゆえに、今回の作品とかは「もうちょっと整理したものを作ってみたいな」っていう意識があって、外部の人......プロデューサーの堀江さんであったり、シンセを弾いてもらうために沼澤(成毅)さんを呼んだりしたんです。

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─堀江さんをプロデューサーとして招いたのは「たまに君のことを思い出してしまうよな」ですね。


橋本:そうですね、この曲をポップスみたいなものにしていきたいなって思った時に、たぶん自分のこの整理のできなさじゃ、そういうフォーマットに持っていきづらいんじゃないかな、というのと。その整理の仕方を学びたいというか......ここも実験みたいなものではあるんですけど。

─実際やってみてどうだったんですか?


橋本:いや、もうめちゃめちゃお願いして良かったですね。目からウロコというか、家を造ってるような感覚がすごくあったんですよ。土台をしっかり、キレイに造った上で、あとのギターの音とかは装飾みたいなニュアンスというか。「ベースとドラムと歌だけで作品として聴こえるぐらいに持っていきたいよね」ということからスタートしたりして、そういう作っていき方もすごい新鮮でした。

─なるほど。そしてこのEPには、全体的にちょっと力が抜けたような感覚がありますよね。


橋本:そうですね。それも絶対あると思います。まあ前回は10周年もあって、フルアルバムを気合い入れて作って。なるべく自分の責任、自分の裁量でこだわる部分が多くて、それは作って良かったんですけど。俯瞰で見ると、もしかしたらちょっと濃いぃというか、あまりにも自分自分しすぎたというか。で、今回の作品はもうちょっと自分っていうものを離れて、なるべく周りの人の考えとかを取り入れて、風通しがいい作品にしたかったんです。そういうバランスのほうが、もしかしたら広がりに近づくんじゃないかな、みたいな意識もちょっとあって。

─風通しはいいですよね。で、「キリコ」がすごく特徴的な曲なんですけれども。これはコメントによると「デ・キリコ展」に行ったことも影響しているの?


橋本:それはきっかけに過ぎなかったぐらいの感じなんですけど、キリコ展に行った時にふと湧いてきたイメージで進めてったっていうのと。キリコの作品とかって、ちょっとヘルシンキとも通じるところはあるよな、みたいな。

─おお。どのへんにそれを感じるの?


橋本:シュールレアリスム的というか、そういう夢の中みたいな雰囲気とかもありつつ、これ、何と何がこれミックスされてこうなってんだろう?みたいな感じとかが、ちょっと重なるような気がして。だから親近感はあるっちゃあるな、みたいな。

─なるほど、現実離れした世界を描こうとしているところがあるし、それこそエスケーピズムだしね。僕がいちばん好きなのは「My Alien」です。これはかなりすごい曲だと思う。


橋本:本当ですか? ありがとうございます! これはこの作品の中でもある種デトックスというか、自分の色のものを出す場所は欲しいなっていう立ち位置の曲で。これはどの音に関しても僕の裁量で細かく、でもめちゃめちゃ素直に作っていった曲ですね。だから自分らしさはすごいあると思います。

─官能的でもあるし、吸い込まれていくような気持ち良さを覚えます。それに以前、「NEW HEAVEN」でアプローチしたことが、ここでいい形で昇華されてるなと思いました。


橋本:はい、そうですね。あれも相当な実験作だったんで......あれをやったことで、自分の能力の範囲みたいなのをちょっと探ることができて。相当いろんな部分に生きてきてるなと思いますね。とくにこの曲はその延長線で、あれをもうちょっと聴きやすく、わかりやすくできてるような感じはありますね。

─これは6分ほどだけど、15分もあった「NEW HEAVEN」は、ライブではそう簡単には演奏できないよね。


橋本:そうなんですよね。早くやりたいんですけどね。早くやりたい!

─早くやりたいって、リリースしてそろそろ2年経つじゃないですか。


橋本:そうなんですよ(笑)。全然そっちに向かっていかなくて。

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─で、このEPを聴いても、やはりその時々の関心や興味、感覚をそのまま音にしていると思うんです。これまでも自分たち以外の時流だったり世の中におもねるような、たとえばポップなものを狙って作るようなことはしてきてないですよね?


橋本:いや、やっぱり狙えないですね。狙うような頭もないし(笑)。狙うことにくすぐったさが......まあ、それが明確に自分の目標とかに結びつくなら全然別にやれると思うんですけどね。

─ヘルシンキって、目標のようなものがあまりないんじゃない? まあアーティストはそれぞれで、目標があればいいってわけでもないとは思うけど。


橋本:ああ、そうかもしれないですね。最近はそこのイメージがけっこう減っちゃったなっていうのがあって。

─昔はあったの?


橋本:昔はもうちょっとありましたね。昔の昔で言えば、フジファブリックとかくるりみたいなバランス感というか......玄人もすごい納得するし、でもちゃんと大衆でも聴けるような存在になりたいな、とか。で、もうちょっとバンドをやっていったらミツメとかシャムキャッツみたいな動き方もいいよなぁとか思いつつ。でも自分がここの業界に身を置くと、やっぱ夢が少ないなぁと思いましたし。

─夢が少ない? それはリアルですね。


橋本:というのは、いろんなことが政治的に決まってる部分もあるし。あと、ほんと、食っていくのはめっちゃ大変だなと(笑)。それでカッコいいなと思う動き方をしているバンドも減ってきちゃったし......さっきのシャムキャッツとかミツメも、本人たちがどうとかは別として、歩みを止めちゃったし。だから今、明確に誰を目指したいとか、どの規模でやりたいとかも、そこまでないんですよね。まあZeppとかやれたら素敵だなぁとかは思ったりはするんですけど、ただ、めちゃくちゃ強い気持ちで「こうなりたい」とかは減ってきちゃってますね。だから海外とかに気持ちが向いてたっていうのもあると思う。そういう目標とかを探してる途中でもあります。

─なるほど。たぶんそうだと思ってたけど、橋本くんは、そうして俯瞰で見れるところもある人ですよね。ただ、もう少し勘違い野郎でも良かったと思うんですよ。「いや、俺はもっとデカいところでやるべきだ」とか「もっとメジャーな連中と絡みたい」というような欲望が強かったら、実際にできるかどうかは別として、今と違う方向に振れたと思うんです。まあ、それでバンドが破滅する可能性もありますけど(笑)


橋本:うーん。いや、そうですね。

─でも、ちゃんと自分を省(かえり)みる人じゃないですか。今回もだけど、こうして楽曲ごとにセルフライナーノーツを書いているのを見ると、自分をちゃんと省みようとしていると思うんです。まあ整理はできてないかもしれないけど。


橋本:そうですね(笑)。

─ただ、そうして経験を重ねてきたバンドだから、ここからは先を見据えて、「じゃあ次はどこまで飛ぼうか」と設定してみてもいいと思うんですよ。それは具体的な数字とかじゃなくて、「このチャレンジをしてみよう」とか「このコラボレーションは刺激になるはずだ」と、自分たちの可能性の矛先をどう向けていくかですよね。そこにもっと注力して作ってみたら面白いんじゃないかな?と。だから今回、プロデュースをしてもらったのはいいことだと思います。今のファンダムは大切にしながら、さらに外にアピールしていってほしいんですよね。


橋本:ありがとうございます。いや、このバンドの可能性をまだ感じてくれてる人がいて良かったです(笑)。誰も言わなくなったら、もうそこまでですからね。

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─はい。ということで、最後に2025年の抱負を教えてください。


橋本:2025年の抱負は、ほんとさっきの目標とも通じる話ですね......いや、マジで今、一旦まっさらにしたいモードがすごい強くなっちゃっているんです。そうですね......これはお金も必要な話になるんですけど、自分の音楽を作る環境をしっかり整えて、ヘルシンキ以外の作品とかも、もうちょっと取り組んでいきたいです。だからその時間も作りたいんですけど、でもそれは、もうちょっと余裕のあるところに行かないと実現できないので。

─ああ、なるほど。現実的なところでね。


橋本:もっと余計なこと考えずに、音楽作ることに楽しんで集中していきたいなって、より思うようになってるんです。でもそこに「もっと(聴いてくれる層を)広げるふうに持っていきたいな」という気持ちもくっついてくるんですよ。そこでまたゴチャゴチャって考えちゃってますね(笑)。ただ、「音楽にもっと集中していかないと自分の未来も先細っていくな」って感覚も出てきたんで。そこではサボれないよな、と思っています。

取材・文:青木優
撮影:マスダレンゾ

RELEASE INFORMATION

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Helsinki Lambda Club「月刊エスケープ」
2024年11月27日(水)
Format:Digital
Label:Hamsterdam Records / UK.PROJECT

Track:
1. THE FAKE ESCAPE
2. キリコ
3. Yellow
4. たまに君のことを思い出してしまうよな
5. My Alien

試聴はこちら

写真集「TEN YEARS AND (STILL) RUNNING」
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写真集+ZINE詳細:
サイズ : W190 x H235 x T20mm (B5変形) | ページ数:202ページ

ZINE「HELL ZINE」
サイズ : A6 | ページ数:52ページ
●取り扱い店舗情報
※お取り扱い店舗によって、セットの種類が異なります。

【本屋B&B】
・写真集+ZINE+ステッカー+バッグ / 価格:8,080円+税 (税込8,888円)
・写真集+ZINE / 価格:6,000円+税 (税込 6,600円)
販売期間:10/1(火)~10/16(水)まで
詳細はこちら

【UKFC ONLINE SHOP】
・写真集+ZINE+ステッカー+Tシャツ / 価格:9,090円+税 (税込 9,999円)
・写真集+ZINE / 価格:6,000円+税 (税込 6,600円)
予約受付開始:9/6(金)21:00~
販売期間:10/1(火)~
詳細はこちら

【ライブ会場物販】
・写真集+ZINE 価格:6,000円(※税抜価格で販売します。)
販売期間:10/1(火)以降のライブ会場にて

LIVE INFORMATION

EP「月刊エスケープ」release tour "冬将軍からのエスケープ"
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2025年01月18日(土)
梅田CLUB QUATTRO
開場 18:00 / 開演 19:00
4,800円(+ドリンク代)

2025年01月19日(日)
名古屋CLUB QUATTRO
開場 17:00 / 開演 18:00
4,800円(+ドリンク代)

2025年01月25日(土)
福岡LIVE HOUSE CB
開場 17:30 / 開演 18:00
4,500円(+ドリンク代)

2025年01月26日(日)
宮崎LAZARUS
開場 17:00 / 開演 17:30
4,500円(+ドリンク代)

2025年01月29日(水)
恵比寿LIQUIDROOM
開場 18:00 / 開演 19:00
料金:4,800円(+ドリンク代)

全公演当日学生証の提示で500円キャッシュバックいたします。※大学学生証までOK
HELL sinki FiRE CLUBメンバー限定チケット先行はこちら

問い合わせ:SMASH 03-3444-6751

LINK
オフィシャルサイト
@helsinkilambda
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Streaming Link
@HelsinkiLambdaClub
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