SENSA

2024.04.03

3ピースの枠にとらわれない自由な発想「6 mab」-Highlighter Vol.198-

3ピースの枠にとらわれない自由な発想「6 mab」-Highlighter Vol.198-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。Vol.198は、福岡に拠点を置くポップトリオ・6 mabを取り上げる。
リリースされたばかりの3rd EP『Center』は、「どうやってライブで演奏しようかと今から頭を悩ませております」と庄司(Vo/G)がコメントするほど、3ピースの枠にとらわれない自由な発想で作られている。バラエティに富んだ豊かな楽曲群に耳を傾けてほしい。


6-mab_Visual.jpg
活動を始めたきっかけ
庄司(Vo/G):中学生の時に作曲できるゲームがあって、それがきっかけで誰に聴かせるわけでもないですがちょこちょこ遊びみたいに曲を書いていました。専門学生になったタイミングで、僕の歌を褒めてくれたギタリストの友人に「バンド組もう」と誘われて、自分の曲を聴かせてみて出来たのが6 mabの原型です。そこから色々あって、結局その子も抜けちゃって今の6 mabの形に落ち着きました。

南谷(B):ベース自体は高校で軽音部に入った時に、ジャンケンに負けてしまって始めました。で、18くらいの時に6 mabに元々いたギタリストと他のバンドをやっていて、その人から元々いたベースが抜けたという噂を耳にしたので、勝手に日程を聞いてスタジオに行ったその日から6 mabのメンバーを名乗っています。

小林(Dr):ドラムは小さい頃に和太鼓をやっていて、そのまま自然に打楽器に興味を持って高校生の時に始めました。6 mabは南谷さんが元々やっていたバンドのサポートをした後、南谷さんに誘われて入りました。

影響を受けたアーティスト
庄司:元々ロックバンドが好きで、その中でも自分の作曲方法や音楽を捉える時の根幹に影響を与えているのは凛として時雨だと思います。音楽の"記名性"を意識するようになったのもこのバンドに出会ってからですし、僕はデモをしっかり作り込んでメンバーに渡すのですが、そのやり方はこのバンドを模倣していると思います。『i'mperfect』あたりのミックス・作曲感が好きです。



6 mabの音楽は主にポストダブステップに影響を受けています。特にThe xxが大好きで、2016年の豊洲PITでの来日公演を観に行きました。ものすごく空間や間が意識された音楽で、それでもなぜか夢中になれる魔力があります。



南谷:高校1年で軽音部に入った時、弾き様が格好良くてなんだか変な音を出す3年生がいて、その人から受けた最初の影響が現在まで形を変え続いている感じがあります。その人がまず日向秀和さんを教えてくれて、そこからストレイテナーを知ってルーツを掘って、UKロックにたどり着いて今に至るまでずっとUKのシーンを追っています。最近はもっぱらUKドリルを聴いてますね。





小林:凛として時雨に出会って、手数の多いポストロックとかそっち系のドラムに興味を持って色々な音楽を聴くようになりました。toeや柏倉隆史さんのドラムも好きで、toeが福岡に来てくれた時にメンバーみんなでライブを観に行ったのを覚えています。





注目してほしい、自分の関わった作品
庄司:4月3日に3作目のEP『Center』をリリースしました。前作の『I Ain't a Kid』は前からあった曲と書き下ろした曲とを織り混ぜたEPだったのですが、今作は全て新曲なので"今の6 mab"を体現しているかと思います。割とやりたいことがそのまま素直にアウトプットできたかなと思うので、『Center』を気に入ってくださった方は今後の6 mabも追っていただけると面白いんじゃないかなぁと思います。



あと個人的にUbuyuという名義というかプロジェクトでも曲を出しているので、興味がある方はそっちも聴いて観ていただけると嬉しいです。



南谷:作品のカバーアートやアーティスト写真などのディレクションをしてまして、カバーアートは『I Ain't a Kid』からHotaka Kojimaさんに制作していただいています。特に今作『Center』に関しては、庄司が音源のデモを作らなかったので全くどんな音楽になるのか分かりませんでした。なので逆に思い切って具体的なオーダーを出して作っていただいたので、ギミックが今までで一番解釈しやすい部分があるのではないでしょうか。



今後挑戦してみたいこと
南谷:バンドという形態上、活動場所がライブハウス主体なのでバンドミュージックや弾き語りとかが好きな方々に観て聴いていただく事が多いと思うんですね。そこから幅を広げて、迎合したいとまでは言いませんが、クラブミュージックとかそういう音楽が流れているところに出入りしている人たちにも受け入れられたいなという気持ちがあります。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
庄司:漫画ですね。音楽よりも先にハマったカルチャーだと思います。音楽を下げたいわけではないですが、漫画家はもはや畏怖の対象ですらあるのでなりたいとかは微塵も思いませんでした。自分の作る音楽がいつかそういうレベルに近づけたらいいなと、無謀ながら考えています。

小林:強いていうならお笑い。それぞれが我流の感じがいいです。うまく言葉にできないけど精神的な、何か学べるものもあると思っています。とは言っても現実逃避に近い感じで結局頭真っ白にして観ちゃいます。

今注目しているカルチャー
庄司:ホラー作品を観たり読んだりしていると、普段抱えている漠然とした不安が落ち着くことに近年気づきました。今振り返るとコロナ禍にホラー映画を掘りまくっていたので、知らず知らずのうちにしんどかったのかもしれません。で、昨年ネット上で話題になっていた『近畿地方のある場所について』を読んですごく新鮮だったので、こういうタイプの作品がもっと生まれることを期待しています。



南谷:SAMANSAというショート映画専門の動画配信サービスにハマっています。超インスタントな映画がめちゃくちゃ観れていい感じです。お気に入りはK-POPを風刺した作品です。



RELEASE INFORMATION
6-mab_Center_-Jacket.jpg
6 mab『Center』
2024年4月3日(水)

試聴はこちら


LIVE INFORMATION

sowaka. × azur taupe. pre 『枯れた花は、開花した』
6-mab_Live-Information.jpg
2024年4月6日(土)
福岡/UN kokura

ご予約はこちら

PROFILE

6-mab_Visual.jpg6 mab
6 mab(シックスマブ)は福岡に拠点を置くポップトリオ。
2019年に1st EP『Commonplace』をリリース。その後2枚のシングルを発表し、2nd EP『I Ain't a Kid』から1年ぶりとなる3rd EP『Center』をFRIENDSHIP.よりデジタルリリースした。
シンプルでありながら豊かさを感じさせる音色と歌声、3ピースの枠にとらわれないその自由な発想は、空間を漂うような新しい音楽性を生み出している。

LINK
オフィシャルサイト
@sixmab
@sixmonthsafterbirth
Official YouTube Channel
FRIENDSHIP.

気になるタグをCHECK!