SENSA

2024.03.14

孤独や鬱屈に寄り添う、生粋の

孤独や鬱屈に寄り添う、生粋の"エモ"「くだらない1日」-Highlighter Vol.197-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。Vol.197は、アイナ・ジ・エンドやBiSらが所属する音楽事務所WACK所属バンド・くだらない1日を取り上げる。
エモやハードコアに影響を受けた3人から成るバンドで、3月6日に2年ぶりとなる全国流通3rdアルバム『どいつもこいつも』リリースしたばかり。アメリカ・オースティンにて開催されるSXSW2024への出演も決定しており、さらなる飛躍が期待される。


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活動を始めたきっかけ
高値(Vo/G):中高一貫の男子高校に6年通っていて、牢獄に囚われているような毎日で、自分の居場所を作るために創作するようになり、くだらない1日が始まりました。

太陽(G):高校生の時もともと軽音部でバンド活動はしていたんですが、地元のライブハウスで教えてもらったエモというジャンルにハマり、高校卒業後、専門学校に通い始めて、コロナ禍で暇だったので、YouTubeやTwitterなどのSNSでずっとエモバンドを探してました。

そんな中、2021年始めくらいにungulatesというレーベルからリリースされた、くだらない1日とANORAK!のスプリットを聴いて衝撃を受け、自分もバンドをやりたいなと思いsoccer.を始め、くだらない1日の前のサポートギターがやめるタイミングで手伝うようになりました。そのまま流れでメンバーになった感じです。

影響を受けたアーティスト
高値:90年代のエモやオルタナ、ハードコアに影響を僕は受けました。
いちばん最初に触れたエモはAmerican Footballです。

福岡にあった今はなき天神コアというデパートにあった眼鏡屋さんの店員さんに「君はどんな音楽を聴くの?」と聞かれナンバーガールと答えたら「これを聴いた方がいい」とAmerican Footballを教えてもらいました、その時は何がいいのかよくわかってはいなかったけど、中学3年生の時の修学旅行で孤独を経験して、帰りの夜行バスで、ひとりで外を見ながら聴いてると、孤独や悲しい感情に寄り添ってもらえるような美しくて優しい曲だなと感じ、そこからのめり込んで行きました。



Far apartの「Hazel」というシングルも非常に影響を受けました、最近ヤフオクで激闘の末に7インチのレコードを手に入れることができて幸せになりました。



太陽:当時高校を中退して通信制の学校に通っていたので友達がほとんどおらず、ひとりでずっとエモをディグっていたんですが、なかでもMineralという90'sのバンドをよく聴いてました。

『Endserenading』というアルバムのギターのアルペジオの絡みが好きなんですが、その美しさの中にある焦燥や後悔、どうしようもできない気持ちのような感情が聴こえてきて、これがエモか、と。他の人が知らない自分のための音楽だと思って聴いてました。当時は2nd(『Endserenading』)ばかり聴いていたんですが、今は1st(『The Power of Failing』)の荒々しい感じの方が好みでよく聴いています。





もともとハードコアのような激しい音楽はあんまり聴いてこなかったんですが、エモを通ったことによってだんだんよさがわかるようになってきて、最近は激情ハードコアやSkramzと呼ばれるバンドがガシャガシャしていてボーカルが絶叫するような音像のバンドも好きで影響を受けています。

特にOld GrayDaitroLifeはめちゃくちゃ聴いています。エモのやるせなさが爆発していて、バイトの終わった帰り道とかに聴いてると救われるような気持ちになることも多くあります。

DusterCodeineのようなスロウコアのバンドも、激情やSkramzと同じ感覚で聴いていて、影響を受けています。一応ジャンル分けされていますが、根底にあるものは同じような気がします。最近だとSign Crushes MotoristMake His Ribs Show、ちょっと違うかもですがAlicksがお気に入りです。



注目してほしい、自分の関わった作品
高値:今回のアルバム『どいつもこいつも』は、僕らがWACKからリリースするはじめてのCDです。

制作の際に他の事務所だったら新人バンドでは考えられないような環境を用意してくれたので、贅沢にいろんなレコーディングスタジオで録らせてもらいました。
お金を考えずに制作に挑めたおかげで曲が完成に近づくにつれて「お金をかけるとそれっぽい綺麗なものになる」ということがわかったんですが、結局は前作『rebound』の制作で意識していたようなデカくて激しいジャンクフードのような音がいちばん好きだな...と気付き『rebound』で使用したvoid labさんに全曲マスタリングしてもらいました。



太陽:くだらない1日の3rdアルバム『どいつもこいつも』。今作は、前作『rebound』に比べて音作りによりこだわりました。「とても大事」「trust none」のギターに関しては、結構激情感があると思います。アレンジの段階では、自分のルーツ的な音楽と高値さんの歌をどう合わせるかを考えていました。



今後挑戦してみたいこと
高値:3月10日からサウス・バイ・サウスウエストというアメリカで行われるフェスに出演するのですが、初めての海外のライブで大きな舞台だと思うので、その1週間をいつも通りの心持ちでライブすることに集中していきたいです。
また海外でもライブがもっとできるように、いろんな場所に行けるようにツアーを増やしていきたいです。

太陽:これは僕個人の命題的なことなんですが、自分が一生聴けるアルバムを作りたいです。1曲のキラーチューンやTikTok的なファストな音楽消費が是とされている時代ですが、聴いてくれる人の人生の一部となるようなアルバムを作りたいです。僕はそういう作品に影響を受けてきたので。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
高値:僕は初期のボーカロイドが出てきた頃のニコニコ動画や、昔のゲームのカルチャーに触れて育ってきました。 家でひとりの時間が多かったので、ずっとゲームしていました。 あとは姉が家のパソコンでニコニコ動画をずっと見ていたので、後ろから見て、実況動画やむちゃくちゃな無法地帯に、ここが世界だ...とのめり込んでました。 ゲームはラブデリックという会社の神ゲーやスーパーファミコンのクソゲーをやっていました。





太陽:アニメですかね。中学生の時に『(涼宮)ハルヒ』(シリーズ)や『シュタゲ』(『STEINS;GATE』)ではまって、それから暇な時よく見ていたと思います。最近忙しくてあんまり見れていないんですが...。
好きだったのは『とらドラ!』『ID:INVADED』とかです。海外のエモバンドにはアニメモチーフの曲とか結構あるんですが、何か通じるものはあると思います。非リア感というか。


河合(B):スーパーやラーメン屋によく行きます。
最近よく行くラーメン屋は、中華蕎麦 たか乃です。


サミットストア 本天沼店でパンをよく買っています。



今注目しているカルチャー
高値:今注目しているカルチャーはマジック:ザ・ギャザリングです。定期的にカードショップへ行って戦ってます


太陽:The Backroomsとscpが気になっています。The Backroomsは異次元空間の話で、scpは自然法則に反した現象(UMAとか妖怪に近いかも)をネーミングしているもので誰かが創作したネットミームなんですが、みんな二次創作しまくってシーンが広がっていく感じが面白いです。僕も知ったばかりなので全然詳しくないんですが、独自の世界観を持っている感じがSkramzっぽいなと。




河合:最近はコーヒーよりお茶が好きです。

RELEASE INFORMATION

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くだらない1日『どいつもこいつも』
2024年3月6日(水)

試聴はこちら

LIVE INFORMATION

3rd album「どいつもこいつも」release show
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2024年4月6日(土)
SHELTER(東京都)
開場 18:00/開演 18:30
出演:くだらない1日+???
前売券¥2,900+1d
当日券¥3,400+1d
https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=H4200050 

SXSW2024「SMASH X SMASH WEST SHOWCASE」
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2024年3月12日(火)
ARNOLD HOUSE
3:00pm~

SXSW2024「INSPIRED BY TOKYO」
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2024年3月12日(火)
Elysium
pm8:00~am2:00am


PROFILE

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くだらない1日
2016年に福岡で結成。高値(Vo/G)、太陽(G)、河合(B)による東京を拠点とするロックバンド。
これまでに5枚のシングルと2枚のアルバムをリリース。さらに東京のANORAK!とのスプリットEP、シンガポールのCues、インドネシアのHulicaとの3Wayスプリットをリリース。
2022年は各種ライヴサーキットへの参加も果たし、同年2ndアルバム『rebound』をリリース。リード曲となる「やるせない」のMVを山田健人(yahyel)監督が制作。
2023年3月には自主企画イベント「rebound」をSpotify O-Crestにて開催し、6月には東名阪3ヶ所を回る自主企画「Welcomeツアー」を開催。7月26日にデジタルシングル「誕誕」をリリースし、山田健人(yahyel)監督によるMVも公開。8月からはdowntとの共催リリースツアーを行い、各地を盛り上げた。
2024年3月にはアメリカ・オースティンにて開催されるSXSW2024への出演が決定しており、2年ぶりとなる全国流通3rdアルバム『どいつもこいつも』を3月6日にリリースする。

LINK
オフィシャルサイト
@kudaranai1nichi
@kudaranai_1nichi
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