2024.03.02
インタビューが行われたのは、2月24日。ラストライブから2日経ったいま、古舘佑太郎、加藤綾太、森夏彦の3人は何を語るのか。清々しい表情で受け答えする3人にライブについてのこと、解散に至った経緯、そして今後の音楽人生について話を聞く。THE 2として最後のインタビューをここにお届けする。
O-EASTがめっちゃ狭く感じたんですよね
─2月22日に行われた、ラストライブを拝見しましたが、とてもいいライブでした。
全員:ありがとうございます!
古舘佑太郎(Vo):正直、自分ではまだ実感がなくて、いいライブだったのかは分からないんですよ。だけど、皆さんがよかったと言ってくださるので、いいライブだったのかなって。
─いつも以上に実感がない感じ?
古舘:最後だからやり切らないといけないと思っていたのに、ミスをしてしまう場面もあったし。
─でも、ミスをしてもいい方向に転がるバンドでもあるじゃないですか。
古舘:まあ、そうなんですけど(笑)。
加藤綾太(G):そもそもそういうバンドですもんね(笑)。
─加藤くん、ラストライブはどうでしたか?
加藤:実感がないのは俺も同じですね。ただライブ中、機材トラブルがあったじゃないですか。そこは気にしましたね。アンコール前とかめっちゃ俺、気にしてたよね?
古舘:気にしてたね。
─でも、そういうトラブルも込みでいいライブだと思いました。
加藤:本当ですか!? そう言っていただけることが多くて助かりますけど......。
─これを読んでる人にもぜひYouTubeのアーカイブで観てほしいんですけど、古舘くんがそこでギターを弾くシーンやギターをお客さんに預けたことも含めて、忘れがたいシーンだったなと。
加藤:まあ、そうですよね。今後、「あのとき、ギターを持っていたのは私です」ということもあるわけじゃないですか。そういった意味でもメモリアルなライブが出来たのかなと思いますね。
─ちなみに、あのトラブルはシールドの調子が悪かったんですか?
加藤:いや、足元のエフェクターのボリュームが0になっちゃってて......。それが原因で音が出なくなってしまったんです。
─なるほど。でもああいうときこそライブバンドの地肩が証明されるというか。
加藤:確かに! 当然トラブルが初めてということでもなかったし、過去にもいろんなトラブルがありましたからね。トラブルシューティングみたいなところはちゃんと出来たかなと思います。
─トラブルシューティングのプロバンドだと思いますけど(笑)。
古舘:Pちゃん(加藤)が療養することになって、バンドにとんでもない穴が空いたときに俺がギターを弾いていたこともあったから。だからPちゃんのギターの音が鳴らないと分かった瞬間に咄嗟にギターを持ってましたからね。
加藤:あれは、嬉しかったよ。
古舘:ある種、Pちゃんがいなかった頃からの伏線回収というか。
加藤:そういう考え方をすると、今回のトラブルって全く問題ないことだったのか。
古舘:俺がハンドマイクの曲で見事なまでにPちゃんの音が出なくなったから俺もすぐギターを持つことが出来た。アレは奇跡の瞬間ですよ。あの曲(「ナイトウォーク」)はPちゃんがいないときにもやってた曲じゃん?
森夏彦(B):やってたね。だからこそすぐ弾くことが出来たんだね。
古舘:ちゃんと俺がコピーしてた曲だったから。だから逆を言うと、Pちゃんがいない期間がなければ、俺はあの曲を弾くことが出来なかったもんね。
─夏彦くんはいかがでしたか?
森:周りの反応がすごくよかったなという印象ですね。もちろんスペシャルな状況ではあるし、いろいろと思うことがあったりする中でやっていましたけど、昨年のめちゃくちゃいろんな場所を回っていた頃のクオリティと比べると久しぶりということもあってリハビリ感も否めなかったし、実感としてはいいライブをした、最高峰だったという感じはなかった。でも、この日にしか出せない音は鳴っていたかなと思います。でも昨日、ライブ映像を観てみたんですけど、いいライブでしたね。振り返ってみるとすげえいいライブをしてた。でも、当日の実感としてはそこまでという感じでした。
─ラストだからといって、お涙頂戴ということもなかったですしね。本当にカラッとしたラストライブだった。
森:なんかカラッとしてましたよね。
古舘:あとは、O-EASTがめっちゃ狭く感じたんですよね。一応、THE 2史上最大キャパだったし、大きいところでライブをやりたいといことを目標に今までやって来てたどり着いたO-EASTだけど、いざ立ってみると広い感じもなく......。なんか不思議じゃなかった?
森:分かる! 普通のライブハウスでやっている感じがしたよね。
加藤:変な話、(CLUB)QUATTROの方が広く感じたよ。
─それってなんでなんだろう?
古舘:分からないけど、気持ち的な部分も大きいのかな?
加藤:イメージしていたO-EASTがもっと大きかったのかもね。
─お客さんもパンパンに入っていたし、それも影響しているのかもしれないですね。
加藤:そうなんですかね? でもリハの段階からそう感じていたんですよね。
森:そうだね、広いとは思わなかったかな。
古舘:もしかして、縮んだ?
森:え、物理的な問題(笑)?
─セットリストに関してもすごく絶妙で、見事だった。最初のブロックは刹那的に駆け抜けて、次のブロックはそこにある種の説得力のような重みが乗っかってくる。本編の最後には横ノリも含めたグルーヴィーな部分が入ってきて、アンコールまでの流れも秀逸でした。これはサクッと決めることが出来たんですか?
古舘:確かに全然悩んでないかもしれないですね。
森:古が作ってきた叩き台がベースになっている感じだよね。
古舘:そうだね。昔の曲から順番に遡っていく構成にしたくてというのがあったから悩まなかったですね。ただ、最後のライブなのでどうしたってやれない曲が出てくるんですよね。
─現に新しい作品の中からやってない曲もありますからね。
古舘:そうなんですよ! 普通やりますよね(笑)。本当はもっとライブで盛り上がる曲もあるんですけどね、初期の頃の「ロボット」って曲とか。何かを入れると何かを外さないといけなくなるわけで。それがしんどかったんですけど、本編は絶対22曲でやりたかったんですよ。一応、大阪・東京で分けてなるべく多くの曲が出来るようにして、割合的には同じ感じにしました。全アルバムの収録曲の中から8割くらいやって2割くらいやらないという感じ。
やりたい放題やらせてもらったことがマジでありがたいです
─改めてだけど、ライブを観ながらいい曲が多いなって。
古舘:あざっす......(笑)。
─でも自分たちでもそう思いませんか?
加藤:それは思いました。
古舘:でも俺たちふたりは曲がいいと思っていても、森からは普通って言われるんですよ!
森:違う、違う! これはマジでこの場を借りて訂正させてもらいたいんだけど!
古舘:違うの? とりあえず、事のあらすじを説明すると、「FALL FALL FALL」っていういつもセットリストに入れてしまう、僕の大好きな曲があって。自分が超ピュアな10代のときの恋愛を歌った曲なんですけど。
加藤:僕も大好きな曲です!
古舘:あるとき、スタジオかなんかでセットリストを確認する機会があったとき、もっくん(森)が「お前、『FALL FALL FALL』好きだよな〜」って言ってきたんですよ。その言い方が面白かったのか、Pちゃんが「夏彦くんはどうなの?」って聞くと森は「普通」って答えてきて(笑)。そこからいろんな曲について好きかどうか検証してみたんですけど、意外と普通の曲が多かったんですよね......。
森:いやいや、違うんですよ!
古舘:事実をそのまま伝えたけど?
森:事実は事実だけど。俺はTHE 2の楽曲はベース全部好きなんですよ。そもそも俺がShiggy Jr.というバンドをやっているときから唯一ライブを観に行ってたバンドが2だったし、ライブに行くようなタイプではない俺が、2のライブやワンマンは絶対行くくらい好きだった。
─確かに、夏彦くんとは2のライブで何度も会ったことがある。
森:そう、そう! だから基本ライブには行っているし、ベースが好きなんですよ! めちゃくちゃカッコいいなと思っていたし、このふたりに誘われたからバンドに加入した。そもそも他のバンドなら入ってないし! そんな愛がある中で、「FALL FALL FALL」は普通ってだけの話だよ。
古舘:じゃあ、合ってるじゃん!
森:違う!アベレージは高いの!高い中での普通だから、結局、好きなのよ。アベレージが高い中での普通。その中でもいろいろあるじゃないですか、グラデーションが。普通ってことで何も感じないわけではないってことをこの場を借りてふたりに伝えたい。
─じゃあ、これを機会にこの場でいちばん好きな曲を言った方がいいんじゃないですか?
森:最近更新されたんですけど、それまで好きだった曲は「DEAD HEAT」が好きでした。歌詞が当時の俺に刺さったから。
古舘:実は、「DEAD HEAT」は森のことを歌った曲なんですよ。もともと、僕のThe SALOVERSが注目され始めたとき、森はバンドを辞めたりしていたり、The SALOVERSが無期限活動休止をするときに森がShiggy Jr.で注目され始めていたり、今度はShiggy Jr.が解散の流れになっていくときには、僕がちょうど2を組んだり、役者としてテレビに出たり、なんか常にお互いがデットヒートしてる感じがあったんです。当時、森はまだ2のメンバーではなかったけど、僕が2を組んだタイミングということもあって、そういうことを歌いたいと思って書いた曲なんですよね。
森:そんなことを知らない当時の俺が、歌詞を見てめっちゃ刺さるなって思ってる(笑)。ずっと聴いていた曲なんですよ。
─エモーショナルな話ですね。
森:あとから、「あれはもっくんのことだよ」って言われて、マジかよって(笑)。だからそういうストーリーも込みで「DEAD HEAT」が好きでした。けど、結局いまは、「蛙鳴蝉噪」が思い出も、自分がベースを弾いていることも込みでいちばん推したい曲です。
─「蛙鳴蝉噪」は僕もすごく好きで。
森:これはいちばん最後に出来た曲だよね?
─こんなにいい曲を最後に。
加藤:だから名残惜しさはありますよ。
古舘:でも、歌詞が全然書けなくて、最後はPちゃんの家に行って、Pちゃんの横でずっと歌詞を書いてた。
加藤:ふたりで考えたりもしたもんね。
─最後だからこそ、これほどまでにいい曲が書けたということもあるのかな?
加藤:いや、制作当時は解散って決まってなかったから。ラストだから曲を書こうというモチベーションではなく、THE 2の新曲としてヤバいのが完成したということでみんなに共有したんですよね。
─そうだったんですね。歌詞も素晴らしい。
森:めちゃくちゃいい歌詞ですよね! 今の感じがすごく出てる。
加藤:THE 2っぽさもあるし、古舘佑太郎っぽさもあるし、THE 2の曲を知っている人からすると俺っぽさも分かるだろうし、いろんな面でエネルギー高めに作れた曲かなという感覚があって。僕も夏彦くんと同じように好きな曲を更新した感覚があるんです。
─それっていちばんカッコいいことじゃないですか。古舘くんは、歌詞を悩みながら書いたと言っていたけど、最後はどんな気持ちで言葉綴っていったんですか?
古舘:曲がマジでよかったから、それでハードルが上がってしまったというのがあると思う。制作時は解散も決まってなかったし、絶対に推し曲になるという予感もあったからそれで余計に悩んでしまったんですよね。バンドの進退は決まってなかったけど悩んでいる時期でもあって、自分がなんなのか? 自分らしさとは? 人に振り回されてしまう自分って何? 人の意見ばっかり聞いて本当の自分が分からない状況でずっと感情がぐちゃぐちゃしていたときでもあって、歌詞が書けなかった。
─なるほど。
古舘:でも、〈あゝこの世は僕にはうるさすぎる〉とラスサビ前の〈もうこれ以上 流行りの騒ぐ声に あなたの歌声が掻き消されないで〉は決まっていて、そこだけは絶対に変えたくはなかった。この世はうるさすぎるって言っているのにいちばん曲がうるさいっていう矛盾も気に入っていてから、どうしようかなって。そうやって悩みながら書いてみて思ったのは、すごく正直に書けたなって。
加藤:最初は、女性目線の歌詞だったんですよ。一人称が私だったもんね?
古舘:そう、そう。その設定をやめてから書きやすくなりましたね。
─タイトルもすごくいいと思います。最後の作品の1曲目にこれだけいい曲を持ってこれたのも幸せなことですね。
古舘:出せてよかった。出せない感じで終わる可能性もあったから。
─そうか、未発表で終わる可能性もあったわけですね。
加藤:ありましたね。山口一郎さん(サカナクション)プロデュースになってからフルアルバムを目標にレコーディングもしていたし、その後、ツアーを回ることだって目標に動いてた。プラス、森が加入してからの音源もなかったということもあり、そこに向けてモチベーション高くみんなで進んでいましたから。そんな状況の中で、バンドの進退が決まり、「これは、ヤバイぞ」という気持ちが出てくる中で、こういった形でリリースすることが出来て本当によかったと思います。
─しかし、最後の最後までスリリングですね。
全員:そうですね(笑)。
─新しいリリースの話題よりもニュースの方が多いバンドっていうね(笑)。
森:月1お知らせバンドなんで(笑)。
加藤:ファンの人がSNSでコメントを書いていて、「THE 2からのお知らせが怖い」って。「怖いからオフィシャルアカウントは見れない」という声もありました。
─ファンにとって大切なお知らせほど怖いものはないわけで。
加藤:その通りだよなと思うし、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
─でも、出せない可能性がある中で、「蛙鳴蝉噪」を1曲目に持ってきた作品(ミニアルバム『THE 2』)もリリースできて、ライブでもカラッとしたムードで響かせているということは、それこそ本当にデットヒートしながら、実現できることをちゃんと実現してバンドとして最後まで生き抜いたってことだと思う。無理かもしれない、を達成した。
古舘:解散するバンドって仲違いとかでライブをしないで終わることが普通にあるじゃないですか。そう考えると、THE 2は最後の最後でブワーっと全部やらせてもらったから。クラウドファンディングもそうだし、ミニアルバムもライブもYouTube無料配信も、やりたい放題やらせてもらったことがマジでありがたいです。
終わってみて思ったのは、THE 2ってコミックバンドだったんじゃないかなと(笑)
─クラファンの目標金額達成がライブ当日っていうのも、完全にデットヒートじゃないですか。
古舘:開演の30分前とかに達成ですよ(笑)。クラファンって最初の1週間くらいがいちばん集まるって聞いていましたけど、その時点でマネージャーに諦めた顔で「まあ、楽しみましょう」って言われて、終わったなって思いましたもん。
森:「最後くらい、笑顔で楽しみましょう」って言われたね(笑)。
古舘:本当にクラファンを最後に立ち上げたこと自体失敗だったんじゃないかって思いました。みんなに上手く伝えることが出来なかったんだなって。全然そんなことじゃないのにDMで「お金儲けですか?」ってメッセージが来たこともあったし。だってお金儲けするなら、追加公演や有料配信にした方がいいじゃないですか!でもそう思われているってことは俺らの伝え方がいけなかったということ。そんな状況の中でTHE 2だから、ヤバいということもみんなに伝えようと思って、「ヤバいです!ヤバいです!」と言いまくった。そしたら本番前に達成できたんですよね。でも、ずっとこんな感じ。ギリギリでやってきたなって思いますよ。
─本当にロックバンドっぽい生々しさというか。変にカッコをつけていたらそんなこと出来ないじゃないですか?
古舘:終わってみて思ったのは、THE 2ってコミックバンドだったんじゃないかなと(笑)。THE 2を終えてみて最初に思ったのはそれでした。抱える悩みも音楽性や歌詞の方向性、ライブのやり方ではないところで悩んでいたし、ずっとドタバタ劇場ですよ!
─でも逆に言えば、楽曲のリアルな感触をみんなの一挙手一投足で映し出していたとも言えるかもしれないじゃないですか。そのギリギリ感とか。
古舘:正直、最後のライブもどうなっちゃうんだろうって思ってた。ここまでやって涙や寂しさ、感傷的な気持ちになるんだろうなって思ってたら、ただただ楽しいから、俺ってヤバい人のかなって。
加藤:いや、それは俺も同じだよ。
古舘:感情がひとつ抜け落ちているのかなと思ったんですけど、「いや、違うコミックバンドだからだ」と思ったら、納得できちゃったんですよね。
─確かに、最後にメガフルタチがステージに残された切なさも込みでコミックバンドだったかもしれない(笑)。でもみんながこれだけカラッとした状態でラストライブが出来たのはやれることはやり切ったという気持ちがあったからこそですもんね。
加藤:それはあると思います。
古舘:今がスッキリしすぎて、何を語っていいか分からないくらい。
森:めっちゃ分かる!
─でも、こんな終わり方できるバンドはなかなかいないと思う。それこそ、前のバンドメンバーやスタッフチームまでライブを観に来てくれてましたよね。
古舘:対バンの仲間たちも来てくれましたからね。配信を観てくれた人も含めて、めちゃくちゃ愛してもらったなって思います。
─それはすごく思いました。
古舘:2を結成する7年前は、バンドなんて一生やらないって言っていましたけど、それが今こんなことになって終わっているんだから、すごいことですよね。絶対バンドをやらないと言っていた奴がまたバンドを始めて、ここまでやり切っているんだもん。でもこれは絶対信じてもらえないかもしれないけど、マジでもうバンドはやらないですよ。
─それは、10年後や40代〜50代になってもそう言えますか?
古舘:そう思うんですよ、多分。だって、バンドはTHE 2でいいよ、もう。
加藤:いや、ソロになったときもバンドはやらないって言ってたんだよ?
─もうバンドは懲り懲り?(笑)。
古舘:懲り懲りというか、もう超えられないという気持ちが大きい。これ以上の熱量で自分がバンドに向き合うことはないと思う。あり得るとしたら遊びや趣味でなんだけど、性分的にやるなら本気でやりたいし、遊びでやるほど好きじゃないんですよ!
加藤:それは分かる! でも誰とやるかっていうのも大事じゃない?
古舘:そうだね。2だって、バンドをやらないと言っていた俺がなぜやったかというとPちゃんとやるからということで始めたわけだし。バンドがやりたくてというよりもPちゃんありきで始まっているから。
─1年後に、その"ありきの人"に出会うかもしれない。
加藤:そうなんですよ! そういうことが起こり得るじゃないですか。
古舘:いや、今回は分かるんです、ないんです!
加藤:(ドキュメンタリー映像の撮影クルーに)ちゃんとカメラで抑えておいてくださいよ!
※ドキュメンタリー映像はクラウドファンディングのBlu-ray作品に収録されます
古舘:だからこそ、言えるんです。ないんです! 俺は宮崎駿じゃないんです。
─(笑)。今回の解散も含めて、メンバーの脱退があったり加藤くんの療養もあったりと事象的はすごく重たいけど、こうやってみんなが楽しくここまで転がってこれたということがバンドとしては大きな出来事ですよね?
古舘:もちろんそのときはしんどかったです。特に去年とか、Pちゃんがいなくなったのはマジでキツかった。でも今思うと、苦しんでいる状況も込みでめっちゃ楽しかった。一昨日のライブを終えて、全てがハッピーな思い出に変わってしまった。
いい意味で、揉めるとかじゃなく、本当にみんなの未来ってひとつじゃないことが分かった
─そもそも解散はどういう話し合いのもと出した結論なんですか?
古舘:最初は、解散というワードは一切出てなかったんですよ。ただいろんなことの積み重ねで、Pちゃんがいつ戻ってくるか分からない状況があったり、(歌川)菜穂ちゃんの脱退があったりして、自分の感情的には一旦、整えないとヤバイなということ。足を止めて、状況を整理しないといまのままむやみやたらに動いても心が死んでいくだけだなって。菜穂ちゃんがいなくなって試行錯誤しながらTHE ALFEEみたいに3人横並びでライブしたこともあったしさ。
加藤:(笑)。
森:そんなこともあったね(笑)。
古舘:あったでしょう。そこからPちゃんがいなくなって、俺がギターを弾いてということもあったけど、充実感がないんですよ。このまま無理して汗をかくことは危険だと思ったし、なんなら俺がちょっと休みたかった。でも足を止めたら戻ってくることを考えないといけないし、止めている間に何をしているかが重要になってくる。それを3人で話し合ったんです。
─時期的にはいつ頃から?
加藤:去年の11月ごろですかね。ふたりがウチにお見舞いに来てくれたんですよ。そのときに今後どうしようかと意見の擦り合わせを始めました。
─加藤くん的には自分の体調も含めてどういう状態がいいと思っていたんですか?
加藤:当時のマインドとしては、体調も電車に乗れるようになったり、飲食店に入れるようになったり、出来ることが増えている状況ということもあってポジティブな考え方ができるようなタイミング。もちろん、今までのPちゃんとしてすぐにツアーに回れるかという状況ではなかったですけど、ひとつずつ出来ることにトライしていきたいというマインドでした。「それはなんで?」と聞かれたら、やっぱり音楽がやりたいから。でも、会わない期間にそれぞれにいろんな意見が生まれてしまい、バンドに対して各々が違う考え方になってしまっているということをそこで初めて知って、僕は必死に止めていたんですよね。
古舘:あの日のPちゃんはすごかったよ。
加藤:ここで俺が止めないと、流れを変えないと本当にTHE 2が終わるぞって思ったんですよ。
森:俺らはまさか止められるとも思ってないし、がっつりモードで来られたからビックリしちゃって。
加藤:ふたりともちょっと引いてたもんね(笑)。
古舘:去年いちばんびっくりしたのはその日なんです。俺は、勝手にPちゃんはゆっくり休みながら、自分と向き合って、バンドをやる脳にもなっていないと思っていたし、いまの状況を受け入れているものだと思ってた。変な話、Pちゃんもそれを望んでると思ってた。
─でも、加藤くんはそうじゃなかった。
古舘:そんな話をすることになるとも思わず能天気にお見舞いに行ったんです。ただ唯一俺ともっくんの中で約束していたのはヤバい状態だけど2月のワンマンまでは続けようってこと。本当は、Pちゃんは療養に入る8月の時点で活動休止しようと思ってた。でもPちゃんには自分がいなくても前に進めてほしいという気持ちがあったし、チーフマネージャーからも叱咤激励を受けて、いまあるスケジュールを投げ出すのは違う、2月22日までは絶対やろうと決めたんです。それをやり切ったときもう1度集まって活休か続行かを決める。だからそこまで解散という言葉は一切出てなかった。そのくらいの気持ちで普通にお見舞いに行くとPちゃんはとんでもない闘争心を持っていて、「天下を取るぞ!」という感じだったんです。
加藤:絶対大丈夫、俺これからやっちゃうよ!ってね(笑)。俺に全部やらしてくれ、なんでもやるからと言うと、なびきそうだったので、あと一押しだと思って。「坊主好きでしょ? じゃあ、いま坊主にするよ」って、「坊主にしたらバンド続ける?」って言いました。
古舘:俺はそういうことじゃないんだって言ったけど、その場でPちゃんは坊主にし出して......。
─それは、少し躁状態になっていたのかな?
加藤:いや、そういう感じではないんですけど。
森:いや、あれを綺麗な躁状態って言います。
加藤:いやいや、躁ではない。
森:いやいやいや(笑)。
古舘:熱くなりすぎて、俺らのことを「貴様ら!」って呼んでいたし、「俺に従え!」って(笑)。
森:「お前らは何もしなくていい」、「俺が全てやるから、何もするな」って言ってね。ずっと休んでいたのに無理だろ!と思いましたよ。
古舘:すごくビックリしたし、Pちゃんは俺が全部やると言っているけど、それを任せることが俺にとってもいいことなのか、はたまたPちゃんにとってもいいことなのかって思ったんです。とにかく衝撃だったし、困惑したまま、ただ元気になってくれたのは嬉しかったから、その日はそれで終わったんだよね?
森:そう、そう。
古舘:そこから数週間経って、Pちゃんも冷静に俺らがどういう思いを抱えているかを理解してくれて、そのときは一旦休もうという意見で合致したんです。だけどPちゃんはそのときから、活休ではなく誠意を持って解散するのがいいのではないかということを言っていた。その思いを俺らふたりで一旦休ませてくれと止めていたんです。
─難しい問題ですね。
古舘:いまの俺には無理だけど、ブレイクを挟んだらまた立ち上がれるかもしれないという中途半端な気持ちだったのはあります。
加藤:ふたりが言っていることも分かるし、気持ちだって理解できたけど、個人的には未来への含みを持たせしまうファンの方を期待させてしまう部分が活休にはあるじゃないですか。そもそもTHE 2は一度活動休止をしたことがあるし、僕が前やっていたバンドも無期限活動休止という名目の元で終わりがあったりした。活動休止とは何かということを自分の中で考えている部分もあったんです。本当にその選択でいいのかという違和感が自分の中で拭えなくて、「活動休止は嫌なんだよね」とずっと言っていたんです。結果的にはその意図を佑太郎くんが汲み取ってくれた部分もあって、電話が掛かってくるんです。
古舘:結構、時間はかかったよね。何度か話し合いを経て、電話を掛ける前にもZoomで会議して、そこでも活動休止という結論に落ち着いた。明日にはスタッフにバンドの進退を伝えないといけないという日の夜にひとりで考えていたとき、自分でも突然、活動休止じゃないと思ったんです。そこからソワソワしちゃって急いでPちゃんに電話をして、「Pちゃんの言うとおり解散かもしれない」と伝えました。
─そこから夏彦くんにも伝えることになる。
古舘:そうです。今度はもっくんが「ちょっと待ってくれ」となるんですよ。もう一度話したいって、それが個人的には意外でした。
森:そうだったね。
古舘:スタッフとの打ち合わせが午後過ぎからだったから、午前中に3人でZoom会議。もっくんは活休の方がいいと思っているけど、なぜいいのかは整理がついていない状態なんだったんですよ。結局どうしたんだっけ?
加藤:気持ちはまとまってなかったけど、とにかくふたりに話さないといけないと夏彦くんが言ったんだよね。
森:そうだね。これは俺の気持ち的な問題だけど、納得して話を進めたいという気持ちがあったんです。思いをただ吐露したかった。俺は、活休になってペースがゆっくりになってもバンドをやって行けるタイプなんですけど、このふたりは100%でやっていきたいタイプ。そういうことも最後の話し合いで明確になって、自分が解散を納得できるところまで3人で話し合うことができた。
古舘:俺たちにとってパーセンテージは重要でした。僕もかなり瀕死状態だったけど、どこかで120%、THE 2に向き合って注力して進んでいけばこの船はまだ行けるって思ってた部分もあったけど、それが無理なことも分かっていた。それはPちゃんの体調面のこともあったし、もっくんには他に仕事があったりして、みんなが120%の気持ちでバンドに臨むことは不可能。そうなるとTHE 2じゃなくなるという感覚があったんです。2時代からずっと挑戦してもがいてやってきたけど、このままこれを続けていくと、もがかなくてもバンドが出来てしまう。最後の話し合いが改めて、みんなの未来がひとつにならないということに気付くいい機会だったんです。
森:俺的には、ペースを落として長くやっていくようなバンドでも全然やりたいと思っていたけど、ちゃんと3人の意見が明確になったことで納得することができた感じですね。それをそのままスタッフチームに伝える感じでしたね。
古舘:最後の話し合いが良かったかも。マジでいい意味で、揉めるとかじゃなく、本当にみんなの未来ってひとつじゃないことが分かったんです。だからこそ、ある種、良くも悪くもそれでひとつにまとまれてしまった。
加藤:2時代から含めてどんな時でも、たとえば僕が怠けたり弱音を吐いてる時とかでも絶対佑太郎くんだけは頼もしくいてくれたんです。とにかくバンドを前に進めていかないといけないという推進力があるイメージの人物だったけど、その人物がめちゃくちゃ弱っていて、瀕死状態という状況が見ていて切なかった。いくら自分の負担が増えようが、その人を引っ張るエネルギーはないかもなとも思った。絶対に止まらなかった男が止まったということが自分の中ではすごくショックで。そこに自分は甘えていたんだろうなって考えたりもしました。
本当に悲壮感がない。すごくスッキリした感じで終わることが出来ました
─そこから、いろんなスタッフも含めて、それこそプロデューサーである山口一郎氏にも伝えないといけない局面があった思うけど、どういう言葉が返って来ましたか?
古舘:一郎さんが弾き語りツアー中だったので、自分が名古屋まで行ったんですよ。楽屋でお伝えしたんですけど、「お疲れ」というひと言。「俺も力になれない部分があった、ごめんな。お疲れ」。それだけでしたね。
─彼もすごく大変な中、それこそドキュメンタリー映像もあるけどまた戻ってくるタイミングでTHE 2が終わってしまうというのが、なんとも...。
古舘:一郎さんがいちばんしんどい時にTHE 2はお世話になっていたので。不思議な縁ですけど。
─それも含めてTHE 2というか。全てチャーミングな部分に繋がってくる。
古舘:ちょっとずつ色々あったんですよね。最初はベースの(赤坂)真之介が辞めて、そのあとyuccoが辞めて、次に菜穂ちゃんが入ってきて辞めて、Pちゃんが休止したり、一郎さんもそれこそ療養中だったり、僕に触れたもの全てがちょっとずついろんなことが起きていくので、この人(森を指差しながら)がずっとドキドキしてたんです!
森:俺、死ぬと思ってたんですよ(笑)。12月くらいに2月まで逃げ切れるかなって思った。だから俺と古の戦いだったんですよ。
─そこもデットヒートだ!
森:マジで! 本当にデットヒート。
古舘:B級映画みたいにちょっとずつ人がいなくなっていく。
森:最後は俺ってことが確定しているから、逃げ切れるかどうかの戦いだったんです。
古舘:いやあ、持ったね〜。逆にもしそこまで俺が止まっていたら、森が元凶って説もあったけどね。
森:もしそうなら、真之介とかのことはどうやって説明するんだよ(笑)。
加藤:確かに(笑)。
─古舘くん的には、そういう状況を深刻に考えてしまうこともあったのでは?
古舘:占いとかには行きましたよ。その占い師さんが僕のインスタライブを観て「キャッ」って言って2秒で閉じたらしいです。とんでもないものが憑いていたらしい......。
─それはもう占いのレベルじゃなく、お祓いレベルですね。
古舘:本当になんだったんだろうと思います、去年とか特に!
─うたこす(歌川)にも報告したと思いますけど、どんな反応でしたか?
古舘:LINEで伝えたんですけど、菜穂ちゃん的にはちょっと複雑な思いだったり、「なんて声をかけていいかわからないけど、みんなが頑張ってくれる未来を応援してます」というメッセージが来て。いちばん嬉しかったのは一昨日のラストライブを配信で見てくれていたこと。それをSNSにあげてくれていたし、個人的にもLINEをくれて「私がこのバンドに入りたいと思った理由を改めて実感した」と言ってくれて。それがめちゃくちゃ嬉しかったです。
─いろんな人に向けてアンサーすることができた、ライブだったんじゃないですか?
古舘:そうなればいいなと思ったんですけどね。
─いや、本当にそうなったと思う。改めて、夏彦くんは今回の解散に対してどんな気持ちですか?
森:本当に悲壮感がない。すごくスッキリした感じで終わることが出来ました。やりたいこともやらせてもらったし、メンバーの仲もいい。いつでも会える関係だからこそ、ある意味エモくないですよね(笑)。ライブが終わった後も普通に飲んで、「また来月ありそうだね」と会話したくらいだし、カラッといちばんいい終わり方をしたなという感じがあります。じめっとした要素がひとつもなく、クラファンもまだ動いていて、こうやってインタビューも受けれて、個人的にはすごくスッキリとしてます。
古舘:本当に終わった感がないね!
加藤・森:全然ない!
古舘:だって、ワンマンの後、終わった感がなさすぎて普通に帰ろうとしちゃって。それでスタッフにキレられるという(笑)。最後の挨拶もなしかいって。
加藤:でもそれがいい終わり方だったのかもしれないよ。
─そうだと思いますよ。
古舘:もう俺らってTHE 2じゃないんだもんね。
加藤:ex.THE 2だね(笑)。
森:それが不思議な気持ちだよ。
─加藤くんはどうですか?
加藤:これで終わりということに実感はありません。逆にライブをやる前の方があったかもしれない。夏彦くんとライブのあと話したけど、「また、来週か来月にライブがありそうな感じだよね」と話していたくらい、終わったあとは本当に実感がなかった。
森:そもそも3人で話すときも昔話はほぼないし、解散の話もせず普通にバカ話を朝までしてた。
加藤:そう、そう! 楽しく話して、今日も普通に会った感じ。
─ここまで多幸感があるってすごく不思議なことですね。
加藤:解散ライブって、演者たちも泣いちゃうというイメージがありましたけど、俺たちはずっと笑っていましたから。
森:それは全部解決してるからだと思うよ。自分たちの中にモヤモヤがないからカラッとできる。納得しまくっているからこそだと思う。
『ジャンプ』の主人公なら大体強くなって勝つんだけど、俺たちはずっと負けるという!
古舘:THE 2ってなんなんだろうって去年考えたんですけど......。
─それ、聞こうと思っていました。みんなにとってTHE 2とは。
古舘:それが分からないから去年苦しかったんですけど、THE 2って掲げていた目標ややりたかったことを叶えてないバンドなんですよ。俺らはもっとデカいところでワンマンがしたい、武道館に行きたいと掲げていたし、フルアルバムだって出したかったけど、叶えることは出来なかった。でも、THE 2って2の初期から叶わないものに向かってずっと頑張ってがむしゃらになっているバンドで、それがTHE 2だった。
加藤:なるほど。不幸なバンドだな(笑)。
古舘:叶いもしないことをずっと頑張って120%の気持ちでやるっていうのがTHE 2だったから、それを思うとそれは最後までやれているんですよ。
─確かに。
古舘:最後まで投げやりな奴もいないし、全力でステージに上がったし、それをやり切ったから、目標は叶ってないけどスッキリしている。
─加藤くんはどうですか?
加藤:えー、なんだったんでしょう、あのバンドは。他のバンドとはどこか違うとは思っていたけど、言語化することが上手くできないかもしれない。
古舘:俺とPちゃんという我の強いボーカルが一緒にバンドを7年間やったってすごくない? 普通、速攻、喧嘩別れするって! そこがまず他のバンドと違うもん。
加藤:ある種、そこで奇跡が起きているよね。でも言語化できないな〜。変なバンドって感じですね(笑)。
─THE 2というバンドを擬人化したらめちゃくちゃ面白い奴だなというね?
加藤:本当にそんな感じです。もっと音楽的というかバンド的な側面で思う個人的な感情は、やりたいこと以上のことが出来たバンドだったことはすごく誇りに思います。それは、このメンバーだからこそ作ってもらえたものだし、自分ひとりでは絶対にできなかったことだった。人のことを初めて信じてみようと思えたバンドだったなと思います。人のことを信じるという当たり前のことがやっとできた感覚はあります。
─愛すべきバンドですよね。ある種、『(少年)ジャンプ』の主人公感はあるかもしれない。
加藤:ただ『ジャンプ』と違うのはそれが叶わないってところ(笑)。『ジャンプ』の主人公なら大体強くなって勝つんだけど、俺たちはずっと負けるという!
─(笑)。夏彦くんはどうですか?
森:どのバンドよりもバンドっぽいバンドだなという自負はあります。起きるハプニングの数もそれを乗り越えていくことも含めて。THE 2は俺にとって、ガッツリやる意味では最後になるバンドな気がするんです。バンド自体は今後もやると思うけど、年齢やいろんなことを考えると、多分THE 2が最後の本気バンドになると思う。
古舘・加藤:分かんないよ〜?
森:そういうのいいから! そういう意味では特別だし、楽しませてもらった感じはすごくあります。僕はあとから入ったし、2年間しかメンバーとしていなかったけど、めちゃくちゃ濃すぎたし、本当に面白バンドというか。事件が絶対起きるし、人はマジで変な奴らばっかりだし、他のバンドと比べる訳ではないけど、いろんなことが起こりすぎるバンドだったので、本当に楽しかった記憶がめちゃくちゃあります!
─いいですね。最後に3人の未来についても話を聞きたいけど、加藤くんは今後、自分の音楽人生はどう見据えていますか?
加藤:とりあえず音楽自体は続けようということは決めていて。そこに対してのエネルギーはめちゃくちゃあるので、自分のできること、ソングライターとして歌を歌ったりもしているから歌手としても、あらゆることに自分ができる全てをガンガンやっていこうかなと思っています。とにかくここからはひとりでの戦いになってくるので、自分の力でどのくらいまでいけるのか、個人競技としてのワクワクもあるので、ガンガンできることを動いていこうと思っていますね。
─それは、個人名義で曲を作ったりする可能性も?
加藤:それもやろうかなと思っています。とりあえずいろんな球を打っていこうかなと思ってます。病気になってからいろんなことを考えるようになっているし、もっといろんなことをトライしようと思っています。
─楽しみです。夏彦くんはサポートプレイヤーとして既に大きな現場を経験しているけど、これからの音楽人生についてはどうですか?
森:もちろんプレイヤーとしては頑張りつつ、自分の力でやれることもどんどん増やしていきたいです。バンドという屋台骨がなくなったいま、森夏彦としての表現というところの一つの土台がなくなってしまうので、そこの部分はおいおい考えていきたい。プラスで今やっている仕事や新たな仕事、今までやったことないことについても挑戦したいですし、プロデュースもやっていきたいです。プロデュースに関しては、誰かと共同でもいいですし、お酒が好きなので居酒屋の仕事とかもしてみたい、そういう枠でも呼んでもらえたらいいなと。
─お店を出したいとか?
森:もちろん出したいです。とはいえ、全く具体的なことは考えてないですけど音楽以外のことも考えてもいいのかなって思います。
─プロデュースも楽しみだな。
森:やってみたいことは結構あるので、これから進められることは進めていきたいですね。
─最後に古舘くん、バンドはやらないと言っていたけど、これからも音楽人生は続いていくわけで、その辺りはいかがですか?
古舘:俺は、Pちゃんやもっくんみたいに音楽をって感じがあんまりないんですよ。だからここで音楽に関して「絶対にやっていくから、見ていてください」とは言えない。唯一決まっていることは、海外に行ってみようと思っていて、東南アジアや南アジアをひとりで回るんです。だから、下手したら向こうで羊飼いになっているかもしれないし、帰ってきて南インドカレー屋さんになってるかもしれないし、帰ってこないかもしれない。
─それはいつから行くんですか?
古舘:3月1日から2カ月間。エアーだけ押さえてあとは何も決めていません。
─バックパッカー的な旅を計画していると。
古舘:そうです、そうです! だからYouTuberになる可能性だってある!
加藤:楽しみだな、帰って来たときが(笑)。
古舘:音楽に関してはやり切った感もあるし、まだまだやれるという感情もない。ただひとつ言えるのは、このままだと音楽が苦手なまま終わっちゃうんじゃないかなと。あれだけ好きだった音楽がいろいろと戦って負け続けて、悔しい思いが増えすぎて、苦手意識が混ざった状況で終わっちゃうのが残念だなって思う。だから、絶対音楽をやりませんということでもないし、逆にいうと絶対やりますってことでもないんです。
さっきPちゃんも言ってくれたけど、The SALOVERSを含める10何年足を止めず音楽をやってきて、側から見ると「大丈夫か?」と思われそうだけど足を止めるって唯一やったことがないことだから。音楽で自分を縛るんじゃなく、そこを解き放ってみたいと思うんです。いろんな可能性を持ちながら、一度立ち止まって見つめてみたいなと思います。
─そうか、じゃあ、3月1日からは日本にいないわけですね。
古舘:2カ月は日本にいません。
─その間に現地からインスタライブをしたりする予定は?
古舘:寂しくて、もしかしたらしちゃうかもしれない。それか3日で帰ってきて東京に隠れている可能性も......(笑)。まあ、それが俺っぽいですけどね。
加藤:俺はそうなると思ってる。2カ国目くらいで帰ってくるんじゃないかなと。だって佑太郎くんは潔癖だし!
古舘:そうだね。だから、どうなるのか分からなすぎて、何も言えない。確定したことをここで言うと、嘘になってしまうから。
─ただ唯一言えることは、バンドはもうしないと。
古舘:バンドだけはしないことは分かっています! それだけは間違いない!
─(笑)。ありがとうございます。お疲れさまでした!
全員:ありがとうございました!
取材:三宅正一
構成・文:笹谷淳介
撮影:(C)サマーエンドブルーリオ
RELEASE INFORMATION
THE 2「THE 2」
2024年2月22日(木)
Format:Digital
Label:NF Records / FRIENDSHIP.
Track:
1.蛙鳴蝉噪
2.恋のジャーナル
3.夏がしつこくインターフォンを鳴らしているが、僕はいないふりをしている
4.ミスサンシャイン
5.スプートニク
試聴はこちら
CD
¥2,000(税込)品番:THE-2
2024年2月2日(金)大阪umeda TRAD、2月22日(木)渋谷Spotify O-EAST
ワンマンライブ会場で限定販売
※通信販売未定
LIVE INFORMATION
THE 2 ワンマンライブ 2024「THE 2」
※生配信アーカイブは3月3日(日)までとなります
クラウドファンディング情報
解散する THE 2 のラストライブを無料生配信
バンド史唯一のライブ映像作品化プロジェクト
https://ubgoe.com/projects/682
募集期間:2024年2月1日(木)18:00~2024年3月3日(日)23:59
LINK
オフィシャルサイト@the2_band
@the2_band
@the2bandofficial