SENSA

2024.03.01

DIYを追求した手作りの音像が、この時代に新しい手触りを生む「Merchant」-Highlighter Vol.196-

DIYを追求した手作りの音像が、この時代に新しい手触りを生む「Merchant」-Highlighter Vol.196-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。Vol.196は、栗田将治(Glider、Hedigan's)によるソロ・プロジェクト・Merchantを取り上げる。
ギター、ベース、ドラム他、全ての楽器をマルチに演奏するひとり多重録音スタイルで作品を発表。ルーツを大切にしたDIYな音像ながら、日々に新しい風を吹かせてくれる楽曲は必聴だ。

Merchant(アー写).jpg

活動を始めたきっかけ
10代の頃からずっとバンドをやっています。ほぼ初めて組んだバンドの延長で長年ずっと続けているGliderというバンドと、最近新しく結成したHedigan'sというふたつです。Merchantは僕のソロですが、2022年頃になんとなくそのときの成り行きで、ひとりでもバンドでも成立するアコースティックな楽曲と名前があったらいいなと思ってはじめました。ひとりでシンガーソングライター的なソロ活動がやりたかったというわけではありません。

影響を受けたアーティスト
初めてのライブが中1の頃に親に連れて行ってもらったQueen+Paul Rodgers。爆音に感動してエレキギターをはじめました。Queenの『オペラ座の夜』にハマりましたが、当然中学生がQueenのようにきれいに弾いたり高い声で歌ったりできるわけもなく、道は遠いと思っていました。



そこからいろんなバンドを聴き漁っていった中で、Sex Pistolsなどのパンクロックや、The Beatles並びに60年代のブリティッシュビートバンドとかの音を聴いたとき、一気に道が拡がってバンドやりたい熱が加速した記憶があります。





それと、はじめてのギター購入とほぼ同じタイミングで、ふたつ上の兄(栗田祐輔)がMTRというBOSSのレコーダーをどっかから手に入れてきました。それで、うまく弾けないながらもなんとなく曲作って録音をしてみたら楽しくて、学校も適当になってずっと熱中してしまいました。

Merchantでは基本ひとりで、多重録音で制作していますが、多重録音のおもしろさを知ったのもその頃で、Emitt RhodesElliott Smithなどに影響を受けました。





いまだにMTR使ってるので、個人的にはそのときからあまり進歩ないというか、特にMerchantではずっとそのスタイルの地続きでやっている感じです。

注目してほしい、自分の関わった作品
Merchant「Dolphin Sane」。
Merchantのファースト・アルバムです。各種配信と、自主制作のCDも通販(けや木レコードBASE)で販売してますので、良かったらチェックしてください。



Glider「Dark Ⅱ Rhythm」。
2017年にリリースしたアルバムで、自主レーベル(けや木レコード)からのリリース1作目です。「スタジオディグ」という自分たちのホームスタジオで創意工夫しながらの制作、友だちのレコーディング・エンジニア伊藤広起が録音という、今も続いてるDIYでインディペンデントなスタイルになった最初の一歩って感じです。



Hedigan's「2000JPY」。
先日リリースされたHedigan'sの1st EP。昔からの友だちと組んだバンドです。ライブも観に来てほしいです。



THE STREET SLIDERSのトリビュート『On The Street Again -Tribute & Origin』から「愛の痛手が一晩中」。



松任谷由実50周年記念コラボベストアルバム『ユーミン乾杯!!』から「真珠のピアス YONCE cheers 松任谷由実」。



宇宙まお最新作『Far away from』3曲参加しています。その中から「Kitchen society」。



上記すべて同じく自分の拠点「スタジオディグ」にて、エンジニアは伊藤広起というチームで制作しました。是非聴いてください。

今後挑戦してみたいこと
今までやったことのないことでいうと、スタジオや宅録でもなく、山奥にあるようなバンガローとか森林の屋外RECなど、雨の音とか焚き火する音とか、遠くの車の音とか、自然の環境音も混ざる中でのアンビエントフォーク的な録音にも興味があります。いろんな環境音込みであえて多重録音をしてみたり、空間も響き方も全然違うところで録った音をコラージュ的にミックスしたり、友達と釣りとかBBQとかしながら作れたら楽しそうだなと思ってます。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
温泉が好きです。ひとりでもよく草津とか伊香保とかに行きます。自分にとって温泉はサイケフォークって感じで、温泉地自体がそもそも落ち着く雰囲気の場所だし、自分の作る音楽にもなにか通底する気分があるような気がしてます。サウナとか露天はなくてもよくて、共同浴場的な温泉に入るのが癒やしです。

草津温泉①.jpg草津温泉②.jpg草津温泉③.jpg

草津温泉

伊香保温泉街.jpg

伊香保温泉街



今注目しているカルチャー
日本各地の温泉地に行ってみたいです。出来ればMerchantとかバンドとかのツアーに便乗して、その合間に温泉巡りできたら最高です。

あとは最近バンドのツアー中にサービスエリアで、押すと鳴くブタのおもちゃをゲットしたのですが、それがおもしろくてステージでも活躍しています。ツアーの道中も飽きません。おもしろい音の出るおもちゃ(トイ楽器的な)をたくさん集めて、ライブでも録音でも使いたいです。

押すと鳴くブタのおもちゃ.jpg

RELEASE INFORMATION

Dolphin-Sane(ジャケ).jpg
Merchant『Dolphin Sane』
2024年2月28日(水)

試聴はこちら

Hedigan's『2000JPY』
2024年2月21日(水)

試聴はこちら

PROFILE

Merchant(アー写).jpg
Merchant
栗田将治(Glider、Hedigan's)によるソロ・プロジェクト。2023年から活動をスタート。自身が運営に携わっている埼玉県本庄市の音楽スタジオ「スタジオディグ」を拠点に、ギター、ベース、ドラム他、全ての楽器をマルチに演奏するひとり多重録音スタイルで作品を発表している。
2023年に1stシングル「マドロミノフチ」を配信リリース。
以降コンスタントに配信シングルを重ね、2024年2月28日に1st アルバム『Dolphin Sane』を配信&CDでリリースした。
YouTubeチャンネル「from Studio KiKi」2024年2月のマンスリーゲストとして3曲のスタジオ・ライブ映像が公開されている。

LINK
オフィシャルサイト
@glider_masaharu
@masaharu.kurita
@keyakirecords
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