SENSA

2023.09.21

ライブハウスツアーのグッズ制作のこだわりとは?「WANDER ABOUT 放浪 TOUR 2023」開催中のTHE ORAL CIGARETTES・あきらかにあきらが語る【前編】

ライブハウスツアーのグッズ制作のこだわりとは?「WANDER ABOUT 放浪 TOUR 2023」開催中のTHE ORAL CIGARETTES・あきらかにあきらが語る【前編】

9月21日の北見・ONION HOLLを皮切りにスタートするTHE ORAL CIGARETTESの「WANDER ABOUT 放浪 TOUR 2023」。「北海道編」に続いて10月には「九州・沖縄編」と続くこのツアーは、これまでなかなか訪れることのできなかった地方のライブハウスをくまなく周る、オーラルにとっては原点回帰ともいえる対バンツアーだ。そのツアーグッズも、北海道、九州・沖縄それぞれ限定のアイテムが組み込まれるなど、今回のツアーならではのラインナップ。デザイン全般をプロデュースしているのは、もちろんメンバーのあきらかにあきら(B/Cho)だ。前回のインタビューでは夏フェスシーズンを前に彼のグッズへのこだわりを語ってもらったが、今回は本ツアーのグッズにフォーカスを当ててインタビュー。まずは前編、ツアー全公演共通のグッズを中心にその制作過程を明かしてもらった。

ツアーで「飛ばされる」思いをしているファンのところに行ってあげたい

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─9月から「WANDER ABOUT 放浪 TOUR 2023」が「北海道編」と「九州・沖縄編」が始まっていきます。そもそもこのツアーはどういうものなのかを説明してもらえますか?


あきらかにあきら:今でこそ大きい会場でもできるようになってきましたけど、僕たちは「fromライブハウス」を謳っているバンドだというのもあるし、あとはやっぱり田舎出身っていうのが結構大きいんだと思います。(地元の)奈良県ってツアーで「飛ばされる」ことが結構あって、僕たちはそういうのを経験しているので、同じような思いをしているファンのところにも行ってあげたいなと。かといって47都道府県ツアーをするぞって言うほど体力にも自信がないので(笑)、ちょっとずつ行けたらなって。1回で全国周れなくても、長い目で見たときにいつの間にか「全国回ってたよね」ってなっていたらいいなって。それをコロナが明けたこのタイミングでやるっていうのが楽しそうじゃない?と思ってます。

─なるほど。


あきら:あと、僕らライブの機材が結構多くなってきて。それがライブをやる上での制約になっている部分もあったんです。だから無理やりにでも小さいライブハウスに行くことで機材をちょっと減らしてみようっていうのもあったりします。機材を少なくするのって結構ハードルが高いんですよ。だからそれにチャレンジしてみようと。それができれば、機材の問題でできなかった対バンができたりもするかもしれないってワクワクしているところです。

─バンドにとっても大きなチャレンジなんですね。そこに向けてのグッズ制作はいつ頃から始まっていったんですか?


あきら:いつからだろう? 結構バタバタしてた記憶があります。ツアーをやることが決まって、会場を押さえて、ツアーのメインビジュアルができて、という流れの中で、グッズのことも同時並行で始まっていきました。(山中)拓也(Vo/G)の頭の中にあるビジュアルのイメージを実際のイラストにするまでが結構大変な作業で、それが完成したのが5月なかばくらい。だから実際のデザイン作業は7月なかばくらいからで、本当に急ピッチでした。

その地域の人が一番喜ぶものを作りたい

─今回のグッズについてはどんなことを考えながら作っていきました?


あきら:今回は北海道と九州・沖縄に行くっていうのがコンセプトだったので、すごく作りやすかったです。メインビジュアルさえ決まってしまえば、そこからどう変えていくのかという感じでしたね。季節としては秋ですけど、今回のツアーは会場がライブハウスになるから、厚手のものよりはTシャツとかロンTのほうがいいのかなとか考えながら作っていきました。ライブハウスというのは結構意識していて、バンドっぽいアイテム、ライブハウスっぽいアイテムを結構増やしました。リストバンドとかも今までは作っていなかったんですけど、僕が最近ライブでリストバンドを着けたりもしているので、だったら自分たちのを作っちゃえばいいやって。

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─確かにラインナップを見ると、Tシャツにタオル、ラバーバンドというような、いわゆるライブグッズの定番アイテムがしっかり揃っている印象ですね。


あきら:今回ツアーで初めて行くところもあったりするから、そういう意味でもしっかり定番のものは持っていこうという意識はありましたね。ライブハウスって物販の場所が狭いところもあるので、たくさんのものを持っていきすぎても場所だけ取って大変だったりするんです。在庫管理がしやすいものとか、もし売れ残っても次の会場にそのまま車で運べるようなサイズ感のものを多めに作ったり......そういうことは心がけて作りました。

─今の話にあったとおり、今回のツアーは北海道や九州・沖縄という地方を細かく回るツアーになっていて。そういうツアーであるということはデザイン面ではどんなふうに落とし込んでいきました?


あきら:僕も奈良県出身で、よく地元でライブを観に行ったりしていたんですけど......奈良にライブに来るアーティストのTシャツに自分の地元の地名やライブハウスの名前が入っているっていうのが記念になるなというのは思っていて。ツアーのたびに、グッズには日程や会場のような限定感があって思い入れの出やすいデザインは入れたいと思っているんです。だからTシャツには日程とか会場を絶対入れたいとか、でもタオルにそれを全部書くとちょっとごちゃごちゃしちゃうな、とか。「WANDER ABOUT 放浪 TOUR ラバーバンド」も結構デザイン要素が多いんです。メインビジュアルやロゴは入れないとなので、裏側にツアースケジュールを入れています。買った人が裏を見返したら、2023年の9月にこのライブハウスでオーラルを観たなって思い出してもらえるようなものになったんじゃないかなと思います。


─確かに、自分の地元の名前が入っていたら、行った人にとっては記念になりますね。


あきら:やっぱりその地域の人が一番喜ぶものを作りたいっていうのはあったので。でも、地元の名前は恥ずかしいから入れなくていいよ、というお客さんもいるんですよね。そういう人にはこの「WANDER ABOUT 放浪 TOUR ロンT」を着てもらおうと思って、デザイン的に普段着で使えるようなものにしてみたり。バンドの規模が大きくなって、ファン層も広がってきている中で、ひとつのアイテムでみんなのニーズを叶えるのは無理なので、アイテムごとにそうやってペルソナを分けて作ったりしてます。昔はひとつのバンドロゴのTシャツ1枚でよかったんですけど、何年もやってきて、いろいろなパターンを作った方がみんなに喜んでもらえるのかなと思うようになってますね。

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─そこまで気を配っているのがすごい。願わくば両方買ってもらえたらそれはそれで嬉しいですしね。


あきら:そうですね。だから、ロンTとTシャツで一応重ね着もできますよ、みたいな。袖のところにプリントも入れたりして、重ね着しても中がただの黒いTシャツじゃなくてオーラルのロンTだよって分かるようにしたり。そういうことを細かくやっていますね。

─でも、ラバーバンドって裏面にもプリントできるんですね。知らなかった。


あきら:できるんですよ。文字とかをここまで細かく彫ってインクを入れることができるんだというのもわかってきたので、その中でバリエーションも作れるなと思っています。裏側にプリントできるというのは、他のバンドがやっているのを見て知ったんですけど。

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─グッズ制作の技術も進化しているから、やれることも増えていきますね。


あきら:あとは思いつきもしなかっただけで、言ってみたらできたっていうパターンもあったりするんです。

─他のアーティストやバンドのグッズもチェックして、そういう情報も得ているんですね。


あきら:そうですね。フェスの現場でどんなTシャツが一番着られているかとかも写真が出回っていたりするし、実際に会場に行けば分かったりするので、それを結構チェックしたりしていますね。

しっかりバンドロゴを入れたほうがそのグッズを持つ意味が生まれる

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─「グランジ目玉ロゴマフラータオル」と「目玉ロゴラバーバンド」は以前作ったグッズを復活させたものだそうですね。


あきら:はい、今まで作って人気があったもののリバイバルで、黒バージョンを作りました。黒っていう色も個人的にはライブハウスのイメージがあるので、それをちゃんと叶えられるものを作りたいとも思っていたので。すごく人気のあったグッズなのでここも改めてライブハウスに持っていけるのは嬉しいですね。

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─「目玉ロゴベロアポーチ」は写真だとわからなかったけど、手触りがいいですね。


あきら:ベロア生地で作りました。これは結構女性スタッフの意見を聞いて作ったんです。さっきも言ったようにオーラルのライブにもいろいろな方が来てくれるようになって、なかにはライブ慣れしていない人もいるのかなと思うんです。そういう人がグッズを見たときに、ちょっとイカついグッズばかりだと「いや、ラババンとかつけへんしな」って思っちゃったら残念だなって。そういう人も買いたいと思えるものがあると、ライブに参加したっていう気持ちになってもらえるんじゃないかなと思うんです。バンドのグッズとしてはちょっと風変わりなものかもしれないですけど、リストアップするときにはそういうものも入れるようにしているんですよね。

─お客さんの層が広がってきたからこそ、作るグッズも変わってきている。


あきら:親子で来てくれる人も結構いるので、お母さんが「これいいわね」ってなってくれたら嬉しい(笑)。

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─金色でプリントされたロゴもかわいいですね。


あきら:これ、アイテムとしてみたら、違うフォントで「THE ORAL CIGARETTES」って入れるほうがものとしてはありそうな感じになるんですよね。僕も前だったら思いつきでフォントを変えて作ったりしていたと思うんですけど、周りの意見を聞いたりする中で、ちゃんとロゴは入っていたほうがいいとか、THE ORAL CIGARETTESのグッズのイメージからずれないものにしようという意識になりました。自分たちはバンド名に慣れてるので、正直「バンド名入れんでもいいやん」ってなりがちなんですけど、お客さんからしたらバンド名が入っているものが欲しいし、しっかりロゴを入れたほうがそのグッズを持つ意味が生まれる。そういうことに何年かおきに気づくというのを繰り返してますね。

─ロゴでいうと、「目玉リールキーホルダー」もかわいいですね。


あきら:これについては前回のインタビューでも話したと思うんですけど、僕が今バイクに乗っていて、駐車場の入り口のキーをバイクに乗ったままピッてできるように、こういうのを使っていたんですよ。それをグッズで作れたらいいなと思っていて、本当に作りました(笑)。

─目玉ロゴが立体になっていて、作りが凝っていますよね。


あきら:これを作るために、いろいろなサンプルを調べてもらったんですよ。プラスチックの本体に小さな丸いシールが貼ってあって、そこにプリントできますよっていうものとか。でも調べるうちにこういう仕様で作れるかもしれないというのがわかって。だったら、せっかく作るならこれぐらい振り切ったほうがいいんじゃないかと思って。

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─これ、めちゃくちゃ便利ですよね。


あきら:僕も自分で使います(笑)。Suicaとか家の鍵とか、何かと使えると思うので、日頃「これが伸びたら便利なのにな」って思ってるものをつけてもらえたらと思います。でもここまでグッズっぽいものが作れるとは思っていなかったので嬉しいです。細かいですけど、裏面のバンドロゴも細く表現できた。こういうことができますよってグッズチームから教えてもらったときは、めっちゃテンション上がりましたね。

─グッズチームスタッフからのアイディアが実際のアイテムに繋がったんですね。


あきら:そうですね。グッズチームも業者さんからいろいろと教えてもらっているみたいで、「こういうのもできるみたいです」っていうのを伝えてくれるんです。「だったらそれを作りたい」とか「これはちょっとさすがにオーラルっぽくないからやめておこう」とか。これも最初はかわいすぎるかなと思ったんですけど、このデザインなら成り立っているのでいいんじゃないかなと思います。これがキャラクターとかメンバーの顔がかわいい感じになってたら、それは違うかなって思うんですけど、これに関してはいいものができたなっていう満足度は相当高いですね。

取材・文:小川智宏
撮影:Taka"nekoze photo

LIVE INFORMATION
THE ORAL CIGARETTES presents "WANDER ABOUT 放浪 TOUR 2023 北海道 編"
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9月21日(木) 【北見】 ONION HOLL OPEN 18:30 / START 19:00
FRONT ACT:SATOH
9月22日(金) 【帯広】 MEGA STONE OPEN 18:30 / START 19:00
FRONT ACT:SATOH
9月24日(日) 【旭川】 CASINO DRIVE OPEN 17:30 / START 18:00
FRONT ACT:SATOH
9月26日(火) 【札幌】 PENNY LANE 24 OPEN 18:30 / START 19:00
FRONT ACT:the McFaddin
9月28日(木) 【小樽】 GOLD STONE OPEN 18:30 / START 19:00
FRONT ACT:the McFaddin
9月30日(土) 【函館】 CLUB COCOA OPEN 17:30 / START 18:00
FRONT ACT:the McFaddin

*全公演SOLD OUT!!


THE ORAL CIGARETTES presents "WANDER ABOUT 放浪 TOUR 2023 九州・沖縄 編"
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10月11日(水) 【福岡】 LIVE HOUSE Queblick OPEN 18:30 / START 19:00
FRONT ACT:鋭児 *SOLD OUT!!
10月13日(金) 【佐賀】 LIVE HOUSE GEILS OPEN 18:30 / START 19:00
FRONT ACT:鋭児 *SOLD OUT!!
10月14日(土) 【長崎】 DRUM Be-7 OPEN 17:30 / START 18:00
FRONT ACT:鋭児 *SOLD OUT!!
10月16日(月) 【福岡】 Zepp Fukuoka OPEN 17:30 / START 18:30
FRONT ACT:鋭児
10月19日(木) 【大分】 DRUM Be-0 OPEN 18:30 / START 19:00
FRONT ACT:AFJB *SOLD OUT!!
10月20日(金) 【宮崎】 LAZARUS OPEN 18:30 / START 19:00
FRONT ACT:AFJB *SOLD OUT!!
10月25日(水) 【熊本】 熊本 B.9 V1 OPEN 18:30 / START 19:00
FRONT ACT:AFJB
10月26日(木) 【鹿児島】 CAPARVO HALL OPEN 18:30 / START 19:00
FRONT ACT:AFJB
10月29日(日) 【沖縄】 桜坂セントラル OPEN 17:30 / START 18:00
FRONT ACT:Hello Sleepwalkers *SOLD OUT!!

チケット:
オールスタンディング ¥4,800(税込)
<Zepp Fukuokaのみ>
2F立ち見 ¥4,800(税込)
2F指定席 ¥6,300(税込)

チケット一般発売中!
https://eplus.jp/tocko-ip/


LINK
オフィシャルサイト
オフィシャルグッズ
@oral_official
@the_oral_cigarettes_official
@THEORALCIGARETTES

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