Wez Atlas×Yoshi T. サードカルチャーキッズの二人が繋ぐ「東京とNYC」、そして彼らが築く新世代ヒップホップ
INTERVIEW
2023.08.04
バンドにとって重要な「グッズ制作」の過程とは?あきらかにあきら(THE ORAL CIGARETTES)が、その内側を明かす
バンドによってグッズの作り方はさまざま。THE ORAL CIGARETTESの場合、デビュー以来ずっとベースのあきらかにあきらがグッズのデザインを手がけている。Tシャツやパーカー、タオルにラバーバンドといった定番アイテムはもちろん、そのときどきのバンドのテーマやメンバーそれぞれの作りたいものを落とし込んで作られていくオーラルのグッズはそれ自体がひとつのブランドと言ってもいいほどにバリエーションが豊富でクオリティも高い。これからの夏フェスシーズンに各会場で販売される夏フェスグッズのラインナップの中にも、普段使いできそうなアイテムがたくさんある。あきらはどんな思いを込めてグッズを作り続けているのか。あまり語られることのない、グッズプロデューサーとしての考えを語ってもらった。

あきらかにあきら:僕らが本格的にグッズを作り始めたのは事務所に入ってからなんですけど......うちのバンドの場合、結構(山中)拓也(Vo/G)がめちゃくちゃ大変なバンドなんですよ。バンマス的な立ち位置で、とにかく全部やりたがる人だから、デビューするタイミングで彼がパンクしちゃって、「グッズ、誰かやってくれへん?」みたいな話になって。それで僕も興味あったから「じゃあやってみようかな」っていう流れで、今まで来てる感じですね。
あきら:だから、昔からやってるって言ってもいまだにメンバーに意見も聞くこともありますし、リリースやツアーと絡めたグッズっていうのは基本的には拓也のイメージをデザインに落とし込むっていう作業でもあるんです。逆に今回のような夏フェスグッズとかは結構自由にできる部分があって、今お客さんが求めてるものってなんやろうなとか、今僕らが提示したいテーマってなんやろうなっていうのを落とし込んで作っています。
あきら:本当に最初の最初は、拓也が曲を作っているように僕もデザインをしようと思って、Illustratorをいじってちまちまやってたんです。でもやっていくうちにやっぱり自分の限界に気づいて。餅は餅屋じゃないですけど、デザイナーさんやイラストレーターさんと知り合うことも増えたので、その人と一緒に何かを作ろうっていう意識に変わってきましたね。やっぱり自分の本業は音楽やし、プロがやったら10分でできることを自分で1時間調べてやってって、「何やこの時間」って思って。しかもイメージはあるけどできないことも多くて、できあがったものもやっぱりダサいんですよ。バンドの方向性も定まっていなかったから、ロゴを思いっきり主張してみたり、いろんな色を出してみたり、変なキャラとか登場させてみたり(笑)。そうやって失敗を重ねて「これは違ったんだな」って学んで方向性を固めていくっていう。だから過去のグッズとか見てたらめっちゃおもろいっすよね、ブレブレで。他のバンドでも思うことありますからね、「今ちょっと迷ってるんだな」とか(笑)。
あきら:僕らみたいなバンドは、フェスシーンでそれを着てくれる人が広告塔になってくれるというか、お客さんがタオルを掲げていることでそのバンドがより広がっていくっていうことがあるので、それを結構意識したグッズをめっちゃ作ってましたね。
あきら:あれは本当にいい発見だったと思います。あれを発明できたのは、うちのバンドのグッズが広まっていったいちばん大きいきっかけだったのかなと思ってますね。あの「BKW!!」っていうワードが背番号風になって、みんなが背負ってくれて。「あれなんや?」ってなるので。
あきら:してました。自分で買うのは目立つものが好きでしたね。僕「京都大作戦」に毎年行っていたんですけど、やっぱり10-FEETのロゴが入ったでっかいバスタオルとか「京都大作戦」のTシャツとか、「このイベント行ったんやで」とか「このバンド応援してるんだぞ」っていうのを自慢できるようなアイテム。ワンポイントとかじゃなくドーンって書いてるザ・バンTみたいなのをめっちゃ好んで買ってましたね。
あきら:そうですね。最近は重ね着とか過去のグッズとの組み合わせをできるようなものをよく作っていて。昔買ってくれたロンTの上に着やすいような空白のあるデザインにしようとか。もともとは名前を広げたいっていうのもあったから、ロゴをバーンって大きくしてたけど、それをどこまで小さくして主張できるかっていうのにはチャレンジしていますね。でもグッズとロゴとかバンドの印象っていうのは結構リンクする部分があるので、そこには責任を持って、崩すにしても崩しすぎないものとかは意識してますね。
あきら:まさにそうですね。

あきら:作りましたね。あれはやっぱりコロナ禍でおうち時間にフォーカスして、ライブ会場以外でも日常に溶け込むものっていうのを作ろうと思って。コロナじゃなかったら作ってないと思います。
あきら:どっちもあるんですよね。ディズニーランドの耳付きのカチューシャのポジションでもいたいけど、だからといって家に帰って使わないというのももったいないじゃないですか。だったらさらに価値をつけられるもの、普段使いできるものをっていう。そのいい塩梅を探りたいとは思ってますけど、なかなか難しいですからね。

あきら:ああいうものはグッズの中でも結構コアファンに向けたアイテムではあるので。言ったら僕らの私服っぽいものを作ってるんです。「拓也、そのアウターいいやん。そういう雰囲気のグッズを作ってみいひん?」みたいな、そういう会話から始まってるので。より僕ら個人のファッションへの憧れ、たとえば大学生の子とかが「拓也っぽくなりたい」って思ったときにその欲求を満たすっていうものも定期的に作るように心がけていますね。
あきら:そうです。よくある形ではあるんですけど、僕最近ライブでずっと帽子をかぶっているので、これをグッズにしたらみんな喜ぶんちゃうかっていう。そういうアーティスト本人とのリンク性っていうのもすごく大事にしています。

今お客さんが求めてるもの、今僕らが提示したいテーマを落とし込んで作っている
─あきらさんはずっとオーラルのグッズ制作を手掛けてきていますけど、そもそもはどういうきっかけでやり始めたんですか?
あきらかにあきら:僕らが本格的にグッズを作り始めたのは事務所に入ってからなんですけど......うちのバンドの場合、結構(山中)拓也(Vo/G)がめちゃくちゃ大変なバンドなんですよ。バンマス的な立ち位置で、とにかく全部やりたがる人だから、デビューするタイミングで彼がパンクしちゃって、「グッズ、誰かやってくれへん?」みたいな話になって。それで僕も興味あったから「じゃあやってみようかな」っていう流れで、今まで来てる感じですね。
─なるほど。
あきら:だから、昔からやってるって言ってもいまだにメンバーに意見も聞くこともありますし、リリースやツアーと絡めたグッズっていうのは基本的には拓也のイメージをデザインに落とし込むっていう作業でもあるんです。逆に今回のような夏フェスグッズとかは結構自由にできる部分があって、今お客さんが求めてるものってなんやろうなとか、今僕らが提示したいテーマってなんやろうなっていうのを落とし込んで作っています。
─最初の頃と今とでグッズ作りに対する考え方は変わりました?
あきら:本当に最初の最初は、拓也が曲を作っているように僕もデザインをしようと思って、Illustratorをいじってちまちまやってたんです。でもやっていくうちにやっぱり自分の限界に気づいて。餅は餅屋じゃないですけど、デザイナーさんやイラストレーターさんと知り合うことも増えたので、その人と一緒に何かを作ろうっていう意識に変わってきましたね。やっぱり自分の本業は音楽やし、プロがやったら10分でできることを自分で1時間調べてやってって、「何やこの時間」って思って。しかもイメージはあるけどできないことも多くて、できあがったものもやっぱりダサいんですよ。バンドの方向性も定まっていなかったから、ロゴを思いっきり主張してみたり、いろんな色を出してみたり、変なキャラとか登場させてみたり(笑)。そうやって失敗を重ねて「これは違ったんだな」って学んで方向性を固めていくっていう。だから過去のグッズとか見てたらめっちゃおもろいっすよね、ブレブレで。他のバンドでも思うことありますからね、「今ちょっと迷ってるんだな」とか(笑)。
─当時はグッズをどういうものとして捉えていました?
あきら:僕らみたいなバンドは、フェスシーンでそれを着てくれる人が広告塔になってくれるというか、お客さんがタオルを掲げていることでそのバンドがより広がっていくっていうことがあるので、それを結構意識したグッズをめっちゃ作ってましたね。
─フェスに行くと背中に「BKW!!」って書かれたTシャツを着ている人がたくさんいて、あれは目立っていましたよね。
あきら:あれは本当にいい発見だったと思います。あれを発明できたのは、うちのバンドのグッズが広まっていったいちばん大きいきっかけだったのかなと思ってますね。あの「BKW!!」っていうワードが背番号風になって、みんなが背負ってくれて。「あれなんや?」ってなるので。
─あきらさん自身もライブを観に行ってグッズを買ったりしていたんですか?
あきら:してました。自分で買うのは目立つものが好きでしたね。僕「京都大作戦」に毎年行っていたんですけど、やっぱり10-FEETのロゴが入ったでっかいバスタオルとか「京都大作戦」のTシャツとか、「このイベント行ったんやで」とか「このバンド応援してるんだぞ」っていうのを自慢できるようなアイテム。ワンポイントとかじゃなくドーンって書いてるザ・バンTみたいなのをめっちゃ好んで買ってましたね。
─でも最近のオーラルのグッズは、そうじゃないのも多いじゃないですか。あんまりバンド名を主張しすぎないというか。
あきら:そうですね。最近は重ね着とか過去のグッズとの組み合わせをできるようなものをよく作っていて。昔買ってくれたロンTの上に着やすいような空白のあるデザインにしようとか。もともとは名前を広げたいっていうのもあったから、ロゴをバーンって大きくしてたけど、それをどこまで小さくして主張できるかっていうのにはチャレンジしていますね。でもグッズとロゴとかバンドの印象っていうのは結構リンクする部分があるので、そこには責任を持って、崩すにしても崩しすぎないものとかは意識してますね。
─グッズ作りというのは単にモノだけを作っているわけじゃなくて、バンドの見え方にも影響するということですね。
あきら:まさにそうですね。

ディズニーランドのカチューシャでいたいけど、家に帰って使わないのももったいない
─オーラルはこれまでも結構おもしろいものを作ってきているじゃないですか。Tシャツ、タオル、ラバーバンドみたいな定番だけじゃなくて、以前パジャマとかも作っていましたよね。
あきら:作りましたね。あれはやっぱりコロナ禍でおうち時間にフォーカスして、ライブ会場以外でも日常に溶け込むものっていうのを作ろうと思って。コロナじゃなかったら作ってないと思います。
─そういう「生活に馴染む」みたいなことって作る上で考えたりしますか?
あきら:どっちもあるんですよね。ディズニーランドの耳付きのカチューシャのポジションでもいたいけど、だからといって家に帰って使わないというのももったいないじゃないですか。だったらさらに価値をつけられるもの、普段使いできるものをっていう。そのいい塩梅を探りたいとは思ってますけど、なかなか難しいですからね。

─アイテムによっても役割が違いますしね。たとえば最近でいうとスタジャンとかアノラックとか、アウター類も作っているじゃないですか。ああいうものはライブハウスの中で着るというよりは日常使いのアイテムだと思うし。
あきら:ああいうものはグッズの中でも結構コアファンに向けたアイテムではあるので。言ったら僕らの私服っぽいものを作ってるんです。「拓也、そのアウターいいやん。そういう雰囲気のグッズを作ってみいひん?」みたいな、そういう会話から始まってるので。より僕ら個人のファッションへの憧れ、たとえば大学生の子とかが「拓也っぽくなりたい」って思ったときにその欲求を満たすっていうものも定期的に作るように心がけていますね。
─今回の夏フェスグッズでいうと、このキャップはあきらさんの持っているものを元に作ったそうですね。
あきら:そうです。よくある形ではあるんですけど、僕最近ライブでずっと帽子をかぶっているので、これをグッズにしたらみんな喜ぶんちゃうかっていう。そういうアーティスト本人とのリンク性っていうのもすごく大事にしています。














