2023.07.25
音楽、グルメ、酒、遊び、そして好アクセス!『ONE PARK FESTIVAL 2023』について、社長(SOIL&"PIMP"SESSIONS)が語り尽くす
気持ち良いグルーヴのバンドとDJカルチャーが繋がった、トータルのダンスミュージックカルチャーが軸
─そもそも『ONE PARK FESTIVAL』(以下OPF)を福井でやろう、フェスを作ろう!となったきっかけ、エピソードゼロの話をしてもらえますか?
社長:僕が福井県出身で、元々、福井駅前にあった響のホールで、SOIL(SOIL&"PIMP"SESSIONS)と若手バンドとDJの組み合わせの『Crossover Jazz Session』というイベントを友達がオーガナイズしてくれて、何年も続けておりまして、そこにyahyelやWONKが出演してくれたわけですよね。DJではLicaちゃん(Licaxxx)が来てくれたり、須永さん(須永辰緒)が来てくれたり。そういうのを続けていた中で、ちょっとフェスっぽいこととか、少し規模を大きくしたいよね、なんていう立ち話を『Crossover Jazz Session』のオーガナイザーであるKeitaloveとしていたんですね。それと同じ時期に、福井市中央公園が、元々は鬱蒼とした森とか噴水とかあるような古い仕立ての公園だったのが、綺麗なフラットな芝生広場の公園になったんです。それを見た、福井に外国人アーティストを招聘するようなDJイベントをオーガナイズしてきた勝田達と地元のDJの仲間たちが「ここで何かやりたいなー」と。「ここでJAMIROQUAI聴きたいですねー」「山下達郎聴きたいですねー」みたいなことを言っていたそうなんです。そんな中で、『Crossover Jazz Session』のステージで、「ちょっと言っちゃおうかな...!」と思って。
─まだ決まっていないのに!(笑)。
社長:まだ決まっていないけど「このイベントをフェスにします」と、誰の了承も取らずに言っちゃった(笑)。「屋外イベントとして更に大きくします!」みたいなことを言っちゃったんですよ(笑)。そこから、その『Crossover Jazz Session』をやっていたKeitaloveと、勝田達の3人で「やりますか」という感じになって始まったのが、OPFなんですよね。そこから、ずっと地元で音楽を作ってきた先輩DJたちとか、仲間たちが参画してくれて。地元のDJたちが力を合わせてその特性を生かしながら、このOPFというものをオーガナイズしているんです。
─福井の老舗クラブ「Casa」のオーナーが関わっていたり。
社長:さらに、そもそも福井にクラブというカルチャーを最初に作った、まさに1軒目のクラブを作ったHideさんが動いてくれて。
─福井に様々な人材がいたからこそ、OPFは走り出したし、人の繋がりが作り上げたという点で言えば、『Crossover Jazz Session』に出演されていた方々をこうやって(OPFに)呼べているというところも胸熱ポイントですよね。
社長:そうですね。
─そこはきっと社長のこだわりがあっただろうから。
社長:やっぱりDJたちがオーガナイズしているというのもあって、"ダンスミュージック"というのはキーワードとしてとっても大切にしてます。ただダンスミュージックというのは、いわゆる現代の打ち込みだけのものではなく、そのルーツにはDiscoやFunkといったブラックミュージックがあって、その同じルーツを持つ、思わず踊りたくなるようなグループを奏でるバンドっていっぱいいるじゃない。そういう気持ち良いグルーヴのバンドとDJカルチャーがちゃんと繋がった、トータルのダンスミュージックカルチャーが軸になってるのかな。それに加えて、タイムテーブルも、DJが前後の関連性を考えて曲をセレクトするような感じで組んでいるんですよ。
─ステージがふたつあるけど、どちらも被らないから、その日の出演アーティストは全部観ることができることも、来るファンからするとやっぱり嬉しいポイントだし。
社長:そうなんですよね。
─ブッキングとタイムテーブルにも、ダンスミュージックのカルチャーが反映されているってことですよね。
社長:そうなんですよ。ダンスミュージックって人によっても解釈が違うんだけども、歴史をひも解いていくとたとえば、UKのポストロックバンドの曲がニューヨークのハウスクラブでプレイされていたりとか、必ずしもジャンルで分けきれないんだよね。ローリング・ストーンズの曲もスタジオ54とかでプレイされてたり。ある種、垣根がない。あるのはグルーヴとリズムなんだよね。そういうところは無意識のうちにみんな意識をしてる。明文化されてないけれども、それが大切にされてるな、という感じがすごくある。
─まさに初年度のトリを務めてくれたウルフルズも、日本のお茶の間シーンのポップアーティスト、という印象の方が強い方が多いかもしれないけど、実は...!
社長:そうなんです。ブラックミュージック、R&B、ブルース...トータス(松本)さん含めウルフルズの音楽性の根っこはそっちだからね。
─忘れられないのがOPFの初年度に、(ウルフルズが)SOILとのセッションで1曲即興でやったじゃないですか。しかもリハーサルなしで。あれは多分、ウルフルズのワンマンライブに行っても観られない、そんな内容だったと思うから。
社長:そうですね。
─これはSOILの社長が音楽顧問を務めている、というすごく意味のあるステージだったと思う。
社長:そうですね、あと、(そのときにやった)「Hard to handle」という曲を(SOILの)タブゾンビが「トータスさんとやりたい」ってずっと言ってて。やっぱりクラシックだし、ソウルミュージックだし。本当にリハもできなかったけれども、ばっちりだったよね。
─ばっちりすぎました!しかもトータスさん、カニ被ってましたね(笑)。福井は越前ガニの産地ということで、越前ガニの被りモノを、スーツ姿のトータスさんがこれまたばっちり着こなしてくれましたよね。
社長:ただただ、格好良かった。
─という具合に、毎年トリに出演者のコラボレーションが待ってるのではないかと、暗黙のお決まりを期待しています。
社長: そうね。今年は残念ながら、SOIL&"PIMP"SESSIONSとしては、出演辞退させていただきつつも、僕がバンマスになってスペシャルバンドを組んで、最後、クロージングはお届けする予定です。
─それって、ひとりひとり、OPFに出演されてるみなさんの個の実力あってこそですよね。
社長:そうなんだよね。特に初年度は、直接電話でできるような関係性の仲間にオファーをしていて。そういう仲間って、ただ楽曲を演奏するだけじゃなく、その場の空気に合わせて、的確なプレイができる、スキルというかセンスがあるやつが多いなという。信頼できるプレイヤーがたくさんいるなあというのは改めて感じたね。
福井駅に着きます。改札を出ます。マジで徒歩5分でメインゲートです
─SOILとしてはいろいろなフェスに出てるじゃないですか、海外のフェスも出てるし、野外フェスや都市型フェスも出てるし。それらとOPFの大きな違いって何でしょう?
社長:なんだろうな。分類すると都市型なんだけど、都市型というか街の中のフェスなんだけど、でも街の規模自体はそんなに大きくないから空の抜けの広さとかは都市型ではない、野外フェス感もあったりとか。でも、交通の便の良さっていうのはすごく売りにしておりまして。福井県は石川県の左隣にある県、と考えるか京都の北にある県、と考えるか。その辺りなので、たとえば東京から行くのであれば、北陸新幹線だったら金沢まで行って特急に乗り換えて50分、もしくは東海道新幹線だったらひかりに乗って、名古屋も通過して米原まで行って、そこから特急に乗り換えて50分。どちらにしても、3時間半ぐらいで東京からは着くし。
─近いんですよね。
社長:そうです。更に、福井駅に着きます。改札を出ます。マジで徒歩5分でうちのメインゲートです。
─(笑)。
社長:信号でちょっと誤差はあるけれども。駅前に恐竜が3体いてね、それを横目に見ながら、福井城跡をめざしていただいて。本当にGoogleアプリで確認したからね。5分!本当に5分!だから多分、改札出た時点で音が聴こえてくると思うんだよね。
─しかも今年は、今までのレイアウトと違っていて。入口が新しい場所に設置されるんだけど、そこも非日常に誘われるようなスタート地点になるんですよね。
社長:福井城の跡地って、石垣の中に福井県庁と福井県警がふたつ建っているのね。
─結構、ものものしい...。
社長:ものものしいんだけど、(OPFでは)その前がフリーエリアになってるの。フードエリアやマーケットが、県庁の目の前の広場に広がっておりまして、そこでも音が鳴っていて。その県庁と県警の間にメインゲートがあり、そこを抜けて奥にずっと入っていって、福井城の名残を見ながら、お堀を渡って会場に入るんです。
─なかなかのテーマパーク感ですね!だから日本の中で最も安全な場所でやってるフェスでもあるんですよね。県警と県庁に守られているという。
社長:なかなかだよね。しかも元々福井城の天守閣があった一角はそのまま跡地として残ってるんだけど、そこにはサウナ(を作った)。天守閣跡にサウナ!
─県の人(職員さん)、心広過ぎじゃないですか?
社長:そうだよね。そこに福の井があるんですよ。それがあるから福井っていう、福井の語源となった井戸がある。井戸と言えば、水、水といえば、水風呂。水風呂と言えば、サウナ!ということで、そういうのも繋がってるわけで。
─だから、このOPFというのは、単純な音楽フェスティバルではないという。
社長:そうですね、悪ふざけが過ぎるフェスってことかも?(笑)。
─(笑)お堀でカヌーもできちゃうんですよね。
社長:そうなんですよ、これ意外とやってみたら好評だったので。あとフリーゾーンに飲食ブースと古着のマーケットもあります。
─古着のマーケットは、元々北陸最大級の古着のイベント「スリフト」というのがあって、そこが今回OPFに関わってくださるということで、35店舗以上の古着店が集結して、古着ストリートみたいなのができるんですよね。
社長:そうそうそう。僕、古着大好きなんですよね。すごい楽しみだね。行く時間あるかわからないけどね(笑)。
─また、OPFは子どもたちも楽しめるフェスですよね!
社長:そうなんですよ。キッズエリアに関して毎年思うのは、自分の世代、同級生も子ども多いけど、連れて行けるところなかなかないからさ。やっぱりここは充実させたい。結果的にというか、半分狙いつつなんだけど、メインステージの正面後ろ側に、PAさんが音を整えてるテントがあって、そのすぐ後ろ側にキッズエリアを作るから、親は子どもを遊ばせながらライヴを観れるっていう。
─目の届く範囲っていう規模だからこそ実現しましたよね。通常は福井中央公園って、普通に公園として機能している場所だからこその距離感というかサイズ感だからこそできること。あと、子どもがDJ体験できる場所もありますよね。
社長:あれはね、キッズエリアを制作するプロのみなさんがいらっしゃって、その人たちが持ってる木のジャングルジムみたいなのがあって、その中に音が出るDJブースを模したおもちゃが置いてある。
─あとはトランポリンもあったり。まさに社長がおっしゃったように、子どもは遊ぶために来ることができるし、大人は音楽を楽しむために来ることができる。あと、食も充実しているんですよね。
社長:そうなんですよね。食はやっぱりこのフェスを立ち上げるにあたって、とっても大切にしていたことで。出演するアーティストからしても、飯が美味かったフェスって、とっても印象に残るわけですよ。福井は食材が素晴らしいから。海鮮、お米も美味しいところがたくさんあるし。あと日本酒!その辺をちゃんと楽しんでもらえるようなバックステージのケータリングを作りたいな、と。それと同時に、来ていただいた方にもフェス飯のもう1個上のレイヤーを楽しんでもらえたらいいなっていうのは、最初の立ち上げの段階からとても大切にしていたたんだよね。お蕎麦とかね!
─おろしそば美味しいですよね!辛みのあるおろしをてんこ盛りにのっけて。
社長:普通のそばよりもちょっとポーションが小さいんだよ。これね、先に言っとかないと、量少ないっていう文句があるかもしれないから。
─(笑)がっかりしちゃったりして。
社長:福井の人は男性であればふたつ頼むんだよね。それでなんとなく普通のそばの大盛ぐらいな感じなんだけど。そういう小さいお皿でかき込むみたいなカルチャーが元々あったので、ちょっと量が少なめのポーションのおろしそばを準備してます。それに日本酒も、福井には30ちょい位の蔵があるんだけど、そこのお酒がメインバーに全部ご用意されています。
─こんなにたくさんトップクラスの酒蔵さんたちが参画しているフェスは、やっぱりないと思うんですね。もちろんソフトドリンクもあるし、駅近だからタクシー代もかからないし。んー...OPFだから必要なものって何かありますか?
社長:必要なもの?いやあ、楽しもうと思う、やる気だけじゃないんじゃないかな。
ストリートのDJたちが力を合わせたお祭りを、自治体が応援してくれる体制が作れてる
─今年は真夏開催なのと、日陰があまりないので熱中症対策はして来て欲しいですよね。
社長:それはもちろん。できる限りテントを立てて、日陰のエリアは作るんだけれども、メインステージの前とか日向だから、熱中症対策はやっていただきたい。ですが、今年はなんと、屋内ステージがひとつできました。これがですね、普段は一般の人たちは立ち入ることができない、福井県庁の地下ホールを使わせてもらうことになって。そこは知事が定期的に訓示っていうんですか、職員さんにステートメントを発表するみたいな、そういうオフィシャルなことに使うための地下ホールなんですけど、そこに今回ミラーボールを吊るさせていただきまして、DJブースを入れます。
─やっぱり、福井県のバックアップがすごいですね。
社長:そうですね。すごく応援してくれてます。でもね、ちゃんとお伝えしておきたいのは、決してこれは自治体主導でやってることじゃなくて、僕らストリートのDJたちが力を合わせてやったお祭りを、しっかりと自治体が応援してくれる体制が作れてるということ。一緒になって、この町、この場所、この日を盛り上げよう、というスタンスなので、県や市がただお金を出してやってるものとは志が違う、根っこに音楽への深いリスペクトがあるということはお伝えしておきたいですね。
─いちばん最初に"街をひとつのテーマパークに"というテーマがあって『ONE PARK』と名付けた、という経緯もあるし。その"ONE PARKにしたい"っていう想いに賛同してくれる人たちがいっぱいいた、という結果ですよね。
社長:会場も市の公園だから、市もバックアップしてくれるし、そういうコンテンツがあることで経済効果が生まれたことによって、県もサポートしてくれてる。お金のサポートではなくて、僕たちがちゃんとやりたいことをやれるように支えてくれてる、そういう良い関係が自治体と作れたなっていうのはありますね。
─フェスに行くときに、誰と一緒に行くか、あと自分が何歳なのかによって楽しみ方が違うと思うんです。たとえば友達と行く、恋人と行くのだったら、フェス以外にもフリーエリアでの買い物とか、街をちょっと観光したいとか、そういう遊び方もできると思うし。子連れだったらキッズエリアでも遊びつつ、無理して1日いなくてもいいっていう判断もできるじゃないですか。どんな客層にどんなふうに楽しんで欲しいとかありますか?
社長:まさにいろんな楽しみ方ができると思いますよ。コアな音楽ファン、ずっと音楽を聴いていたい人はずっと会場内にいることもできるし。エリア内を回遊していただきながら楽しんでもらうのもいいんだけれども、観たいアーティストと観たいアーティストの間に街を散策していただくこともできます。美味しいご飯屋さんが並んでる飲食街みたいなところも、徒歩圏内にあるし。近くにホテルもあるので、1回帰って休むも良し。
─それは他のフェスではなかなかできないですよね。
社長:フェス飯も食べて欲しいけど、町のご飯も食べて欲しい!なので、音が鳴っているのは福井市中央公園だけれども、気持ちとしてはもう徒歩圏全部OPFだと思って楽しんでいただけたらと思います。
─タブさん、恐竜博物館行ってましたよね?
社長:行ってた。ちょっと遠いけど。でも、車借りて朝から行ってたね。
─滞在を延ばせる方がいるんだったらこれを機に前後何日か、北陸旅の一部にOPFを置いてもいいと思います。
社長:そうだね。やっぱり福井ってなかなか目的地になりづらいっていうのはありますし、そのひとつの目的としてOPFを選んでいただければ。これがきっかけで福井に行こうと思ってもらえたらいちばん嬉しいです。
─OPFの後、立ち寄って欲しい福井のクラブとかありますか?
社長:ハウス系であれば「Casa」。ここは内装もすごくスタイリッシュで、OPF絡みのイベントもやっているようなハコです。ジャズ、ソウル、ファンクとかアナログで、7 inchでプレイするハコであれば「Propeller」。東京とか海外のジャズ系のDJのレジェンドもプレイしてる、すごく歴史のある良いハコです。で、「Creme」は、ヒップホップとかレゲエに強い。この3つが福井の夜を盛り上げております。今回のOPFの後も、多分やってくれると思いますよ。
写真提供:ONE PARK FESTIVAL
LIVE INFORMATION
ONE PARK FESTIVAL2023
2023年8月5日(土)6日(日)福井市中央公園・特設ステージ
-PHASE3チケット-
2日通し券 ¥15,400 単日券 ¥9,900
中高生割単日券¥4,400 グループ割(4人)\55,000
-地元販売チケット-
2日通し券 ¥14,300 単日券 ¥8,800 中高生割単日券 ¥3,300
<販売店>
・まちづくり福井株式会社 ・MARVIN CORNER ・Livin' for green ・PROPELLER ・CASA ・北ノ庄クラシックス
https://oneparkfestival.jp/ticket/
LINK
オフィシャルサイトinfo@oneparkfestival.jp
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