SENSA

2023.02.22

あの手触りや輝きを2020年代に落とし込む、オルタナティブロックの継承者「Hoboken Surprise」-Highlighter Vol.162

あの手触りや輝きを2020年代に落とし込む、オルタナティブロックの継承者「Hoboken Surprise」-Highlighter Vol.162

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。 Vol.162は、オルタナティブロックバンドの新星Hoboken Surpriseを取り上げる。
始動して2年ほどだが、オルタナティブロックの手触りや輝きを継承し、2020年代に落とし込む3ピースバンドとして、大きな注目を集めている。2月22日にリリースされたEP『Heaven in your mind』も、さらなる飛躍を約束する進化作だ。

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活動を始めたきっかけ
山崎克也(G/Vo):中学生でギターを始めて、趣味でコピーバンドを組んだり、友達と曲を作ったりしていました。大学に入りいろいろな音楽を掘るようになったころ、3ピースのバンドにはまることがあって、自分もやりたいと思うようになりました。それで所属していたバンドサークルの中で声をかけてHoboken Surpriseを結成しました。

影響を受けたアーティスト
山崎:特に影響を受けたのは北海道のNOT WONKというバンドです。国内や海外のインディーズバンドを聴きまくっていた時期に友達から教えてもらって知りました。表現が難しいのですが、ヒンヤリした感じと優しさ(温かさ?)みたいなものが共存したような独特な空気感があると思っていて、そういう部分がすごく好きです。歌詞が英語であったりスリーピースなのも、NOT WONKの影響が大きいです。

他にも本当に多くのアーティストに影響を受けてきたのですが、基本的にキャッチーさと実験的な要素のバランスがいい楽曲が好きで、自分もそういうものを作りたいと思っています。



注目してほしい、自分の関わった作品
山崎:前回出した1stシングル(「「Hoboken Surprise」」)は、キャッチーさにかなり重きを置いて制作しました。今回のEPは、キャッチーだけでなく、ジャンルやサウンド面でもっと広がりが出るように意識しました。特に4曲目の「out of season」は、使うコードを工夫していて、かなり理想的な雰囲気の曲になりました。個人的には今回のEPの中でいちばん気に入っています。
ただ、全体を通して言うとかなりシンプルな内容になっていると思います。時代にあまり左右されず、長く聴いていただける作品になったんじゃないかなと思っています。



今後挑戦してみたいこと
山崎:まだHoboken Surpriseの活動が始まって2年ほどなので、とりあえずはたくさん曲を作っていろんな場所でライブができればいいなと思っています。今のHoboken Surpriseはまだジャンルが確立していなくて、とりあえずいろんな方向に手を伸ばしている状態なので、もっといろんな音楽に触れてひとつの軸みたいなものを確立させたいです。今はメンバーの仲も良くてとてもいい状態で活動できていると思うので、長く続けていって、将来的にはいい雰囲気のフェスとかに出てみたいです。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
山崎:カルチャーではないかもしれませんが、リサイクルショップのハードオフがすごく好きで暇なときはだいたいハードオフ巡りをしています。好きになったきっかけは、お金がなくて新品が買えなかったのと、高校まで長野県の田舎に住んでいて楽器屋が遠かったので、ハードオフで音楽機材を買うようになったからです。

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ハードオフの音楽機器コーナー



高校の時は週3くらいで通ってました。自分はハードオフの中でもジャンク品を見るのが好きです。訳ありなものが多くて、買ってみたら壊れてたりすることもよくあるんですけど、そのぶん掘り出し物を見つけたときはめちゃくちゃ興奮します。お金があれば普通に新品だったり保証があるものを買えばいいと思うんですけど、そうじゃなくても、たとえば安く買ったジャンク品を自分で修理して使ったり、工夫すると意外と上手くいったりして、何より勉強になってすごく楽しいです。

最近はジャンク品だけでなく、レコードや古いカメラなんかも見ていて、去年作った「something」のMVは、ハードオフで買った古いビデオカメラで撮りました。2,000円くらいでしたけど、いい感じに画質が悪くて味のあるビデオになったと思っています。

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購入したレコード、古いカメラ、機材





あとはハードオフの隣にブックオフがあることが多くて、CDと漫画はそこでよく見ていました。ギリギリ高校のときはサブスクがなかったので、CDの棚でいろんなアーティストを知りました。宇都宮でバンドを始めてから知ったのですが、宇都宮のバンドマンはブックオフで音楽をディグっていた人が多いみたいです。

今はサブスクでいくらでも音楽を探せるとは思いますが、音楽が実物として残るCDやレコード、カセットにもちゃんと価値があると思いますし、これからも集めていきたいと思います。

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今注目しているカルチャー
山崎:ZINEにかなり注目しています。2年前くらいに古本屋に行ったときにいろんな国のZINEが置いてあって、普通の本と比べてアート的な側面が強かったり、型がなくて自由な部分に興味を持ちました。最近音楽アーティストの中でもZINEを出す方が多くなっているような気がするんですけど、CDの歌詞カードもZINEの一種のように捉えられるんじゃないかと思っていて、ZINEと音楽はすごく相性がいいと思っています。

興味を持つようになってからは自分でも作ってみたりしていて、紙を買いに行ったりデザインを考えたりするのがとても楽しいです。いつかバンドの物販で出せたらなと思っています。

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RELEASE INFORMATION

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Hoboken Surprise『Heaven in your mind』
2023年2月22日(水)
試聴はこちら

LIVE INFORMATION

CATCH ALL RECORDS pre.【CATCH ALL TOURS 2023】〜CATCH ALL RECORDS 20th Anniversary Special〜

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2023年3月19日(日)
宇都宮HELLO DOLLY

2023年3月26日(日)
都内某所

PROFILE

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Hoboken Surprise
2021年に活動を開始した、栃木県宇都宮市を拠点に置くオルタナティブロックバンド。メンバーは、大学の同じサークルで知り合った山崎克也(G/Vo)、高嶋拓海(B)、羽賀貴規(Dr)の3人。作詞作曲は主に山崎が行い、NOT WONK、Radiohead、Cloud Nothings、Yuckなどに影響を受けている。 2021年9月には、初めての音源となる「Hoboken Surprise」をリリース。

LINK
@HobokenSurprise
@hoboken_surprise
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