SENSA

2022.11.30

喜びも悲しみも引き連れて大海原へ船出する「カワサキケイ」-Highlighter Vol.155-

喜びも悲しみも引き連れて大海原へ船出する「カワサキケイ」-Highlighter Vol.155-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。 Vol.155は、作詞作曲から録音まで全てを一人で行うアーティスト、カワサキケイを取り上げる。
2ndアルバム『Elephant』は、シンセサイザーやエフェクトを多用した壮大なサウンドスケープの中から、カワサキが体感してきた喜びや悲しみが封じ込められているように聴こえる、豊潤な一枚になっている。

kawasakikei_a_1500.jpg

活動を始めたきっかけ
中学生の時に「曲を作りたい!」と思い、宅録を続けるうちに、できるだけ長く音楽を作っていきたいと強く感じ、活動を始めました。

影響を受けたアーティスト
Galileo Galilei
中学生の頃、彼らの2nd Album『PORTAL』のテレビCMを観て衝撃を受け、宅録を始めました。インタビューやブログを片っ端から読み漁り、写真などを見てどんな機材を使ってるのか参考にしました。また当時、ボーカルの尾崎雄貴さんがブログで海外の音楽をたくさん紹介されていて、そちらも片っ端から聴いていました。
とても大きな影響を受けて、今の僕の土台になっています。



Bon Iver
こちらも出会いは中学生の頃、YouTubeの関連動画にあった「Holocene」のビデオに衝撃を受け、2nd Album 『Bon Iver, Bon Iver』 を聴きながら学校へ通っていました。
数年後リリースされた3rd Album 『22, A Million』は、とても歪なプロダクションでありながら、同時に普遍的な美しさをあわせ持っており、その奇妙なバランスに当時高校生であった僕は大きな衝撃を受けました。今でも当時の輝きを失うことなく、聴く度に新たな発見がある、とても大切な作品です。







注目してほしい、自分の関わった作品
最新作である2nd Album 『Elephant』を聴いて欲しいです!今までで一番長い時間を費やしました。
本格的に制作に入る前にアルバムのデモをTETRA RECORDSの皆さんに聴いてもらった時、「すごく自由に作ったけど、これどうなんだろう?」って不安な曲があったんですけど、「いいね!面白い!」と言ってもらえて、それがすごく背中を押してくれて吹っ切れたというか、とにかく自由に作ることができました。




今後挑戦してみたいこと
とにかくいい作品を作るというのは変わらない軸としてあって、自宅兼スタジオを持つのが目標です。籠って曲を作ったり、友達を呼んだり、音楽とはいつも近い距離感でいたいです。
あと、ラジオが好きなのでいつか自分も番組をやりたいです!

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
芸人さんのラジオをよく聴きます!
小さい頃に父親からポケットラジオをもらったのがきっかけでラジオを聴くようになって、はじめの頃は好きなミュージシャンやバンドが出る番組などを聴いていたのですが、高校生の時に『オードリーのオールナイトニッポン』を聴いて、ラジオってこんなに笑えるものなんだと衝撃を受けて、それから芸人さんの番組をよく聴くようになりました。



『Elephant』は孤独に向き合った作品であり、作業自体も非常に孤独だったのですが、ラジオにたくさん助けられました。

またTETRA RECORDSの皆さんとの出会いもラジオがきっかけです。当時、夏目さんがコーナーをやられていた番組でリスナーをゲストとして迎えようという回があって、大学生だった僕はレポートをやりながらその募集を聴いていて、まさか選ばれるとは思わずに軽い気持ちで応募したら、選んで頂けて。振り返ると、あの時に出会ってなかったら、僕はTETRA RECORDSにいなかったかもしれないなと思います。

今注目しているカルチャー
注目しているというか、単純に好きなことになってしまうんですけど、ネイルやメイクしたりするのが自分の中で自然になってきました。
もともと女だから、男だから、これはやっちゃダメ、みたいなのに疑問があったし、単純にカッコいいなって憧れもあって、中学生の時からサイズが合えばレディースの服を着たりとかはしてたんですけど、もっともっと自由にやっていいんじゃないかって思いが強くなってきて。自分の爪や目元に色があると気分が上がります。昔から男らしくないとかオカマっぽいとかよく言われてたので抑えようとしていた時期もあったんですけど、今はすごく自由です!

kawasakikei_sozai.jpg

ライブで使用しているギターのボディとお揃いにしたネイル




RELEASE INFORMATION

kawasakikei_jk_1200.jpg
カワサキケイ『Elephant』
2022年11月30日(水)
試聴はこちら

PROFILE

kawasakikei_a_1500.jpg
カワサキケイ
1998年9月29日生まれ。千葉県出身。これまでに2作のEPとシングルを配信限定でリリース。作詞作曲から録音まで全てを一人で行う。
2020年4月には阿佐ヶ谷のジェラート店「Gelateria SINCERITA」の10周年を記念して、夏目知幸が主宰となって制作されたコンピレーションアルバムに岡田拓郎、川辺素(ミツメ)、王舟らと参加。
2020年9月、1stアルバム『ゆらめき』を配信リリース。これまでの繊細なタッチの弾き語りをバンドサウンドへと発展させ、日常の機微を捉えた詩はそのままに音楽性を深化させた。
2020年12月2日にはシャムキャッツが創設したレーベル「TETRA RECORDS」より、初のフィジカルとなるカセットテープをリリース。
2021年4月28日「天使のまねごと」を配信リリース、
7月28日にSingle「涙の宝石」をリリース。

テトラから一人航海へ出る若者。荒れた海でも船を出せ。_____ 夏目知幸(TETRA RECORDS)

LINK
@kei_kawasaki50
@kei_kawasaki
FRIENDSHIP.

気になるタグをCHECK!