SENSA

2022.11.03

異なる世界の

異なる世界の"間"に立つ人々への讃歌「Maïa Barouh」-Highlighter Vol.151-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。 Vol.151は、東京生まれ、パリ育ちのマルチミュージシャン、Maïa Barouhを取り上げる。
民謡とエレクトロ、ラップとシャンソンなど、実験的な組み合わせをナチュラルで親しみやすい楽曲に落とし込んだニュー・アルバム『AÏDA』は、彼女の生き様が感じられる一枚に仕上がっている。

maia_a_1500.jpg

活動を始めたきっかけ
17歳の時に渋谷のキャバレー「青い部屋」に行き、ネオちんどんバンドと出会い、彼らのバンドでサックスを吹き始めたのが最初のきっかけでした。

影響を受けたアーティスト
基本ジャンル関係なくいろんな音楽を聴いていますが、ワールドミュージックとエレクトロニックミュージック、最近はこのふたつの要素を混ぜているアーティストが増えていてうれしいです。例えばフランス人とヴェネズエラ人のLa Chica、ブラジル人のIara Rennó、アルゼンチン人のJuana Molinaなど...。







同じことをやっている人がいないので影響という言い方が当てはまるかわかりませんが、自由にクリエイトし、ミュージシャンで歌手であり、常に自分の道を探り開拓している女性たちに励まされています。

注目してほしい、自分の関わった作品
新しく出るアルバムでは、日仏ハーフのアイデンティティを言葉と音楽で表現しています。
こだわったポイントは以下です。

・全曲のプログラミング、アレンジに初めて挑戦しました。声やフルートにエフェクトをかけたり、アコースティックとエレクトロニックの混ぜ方など、いろいろ実験しました。
・民謡のアレンジ!歌と合いの手を残しつつ新しいアレンジで旅をさせ、フランス語のラップを織り混ぜました。今までにない次元で日仏をミックスしました。とくに「HANAKASA」を聴いてほしいです。「花傘音頭」が、まるでアラブ民謡に聴こえます。
・「ChinXoise」という曲では、仏語と日本語が行き来し韻を踏んでいるので、もはや何語だかわからなくなっています。




今後挑戦してみたいこと
面白い舞台セッティングに挑戦してみたいです。土着的でモダンなサウンドをやりながらダンサーやVJ、いろんな新しいテクノロジーを使ったクレイジーな舞台をつくってみたいです。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
フランス語で読みましたが『狼と駈ける女たち』という本がとても好きです。
世界のいろんな神話や昔話を解読しながら、社会に押しつぶされた女の真の生命力を書いています。



今注目しているカルチャー
エル・デュエンデという劇団と劇場を紹介させてください。私が2歳の時からよく知っている、ファミリーで3世代に渡り演劇をやっているチリ系の劇団です。彼らは自分達で劇場を作り彼らの芝居だけではなく、たくさんの若い劇団を招いたりライブを企画したりと素晴らしい活動をしています。
私もそこで何度も実験的なライブをさせてもらったり、彼らと一緒に芝居でチリまで一緒に行ったりと、常に冒険気分にさせてくれる仲間です。



@theatreelduende


RELEASE INFORMATION

maia_jk_1200.jpg
Maïa Barouh 『AÏDA』
2022年10月21日(金)
試聴はこちら

PROFILE

maia_a_1500.jpg
Maïa Barouh/マイア・バルー
東京生まれ、パリ育ちのシンガー・ソングライター、フルート奏者&マルチミュージシャン。フランス人の歌手の父ピエール・バルーと日本人画家である母の元、小さい頃から世界中を巡り、様々な音楽を吸収。ブラジル漫遊中に聴いた音楽に感銘を受け、フルートを始める。激しくかつ尺八に似た奏法で、歌と声を交えた独自の音楽スタイルを確立。
日本民謡やフレンチラップ、エレクトロなどを混ぜ合わせた、独創性のある音楽を常に探求している。フランスでも多くのプロジェクトに参加し、芝居の音楽監督を担当したり、名ダンサー、サチエ・ノロのダンス作品の音楽を務めるなど幅広く活躍中。
2021年6月にはアイススケーターの髙橋大輔選手と村元哉中選手による2021-2022シーズンプログラムにMaiaの歌う「ソーラン節」が起用され、日本でも話題となった。

LINK
オフィシャルサイト
FRIENDSHIP.

気になるタグをCHECK!