SENSA

2022.08.17

歩くように、呼吸するように、心と体に気持ちいい音色「中野ミホ」-Highlighter Vol.143-

歩くように、呼吸するように、心と体に気持ちいい音色「中野ミホ」-Highlighter Vol.143-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。 Vol.143は、Drop'sのボーカル&ギターとしてデビューし、現在はソロで活動する中野ミホを取り上げる。
「自分の心と体が求めている音楽だけをやりたい!」という思いから生まれた、ソロとして初のEP『Breath』。ブルース・ロックを追求していたDrop'sとはひと味違う音楽性は、リスナーにも心地よさを与えてくれる。


中野ミホ アーティスト写真.jpeg

活動を始めたきっかけ
もともと、バンドDrop'sでボーカル/ギターとして活動していたときから弾き語りはやっていたのですが、高校生の頃からのバンド仲間だった安田くん(ロマンチック☆安田/爆弾ジョニー)と、コロナ禍に入った頃にリモートで曲を作りはじめたことが今の形態になったきっかけです。その後Drop'sが活動休止となり、本格的にソロ活動をはじめました。

影響を受けたアーティスト
中学生の頃に叔父から貸してもらって初めて聴いたROSSO。日本にこんなにかっこよくてロマンチックな人たちがいるんだ...と衝撃を受けました。チバ(ユウスケ)さんの歌詞の世界観と歌声に圧倒され、こんなふうにこんなことを歌ってもいいんだ!と思いました。
そこからThe BirthdayTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTと聴きまくりました。

今、中野ミホとしてROSSOのドラマーであるサトウミノルさんとご一緒させていただいていることが信じられないです。嬉しい!



高校生くらいのときにJim Jarmusch監督の映画を観てその存在を知ったTom Waits。歌声、ピアノ、ルックスやスタイルすべてが心にぐさりと刺さり、なんて素敵な人なんだ!と夢中になりました。

実家の部屋に『Closing Time』のレコードを飾っていました。実験的な中に、じんわり刺さるバラードも入っていたりするところが好きです。「Ol'55」は自分で勝手に日本語の歌詞にして、ときどきライブで歌っています。



jazzをたくさん聴くきっかけになったChet Baker。歌もトランペットも、彼そのものでしかないというか、話すように、ときには絞り出すように演奏する姿に引き込まれました。
歌う人にしか出せない楽器の音やリズム、逆もあると思うのですがそういう親和性って面白いし、大切にしたいなと思いました。
Chetを聴くと、何もかも忘れてうっとりしてしまいます。



注目してほしい、自分の関わった作品
8月17日にソロとして初のEP『Breath』をリリースしました。
この数年間、いまの自分が本当に歌いたい、聴きたい音楽ってなんだろうと自問自答を繰り返して、たどり着いたのが「気持ちいい」という感覚でした。もやもや、ぐるぐる考えていたことを一度リセットして、自分の心と体が求めている音楽だけをやりたい!と思うようになりました。
コロナ禍、Drop'sの活動休止、独立を経て、ようやく自分が一番気持ちいいと感じる音楽の第一歩を踏み出せたような気がしています。

もともと大好きで、絶対一緒に演奏したら楽しいだろうなぁと思っていた安田くんとサトウミノルさんに声をかけて、3人で一から音をつくっていきました。わたしは初めてベースも演奏しています。このふたりとは音で呼び合える感じがあるというか、すごく近い感覚を持っているような気がして、本当に楽しいです。

ひとつひとつの音が立体的で、でも生っぽくて、人が歩いたり呼吸したりするような音楽を目指しました。ピアノとドラムは全て一緒に録ったものなので、かなり臨場感があると思います(笑)。

安田くんが作った曲も入っているので、そこも新しいかと思います!歌もナチュラルに、自然な自分で歌ったという感じで気に入っています。歌詞に関しては昔から変わらず、自分の身の回りのことをそのまま書いています。



今後挑戦してみたいこと
映画がとても好きなので、映画音楽に関わるお仕事をしてみたいです。
あとはウッドベースや管楽器を入れて野外やホールでライブをやりたい!

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
映画が好きでよく映画館へ足を運びます。
好きな映画監督はたくさんいるのですが、Michel Gondry監督やJim Jarmusch監督、Wes Anderson監督など、観ただけですぐにその人の作品とわかるようなカラーを持っている人が好きかもしれません。うまく説明できないけれど、画面を観ているだけでうっとりと幸せな気持ちになります。

旬な俳優さんを起用したり、常に新しいテーマで作品を撮っていても、その人の個性がバシッと表れているのはすごく面白いし、映画を作り続けることは本当に大変だろうに、素晴らしいなぁと思います。感謝です。



近年劇場で観た作品では、Alexandre Rockwell監督の『Sweet Thing』が、特にすばらしくて、印象に残っています。監督の実際の家族が出演しています。映画でも音楽でも、よりパーソナルなものに惹かれることが多いです。

劇場からの帰り道や、そのあと数日間、サントラを聴いて余韻に浸りながら過ごすのも楽しみのひとつです。



今注目しているカルチャー
2019年に初めての海外旅行でニューヨークに行ってからというもの、日々ニューヨークに思いを馳せながら暮らしています...。
古いものと新しいもののバランス、世界中の文化が自由に入り乱れているところ、そしてなにより一人ひとり堂々としていてかっこよくて、なのに気さくに話しかけてくれる街の人々が大好きになりました。また近々必ず訪れたいです。

写真①.jpg
古い建物にとにかくうっとりでした。

写真②.jpg
アメリカの甘いものが大好きです。大きくて、ゴツゴツしていて、カラフルで最高です。

写真③.jpg
クリスマスのすこし前行ったのですがものすごく寒かったです。でもそこも大好き。

写真④.jpg

RELEASE INFORMATION

nakanomiho_Breath_jk_1200.jpg
中野ミホ『Breath』
2022年8月17日(水)
試聴はこちら

LIVE INFORMATION

中野ミホ ワンマンツアー 「Breath」

中野ミホ9月tourフライヤー.jpg
2022年9月3日(土)
札幌 SOUND CRUE

2022年9月18日(日)
心斎橋 歌う魚

2022年9月24日(土)
下北沢 440

event出演(弾き語り)
2022年9月2日(金)
札幌 円山夜想

2022年9月11日(日)
三軒茶屋 GrapeFruitMoon

PROFILE

中野ミホ アーティスト写真.jpeg
中野ミホ
北海道札幌市出身。2009年に自身が作詞作曲を務めるロック・バンドDrop'sを結成し、ボーカル&ギターとして活動をスタート。ストレートなブルース・ロックンロールを軸にした楽曲が話題を集め、2013年にメジャー・デビューを果たす。2016年には『無伴奏』(監督:矢崎仁司)、『月光』(監督:小澤雅人)という2本の映画主題歌に楽曲が起用されたほか、JR東日本のCMソング「行くぜ、東北。SPECIAL 冬のごほうび」の歌唱に抜擢されるなど、ミュージシャンだけでなく多くのクリエイターからの支持も得る。5枚のフル・アルバムと4枚のミニ・アルバムをリリースし、2021年10月に活動休止。
バンドの活動休止後はソロとして活動中。ソロでは"歌"に焦点を合わせ、ジャズやオールディーズなど古き良きアメリカ音楽から影響を受けた楽曲を制作し、2022年8月に6曲入りEP『Breath』をリリース予定。現在はギターでの弾き語りをはじめ、サポート・ミュージシャンにロマンチック☆安田(爆弾ジョニー/key)を迎えたデュオ編成や、ロマンチック☆安田とサトウミノル(Dr)との3ピース・バンド編成など、様々な形態で積極的にライブ活動を行っている。デュオやバンド編成ではボーカル&ベースを担当しており、シンガー・ソングライターとしてだけでなく、楽器プレイヤーとしての側面もあわせ持つ。

LINK
オフィシャルサイト
@miho_doronco12
@miho_doronco12
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