SENSA

2022.07.27

人工甘味料という名の意志ある深い味わい「saccharin」-Highlighter Vol.141-

人工甘味料という名の意志ある深い味わい「saccharin」-Highlighter Vol.141-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。 Vol.141は、ドラマー松浦大樹が歌うソロプロジェクト・saccharinを取り上げる。
"人間の根の部分に挨拶していく"ために、本格的に活動を開始したsaccharin。2022年7月27日(水)にリリースされる待望の1stアルバム『運命街』には、その意志と才能がほとばしっている。


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活動を始めたきっかけ
本始動はパンデミックが起きて、おかんが店(スナック)を畳んだ時からですね。息子が引き継いで開店させた感じです。

影響を受けたアーティスト
Dave Matthews Bandの「Grey Street (Live at The Gorge)」。一部始終たまらないんだけど、特に3:30~あたりから感情が音楽を越していく瞬間があって。人様とsaccharinはこんなふうに繋がりたいすね。人間の根の部分に挨拶したい。



Mariah CareyBrian McKnightの「Whenever You Call(from Around the World)」。人間が音楽を生みだしているということ、音楽があって人間が形成されていくこと、表裏の世界が見事に重なってるなと思う唯一無二な名演。初めて見た時、眩しすぎてちょっとえずいたの思い出した。



RCサクセションの「まぼろし」。棺桶で休ませてあげないとと思うけど、世で何かが起きるたびに、清志郎だったら何て言うだろうとすぐに頭に浮かんでしまう。叶わぬ恋に近い。



THA BLUE HERBの「AME NI MO MAKEZ」。郷愁感漂う中でも、ぼやけずに真芯を捉えてくる。熱湯をかけられたと思ったら冷水だったりする。尊敬するレッドレンジャー。BOSSさんとはめちゃくちゃ一緒に作りたい。それはマジで最高だ。



まとめ。
挙げた曲以外にもあるんだけど、聴く度観る度に音楽への借金みたいなものが自分の中にたまっていく最高な表現を紹介してみた。せめてチャラにしてから人生幕閉じたいな。無理そう。

注目してほしい、自分の関わった作品
saccharinの1stアルバム『運命街』。心象を詰め込みながらも大袈裟にならないよう全体のバランスは意識してた気がする。初めてアルバム作ったからそもそもバランスなんてものはないと思うんだけど。
熱情やら生き様やら、己の得意な成分ばかり入れ過ぎると生じる、味一緒なのにカロリーだけ高くなっていくみたいな作品にはしたくなかったんで、そこは気をつけたかもしれない。いやそれにしてもカロリーは高いかもな(胃薬みたいなチルミュージックの用意があれば大丈夫です。ちゃんと聴いてね)。
いつ何時も人の身代わりでいてくれるのは、音楽の魅力のひとつ。
優れた虚像を生み出して、味のない実像を救う。がテーマ。
ホントに大切な言葉、間接的だと責任取れない言葉は直接伝える事にしてる。ライブだったり、おまえさんと乾杯しながらちゃんと目見て伝えます。
saccharinって人工甘味料という意味なんですが、摂取したときの体内変化を楽しんでほしい。ただ成分無調整なんで腹壊しても恨まないでほしい。
ジャケ見てもらえたらなんとなくわかると思います。



一足先にアルバム聴いたおかんから、杉田玄白も和訳できないね(以下中略)、との感想をいただき、もう完璧でした。嬉しかった。saccharin版解体新書が出来ました。
こいつアーティスト名が人工甘味料だからって、ちょいちょい食の文脈混ぜながらうまく説明しようとしてんな等、思い思いの見解がある方々、一旦すべての説明忘れていただき、聴いてみてください。

今後挑戦してみたいこと
酒場で演奏。酒場ツアーしたい。これはやりますというかやり続けていきたいこと。激情(劇場)版saccharinを再生し続け、チャプター7くらいでおかんの店を復活させます。店の看板はもう作ったんで。これもやります。

一旦ここがsaccharinの最終話ですね。エピソード2は公開未定。海渡って表現しようとも思ってます。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
横尾忠則。たとえば、コラージュ作品では、縦横奥行きの終点がない脳内を覗ける。遊び心の中に風刺や虚無が散りばめられていたりするのも面白い。相反する感覚が日々重なりあって生きてるのが人間だと思うし、作品から感じるそれは、まさしく人間という二文字である。脳内を何万光年旅しながら、表現した塊から、人間や生活を落とし込めているとこがホントに凄い。

キャンパスを破いて重ねたり、時には平面で表したり、まさに音楽で言うサンプリングに見える。楽曲制作とほぼ一緒だなと思う。和製J DillaはTadanori Yokooです。



先鋭的なのに直接的な表現の様は、saccharinのライブに、音源に、かなりミックスされてる。各地でY時路を発見するとニヤニヤしちゃうしなー。
あと死生観は横尾忠則さんから学んだと思います。グッと生き方が楽になった。

今注目しているカルチャー
粉活(スコーンづくり)。"好きな食べ物を好きな時に1番美味しい状態で食べてえ"を掲げ、コロナで扱う時間が増えた時期から、理想を求め、狂ったように作り出した。

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その熱を察知してくれた偏愛の方が現れ、雑誌に取り上げていただきまして、そこから出張出店したり、おもろかったです。五感ジャックしますからね。音楽より直接的な表現だなと思います。
桃鉄(全国ツアー)中に、全国各地のスコーンを食べてきたから、理想のようなスコーン像があって。そこに到達すべく粉活し続けている。
ただ昨今の小麦高騰化は、社会情勢の供給懸念的なものだったり円安が大半だとは思うけど、マジでモチベーション低下になるから今すぐ対応してほしいすね。


これもある種、真実を描いてる。ポテチ食べながら映画観る感覚で読むとよりオモロです。食は人間の基盤で、一生真横カルチャーなんで最強すね。

RELEASE INFORMATION

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saccharin 『運命街』
2022年7月27日(水)
※CDは8月19日(金)ライブ会場より販売予定
試聴はこちら

LIVE INFORMATION

歌謡激情
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2022年8月19日(金)
東京 代官山UNIT
OPEN 18:00 START 19:00

出演:
saccharin
TENDRE / 奇妙礼太郎 / 竹之内一彌 / 高木祥太 / 菅野颯 / 小西遼 / 松下ぱなお / Fahlberg / teteyan / NAGAN SERVER / さらさ / 爆走姉妹(AAAMYYY、RISA OKAMI) / うちゃん / DISCOMPACT / 丸井通勢

前売 ¥4,500(税込)ドリンク代別
<チケット一般発売中>
受付URL:https://w.pia.jp/t/saccharin/
INFO:SMASH 03-3444-6751 https://smash-jpn.com


Soulflex joint MILESTONE
2022年9月9日(金)
渋谷duo MUSIC EXCHANGE
OPEN 16:00 / START 17:00

出演:
Soulflex

[GUEST]
田我流 / BREIMEN / saccharin / VIBEPAK(DANCE) / FKD(DJ)

前売り:¥5,400(1D代別途)

ぴあ:http://w.pia.jp/t/soulflex/
ローソン:http://l-tike.com/soulflex/
イープラス:http://eplus.jp/soulflex/

PROFILE

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saccharin
ドラマー松浦大樹が歌うソロプロジェクト。ドラマーとしてShe Her Her Hersのメンバー、TENDRE、LUCKY TAPES、The fin.、Michael Kaneko、奇妙礼太郎、小原綾斗とフランチャイズオーナーなどのサポートなどを行う。そうしてキャリアを積んできた中で、今まで生きてきた価値観や内在する記憶を忘れないよう、コロナ以前から自主制作していた楽曲たちを外の世界に届けるため、ソロプロジェクトsaccharinを始動させる。
2021年10月第1弾デジタルシングル「Shisoukaseki」、12月に第2弾デジタルシングル「Kagaribi」、2022年2月に第3弾デジタルシングル「OM3」、5月に「咽ぶ」をリリース。そして、7月27日に1stアルバム『運命街』をリリースする

LINK
@taikimitai
@taiki_matsuura
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