SENSA

2022.07.21

橋本薫(Helsinki Lambda Club)×Wez Atlas対談──ロックとヒップホップの新しい融合を語る

橋本薫(Helsinki Lambda Club)×Wez Atlas対談──ロックとヒップホップの新しい融合を語る

Helsinki Lambda Clubが6曲入りのミニアルバム『Hello, my darkness』を発表した。"夢と現実の交錯"をコンセプトに掲げた同作では、多様なジャンルにアプローチしながら、変化し続けるバンドの最新モードが表現されている。なかでも大きな注目を集めているのが、先行リリースされた「Mystery Train (feat. Wez Atlas)」。日本とアメリカをルーツに持つ気鋭ラッパー、Wez Atlasを客演に迎えたこの曲は、バンド側も「今までで一番カッコ良い」と豪語するほどキャッチーで痛快な仕上がりとなった。

ヘルシンキのフロントマン、橋本薫はかねてからWezのファンだったという。それぞれインディー・ロックとヒップホップを主戦場としてきた両者の化学反応は、どのように生まれ、お互いに何をもたらしたのか。ジャンルの境界線を超えた、理想的なコラボレーションのあり方を語ってもらった。


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お互いにとっての新境地

―「Mystery Train(feat. Wez Atlas)」すごくよかったです。風通しもいいし勢いもある。YouTubeに「新しいヘルシンキな感じがする」というコメントもありましたが、かなりの手応えを感じているんじゃないですか?


橋本薫:いい曲だなっていうのはもちろんだし、「開けた曲」になったと作ってる段階から感じていました。こういう曲が普通にポップスと言われるものになってほしいし、そういう広がりのある曲になったんじゃないかなと。

―テレビとかで普通にかかってもおかしくない、そういう意味でのポップスですよね。


橋本:どうしても音楽好きのコアな層に向けてしまいがちだけど、それこそJ-POPのランキングに入ってもよさそうな感じ。でも、ちゃんと聴いてもらったら発見もある。そういうバランスの曲が作れたんじゃないかなって思います。

Wez Atlas:テンポも速いし、サビも超短いし、すぐにまたヴァースが来るし......展開もすごく早くて、何回も聴けちゃう感じがする。気づいたら終わってて、また再生しよう、みたいな。自分でもずっと聴いてます(笑)。

―Wezさんの音楽仲間も絶賛だったとか。


Wez:そうなんです。いつも一緒に作っているVivaOla、Sagiri Sólにも「違う味がでたね!」と言ってもらえて。

橋本:嬉しい!

Wez:ビートを最初にもらって聴いたとき、なんとなく鼻歌で歌ってたメロディが、俺のなかでイメージしているヘルシンキっぽい感じになって。「あっと言う間に大人になった」のくだりも、俺がヘルシンキのメンバーだったらこう歌うだろう、みたいな。あまり自分の曲ではああいうアプローチをしないので、そういうところもみんなから「挑戦したね」って。

橋本:たしかに。Wezくんが参加してきた曲のなかでも、結構メロディアス寄りだよね。

Wez:そうですね。あと、ああいうふうに日本語で歌うこともそんなにないし。「Mystery Train」は僕の新しいスタイルって感じ。発見がありました。

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2人の出会いとリスペクト

―キャッチーさと尖った部分のバランスもそうだし、お互いが新しい扉を開けたこともキラーチューンの誕生につながったと。お2人の出会いについても伺いたくて、橋本さんはかねてからWezさんのファンだったんですよね?


橋本:そう、僕が一方的に好きで。最初に知ったきっかけはFRIENDSHIP.の告知だったと思います。それが2019年頃で......「PSA」を最初に聴いたのかな。そこから普通にサブスクで聴き始めて。

Wez:えー、めっちゃ渋いですね!

橋本:でも、サブスクで聴いていたから人物像とかパーソナルな部分はわからないままで。「この人って日本のアーティストなの? 逆輸入なの?」みたいな感じで、面白いなと思って聴き始めたのがきっかけです。

―僕のなかで、橋本さんは「ペイヴメントやヴァンパイア・ウィークエンドが好きな人」というイメージだったんですけど、ヒップホップもよく聴いてるそうですね。


橋本:そんなに詳しいわけじゃないですけど、僕の世代でいうと、中学時代は全然ロックよりヒップホップのほうが流行っていて。昔から馴染みはあったんですよね。ただ自分で音楽をやり始めてからは、ヒップホップが好きゆえにリスペクトもありましたし、中途半端な形で「ちょっとラップやってみよう」みたいな感じにはしたくなかったので、最近までずっとやってこなかったんです。だけど、ここ1〜2年くらいで「自分なりに消化すれば、新しい形でやれることもあるんじゃないか」と思うようになってきて。そこからようやくやってみようとなった感じですね。

―それこそ、2020年のアルバム『Eleven plus two / Twelve plus one』収録の「IKEA」では橋本さんがラップを取り入れていましたし、昨年リリースの配信シングル『Inception (of)』ではPEAVIS、どんぐりずというヒップホップ勢とコラボしていました。


橋本:そうですね。あとはミクスチャーも世代なので。当時のゴリゴリな感じとはまた違う、別な形のミクスチャーみたいなものがそろそろ出てきてもいいんじゃないか、という気持ちもありました。

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―Wezさんはオファーをもらったとき、どう思いましたか?


Wez:いや、もう...アーティスト写真を見て「オシャレだ......」って(笑)。スタイルとかも合いそうだと思いましたし、僕もインディー・ロックとかそっちのジャンルも普段からよく聴いているので、馴染みのあるサウンドっていうか。だから大賛成でした。しかも、1ヴァースだけかなと思っていたら、3つもパートを任せていただいて(笑)。それも超嬉しかったです。

―ちなみに、今日着ているシャツもロックしてますね。


Wez:これはオジー・オズボーンですね。昨日お下がりでもらって、さっそく今日着てきました(笑)。

ヒップホップやグライムへの好奇心
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―Wezさんの音楽的ルーツについても改めて。もともと大分県出身で、8歳のときアメリカのコロラド州に移ったそうですが、やはり幼い頃からヒップホップと身近に接してきたんですか?


Wez:そうですね、音楽の入口っていうか。アメリカにいた頃からラジオで流れているポップ・ミュージックをよく聴いていて、そのなかでも引っ張られたのがヒップホップでした。

―他のインタビューも読みましたが、ラッパーだとJ.コールの影響が大きかったそうですね。


Wez:一番最初に食らって。「ああ、俺もこれやりたい」ってなりました。ストーリーテラーだし、音楽から人柄がすごく伝わってくる。人生観まで見えるみたいな、そういうところが好きですね。

―今、自分が作っている音楽にも影響を与えている?


Wez:選ぶビートはちょっと違うかもしれないけど、フロウとかは結構似てるなって思います。

―他にはどんな音楽が好きなんですか?


Wez:いっぱいありますけど、トラップよりはブーンバップのほうが好きですね。ゆっくりで重い感じのグルーヴというか。最近だとシカゴのラッパー......チャンス・ザ・ラッパー、Saba、Sminoみたいな、ヒップホップのなかでもオルタナティヴなものをよく聴いてます。あとはラップとバンドのあいだみたいな音楽。ドミニク・ファイク、イージー・ライフ、アーロ・パークスとかも好きです。

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―オルタナティヴでジャンルが混ざったものが好きと聞くと、今回の共演につながったのも頷けるというか。橋本さんは、Wezさんのラップスタイルのどういうところに惹かれたんですか?


橋本:声質が好きとか、フロウが気持ちいいとか。そういう感覚的な部分で、すごく自分にフィットしたんですよね。あと、ギャングスタラップとかも好きではあるけど、自分の価値観や作っている音楽とはやっぱり相入れない部分もあって。その点、Wezくんはフラットで等身大な佇まいでやっているのが今っぽいなと思うし、その飾らない感じが自分たちの感性とも近そうな気がしたので。

―わかる気がします。


橋本:歌詞の内容まではしっかり追ってなかったけど、感覚的なところですごく好きだなって思えたのが一番大きかったですね。それに、僕はSen Morimotoとかもすごく好きで。ラップもそうだしトラックの部分でも、ゴリゴリのヒップホップっぽいものよりは、ソウルっぽい感じとか、もっといろんな要素が入ってるものが好みですね。

―その話でいうと、TwitterでWezさんのことを紹介しながら、starRoさんプロデュースの「Zuum!」を取り上げていましたよね。あの曲を橋本さんが好きなのはよくわかる気がします。ギターも鳴っているし、ディスコやトロピカルな感じも入っていて、ちょっとUKっぽくもあるという。



橋本:キャッチーでめっちゃいいですよね。マジでああいう曲が、クラブとかでガンガン流れてほしいなって。

Wez:あの曲のサウンドも普段の自分とは違う感じですね。今はそういう挑戦の時期かなって。本当にいろんな扉が開いているところです。

―ヒップホップの話をもう少し続けると、ヘルシンキの最新EP『Hello, my darkness』の資料を読んだら、橋本さんがグライムの影響を受けたと書いてあって。


橋本:そんなに詳しいわけじゃないですけどね。

―日本のミュージシャンに取材して、グライムやUKラップの話になることはほぼないので興味深いなと。どこが自分にフィットしたと思いますか?


橋本:なんだろう......やっぱり、アメリカ的なマッチョさとは別の雰囲気がありますよね。そこが自分に合うのかもしれないです。グライムっていう括りなのかわからないけど、最近はスロウタイみたいに激しいビートで行く感じがブチ上がるんですよね。ああいうのをヒップホップであまり聴いたことなかったので、すごくいいなと思います。

Wez:ムラ・マサと一緒にやってる「Doorman」とか最高ですよね。

―イギリスの現行ヒップホップは直線的なビートも多かったり、ロック・リスナーにも刺さる部分が多い気がします。


橋本:そうそう、親和性があると思いますね。最近のイギリスだとbinkiってアーティストも大好きで、彼もビートがロックっぽい感じがする。フロウも割とキャッチーだし。

―「Mystery Train」にもグライムの要素は反映されていると思いますか?


橋本:いや、この曲は意外とヒップホップ的なアプローチはそこまでしてなくて。最近はジャンルの境界線が曖昧なミュージシャンが増えてますよね。Atwoodというアーティストがいるんですけど、この人の周辺はヒップホップっぽいアプローチもありつつ、ロックっぽいサウンドも自然に合わさっていて。そういう人たちの影響が大きかったかもしれないです。

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「Mystery Train」徹底解剖

―「Mystery Train」の中身についても掘り下げていくと、まずはイントロから冴えてるなと。出だしの25秒まではチル系のプレイリストに入ってそうな雰囲気で、こんなに疾走感のある曲だと思わなかったというか。


Wez:わかる、全然違う曲が流れてきそう。

―いい意味で裏切ってくる感じというか。意図的にそういう作りにしたんですか?


橋本:そうですね。あそこは後付けで用意したもので。最初は(頭から)ヴァースやサビみたいな感じで作っていたんですけど、ここに引き込むためのフックがほしいなと思って。

―あの音色はシンセ?


橋本:シンセです。ヴァースで使っているコード進行をそのまま、テンポを落として音色を変えたもので。僕がDAWで「こういうイメージで」と打ち込んで、うちのギター(熊谷太起)に作ってもらいました。それこそ、Atwoodのベッドルーム感のある曲をリファレンスに渡したりして。

―その後はロックな展開になっていくわけですが、生バンドでのトラックメイクについて、どんなことを意識しましたか?


橋本:曲の断片を作っていた段階では、まだラッパーを入れるかどうかも決めてなかったので、全然生でやろうという想定だったんですよね。でも、この曲はオケ自体も今までのヘルシンキにはない、普通にかっこいい感じになったので。だったらヴァースに僕の歌を入れるより、本当にかっこいい人にやってもらったほうが様になるかなと思って。

Wez:もっと自信を持ってください(笑)。

橋本:あとはラッパーを入れるにしても、ここでトラックを打ち込みにしたら、自分たちらしさが一気になくなっちゃいそうな気がして。バンドらしさを保つギリギリのラインを攻めるという意味でも、生でやるというので落ち着いた感じですね。途中で打ち込みの音も入ってはくるんですけど。

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―橋本さんのおっしゃるとおりで、Wezさんは本当にかっこいいですよね。佇まいも含めて。


Wez:ありがとうございます(笑)。

―Wezさんにとって、バンドとのコラボレーションは初めてだったそうですね。


Wez:ドラムまで生音っていうのは初めてですね。でも、ずっとやりたいなとは思ってました。

―この曲のトラックが届いたとき、どんなふうにラップしようと考えたんですか?


Wez:最初にコンセプトをもらったんです、「電車」と「会いたい人に会いに行きたい」っていう。それに3つもパートをいただいたので、自分の経験から引っ張りながらストーリーを作ろうと思って。フロウについてはいつも通り、適当に鼻歌を歌いながら書いていきました。イントロから聴いて順番に書いていくトップライン(メロディの作詞作曲)の方式でいつもやっているので。

―任された3つのパートで、それぞれ表情の違うラップを披露しているのも聴きどころかなと。


Wez:そうですね。最初のヴァースはやっぱり掴みどころだから、(ドラムの)ビートが入ってくる前にインパクトがある声を聞かせたくて、意図的にそうしてみました。あとは最近、自分のなかで歌うのが好きなので、それもやりたいなと思って。少し前までは「言葉がすべてだ!」みたいな感じで、歌詞の内容に集中しすぎていた。今考えると、前に出したミニアルバム(2021年の『Chicken Soup For One』)は言葉をぎっしり詰め込んだから、単調なメロディが多いんですよね。それで最近は、聴き心地がよくないと言葉も入ってこないと思うようになって。この曲でも歌詞を作る前に、まずは耳に残るメロディを考えようと。

橋本:ラップなんだけど、たぶん誰が聴いてもフロウのメロディラインが耳に残ってそうな感じがする。それがすごいなって。

Wez:2つめのヴァースでは、後半からちょっとテンションを上げたりしてみて。そこではチャンス・ザ・ラッパーとかを参考にしました。声の使い方がすごく面白いんですよね。最後の3つめは、いつもの自分っぽい感じですね。速いラップをかましてみました。

―「電車」「会いたい人に会いに行きたい」というコンセプトはどこから出てきたんですか?


橋本:『ミステリー・トレイン』という同名の映画(ジム・ジャームッシュ監督)もありますけど、ああいう雰囲気もちょっと意識しつつ、「会いたい人に会いに行く」手段としての「電車」というか。別になんでもいいんですけど、その一つとして「電車」がいいなと思ったんですよね。あとは、「会いたい人に会いに行く」というシチュエーションがどういうものなのか話したりもしました。友達や恋人に会いに行くというのもそうだし、こうして戦争が起きているなかで、「会えない状況だけど会いたい」というのも含まれていいよね、みたいな。

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―「会いたいけど会えない」というのはこの数年、多くの人々が考えていたことでもありますよね。


橋本:コロナで会えないとかもありましたし、人と会うことの大切さを肌で感じることは多かったですよね。そういう意味で、テーマとして自然に出てきたところもありました。

Wez:僕もそうですね。コロナとかもそうだし、昔は友だちだった人とだんだん疎遠になってきて、「ああ、もっと話せばいいのに」みたいな。自分のコミュニケーション不足でだんだん関係が薄れていくこともあったりするから、そこをもっと大事にしなきゃと思ったりもして。

―実際、Wezさんのリリックは旧友とのつながりを取り戻そうとする内容で、だいぶエモい感じになりましたね。


Wez:そうですね。すっごいピンポイントに、自分の人生経験から引っ張ってきて。

橋本:そこのバランスもよかったです。僕が歌ってるほうの歌詞はもっと漠然としたものだけど、Wez君が実体験のほうに振り切ってくれたので、具体と抽象のバランスがすごく良くなったなって。

―あとはサビでの橋本さんの歌声が、いつになくストレートなのもグッとくるというか。


橋本:それ、なんかよく言われます! 自分ではそんなに自覚してなかったんですけど。

―なぜそんなふうに言われるのか、思い当たる節はありますか?


橋本:実はちょうど、このレコーディングの前くらいからボイトレに行き始めて。そのせいかなって(笑)。発声の仕方も多少変わったので。もともと曲によって歌い方を変えるほうではあるんですけど、これだけまっすぐに歌ってもいいなって思えたのは、たぶんそういうことですね。それにやっぱり、この曲は変にネチャっと歌うより、まっすぐ歌った方がいいだろうなって。

―そのまっすぐさがアンセムらしい高揚感につながっていますよね。ヘルシンキもさらなるポピュラリティを獲得しそうだし、Wezさんへの客演オファーも一気に増えそう。


Wez:やったー!

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共に学んだ理想のコラボ、将来につながるもの

―この曲が収録される『Hello, my darkness』についても少し聞かせてください。ヘルシンキは2020年ごろから、バンドとして積極的に変化を求めてきた印象で。そういう意識がすごくナチュラルな形で反映されているように感じました。


橋本:僕らは飽きっぽいので、次の作品も似たようなものにするとかできないんです。ただ、無理に新しいことをしようとは全然思っていないですし、音楽的に新しいことをしているかというと、別にそんなこともないのかなと。ただ、世の中的に流行ってるもので、やりたいものがあったら取り入れてみるし、それでも最終的には自分たちの音になるという自信が今はある。

―なるほど。


橋本:例えば、コロナ禍によって外で遊べなかったので、友達の家でひたすらテクノやハウス、ループ系の音楽を聴きながら踊ったりする機会が多かったから、そういうのを自分でも作りたいなと思ったりとか。そういう感じで変化していったので、自然な結果だと思います。

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―橋本さんのライナーノーツによると、グライムと並んでポストパンクの影響も大きかったそうですね。特に4曲目の「Village Satomi」は「ジョイ・ディヴィジョンの2022年的解釈」とのことですが、ポストパンクはどこがしっくりきたんですか?


橋本:もともと好きだったんですけど、これまでは自分たちでポストパンクをやるイメージは湧いてこなくて。でも、ループ系の音楽が気持ちいいとなってきたとき、ポストパンクのループ感というか、シンプルな構成で同じコード進行がずっと続く感じが、自分の今の感性とフィットしたんだと思います。ポストパンク的なノリとヒップホップ的な要素を混ぜたら面白いんじゃないかなって。自然とそういう発想に行き着いた感じです。

―Wezさんは今、何か制作中だったりしますか?


Wez:いろいろと進めていて。今年は僕も参加しているコレクティヴ「Solgasa」がいろいろ動くのでその準備をしたり、自分のアルバムもゆっくり作っています。

―初のアルバム、かなり待たれてるんじゃないですか。


Wez:まだどんな作品になるのか、自分でもわからないですけどね。毎回こうやって客演をやるたびに「こんなこともできる!」となって、そのたびに考え直したりしているので。とりあえず今は、いろんなものを試してみたい。とりあえず今年、僕の名前が入っているものでは「Mystery Train」が一番好きですね。夏のあいだずっと聴けそう。

橋本:Wez君のパートのレコーディングに立ち会ったとき、ちゃんと自分の一番おいしいところをわかっているのが印象的でしたね。まだ23歳とかなのに、すごいなと思って。僕はあまり生で歌を録るのが好きじゃなくて、ダブルで声を重ねたりエフェクトでいじったりすることが多いんですけど、Wez君は(自分の声の)気持ちいい音域がわかるんですよね。あと、「これはこういう歌詞だから生で録った方がいい」とか、ちゃんと自分で考えて提示してくれるんですよ。

Wez:ありがとうございます! 今回はガヤ(合いの手)で結構遊びましたね。普段はあまりやらないけど、そういうのも楽しかったです。

橋本:そんなふうに、いろんな手法が出てくるからめっちゃ勉強になりました。他にもウィスパーを入れたりとか。「ヒップホップってこうやって作っていくんだ」っていうのを現場で見れたので、すごく発見が多かったし、自分たちの作品にも取り入れられたらと思ってます。

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―理想的なコラボになったのがよくわかりました。「Mystery Train」はライヴでも絶対盛り上がると思うので、両者の共演も見てみたいです。


橋本:9月からEPのリリースツアーが始まるんですけど、東京公演ではぜひやりたいなと思っていて。それ以外でも、Wez君のスケジュールが合えばちょこちょこお呼びさせていただきたいです。

Wez:いつでもやります!

橋本:絶対楽しいしね。あとは、まだ一緒に酒を飲んでいないので。それも早く実現させないと。

Wez:たしかに(笑)。

橋本:ヒップホップを好きな人は、そんなにロックを聴いてない人が多そうなイメージがありますけど、Wez君と僕たちだったら、お互いのリスナーに興味を持ってもらえそうな気がしたんですよね。だから、Wez君の作品もぜひ聴いてほしいなと。間違いなく好きになってもらえると思うので。

Wez:お願いします!

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取材・文:小熊俊哉
写真:藤井拓


RELEASE INFORMATION

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Helsinki Lambda Club「Hello, my darkness」
2022年7月13日(水)
Format: Digital / CD 2,200円(税込)
Label:Hamsterdam Records / UK.PROJECT

Track:
1. I'm as real as a donut
2. Khaosan
3. 真っ暗なドーナッツ
4. Village Satomi
5. Mystery Train (feat. Wez Atlas)
6. 夢で逢えたら

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【UKFC ONLINE SHOP限定・数量限定福袋ミニアルバム】
仕様:オリジナルショッパー、Tシャツ、クリアポスター、ステッカーセット付き
価格:5,000円(税込)

福袋ミニアルバム「Hello, my darkness」
https://ukfc.shop/product/41750

【FLAKE RECORDS限定特典】
FLAKE RECORDSで「Hello, my darkness」をお買い上げの方に、先着でジャケット柄クリアステッカーを差し上げます。
※特典数には限りがございます。
※ご予約は6月27日(月)より承ります。
※特典は無くなり次第終了となります。特典の有無はFLAKE RECORDSにお問い合わせください。

FLAKE RECORDS


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Wez Atlas、michel ko、Sagiri Sól「Too Good To Be Ture」
2022年7月20日(水)
Format: Digital
Label:Solgasa

Track:
1. Too Good To Be Ture

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VivaOla、Tommi Crane、Jua、KRICK「Cut!」
2022年7月27日(水)
Format: Digital
Label:Solgasa

Track:
1. Cut!

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LIVE INFORMATION
Helsinki Lambda Club「Hello, my darkness」release tour"暗闇よこんにちは"
2022年
09月03日(土) 新潟CLUB RIVERST
09月04日(日) 仙台Darwin
09月09日(金) 名古屋Electric Lady Land
09月10日(土) 梅田TRAD
09月11日(日) 金沢vanvanV4
09月23日(金祝) 福岡DRUM Be-1
09月26日(月) 渋谷Spotify O-EAST

チケットはこちら


FREE THROW Vol.131 FREE THROW x Helsinki Lambda Club「Hello, my darkness」release special party
2022年8月12日(金)
下北沢BASEMENT BAR
OPEN&START 23:30
adv. ¥2,500/day.¥2,800(各D別)

Guest Live:
Helsinki Lambda Club

DJ:
弦先誠人 / 神啓文 / タイラダイスケ

VJ:
AJUKA(BeastPictureMarket)

チケットはこちら


Solgasa!
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2022年8月7日(日)
恵比寿Time Out Cafe &KATA
16:00-21:00

LIVE:
Wez Atlas / VivaOla / Jua / michel ko / Tommi Crane / Sagiri Sól
itsumi / sangdei

Beat LIVE:
Shimon Hoshino

DJ:
starRo / nonomi / Shun Izutani (Re.)

チケット(一般発売中):¥2,500(D別)
チケットはこちら


LINK
Helsinki Lambda Clubオフィシャルサイト
@helsinkilambda
@wezzyatlas
@wezzyatlas
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