SENSA

2022.04.01

変化を受容する。モダンサイケの源流にあるパンク精神「Eupholks」-Highlighter Vol.127-

変化を受容する。モダンサイケの源流にあるパンク精神「Eupholks」-Highlighter Vol.127-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。
Vol.127は、東京都内を中心に活動する小池弘之による音楽プロジェクト、Eupholks(ユウフォルクス)を取り上げる。
3月30日にリリースされた初となる全国流通盤『hua』は、ほぼ全楽器とボーカルを自身が担当。タイトルのhua(ホア)は中国語で「化」と書き、思うようにいかない状況を変えるのは自分次第であり、また変化を受け入れることも重要であるということを表現したコンセプチュアルな1枚になった。6曲でひとつの作品にするため、曲名は全て「hua」で統一されている。


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活動を始めたきっかけ
形にしてみたい音を、新しく出会う人や今までの友人たちと作っていける場所を作りたくて、Eupholks(ユウフォルクス)という名義を作りました。

影響を受けたアーティスト
根底にあるのはパンクロック、ハードコアパンクだと思います。音楽だけでなく、アティテュード面や活動方法など、たくさんのことを教えてもらえました。DESCENDENTSAllBig Boysなど、活動する場所にいる人たちとは異なったことをやっていたバンドやアーティストに影響を受けました。





パンクロックがきっかけで出会ったモノや人たちから大きく音楽の趣向が広がっていき、聴いたものを自分なりに形にしてみたいという気持ちが強くなっていったと思います。学生時代はパンク雑誌『DOLL』のインタビューやHi-STANDARD横山健さんのムック本を夢中になって読んで、CDやレコードを買いに行くのが好きでした。好きな人の好きな音楽を知りたいという気持ちがあったんでしょうね。DESCENDENTS / AllのStephen Egertonの尊敬するギタリストがJohn McLaughlinで、McLaughlinはMiles Davisの『Bitches Brew』で弾いてるのか、とか新しい発見があるたびに喜んでいました。Superchunkなどの1990年代、Dirty Projectorsなどの2000年代のインディロックを好んで聴き続け、その後、20代後半に出会ったGrateful DeadCaptain Beefheartとの出会いは衝撃的で、Eupholksの曲作りにおいてとても影響を受けています。







注目してほしい、自分の関わった作品
今回制作したアルバム『hua』はコロナ禍の中、個人的な事情で活動が制限されてもできることを考え、形にしていきました。ほぼ全トラックを自宅で録音し、生ドラムに関してはリモートで旧友である山﨑聖之に録音してもらいました。少し前まで自分にはできないだろうと思っていたことも、環境の変化において自分が変わることで実現できるという良い経験ができたと思います。



今後挑戦してみたいこと
一番は演奏活動の再開ですが......。Eupholksの活動をスタートさせてから、楽曲が同一でも編成に合わせた限定的ではないアレンジメントの考え方がようやく掴めてきたような気がするので、更にいろいろな人と演奏や作品作りをしたいなと考えています。また自分を必要としてくれる人がいるのであれば、他人への楽曲提供も挑戦したいなと思います。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
他国の文化には小さい時から影響を受けていたのだと思います。小学生時代はほぼイギリスの田舎で生活をしていたので、人との関わり方や考え方、感じ方などはそこでも大きく自分の土台ができたのかなあと考えていました。

2回しか行ったことがないのですが......台湾がアジア圏で唯一行ったことのある国で、そこでの文化にも、ここ数年とても影響を受けています。現地の人たちは良いものや興味があるものには素直に反応していて、そんな感覚を少し自分は忘れていたのかもと思い出させてくれました。台湾の食べ物も大好きです!

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今注目しているカルチャー
Instagram上でモノ作りをする人を探すのが好きで続けています。特にそんなにフォロワー数がいないのに物凄く好みの作品を作るイラストレーター / アーティストを見つけて、コンタクトを取ってみたり、作品を購入したりしています。規模や居住地に関係なく発信と受信ができる世の中になったので、自分の意思と好みで選んだり、探したりすることがとても重要なんだなと感じています。世界中のGrateful Deadのファンたち=Dead Headsにはアーティストが多く、そのカルチャーは70年代から根強く続いているそうです。ここ数年はそんな人たちから海外通販することにハマっています。

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RELEASE INFORMATION

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Eupholks『hua』
2022年3月30日(水)
試聴はこちら

PROFILE

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Eupholks
東京都内を中心に活動する小池弘之による音楽プロジェクト、Eupholks(ユウフォルクス)。ソロ、少人数から大型編成のバンドセットと様々に形を変え、ライブハウスだけではなく、アートギャラリーなど、場所を選ばず活動中。モダンサイケなインディロックをベースとしながら、フォークやファンクなど、ミュージックファンである自身が愛聴する音楽を消化し た音楽を目指している。

活動開始から、Yr poetryの来日公演の主催のほか、football, etcなど、数々の来日公演サポートを経験、自主企画「Merge, Emerge」を精力的に開催し、共鳴するアーティストたちとの共演を重ねていることもあり、アーティストからの指示が多い。2020年のコロナ禍において演奏活動を⼀時停止せざるを得なくなったため、制作活動へシフト。同年5月にはイラストレーター、megumi yamazakiと、アニメーションと音楽のコラボレーション作品「House!」をリリース。続けて、各地のアーティストと共作し、1曲を作り上げるプロジェクト「Intermingle」を始動。これまでにCharlotte is Mine、サトーカンナ、Shimpei Watanabe(HOPI)、CONFVSEらと制作した曲がリリースされている。

LINK
オフィシャルサイト
@hiroyuki_koike_
@eupholks
Official YouTube Channel

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