2022.03.02
音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。
Vol.122は、スカ、レゲエから影響を受けたオリジナルサウンドに現代を生きる女性ならではの力強いメッセージが込めて届けるORESKABAND(オレスカバンド)を取り上げる。
3月2日にリリースされた『BOHEMIA』は、新ベーシストYUMEが加入した新生ORESKABANDによる5年ぶり通算6枚目のフルアルバム。
新たな試みとしてリモートによる楽曲制作もおこなわれた今作は、従来のビンテージなホーンサウンドにシンセサイザーを大胆に取り入れた新たなオレスカサウンドを構築。これまで以上に大人っぽさが増し、磨き上げられたグルーヴで世界中を旅する。
当時地元の大阪ではスカが流行っていたので、朝から晩までスカバンドだけが集まるイベントがいろんなライブハウスで開催されていました。そこにメンバーみんなで遊びに行って、スカに触れていきました。
今はなきベイサイドジェニーという大阪で有名なライブハウスで、メンバーがGELUGUGUのライブを見たのがきっかけで、初めてスカというものを知りました。
その後は地元の先輩にいろいろ教えてもらって、The Specialsを聴くようになり、イギリスの2トーンスカを掘っていきました(他にもMadness、The English Beat、The Selectorなど)。
後にSpecialsにも参加していたトロンボーンプレイヤーのリコロドリゲスさんと一緒に作品を作り、ライブをするとは夢にも思っていませんでした。
それと同時にツートーンからさらに派生したアメリカのサードウェーブスカの影響を受け、FishboneやNo Doubt、あとsublime、Reel Big Fishあたりを聴きまくってました。
Reel Big Fishはアメリカツアーで一緒に共演できて夢のような時間でしたし、Fishboneもベースのノーウッドがライブに見に来てくれて「お前らロックだな、俺はロックなバンドが好きなんだ」って言ってくれて感動した思い出があります。
自分たちのルーツであるスカ、レゲエ、ダブのリズムを大事にしながら今回はシンセサイザーの音をたくさん起用しました。
3曲目の「SHE」ではシンセベースと生音ベースをシーンによって切り替えていますし、アナログシンセを演奏してレコーディングしています。
6曲目の「Stormy」はドラムはキックの音だけ打ち込みにしてそれにハイハットとスネアを重ねていきました。
全体を通していちばんこだわった点は「隙間」。なるべく音数を減らし、音と音の間を作るようにして、曲の構成や展開を引き算で成り立つようにしていきました。
もうひとつのポイントは、前ベーシストのTomiから新ベーシストのYUMEが加入するまで、様々なベーシストをゲストに招いたことで、ベースのアプローチが曲ごとにバリエーション豊かになったところ。
と同時にベースのフレーズやプレイで曲が激変する様も目の当たりにして、アレンジの可能性って無限大だなぁと思いました。
トラックメイカーにオケだけ提供してもらうとか、シンガーやラッパーとコラボしたり、DJにリミックスをお願いしたり。
それと、曲をもっともっと自由に作りたいなとも思っています。形式に囚われないというか、例えばコードがない曲とか、リズムと歌だけとか、Aメロ・サビみたいなところも一回無視して完成させてみたい。いつもそう思いながらまともに曲を作ってしまうので(笑)。気の狂った曲を作りたいです!
兄の影響で当時人気の漫画は一通り読んでいたのですが(『ドラゴンボール』『NARUTO』『幽遊白書』『ハンターハンター』『ワンピース』『スラムダンク』etc......)。
自分の中での圧倒的1位で今どハマりしているのは『キングダム』。新刊の発売を楽しみにしている漫画のひとつです。有名なのでみんな知っているかもしれませんが、『キングダム』の時代背景は約500年も続いた春秋戦国時代が舞台になっていて、秦の始皇帝が中華を統一するまでの話です。
この漫画を通じて、当たり前のように生きている現代は、いろんな人の犠牲や命が繋がって成り立っているということだったり、国の成り立ちだったり、仲間の大事さだったり、信念を貫く強さだったり......学んだことは数え切れません(笑)!
監督でもあり、脚本家でもあり、カメラマンでもあり、演出家でもあり、画家でもあり......漫画の中にはいろんな技術が詰まっていて、紙とペンだけでこんなに人をワクワクさせたり感動させたりできるって本当に凄いですよね。
「口癖はカレー」は全国からいろんなカレー屋さんが集結し、様々な味を堪能できるイベントです。ライブもありつつ、フェスのような雰囲気で、そこらじゅうからスパイスの良い香りが漂い、来た人が一日中美味しい気持ちで楽しめるディープな場所。そのイベントだけでも何十種類もの店の味があって驚きました。
そこからカレーとスパイスにハマりだし、東南アジアの食文化に興味が湧いていきました。
カレーと音楽、ひいてはスカは共通するものを感じていて、カレーは「結果カレーであればOK」で、材料は何を入れてもいいですし、和洋中なんでも合うミラクルな料理。
スカも同じく「結果スカであればOK」的なところがあるなと思っていて、歌謡スカもあるし、スパニッシュスカもあるし、アフリカンなスカもあるし、どんな楽器や人種も飲み込んでしまう、包容力と多様性があります。そしてどの音(スパイス)を強調するかで特徴が変わったりする。
聞いた話によると、人間の体ってコレを食べればいい!みたいな良薬ってなくて、何でも偏らずに満遍なく食べるってことが一番大事なんだそうです。なので一気にいろんな物を摂取できるスパイスカレーは身体にも良い!って言いながら、スパイスカレーを食べる会を休日にカレー仲間と開催したりしてます(笑)。
ORESKABAND『BOHEMIA』
2021年3月2日(水)
試聴はこちら
新宿LOFT
2003年に大阪府堺市内の中学校にて結成した女性スカロックバンド。
iCas(Vo/Gt)、tae(Dr)、HAYAMI(Tb)、ADD(Sax)、YUME(Ba)の5人組。
ジャマイカ発祥のポピュラー音楽であるスカ、レゲエから影響を受けたオリジナルサウンドに現代を生きる女性ならではの力強いメッセージが込められた楽曲、エネルギッシュなライブパフォーマンスで世界を賑わせる。
全米46都市ツアー、ブラジル公演、ヨーロッパツアーなど、国内はもちろん海外での活動も積極的に行っている。 2015年から定期開催しているライブハウスとクラブカルチャーが交わるスカ、レゲエ、ダンスホールに特化したカルチャー系イベント「Stay Irie, Go Rudy」の主宰。
@ORESKA_Official
@oreskaband_official
Official YouTube Channel
Vol.122は、スカ、レゲエから影響を受けたオリジナルサウンドに現代を生きる女性ならではの力強いメッセージが込めて届けるORESKABAND(オレスカバンド)を取り上げる。
3月2日にリリースされた『BOHEMIA』は、新ベーシストYUMEが加入した新生ORESKABANDによる5年ぶり通算6枚目のフルアルバム。
新たな試みとしてリモートによる楽曲制作もおこなわれた今作は、従来のビンテージなホーンサウンドにシンセサイザーを大胆に取り入れた新たなオレスカサウンドを構築。これまで以上に大人っぽさが増し、磨き上げられたグルーヴで世界中を旅する。
活動を始めたきっかけ
結成は2003年、同じ中学校に通っていた幼馴染同士でバンドを組みました。その頃は中学3年生で、高校受験のために通っていた川沿いの塾の行き帰りで、勉強そっちのけで「バンドやろうぜ!」って話をして。当時地元の大阪ではスカが流行っていたので、朝から晩までスカバンドだけが集まるイベントがいろんなライブハウスで開催されていました。そこにメンバーみんなで遊びに行って、スカに触れていきました。
影響を受けたアーティスト
一番最初のスカとの出会いは大阪の大先輩THE GELUGUGUです。今はなきベイサイドジェニーという大阪で有名なライブハウスで、メンバーがGELUGUGUのライブを見たのがきっかけで、初めてスカというものを知りました。
その後は地元の先輩にいろいろ教えてもらって、The Specialsを聴くようになり、イギリスの2トーンスカを掘っていきました(他にもMadness、The English Beat、The Selectorなど)。
後にSpecialsにも参加していたトロンボーンプレイヤーのリコロドリゲスさんと一緒に作品を作り、ライブをするとは夢にも思っていませんでした。
それと同時にツートーンからさらに派生したアメリカのサードウェーブスカの影響を受け、FishboneやNo Doubt、あとsublime、Reel Big Fishあたりを聴きまくってました。
Reel Big Fishはアメリカツアーで一緒に共演できて夢のような時間でしたし、Fishboneもベースのノーウッドがライブに見に来てくれて「お前らロックだな、俺はロックなバンドが好きなんだ」って言ってくれて感動した思い出があります。
注目してほしい、自分の関わった作品
3月2日にリリースした『BOHEMIA』は5年ぶりのフルアルバムになります。自分たちのルーツであるスカ、レゲエ、ダブのリズムを大事にしながら今回はシンセサイザーの音をたくさん起用しました。
3曲目の「SHE」ではシンセベースと生音ベースをシーンによって切り替えていますし、アナログシンセを演奏してレコーディングしています。
6曲目の「Stormy」はドラムはキックの音だけ打ち込みにしてそれにハイハットとスネアを重ねていきました。
全体を通していちばんこだわった点は「隙間」。なるべく音数を減らし、音と音の間を作るようにして、曲の構成や展開を引き算で成り立つようにしていきました。
もうひとつのポイントは、前ベーシストのTomiから新ベーシストのYUMEが加入するまで、様々なベーシストをゲストに招いたことで、ベースのアプローチが曲ごとにバリエーション豊かになったところ。
と同時にベースのフレーズやプレイで曲が激変する様も目の当たりにして、アレンジの可能性って無限大だなぁと思いました。
今後挑戦してみたいこと
やりたいことはいろいろあるのですが、一番はもっといろんなクリエイターと一緒に作品を作ってみたいです。トラックメイカーにオケだけ提供してもらうとか、シンガーやラッパーとコラボしたり、DJにリミックスをお願いしたり。
それと、曲をもっともっと自由に作りたいなとも思っています。形式に囚われないというか、例えばコードがない曲とか、リズムと歌だけとか、Aメロ・サビみたいなところも一回無視して完成させてみたい。いつもそう思いながらまともに曲を作ってしまうので(笑)。気の狂った曲を作りたいです!
カルチャーについて
触れてきたカルチャー
昔から漫画が大好きで、四六時中漫画を読んでいました。小学生の時は漫画家になりたかったんです。兄の影響で当時人気の漫画は一通り読んでいたのですが(『ドラゴンボール』『NARUTO』『幽遊白書』『ハンターハンター』『ワンピース』『スラムダンク』etc......)。
自分の中での圧倒的1位で今どハマりしているのは『キングダム』。新刊の発売を楽しみにしている漫画のひとつです。有名なのでみんな知っているかもしれませんが、『キングダム』の時代背景は約500年も続いた春秋戦国時代が舞台になっていて、秦の始皇帝が中華を統一するまでの話です。
この漫画を通じて、当たり前のように生きている現代は、いろんな人の犠牲や命が繋がって成り立っているということだったり、国の成り立ちだったり、仲間の大事さだったり、信念を貫く強さだったり......学んだことは数え切れません(笑)!
監督でもあり、脚本家でもあり、カメラマンでもあり、演出家でもあり、画家でもあり......漫画の中にはいろんな技術が詰まっていて、紙とペンだけでこんなに人をワクワクさせたり感動させたりできるって本当に凄いですよね。
今注目しているカルチャー
以前、大阪・味園ユニバースで行われた「口癖はカレー」というイベントに出演させていただいたことがあり、そこからスパイスカレーの文化にハマりました。「口癖はカレー」は全国からいろんなカレー屋さんが集結し、様々な味を堪能できるイベントです。ライブもありつつ、フェスのような雰囲気で、そこらじゅうからスパイスの良い香りが漂い、来た人が一日中美味しい気持ちで楽しめるディープな場所。そのイベントだけでも何十種類もの店の味があって驚きました。
そこからカレーとスパイスにハマりだし、東南アジアの食文化に興味が湧いていきました。
カレーと音楽、ひいてはスカは共通するものを感じていて、カレーは「結果カレーであればOK」で、材料は何を入れてもいいですし、和洋中なんでも合うミラクルな料理。
スカも同じく「結果スカであればOK」的なところがあるなと思っていて、歌謡スカもあるし、スパニッシュスカもあるし、アフリカンなスカもあるし、どんな楽器や人種も飲み込んでしまう、包容力と多様性があります。そしてどの音(スパイス)を強調するかで特徴が変わったりする。
聞いた話によると、人間の体ってコレを食べればいい!みたいな良薬ってなくて、何でも偏らずに満遍なく食べるってことが一番大事なんだそうです。なので一気にいろんな物を摂取できるスパイスカレーは身体にも良い!って言いながら、スパイスカレーを食べる会を休日にカレー仲間と開催したりしてます(笑)。
RELEASE INFORMATION
ORESKABAND『BOHEMIA』
2021年3月2日(水)
試聴はこちら
LIVE INFORMATION
リリース記念ワンマンライブ
2022年6月5日(金)新宿LOFT
PROFILE
ORESKABAND(オレスカバンド)2003年に大阪府堺市内の中学校にて結成した女性スカロックバンド。
iCas(Vo/Gt)、tae(Dr)、HAYAMI(Tb)、ADD(Sax)、YUME(Ba)の5人組。
ジャマイカ発祥のポピュラー音楽であるスカ、レゲエから影響を受けたオリジナルサウンドに現代を生きる女性ならではの力強いメッセージが込められた楽曲、エネルギッシュなライブパフォーマンスで世界を賑わせる。
全米46都市ツアー、ブラジル公演、ヨーロッパツアーなど、国内はもちろん海外での活動も積極的に行っている。 2015年から定期開催しているライブハウスとクラブカルチャーが交わるスカ、レゲエ、ダンスホールに特化したカルチャー系イベント「Stay Irie, Go Rudy」の主宰。
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オフィシャルサイト@ORESKA_Official
@oreskaband_official
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