SENSA

2022.02.16

生音チル・ヒップホップが捉える流動と普遍への気づき「Nelko」-Highlighter Vol.120-

生音チル・ヒップホップが捉える流動と普遍への気づき「Nelko」-Highlighter Vol.120-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。
Vol.120は、極上のポップネスとチル・ヒップホップを煮詰めて新しい音楽を生み出していく5人組バンド、Nelkoを取り上げる。
2月16日にリリースされた1stアルバム『How Do You Feel?』は、これまでにリリースした4 枚のシングル「Good Feeling」「Healthy」「Radio Days」「Melted Blue」をはじめ、メンバーの多彩なバックボーンを昇華させた11曲を収録。コロナ禍に感じた、変わっていくことの寂しさや変わらないものの幸せを丁寧な筆致で綴った等身大の歌詞にも注目してほしい。


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活動を始めたきっかけ
2019年にNelkoの楽器隊でブラックミュージック志向のバンドを組むことになり、デモを作ったりスタジオに入ったりしていましたが、フロントマンが見つからず細々としか活動していませんでした。その後、Nelkoのメンバーとヒップホップユニットを組んでいたLaundryにNelkoでラップをやらないかと誘いました。同時期に、仲の良いバンドDokkoise Houseのベース担当のSayaが実は歌も上手いという噂を聞きつけ、ボーカル担当として声をかけました。2人と共にスタジオでセッションをしてみたところ、メンバーの音楽の嗜好性はそれぞれ違うのに非常にフィーリングが合ったので、2人をメンバーとして迎え入れ、そこから本格的に活動することになりました。

影響を受けたアーティスト
それぞれ普段聴いている音楽がバラバラなので、Nelkoの曲は本当に色々なジャンル(ヒップホップ、 ジャズ、シティポップ、ポストロック、ネオソウル、J-POP......etc)から影響を受けています。共通点を挙げるとするなら、別世界に連れて行くような刺激的な音楽というよりも、何気ない日常に寄り添うようなリラックスした音楽に魅力を感じます。Nelkoはこれまでにシングルをリリースする度に、そのシングルに合う曲や影響を受けた曲を各メンバーが選曲し、プレイリストを作っています。Spotifyでも聴けますので、ぜひ聴いてみてください。参考に、昨年の11月にリリースした4thシングル『Melted Blue』のプレイリストを載せておきます。



注目してほしい、自分の関わった作品
コロナ禍でなかなかライブ活動ができない中で、どうにか音楽活動を続ける方法を模索した結果、音源を作ることに全力を費やしてきました。その集大成となる11曲入り1stアルバム『How Do You Feel?』が、2月16日についにデジタルリリースされました。ダンサブルなリードチューンや、チル・ヒップホップの質感を持ったミドルナンバー、ポエトリーなラップを乗せたスローテンポな楽曲など、本当に幅広いラインナップとなっています。

デモ作りやレコーディングを各々の自宅からリモートで行うなど、コロナ禍ならではの方法で音源作りをせざるを得ませんでした。しかし、リモートでの作業に慣れてくると、対面で会うよりも気軽にメンバーとオンライン上で集まれるので、丁寧にコミュニケーションをとりながら音源作りを進めることができました。そういう点では、コロナ禍という特殊な状況がNelkoにとってはかえって良いきっかけになったようにも思います。



メンバーはNelko以外にも様々な音楽活動を行っています。ボーカルのSayaは7人組シティポップバンドDokkoise Houseでベーシストとして活躍しています。ギターのTuppinはシンガーソングライターのイハラカンタロウの楽曲にサポートギターとして参加しています。こちらもぜひチェックしてみてください。




今後挑戦してみたいこと
Nelkoは活動し始めた頃にちょうどコロナ禍になってしまったので、悲しいことにまだほとんどライブ経験がありません......。なので、コロナ感染が収束したら今までの鬱憤を晴らす思いでたくさんライブを行いたいです。また、Nelkoの曲は野外で聴くと気持ちいいものばかりだと思っているので、ぜひ音楽フェスにも出演したいです(オファー待っています)。あとは、これまではNelkoだけで音源制作をしてきましたが、今後は色々なアーティストともコラボして曲を作ってみたいなと思っています。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
個人的な話(Laundry)で言うと、元々ドラマーとしていくつかのバンドで活動していたのですが、自分の別の表現方法としてラップを選んで新しく始めたのは文学や映画を通して言葉を使った表現に興味があったからだと思います。両親が劇団で出会ったことや書き物の仕事をしていたことも影響したのか、僕自身も大学で文学を専攻しました。

また学生の頃ミニシアターでアルバイトをしていて、古い名画からインディー映画まで沢山映画に触れてきました。好きなジャンルは幅広いのですが、自分のルーツと言えるような作品を挙げると村上春樹の小説『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』やフランソワ・トリュフォーの映画『終電車』。音楽家なら、ラッパーの環ROYさんやシンガーの寺尾紗穂さんなど、独自の詩の世界観を持っている人に惹かれてきたし、自分がリリックを書くときに無意識にも影響は受けているのかなと思います。



今注目しているカルチャー
カフェや飲食店、古着屋やレコードショップなど街の中でカルチャーの交流が生まれている場所が面白いと思っています。2ndシングル「Healthy」のミュージックビデオは友人がオーナーを務めていることから、三鷹で美味しいカレーを提供しながらレコードや古着を売っている個性的な店舗「ちょっと遠いレコード」で撮影させてもらいました(現在は惜しくも閉店)。面白い人の周りには面白い人が集まるもので、人から人へ伝わっていく口コミでしか得られないものも大いにあると思っています。もちろん、ライブハウスでの演奏も特別なものですが、自分たちらしい活動やコアなファンとの結びつきを作る活動も模索していきたいですし、街のお店で人数を限定した、違う趣のイベントなどにもトライしてみたいです。



RELEASE INFORMATION

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Nelko『How Do You Feel?』
2022年2月16日(水)
試聴はこちら

LIVE INFORMATION

Nelko 1st Album "How Do You Feel?" Release Party
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3月27日(日)渋谷7th Floor
出演バンド:Nelko、bathhouse、Dokkoise House
チケット料金:予約¥2500 +1drink 当日¥2800 + 1drink
チケット予約フォーム:
https://forms.gle/VbC4ei1uEi95rA5K9

PROFILE

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Nelko
極上のポップネスとチル・ヒップホップを煮詰めて作る新しい音楽。
Dokkoise Houseのメンバーをはじめとしたグッドミュージックを大切にするミュージシャンに、バンド編成にあえてこだわったラッパーのLaundryが合流して結成された5人組。
2020年9月活動開始。
Saya(Vo)、Laundry(Rapper)、Tuppin(Gt)、Morly(Ba)、Mikan Man(Key)

LINK
@Nelko_band
@nelko_band
Official YouTube Channel

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