SENSA

2022.02.09

重厚感と浮遊感を湛えたオルタナティブ・エモ「Forbear」-Highlighter Vol.118-

重厚感と浮遊感を湛えたオルタナティブ・エモ「Forbear」-Highlighter Vol.118-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。
Vol.118は、ハードコアパンクを出自とする男女ツインボーカルのエモ系4ピースバンドForbearを取り上げる。
2月2日に約2年ぶりにリリースされたEP『4songs 』は、Hollow SunsやSuper Structure、And Protectorなどを手がけるDevuをエンジニアに迎え、ハードコア、ポップパンク、エモを横断した深みのあるサウンドを聴かせる1枚。なかでもオープニングナンバー「Read On」は重厚感のあるアプローチにWhisky Yoko(Vo/Gt)による冷たくも美しいボーカルが映える。


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活動を始めたきっかけ
Hangover Taroh(Ba):元々は別々のバンドで活動していたメンバーが集って結成しました。Massive Kent(Dr)とHangover Tarohが当時それぞれ別のバンドで対バンする機会が多く、年齢や好きな音楽も近かったので仲良くなりました。のちにMassive Kentが海外留学で日本を離れるタイミングで「帰国したら新しいバンドを組もう」と発起したことが起源です。帰国した後はクダを巻くだけの飲み会を毎週繰り返す日々過ごしておりましたが、流石に埒があかない雰囲気になり、新中野の駐車場で酒を呑みながら「いい加減メンバー探すべ」と重い腰を持ち上げ、Massive Kentが対バン経験のあったYoshigazer(Vo/Gt)を誘ったことでようやくスタジオに入りました。スタジオで「Humみたいなノリで~」と意気込むも早々に諦めてメンバーをもう一人集うことに進展し、メン募をかけたところ、連絡をくれたのがWhisky Yoko(Vo/Gt)です。Humや初期Run For Cover Recordsのバンドを参考にしつつ、スタジオでダラダラと曲を作りながら、晴れて2018年5月のMuncie Girlsの来日公演で初ライブを敢行。以降はマイペースに活動してます。



影響を受けたアーティスト
Yoshigazer:Forbearで自分のギターやボーカルパートを考える上ではっきり参考にしているのはDinosaur Jr.やHum、Nothingあたりの音やメロディセンスです。それと学生時代にリアルタイムで聴いていたThe Pains of Being Pure at HeartYuckのような2010年前後のインディーポップが曲作りに大きく影響しているかなと思います。
また、大学の先輩・友達関係でよくライブを観に行っていたFlying Izna Dropや青梅のPotlucks、現在近い界隈で活動しているVINCE;NTなど身の回りのバンドに直接刺激を与えられている面も強いです。



Whisky YokoRodanIdaは、コピーバンドをした中で最も印象に残っています。
初めて聴いた時から現在に至るまで、いいわぁと思う感覚がずっと変わらないです。
あと、幼少期に親の影響で竹内まりやを聴いていたのですが、最近、アサヒ生ビールのCMで「元気を出して」が使われていて、ビールも美味しいしガッキーは可愛いし曲は良いしで最高でした。サウナで見て買って帰りました。


Massive KentFiddleheadのライブ映像は2021年で1番観ました。最高です。


Hangover Taroh:影響を受けた音楽は沢山ありますが、クラシックなのはSunny Day Real Estateです。いつだって最高です。


注目してほしい、自分の関わった作品
Hangover Taroh:2月4日に最新EP『4songs』をリリースしました。曲作りは今まで通り、個々がアイディアを持ち寄り、スタジオワークで膨らませるスタイルです。これと言ったコンセプトがある作品ではないですが、前作『10songs』リリース時よりもライブの本数が増えたので、楽曲自体に自然とライブを意識したアプローチが増えているかもしれません。



レコーディングに関して、今までのライブでドラムの音の迫力や派手さを褒めてもらえることが多く、その点には自負もあったので「ドラムの音」と「タイトさ」を意識しました。レコーディングエンジニアの候補が複数人居り悩み狂ったんですが、最終的にSuper Structureの音源を聴いた際に開始1秒で「ドラムの音クソ最高だ......」ってなりました。ブルータルハードコアa.k.aズブ友のHETHに繋いでもらい、今作のレコーディングをDevu Recordingsに依頼しました。初めましての関係性だったし、スタジオ自体も自分らには不釣り合いなくらい豪華だったので緊張しましたが、途中で挟んだ酒も相まって良い感じにグルーヴが出ました。結果的に当初狙ってた音像でレコーディング出来たと思います。海外のオルタナバンドがハードコアエンジニアでレコーディングするパターンが多々ありますが、そういう観念的な部分とか抜きにDevuさんがバンドの意図を的確に汲んでくれたことが今作に大きく作用したと思います。



今後挑戦してみたいこと
Hangover Taroh:これと言った展望はないのですが、自主企画を定期的に開催できれば良いなと思います。「Rising Hands」という名で企画しているのですが、リリースのタイミング以外にも開催したいです。あとはマイペースな活動でもメンバー変わらずにバンドが続けられれば最高です。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
Whisky Yoko:本とウィスキーです。どちらも詳しくはないですが、日常を少し楽しくしてくれます。
本は小学校の図書室で江戸川乱歩を読み死体をマネキンにしちゃう場面などに衝撃を受けたのがきっかけで、結局、今も読む本はほぼミステリー小説です。活字を追うことでどこへでも行けて、性別や職業、犯罪、恋愛など様々な疑似体験ができるのは面白く気分転換になります。森博嗣さんの作品をよく読みます。S&Mシリーズは、25年前の作品にも関わらずメタバース感がすごくて、当時はSFに近い感じで読んでいましたが、時代が本の内容に追いついてきたみたいで静かに感動しています。
ウィスキーは学生時代にアルバイトしていたバーで、マッカラン12年を知ったのがきっかけです。飲み比べも良いのですが、ボトルの個性が強くだいたいかっこいいので、陳列を眺めるだけでも楽しいです。また、ウィスキー愛好家の方々のレビューが読み応えあり、味の表現や知識、そしてウィスキー愛に溢れています。こう書いてみると、音源購入と通ずるところがありそうです。冬の好きな飲み方として、ホットウィスキー+はちみつ+シナモンでめちゃめちゃ暖が取れます。

今注目しているカルチャー
Yoshigazer:バンド関係以外での趣味や生活スタイルはメンバーみんなバラバラな印象です。Hangover Tarohはよくサウナに通っていて、Massive Kentは夜中のサッカー観戦で大体いつもスタジオに遅れるし、Whisky Yokoさんはライブ前の空き時間にミステリー小説を読んでいるイメージなので、音楽以外でみんなが注目しているカルチャーといえばその辺になるのかなと思います。
自分は超インドア派なので、特に予定のない休日はゲームや読書をしていることが多いです。趣味でたまに海外のインディーゲームの和訳をしているのですが、特に以前お手伝いしたインドネシアのToge Productionsの作品は、日本の漫画やアニメの影響を作風に採り入れつつ自国の伝統文化やユースカルチャーをポップに描いていて、普段ゲームをしない方でも楽しめる良作揃いなので是非チェックしてみて欲しいです。


RELEASE INFORMATION

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Forbear『4songs』
2022年2月4日(金)
試聴はこちら

LIVE INFORMATION

Forbear presents "Rising Hands vol.3"- New Ep"4songs" Release Show -
2022年3月5日(土)
下北沢SHELTER
Open11:30 Start12:00
Adv.¥2,200 Door.¥2,500
Act : Forbear / Super Structure / falls / WETNAP

PROFILE

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Forbear
2017年12月にJoseph eats a snail、SADSUMMER、blue friend、Astheniaのメンバーらで結成。
2018年5月に開催されたWaterslide Records pre "Muncie Girls JAPAN TOUR"にて初ライブを敢行する。
2019年1月、1st EP『5songs』をカセットテープでセルフリリース。
2020年1月、1stアルバム『10songs』をLIKE A FOOL RECORDSより10インチ+CDでリリース。
2022年2月、2nd EP『4songs』をLIKE A FOOL RECORDSよりCDでリリース。

LINK
オフィシャルサイト
@ForbearBand
@forbearband

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