2022.02.03
音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。
Vol.117は、ボーカルいくみのしなやかな歌声とシンセサイザーを導入した多様な楽曲で幅広い世界観を作り上げる5人組バンド、（夜と）SAMPO を取り上げる。
2月2日にリリースした初の全国流通盤となった2ndミニアルバム『はだかの世界』は、すでにライブでアンセム化しつつある表題曲を含む全7曲を収録。バンドだけでなく、会社員としても現代をサバイブする彼らの「喜怒哀楽」が惜しみなく表現されており、同じ時代を生きる人たちの心に訴える作品に仕上がっている。
加藤は大学時代からすげえいいベーシストで、ベースが上手いだけじゃなく音楽的なセンスにも長けてるやつだったので声かけてもらえて嬉しかったですし、たまたまそのちょっと前に、偶然ライブ会場で加藤と会うことがあり、「最近やっぱりくるりとかKIRINJIとか最高やなって思うんよね」「わかるわかる！」「あんなセンス最高の歌モノとかやりたいんよね」「また何か一緒にやれたらいいな」「じゃっ！」みたいなやりとりをしたばっかりだったんですよ。何かを予言しているかのような（笑）。
幼児期はカーステレオで流れていた、母が好きだった音楽に影響を受けました。カーペンターズ、LOVE PSYCHEDELICO、aiko......特にMr.Childrenや90年代J-POPは、自分の「うたごころ」を育んでくれました。
そこから小中は受験勉強で聴いていたラジオや友だち付き合いの中でJ-POPの世界を広げていってたんですが、高校生でたぶん自分の何かが弾けちゃって（笑）。
発端は高校の時の軽音楽部の先輩の影響です。すごく音楽に詳しくて、初めはUKロックにドはまりしました。Franz Ferdinand、Arctic Monkeys、Muse......今まで自分が通ってこなかった新しいロックたちに震えまくりましたね。よくCDレンタルしまくったな～。特にRadioheadの影響は大きくて、音楽の時間にアコギで「Creep」の弾き語りをして、一時期「Radi野（レディの）」と呼ばれてイジられてました。
ジョニー・グリーンウッドにギタリストとしてとても影響受けてます。無機質ながらも感情を音に表すようなギタープレイが大好きで、髪型もなんかエモくてかっこよくないです？ということで髪型まで真似ました（笑）。
先輩のおかげで感性がグワっと開けた感じがしたんですが、そこからなんか......イケナイ沼にはまったんですよね。黒魔術にはまるかの如く、プログレッシブ・ロックに傾倒しはじめました（笑）。
長ければいいし、奇をてらう展開であればあるほどシビれるというか。友達からは「お前から借しつけられたCD、なんか1曲20分くらいあるんやけどバグ？」と言われたり（笑）。僕もなぜかムキになって「いやいや、1曲60分くらいの組曲だってあるんやぞ!?」と謎のドヤ顔で返したりしてました。青春ですね！
特にKing CrimsonやMagma、Steven Wilsonは今でも聞くと心からカッコイ～!!と興奮しますよね。あの頃の自分に戻れます。
そこから大学に入り、ある種の境地にたどり着いたのか（笑）、ジャズ・フュージョン系にはまりました。
Pat Metheny、上原ひろみ、テクニックにシビれるのもあるんですけど、この辺の音楽を聴いてると、なんか涙出てくるんですよね。美しくて、はかなくて......言葉じゃなくて音楽で伝わるものって大きいな、自分も人を涙させるような演奏がしたいな、と思いました。
ちょっとここに書ききれないくらい、いろいろな音楽にハマったのですが、そのゴチャゴチャMIX感が（夜と）SAMPOの音楽にも現れているのではないかなと思います。
シビれるイントロを作りたい！と思い、プログレッシブ・ロックで培った（？）怪しいスケール感や不協和音的なコードをあえて使ったフックを詰めまくりの1曲です。
（夜と）SAMPO 「惑星」（1stミニアルバム『ノストラダムス』収録曲）
こちらは加藤が作曲した1曲。アウトロに2分近くギターソロがあります。ジャズ／フュージョンで培ったマインドで尺も決まっていないアドリブのギターソロを弾いてます。見た目はジャズ系とは全く思えない暴れ方をしてますが（笑）。
（夜と）SAMPO『はだかの世界』
2022年2月にリリースされた新作ミニアルバムです。
会社員をやりながら音楽をしているからこその、リアルな葛藤とそこからの解放を描いた1作。幅広い音楽ルーツがそのまま具現化されたような、曲の幅も魅力です。
そのためには生半可な音楽ではなく、人を音楽的に興奮させられるようなギミックやスキルが詰まっていて、それでいて誰かの心にぶっ刺さるようなリアルでハートフルなうたごころを伴った楽曲を、鋭い演奏技術とアツいマインドで届けることが大事だと思ってます。
写真は自宅に置いてあるサウナグッズたちです。家に観賞用のヴィヒタを置いてます（白樺の小枝を束ねたものをヴィヒタと呼びます。本場フィンランドのサウナでは、火照った体をこのヴィヒタで叩いて香りを楽しんだり、血流をよくする効果があるといわれています）。
僕はサウナで曲を作ることも多くて、新譜の表題曲「はだかの世界」なんかは神戸のサウナで作りました。2番サビの〈凍える街のジオラマ／暖める日々のドラマ〉というパートは、灼熱のサウナの後で水風呂に入っているときに浮かんだリリックでして、生まれた瞬間になんか無茶苦茶泣けてきて......でも水風呂の中だったんで周りにバレずにこっそり泣いてました（笑）。もし水風呂の中で泣いてる20代後半の男性がいたら、おそらく私だと思いますのでそっとしてあげてください。
（夜と）SAMPO 『はだかの世界』
2022年2月2日（水）
試聴はこちら
■名古屋編
2月12日（土）CLUB UPSET
open 17:00 / start 17:30
ゲスト：Subway Daydream / 猫を堕ろす
■東京編
2月19日（土）shibuya eggman
open 17:00 / start 17:30
ゲスト：ベランダ / Superfriends
■大阪編ワンマン
3月19日（土）大阪 Live House ANIMA
open 17:00 / start 17:30
（夜と）SAMPO
令和元年、始動。
ハンブレッダーズ、加速するラブズ、フィッシュライフ......と関西で話題を集めていたバンドの元メンバーを中心に、「また歌いたい」という一心で結成。
初ライブからわずか半年で関⻄最大級の音楽コンテスト「eo Music Try 20/21」でグランプリを獲得。
いくみ（Vo）のしなやかで感情表現豊かな歌声とシンセサイザーを導入した多様な楽曲で織りなされる幅広い世界観、そして「巧いだけじゃなくアツい」演奏が話題を生んでいる。
また、メンバー全員がフルタイムで働く会社員。
仕事も⾳楽も、どちらにも情熱を傾けつづけていきたいという（夜と）SAMPO ならではのスタンスも広く共感を呼んでいる。
@yorutosampo
@yorutosampo
Official YouTube Channel
Vol.117は、ボーカルいくみのしなやかな歌声とシンセサイザーを導入した多様な楽曲で幅広い世界観を作り上げる5人組バンド、（夜と）SAMPO を取り上げる。
2月2日にリリースした初の全国流通盤となった2ndミニアルバム『はだかの世界』は、すでにライブでアンセム化しつつある表題曲を含む全7曲を収録。バンドだけでなく、会社員としても現代をサバイブする彼らの「喜怒哀楽」が惜しみなく表現されており、同じ時代を生きる人たちの心に訴える作品に仕上がっている。
活動を始めたきっかけ
「会社員を続けながら音楽をする」ことにかねてよりこだわって活動してきました。以前続けていたバンドのサポート活動が落ち着いてきて、休日がヒマになってきたので、「もう少しなんかやりたいなぁ」と思ってSNSでなんとなく「ギター弾きたいな」って呟いたら、大学時代に入っていたジャズ／フュージョン系の軽音サークルで同期だったベースの加藤から「一緒にバンドやらへん？」とLINEが届いたことがキッカケです。まさか20代後半になって「バンドやらへん？」という初々しいメッセージのやり取りをすることになるとは思いませんでした（笑）。加藤は大学時代からすげえいいベーシストで、ベースが上手いだけじゃなく音楽的なセンスにも長けてるやつだったので声かけてもらえて嬉しかったですし、たまたまそのちょっと前に、偶然ライブ会場で加藤と会うことがあり、「最近やっぱりくるりとかKIRINJIとか最高やなって思うんよね」「わかるわかる！」「あんなセンス最高の歌モノとかやりたいんよね」「また何か一緒にやれたらいいな」「じゃっ！」みたいなやりとりをしたばっかりだったんですよ。何かを予言しているかのような（笑）。
影響を受けたアーティスト
幼児期から小→中→高→大......と時代によってむちゃくちゃ変わるんですよ！幼児期はカーステレオで流れていた、母が好きだった音楽に影響を受けました。カーペンターズ、LOVE PSYCHEDELICO、aiko......特にMr.Childrenや90年代J-POPは、自分の「うたごころ」を育んでくれました。
そこから小中は受験勉強で聴いていたラジオや友だち付き合いの中でJ-POPの世界を広げていってたんですが、高校生でたぶん自分の何かが弾けちゃって（笑）。
発端は高校の時の軽音楽部の先輩の影響です。すごく音楽に詳しくて、初めはUKロックにドはまりしました。Franz Ferdinand、Arctic Monkeys、Muse......今まで自分が通ってこなかった新しいロックたちに震えまくりましたね。よくCDレンタルしまくったな～。特にRadioheadの影響は大きくて、音楽の時間にアコギで「Creep」の弾き語りをして、一時期「Radi野（レディの）」と呼ばれてイジられてました。
ジョニー・グリーンウッドにギタリストとしてとても影響受けてます。無機質ながらも感情を音に表すようなギタープレイが大好きで、髪型もなんかエモくてかっこよくないです？ということで髪型まで真似ました（笑）。
先輩のおかげで感性がグワっと開けた感じがしたんですが、そこからなんか......イケナイ沼にはまったんですよね。黒魔術にはまるかの如く、プログレッシブ・ロックに傾倒しはじめました（笑）。
長ければいいし、奇をてらう展開であればあるほどシビれるというか。友達からは「お前から借しつけられたCD、なんか1曲20分くらいあるんやけどバグ？」と言われたり（笑）。僕もなぜかムキになって「いやいや、1曲60分くらいの組曲だってあるんやぞ!?」と謎のドヤ顔で返したりしてました。青春ですね！
特にKing CrimsonやMagma、Steven Wilsonは今でも聞くと心からカッコイ～!!と興奮しますよね。あの頃の自分に戻れます。
そこから大学に入り、ある種の境地にたどり着いたのか（笑）、ジャズ・フュージョン系にはまりました。
Pat Metheny、上原ひろみ、テクニックにシビれるのもあるんですけど、この辺の音楽を聴いてると、なんか涙出てくるんですよね。美しくて、はかなくて......言葉じゃなくて音楽で伝わるものって大きいな、自分も人を涙させるような演奏がしたいな、と思いました。
ちょっとここに書ききれないくらい、いろいろな音楽にハマったのですが、そのゴチャゴチャMIX感が（夜と）SAMPOの音楽にも現れているのではないかなと思います。
注目してほしい、自分の関わった作品
（夜と）SAMPO 「BACK MY WORD」（1stミニアルバム『ノストラダムス』収録曲）シビれるイントロを作りたい！と思い、プログレッシブ・ロックで培った（？）怪しいスケール感や不協和音的なコードをあえて使ったフックを詰めまくりの1曲です。
（夜と）SAMPO 「惑星」（1stミニアルバム『ノストラダムス』収録曲）
こちらは加藤が作曲した1曲。アウトロに2分近くギターソロがあります。ジャズ／フュージョンで培ったマインドで尺も決まっていないアドリブのギターソロを弾いてます。見た目はジャズ系とは全く思えない暴れ方をしてますが（笑）。
（夜と）SAMPO『はだかの世界』
2022年2月にリリースされた新作ミニアルバムです。
会社員をやりながら音楽をしているからこその、リアルな葛藤とそこからの解放を描いた1作。幅広い音楽ルーツがそのまま具現化されたような、曲の幅も魅力です。
今後挑戦してみたいこと
会社員をやりながら音楽もマジでやることを通じて、周りの人々に「自分の好きなことを突き詰めてやってもいいんだ！」と希望を与えられたらうれしいなと思います。そのためには生半可な音楽ではなく、人を音楽的に興奮させられるようなギミックやスキルが詰まっていて、それでいて誰かの心にぶっ刺さるようなリアルでハートフルなうたごころを伴った楽曲を、鋭い演奏技術とアツいマインドで届けることが大事だと思ってます。
今注目しているカルチャー
サウナです。仕事も音楽も本気でやってると...やっぱ、どちらも煮詰まったりすることもあります。考えることがいっぱいになって心の余裕がなくなってしまうこともあります。そんな時に自分が無になれて、自分を見つめなおすことができて、元気になれる場所がサウナなんです。サウナは光であり、ふるさと。多い時は9日間あった連休のうち7日間もサウナに行ってた時もありました（笑）。写真は自宅に置いてあるサウナグッズたちです。家に観賞用のヴィヒタを置いてます（白樺の小枝を束ねたものをヴィヒタと呼びます。本場フィンランドのサウナでは、火照った体をこのヴィヒタで叩いて香りを楽しんだり、血流をよくする効果があるといわれています）。
僕はサウナで曲を作ることも多くて、新譜の表題曲「はだかの世界」なんかは神戸のサウナで作りました。2番サビの〈凍える街のジオラマ／暖める日々のドラマ〉というパートは、灼熱のサウナの後で水風呂に入っているときに浮かんだリリックでして、生まれた瞬間になんか無茶苦茶泣けてきて......でも水風呂の中だったんで周りにバレずにこっそり泣いてました（笑）。もし水風呂の中で泣いてる20代後半の男性がいたら、おそらく私だと思いますのでそっとしてあげてください。
RELEASE INFORMATION
（夜と）SAMPO 『はだかの世界』
2022年2月2日（水）
試聴はこちら
LIVE INFORMATION
HADAKA NO SEKAI TOUR
■名古屋編
2月12日（土）CLUB UPSET
open 17:00 / start 17:30
ゲスト：Subway Daydream / 猫を堕ろす
■東京編
2月19日（土）shibuya eggman
open 17:00 / start 17:30
ゲスト：ベランダ / Superfriends
■大阪編ワンマン
3月19日（土）大阪 Live House ANIMA
open 17:00 / start 17:30
PROFILE
（夜と）SAMPO
令和元年、始動。
ハンブレッダーズ、加速するラブズ、フィッシュライフ......と関西で話題を集めていたバンドの元メンバーを中心に、「また歌いたい」という一心で結成。
初ライブからわずか半年で関⻄最大級の音楽コンテスト「eo Music Try 20/21」でグランプリを獲得。
いくみ（Vo）のしなやかで感情表現豊かな歌声とシンセサイザーを導入した多様な楽曲で織りなされる幅広い世界観、そして「巧いだけじゃなくアツい」演奏が話題を生んでいる。
また、メンバー全員がフルタイムで働く会社員。
仕事も⾳楽も、どちらにも情熱を傾けつづけていきたいという（夜と）SAMPO ならではのスタンスも広く共感を呼んでいる。
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