SENSA

2021.12.08

君と遠くへ。ロマンチックを呼び起こすポップミュージック「リ・ファンデ」-Highlighter Vol.106-

君と遠くへ。ロマンチックを呼び起こすポップミュージック「リ・ファンデ」-Highlighter Vol.106-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。
Vol.106は、2015年に曽我部恵一が主宰するROSE RECORDSからソロ・プロジェクトLee&Small Mountain名義でデビューし、現在はシンガーソングライターとして活動するリ・ファンデを取り上げる。
昨年リリースされた初のソロアルバム『HIRAMEKI』から約1年ぶりとなる最新アルバム『SHINKIROU』は、ソウルフルなグルーヴに透明感と広がりのあるメロディが融合。真心ブラザーズやウルフルズらをはじめ、多くのブラックミュージックに影響を受けてきたリ・ファンデのこれまで追求してきたポップ・ミュージックの完成形ともいえる作品になっている。


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活動を始めたきっかけ
大学生の時、軽音楽部でバンドを始めて、その時の同級生たちとオリジナル曲を作り始めたのがきっかけです。それが今の活動の前身のLee&Small Mountainsというバンドで、曽我部恵一さんのROSE RECORDSからアルバムを1枚リリースしました。色々な活動の中で出会ったミュージシャンたちとチームができてきて、そのあと、ソロ名義となり、今の活動に続いています。

影響を受けたアーティスト
小学生の頃、一番最初に影響を受けたのは米米CLUBやSMAPなど、(今思えば)ブラックミュージックの要素があるJ-POPでした。


中学生でアコギを始めて、高校生の頃は兄の影響もあり、中村一義さんを聴いたり。
この頃から曲を作り始めて、MTRで作ったアルバムテープを同級生に配って遊んでましたね。


大学時代は真心ブラザーズウルフルズ、特にボーカリストとしてYO-KINGさんとトータス松本さん。その歌いっぷりに憧れました。作曲、編曲のこしらえ方で言うと、桜井秀俊さん(真心ブラザーズ)の影響も強いです。



彼らのルーツを知りたくてブラックミュージックも研究しました。軽音楽部だったので音楽が好きな人が周りに多くて、60~70年代の名曲たちを共有できたのは楽しい時期だったなと思います。特に好きだったのはStevie WonderMarvin Gayeですね。モータウンから生まれて、自らプロデュースした名盤を生み出していったその歴史にもぐっときました。





注目してほしい、自分の関わった作品
今、海の近くの町に住んでいるのですが、新作の『SHINKIROU』は東京を離れる前に作った最後の作品でした。作り終わった時に気付いたのですが、そういうシチュエーションもあって、全体的に少し寂しさを帯びている気がします。


アルバムを作り始める時に心がけたのは、ロマンチックなダンスミュージックを作りたいということですね。全然具体的なものじゃなく、ふわふわとあやふやな気持ちがしなやかなビートに乗っかっていくようなダンスチューンを作りたかったです。揺らいでるけど、でも先に進んでみようよっていうロマンチックな感じにしたかったです。

歌詞もあまり考え込まずに、もやもやだったり浮かれた気持ちもそのまま、歌にしました。
そういう抽象的なテーマに向かっていったのもあって、演奏やアレンジも手探りで、みんなで作り上げたものです。あやふやな曲があって、それに向かって音楽を作っていこうとしたリハーサルスタジオの風景なんかを想像しながら聴いてくれたら嬉しいですね。

今後挑戦してみたいこと
自分の作品以外でも誰かに曲を作ったりもしていきたいですし、色々な人と音楽をつくってみたいです。あとは、クリスマスアルバムをいつか作ってみたいなぁと毎年この時期思います。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
学生の頃は英語の勉強が好きで、自然と海外の文化について興味を持つようになりました。大学は国際アイデンティティ研究というゼミ。色々な国の観点、価値観から社会を覗いてみようという学問に触れました。そんなこともあって今は、『TRANSIT』を必ず毎号買って色々な国に想いを馳せてます。毎号特定の地域や国を取り上げて特集するのですが、美味しそうなソウルフードや素敵な写真を楽しみにしてますね。各国の歴史についても言及していて、ふむふむと勉強しています。そうするとちょっと心も軽くなります。

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今注目しているカルチャー
台湾にいきたいですね。今まで2回ほど訪れたのですが、空気感がすごく居心地よくて、毎年行きたいです。
色々な楽しみがあるのですが、特に魅力的に感じるのがお店の看板のタイポグラフィです。街を歩いているだけで、味のある描き文字の看板が飛び込んできてワクワクしますね。
実家がパチンコ屋さんなのですが、幼い頃見てたネオンサインのような雰囲気もあって、とても懐かしく豊かな気持ちになります。

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RELEASE INFORMATION

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リ・ファンデ『SHINKIROU』
2021年12月8日(水)
試聴はこちら

PROFILE

leehwangdae_1500px.jpgリ・ファンデ
2015年11月3日にROSE RECORDSからLee&Small Mountainsとして『Teleport City』を7inch+CDフォーマットでリリース。
2017年1月20日デビューフルアルバム『カーテン・ナイツ』を発売。
同年2月26日下北沢THREEにて、曽我部恵一を招いて開催されたレコ発はソールドアウト。10月にはTSUTAYA O-nestで初のワンマンライブを行った。
2019年夏からはリ・ファンデ名義で活動をスタート。2021年12月ソロとしてのセカンドアルバム『SHINKIROU』をリリース。来春頃、レコ発イベント開催予定。

LINK
オフィシャルサイト
@Lee_Funday
@lee_hwangdae
Official YouTube Channel

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