SENSA

2021.09.29

大人になりきれないノスタルジックな歌「ズカイ」-Highlighter Vol.092-

大人になりきれないノスタルジックな歌「ズカイ」-Highlighter Vol.092-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。
Vol.092は、「この世にね、本当の大人なんていないんだよ。」と歌う大阪発の5人組インディーロックバンド・ズカイのまんくも(Vo/Gt)を取り上げる。
9月29日にリリースされた4thミニアルバム『たくさん願い溢れて』は、新メンバー加入直後の前作『毎日が長すぎて』以降、配信リリースや自主企画ライブを積極的に行ってきたズカイの2年ぶりとなるフィジカル作品。Real EstateやBeach Fossils、Mac DeMarcoといった海外インディーロックの影響を感じさせ、トリプルギター、シンセサイザーという編成に透明感のあるまんくもの歌声が緻密に絡み合う、2021年ならではのバンドサウンドになっている。


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活動を始めたきっかけ
高校生の時、友だちにたくさんの海外の音楽を教えてもらい、自分の大好きになった音楽たちに恩返ししたくて始めた気がします。今でも流行ってる日本の音楽に満足していない自分がいて、昔流行っていたバンドや、そういう空気感を自分がまたこの国で流行らせたいなと思ったところがきっかけです。

影響を受けたアーティスト
様々なジャンルをいろんな場面で聴くのが好きですが、幼少期の頃にQueenから始まって、SMAPなどが親が車で流していました。そこからスピッツなどその年に流行ったものが体に染みついている気がします。
DREAMS COME TRUEの「うれしい!楽しい!大好き!」が大好きなんですけど、そのルーツと言えば、ディスコでありソウルミュージックで、そういう香りのする音楽が僕の芯の部分に影響を与えたものなんだなと気づく時がありました。


モーニング娘。も時々思い出して聴きますが、ベースラインのオクターブ奏法とかもディスコっぽくて心が震える感じがします。


あとは次の作品のことを考えて、積極的にアンビエントを聴いています。



注目してほしい、自分の関わった作品
9月29日にズカイの4thミニアルバム『たくさん願い溢れて』がリリースされました。
発端は「ミニアルバムを作ろう」という気持ちからスタートした作品ですが、蓋を開けてみると、基本的にどの歌詞にもたくさん願いが溢れているようなものになっていて、ある意味、今の自分の気持ちがそのまま出ているなと後々気付きました。
コロナ禍の今、苦境が続き、逆に開き直ることが多くて、ミニアルバムの最後の曲「とおせんぼう」の〈アスファルトにしゃがみ込んで眺め/野暮な独り言をかまして/屁理屈な愛で包んでいけたらな〉という一節が、ものすごく開き直って前に進もうとする今の自分らしいなと思います。



今後挑戦してみたいこと
ズカイだけに限らず、楽曲を提供したり、打ち込みのアレンジに携わってみたり、自分の作品をたくさんの形で発信していきたいです。この言い回し、音はまんくもっぽいなというのを表現し、知れ渡れば嬉しいなと思います。あとは何十年後も残るようなアルバムを作りたいです。今もずっと考えて作ってる途中なのですが、映画を観て感動するように、僕の全てを詰め込んで、リスナーの方に感動していただけるような作品を作りたい一心です。


カルチャーについて

触れてきたカルチャー
音楽ジャンキーなところがあり、それほどたくさんの作品に触れてきたわけではないですが、高校から大学生の頃に先輩に教わった映画や本は何かと心の中に残ってる気がします。
村上春樹であったり、『さらば青春の光』『タクシードライバー』など。これらはある種の哀愁?みたいなものが漂っている気がして、そこが好きな理由の一つです。基本的に仲間の助けなしでは生きていけないのが人間ではあるのですが、同時に1人でも生きなければならないのが人間だと思っていて、挙げた作品はその道が荒れ狂おうが1人で乗り越えようとする、それか、不器用に蛇行運転の如く向かっていく部分が観ていて共感と感動を生んでるような気がします。無機質なように見せながら、中身がものすごく人間味のある有機的なものが好きなのかもしれません。まっ、純粋にハードボイルドって名のつくものが好きなだけです。男の子なので(笑)。



今注目しているカルチャー
カルチャーってほどではないですが、ネットフリックスは外せません。そこで配信されてるものの種類がものすごく多岐に渡り、何を観るかを決めるだけで時間が過ぎるくらいです。
今見てるのは『セックス・エデュケーション』です。マジでほんとにタイトル見たときは「バカやろう、こんなの見られるか(笑)!」って感じだったんですが、世間からの評価も後押しに恐る恐る観ると、人と人との関わり合いの話で、歯痒さであったり、主要なキャラが何かしらの家庭環境が複雑であったりして、群像劇ものが好きな僕にピッタリな作品でした。「セックスなんて卑猥だ!」なんて思う方にこそ見ていただきたいものです。


あとは『クレヨンしんちゃん』にもハマってます。今まで何となく見ていたので作品としてあまり注意深く見てこなかったのですが、短い尺で、どんな些細な話であろうと感動させたり、笑いのオチをしっかり持ってきたり、お話として飽きさせない作り込み方に毎度感動するくらいです。


この2つの作品はキャラが非常に愛しくて、影響を少なからず受けているのかもと思います。


RELEASE INFORMATION

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ズカイ『たくさん願い溢れて』
2021年9月29日(水)
試聴はこちら


LIVE INFORMATION

4th mini album"たくさん願い溢れて" release tour

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2021年11月7日(日)名古屋 stiffslack
Open/Start 17:00/17:30
Adv/Door ¥2500/¥3000

2021年11月13日(土)心斎橋 Pangea 
Open/Start 17:30/18:00
Adv/Door ¥2500/¥3000

2021年11月20日(土)下北沢 BASEMENT BAR
Open/Start 17:30/18:00
Adv/Door ¥2500/¥3000

2021年11月28日(日)福岡 秘密
Open/Start 16:00/16:30
Adv/Door ¥2500/¥3000

出演者等、詳細情報は後日公開
※時間は変更となる可能性がございます。

リリースツアー予約フォーム


PROFILE

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ズカイ
大阪を中心に活動する5人組インディーロックバンド。
2019年9月に新メンバーを2人迎え入れ、5人編成になる。
同年12月に6曲入り3枚目のミニアルバム『毎日が⻑すぎて』を自主制作でリリース、リリースイベントも行う。
2021年9月に4枚目のミニアルバム『たくさん願い溢れ」』をリリース。先行リリースされた「ムーンライト」のMVは公開から1ヵ月足らずで2万回再生を突破。またアルバムの情報解禁に合わせて配信開始したオープニングトラック「さぁおいで(平凡に)」も各サブスクサービスでも軒並みリストイン。11月にはレコ発ツアーも予定している。

LINK
オフィシャルサイト
@zu_ka_i
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Official YouTube Channel

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