SENSA

2021.09.01

"あの夏"の夢を託す色褪せないポップネス「crap clap」-Highlighter Vol.088-

"あの夏"の夢を託す色褪せないポップネス「crap clap」-Highlighter Vol.088-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。
Vol.088は、東京・下北沢を拠点に活動し、「大人になり過ぎた子供によるモラトリアム・ポップバンド」を標榜する5人組crap clapを取り上げる。
60~70年代のアメリカン・ポップスへの憧れが滲むサウンドと、エバーグリーンなメロディを持ち味とする彼らが、8月20日にリリースした3rd EP『sugar』は、「甘く切ない夏の情景」をテーマに完成させたという1枚。国道134号線からの遠望とセンチメンタルな心象風景を重ねた「134」をはじめ、サビに登場する名作映画のヒロインが印象的な「アメリカンレモネード」など、汗ばむ夏のワンシーンが目に浮かぶような全4曲を収録する。


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活動を始めたきっかけ
森川雄太(Dr):「J -POPがやりたい!」です。

シベリアみねぎし(Vo/Gt):バンドのグループLINEができたのは大学卒業前だったんですが、スタジオにも入らず、名前すら決まらないまま気づいたら2年くらい経ってて。とりあえず形に残しておこう、ということでレコーディングをしたのがバンド活動のスタートでした。そこでやっとこさ、crap clapというバンド名も決まりました。二択で多数決をとって、僕だけcrap clapじゃないほうに票を入れました。いまはcrap clapになって良かったと思っています。

影響を受けたアーティスト
森川:高校生の時に先輩から勧められた影響でチャック・ベリーを聴きはじめ、そこからニール・セダカコニー・フランシスといった所謂アメリカン・ポップスに傾倒していきました。また同じく高校生の時に出会ったザ・リバティーンズの、パンクロック的な衝動の中にキャッチーなポップミュージックを感じるサウンドには大いに惹かれました。本を読むほど好きなバンドです。



上川智也(Gt):対バンとか聴いてくれた人たちにギターについて突っ込んでもらえることがちょくちょくあるのでご紹介します。好きな音楽っていうと、アレコレ言いたいのが出てくるんだけど、ギターに関しては「全部持っていっちゃうギターヒーロー」みたいなのが大好きで、ブライアン・メイとかアンガス・ヤングとか。その中でも特に僕の思うかっこいいギタリスト像のド真ん中にいつもいるのがブライアン・セッツァーです。
サウンドもプレイも最高だし、何よりステージでの圧倒的ヒーロー感に痺れちゃって、子どもの頃、親にお願いして雑誌とかDVDとかを買ってもらって以来、いまでもずっと一番好きなギタリストです。


シベリア:自分で音楽を作ろうと思ったきっかけはノイズ・ミュージックです。物作りに感覚が近い気がします。選択授業は必ず図工を選んでいたので、そういうところがあったのかもしれません。学生のときは名前だけが残っていたサークルを乗っ取って、ノイズ専門サークルを立ち上げようとして失敗したり、ロングコートで、顔を隠して非公式にステージでギターをかき鳴らして怒られたりしていました。卒論もノイズを題材に書いたのですが、C評価だったのでやっぱりあまり影響を受けていないのかもしれません。



注目してほしい、自分の関わった作品
森川:今回出す3rd EP『sugar』は聴いていただきたいです! 夏がテーマの4曲なので、なんとか夏のリリースに間に合ってよかったです。ぜひ、じめっとした暑さの余韻があるうちに、思い思いの方法で聴いていただければと思います。





今後挑戦してみたいこと
シベリア:企画をやってみたいです。いまアルバムのレコーディングを進めていて、一応今年いっぱいで録り終える予定なので、来年の春あたりにレコ発ができたらと作戦を練っています。バンドの交友が少ないので、結果的にワンマンになったなんてことにならなければいいなと願っています。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
森川:子どもの頃から高層ビル群やカーテンウォールなどのファサードが近代的な建物が好きでした。 東京生まれ東京育ちではありますが、多摩地域出身なので(多摩地域は多摩地域で好きなので揶揄するわけではないですが)、そういった建物を見ると、無条件に「かっこいい」とか「素敵」とか感じてしまいます。また高層ビル群だけでなく、「街」というもの自体が好きです。適当に宛てなく散歩をして、街を観察し、そうしている時にメロディやフレーズを思いつくことが多いです。

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六本木ヒルズ森タワー、夜の外観。まさに摩天楼!煌びやかな街の中での存在感に惹かれて思わず撮った写真です!


シベリア:アニメのOP&ED映像が大好きです。約90秒という縛りのなかで様々な表現がされています。年代によって、トレンドや技術、商品としての売り方など、いろいろな面で変遷があると思うので、いつかちゃんと研究してみたいです。もちろんアニメ本編も好きです。リアルタイムで『カードキャプターさくら』を観てたタイプです。「ポスト渋谷系」の括りで語られるアーティストが好きなのも、たぶんアニメの影響です。



今注目しているカルチャー
森川:バットマンをはじめとするDCコミックス系に興味があります。非日常なサイバーパンクを感じさせる風景があって、近代的なのにある種のノスタルジーを感じさせる作品になっていてそそられます。

シベリア:2、3年前からクラフトビールにハマっています。静岡にはたくさんブルワリーがあるのですが、仕事の都合で移住した4年間、もうドップリ浸かりました。アートワークが多彩なのもクラフトビールの魅力のひとつです。ハマったきっかけをくれたWEST COAST BREWINGは、ホップのキャラクターが描かれるのが定番です。ずんぐりしていて可愛いです。いまはお店で飲めないぶん、缶を買ったり、テイクアウト(もちろんマイグラウラーも持っています)をすることで、クラフトビールを応援しています。


RELEASE INFORMATION

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crap clap『sugar』
2021年8月20日(金)
試聴はこちら

LIVE INFORMATION

FAM
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9月2日(木)下北沢近松
OPEN / START TBA
ADV / DOOR ¥2,000 / ¥2500(+1D)
出演:crap clap、Set Free(京都)、Norenn、escapes(宇都宮)

取り置きフォームはこちら

PROFILE

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crap clap
シベリアみねぎし(Vo/Gt)
上川智也(Gt)
川瀬朱華(key)
土居和真(Ba)
森川雄太(Dr)

下北沢を中心に活動する5人組モラトリアム・ポップバンド。
2019年、1st EP『Sunday comes again』発売を皮切りに活動をスタート。
甘酸っぱいメロディと青臭いリリック、渋谷系を思わせるどこか頼りないボーカルがこっそり話題に。
2020年、2nd EP『Good looking man』発売。
2021年、初のMVとなる「ノスタルジー」を公開。

LINK
@crap_clap
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