SENSA

2021.01.22

-Highlighter Vol.052-「パジャマで海なんかいかない」

-Highlighter Vol.052-「パジャマで海なんかいかない」

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。
Vol.052は、鍵盤奏者・別所和洋のソロプロジェクト、1/13(水)に現名義での初シングルとなる『Blue』をリリースした、パジャマで海なんかいかないに迫る。


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パジャマで海なんかいかない
大学在学中にジャズを福田重男に師事。またクラシックを吉田文子に師事。
ヤセイコレクティブのキーボーディストとして、FUJI ROCK FESTIVALへの2度の出演、また、ブルーノート東京での単独公演もおこなう。2018年11月にヤセイコレクティブを脱退、Gentle Forest Jazz Bandのピアニストとして、二階堂和美、八代亜紀、山本リンダとの共演、東京03の単独公演への参加、KIRIN、丸亀製麺、ホットペッパーグルメを始め、多数のCMレコーディングの現場でも活躍。2016年には二階堂和美とのコラボで、SUMMER SONIC 2016 に出演。2020年より、SUGIZO主宰のジャムバンド、SHAGに参加。
個人ではサポートミュージシャンとして、Ovall、藤原さくら、Keishi Tanaka、THE BAWDIES、ACO、UNCHAIN、androp、東郷清丸、bonobos、SUGIZO、Michael Kaneko、福原美穂、吉澤嘉代子、坂本真綾、上白石萌音らのライブ、レコーディングをサポート。
2019年よりソロプロジェクトを始動。2020年6月、ソロプロジェクトを「パジャマで海なんかいかない」として再始動。


活動を始めたきっかけ
前に所属していたYasei Collectiveというバンドをやめて、自分のソロ活動をしたいと思い、曲を作り始めたのがきっかけです。今の名義になったのは2020年の6月です。

影響を受けたアーティスト
高校生から大学にかけて、ジャズをよく聴いていました。Bill Evansや、Red GarlandKeith JarrettBrad Mehldauなどのピアニストのコピーなんかもよくしていて、卒業後、バンドを始めてからは、Robert GlasperのようなJazzとHip hopの混ざった音楽や、当時活動していたRudderやKneebodyなどのジャムバンドを参考にして、バンドの活動をしていました。2013年にはKneebodyの初来日公演で共演もしました。
ソロになってからは、KieferRob Araujoなど、トラックメイキングとJazzアプローチを混ぜた新世代のソロアーティストの影響を受けてます。



注目してほしい、自分の関わった作品
2019年の作品、Ovall『Ovall』。M3の「Dark Gold」、M4の「Come Together」、M8の「Rush Current」に参加してます。
Ovallは古くからの付き合いだけど、参加させてもらったのは初めてで、誘ってもらった時はほんとに嬉しかったです。レコーディングでは、ソロを思いっきり弾く担当で、その時の素直な自分の思い切ったプレイを彼らがそのまま気に入ってくれて、今までやってきた音楽人生のすべてが集約されたような気がしました。2020年からはサポートとしても参加させてもらってます。



2021年の作品、パジャマで海なんかいかない『Blue』。
ソロプロジェクトを始めてから初のバンドセットでの録音。サポートメンバー達は、全員20代の若手ミュージシャンを集めました。
2020年にLUNA SEAのSUGIZOさんが主催するSHAGというバンドに参加することになったんですが、そのドラマーを探していた時に、セイヤと知り合い、彼らのセッションに遊びに行ったりするうちに知り合ったこのメンバーと一緒に演奏するとしたらどういう曲がいいか、と考えて作った曲です。日本にとどまらず、世界のいろんな人に聴いてもらいたい。Rob Araujoも聴いてくれて、「Great job bro」と言ってくれました。



今後挑戦してみたいこと
海外に向けて発信していきたいです。例えばSpotifyでは僕の音楽は比較的海外の人に聴かれていて、よりその方向にアジャストしていきたい。その結果、パイが大きくなれば、より自分のやりたい音楽を続ける土台が築ける気がします。コロナが落ち着いたら海外にも行きたいし。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
僕は将棋が大好きで、将棋ウォーズというアプリ上の対局数でいうと、累計2万対局以上やっているくらい、将棋について考えることが日々の日課になっています。きっかけはYouTubeなどの動画で、プロの対局を見て、対局者がすごい手を指して、解説者が驚いたりしてるのを見て、かっこいいな、と思い、自分も指してみたいと思ったことです。

将棋の面白いところは、運の要素が一切なく純然たる実力対実力のゲームなので、非常にわかりやすく、それぞれが自分の思う最大のいい形を目指すんですが、その反面、実に複雑な人間対人間の心理戦というか、バランス感覚を求められる部分があるところですね。
例えば、「面倒を見る」という言い回しがあって、相手の手に対して受けの手を指す、という意味なんですが、こんなにわかりやすい戦いのゲームで、敵の面倒を見るという矛盾に人間の面白さが出ているような気がします。面倒を見つつも最終的には自分の主張を通して、勝ち切る力強さが必要、というところも。

この世界のありとあらゆる事象に、この絶妙なバランス感覚が必要な気がします。仕入れの値段交渉や販売の営業、お店の集客だったり、プライベートならデートの誘い方とかも。それは音楽家が世間に受け入れられる音楽を作る、という点においても同じだと思っていて、0か10かの単純な答えではなく、世間の面倒を見つつ、最後に自分の主張を通すことが大事かな、と。

故、米長邦雄永世棋聖が若き日の羽生善治九段を"のべつ幕無し考える青年"と評していますが、何事も、安易でわかりやすい結論に逃げず、のべつ幕無し考えるのが大事だと、今日も将棋を指しながら思います。

RELEASE INFORMATION

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パジャマで海なんかいかない『Blue』
2020年1月13日(水)
視聴はこちら

LIVE INFORMATION
パジャマで海なんかいかないレコ発 スペシャルライブ
日程:2月22日(月)
会場:月見ル君想フ
料金:前売 ¥3,000 /当日 ¥3,500 / 配信料金 ¥1,500
時間:Open 19:00 Start 19:30
出演:パジャマで海なんかいかない

LINK
別所和洋 オフィシャルサイト
@pajaumi
@pajaumi
Official YouTube Channel
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