2020.12.14
音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。
Vol.048は、12/9(水)に、4年ぶりの新作としてカヴァーアルバム『怪獣のあくび』をリリースした、永原真夏(Vo)と工藤歩里(Key)によるアコースティックデュオ、音沙汰に迫る。
音沙汰
永原真夏(Vo)、工藤歩里(Key)によるアコースティックユニット。
SMAP、小沢健二、『ツイン・ピークス』のサントラ、周杰倫、weezer、キリンジ、TAHITI 80......。わたしの席はちょうどスピーカーの前で、音楽を聴きながら味噌汁をこぼし怒られるというのが日常でした。
その影響からか、もう小学生の時には音楽をやる気満々で、誕生日やクリスマスの度に、木琴、タンバリン、ドラムの練習パッドなど、さまざまな楽器を買ってもらいました(しかし一向に上達しなかった)。中学生になっても音楽熱は冷めやらず、同時期に我が家に衛星放送が導入されると、『スペースシャワーTV』や『MTV』に齧り付き、その熱はどんどん加速していきました。わたしはバンドメンバーを探すべく、高校進級を決意! で、そこからスタートです。
工藤歩里(Key):高校2年生の時に、ボーカルの真夏に誘われて、文化祭でコピーバンドをやったのがきっかけです。
私はその時ボーカル志望だったので、真夏とふたりでツインボーカルをしていて、そこからメンバーを探して、徐々にオリジナルになっていっていき、もともとピアノをやっていたのもあって、途中でキーボードに移行しました。
バンドをやりながら、音沙汰を始動し始めて、自主音源を出したり、ライブをしたり、バンドも音沙汰も両方活動していました。
時を経て、ボーカルの圭介さんと対談させていただいた時に、当時買ったCDに直接サインもいただきました。ひょえ~! だいすき!!
最新の記憶は、石若駿さんのプロジェクトAnswer to Remember。
洋の東西を問わず、プリミティブなリズム、物語を編む和音、ジャンルのクロスオーバーを圧倒的なテクニックと少年漫画の精神性で駆け抜ける、唯一無二の音楽宝石。
歩里:記憶がある限り、最初にはまったのはセルゲイ・プロコフィエフが作ったバレエ音楽「ロミオとジュリエット」でした。
小さいながらに、今までに聴いたことのない前衛的な音階に衝撃を受けて、音楽活動を始めてからも、その要素を取り入れたりしていました。
あとは、中学生・高校生の時に初期パンクに出会って、SEX PISTOLS、The Clash、RAMONESなどを聴いていました。
真夏と話が合ったのもこの部分で、覚えているのが「音楽何聴くの?」みたいな話を最初にした時に、ふたりともEddie Cochran(ピストルズがカバーしたりしていた)を聴いたりしていて、それまで周りに初期パンクやロックンロールを聴いている人がいなかったので、これは話が合うなと印象深かったです。
コピーバンドをしていた時もクラッシュやラモーンズなどをコピーしていました。
歩里:今まで関わった作品どれもと言いたいところですが、選ぶとしたら、永原真夏の「青い空」「オーロラの国」「おはよう世界」は、時期はばらばらですが、3曲とも分岐点に制作された曲で、個人的にこだわった、というよりは、皆で一眼となって集中して作った感覚が強くあります。
あとは、今回作った音沙汰のカヴァーアルバム『怪獣のあくび』ですね!
カヴァーということもあるのか、凄く冷静に俯瞰しながら、自分が思う、曲に必要なパーツを丁寧に組み合わせていった感覚でした。
オリジナルだと、今までどうしても余計な感情が入りがちだったのですが、シンプルに"曲を表現する"ということに集中しながら作れたように思います。
歩里:小さいことだと、今までピアノの音色が基本という脳みそだったのを、沢山面白くて良い音色があるので、そっちの脳みそと両方使えるようになりたいです。
あとは、自分が思っていたより世の中は広くて、今までライブをしてこなかったような素敵な場所や新しいやり方など、知らなかった可能性が沢山あるので、開拓していけたら良いなと思っています。
2020年に観ていちばん良かったのは東京都現代美術館で開催されていたオラファー・エリアソンの「ときに川は橋となる」。
コペンハーゲンの芸術家なのですが、彼の作品を観ていると、自然と人工、作為と無作為の境界線の真ん中に立つようで、その感覚のまま歌いたいなと思わせてくれます。
歩里:本だと江戸川乱歩が好きです。
小さい頃に読んで以来、出版社別、初版などなど見つけると買ってしまう。もはや、好きというより、コレクションになっている感じです。
軽くないけど重くもない。雑じゃないけど丁寧すぎない感じの言葉遣いが好きなのと、子ども向けに出している、探偵明智小五郎が出てくるシリーズは、読みやすいのに、子どもがわかるか、わからないかくらいの良い塩梅の伏線が沢山あって、大人になった今でも、わくわく、はらはらと夢中に読める作品です。
どの世界も蓋を開ければ沼ですが、観葉植物もそれにおなじく。
おうちで育て始めたのがきっかけですが、地球のどこかで自然にできた形たちが我が家に集合し、布やテーブルと調和していく様子が楽しくて仕方ないです。
いつか自分でテラリウムを作りたい。
歩里:ネオンが気になっています。
冬になると、光る看板たちがより一層キラキラして見えて、綺麗だな~と街を歩いたりします。最近はLEDの発展でネオン管が少なくなり、ネオン管職人の方も減少している中で、いろんなアーティストやデザイナー(靴やアクセサリーなど、ジャンルは様々)の方たちとコラボレーションして、新たにネオンアートを作り、未来へ技術を繋ごうという動きをしている「アオイネオン」さんという会社があり、たまたまTwitterで見つけて、その動きに注目しているところです。
ちょうどアオイネオンさん主催の大ネオン展が開催されているので、行こうと思っています。
音沙汰『怪獣のあくび』
2020年12月9日(水)
視聴はこちら
「怪獣のあくび」
2021年1月16日(土)
17:00 OPEN / 17:30 START
会場:京都・紫明会館 (登録有形文化財)
料金 : 前売¥3.500/当日¥4.000 (共に1ドリンク別)
出演:音沙汰
御予約は、12月11日(金) 21:00~
メールフォームのみで受付開始
※人数限定
@manatsu_injapan
@AririKudo
@suika1ban
@ariri01
FRIENDSHIP.
Vol.048は、12/9(水)に、4年ぶりの新作としてカヴァーアルバム『怪獣のあくび』をリリースした、永原真夏(Vo)と工藤歩里(Key)によるアコースティックデュオ、音沙汰に迫る。
音沙汰
永原真夏(Vo)、工藤歩里(Key)によるアコースティックユニット。
活動を始めたきっかけ
永原真夏(Vo):音楽好きな母や年の離れた姉の影響からか、小さな頃から音楽が好きでした。我が家には、「夕食の時間はテレビを消して音楽を流し会話をしながら食べる」という流れがあり、毎晩いろんな音楽を家族がセレクトしていました。SMAP、小沢健二、『ツイン・ピークス』のサントラ、周杰倫、weezer、キリンジ、TAHITI 80......。わたしの席はちょうどスピーカーの前で、音楽を聴きながら味噌汁をこぼし怒られるというのが日常でした。
その影響からか、もう小学生の時には音楽をやる気満々で、誕生日やクリスマスの度に、木琴、タンバリン、ドラムの練習パッドなど、さまざまな楽器を買ってもらいました(しかし一向に上達しなかった)。中学生になっても音楽熱は冷めやらず、同時期に我が家に衛星放送が導入されると、『スペースシャワーTV』や『MTV』に齧り付き、その熱はどんどん加速していきました。わたしはバンドメンバーを探すべく、高校進級を決意! で、そこからスタートです。
工藤歩里(Key):高校2年生の時に、ボーカルの真夏に誘われて、文化祭でコピーバンドをやったのがきっかけです。
私はその時ボーカル志望だったので、真夏とふたりでツインボーカルをしていて、そこからメンバーを探して、徐々にオリジナルになっていっていき、もともとピアノをやっていたのもあって、途中でキーボードに移行しました。
バンドをやりながら、音沙汰を始動し始めて、自主音源を出したり、ライブをしたり、バンドも音沙汰も両方活動していました。
影響を受けたアーティスト
真夏:最古の記憶はフラワーカンパニーズの「BELLBOTOOM JACK」。はじめて買ったCDです。<心臓の音を 感じたら それが答えだ>という歌詞はいまでも特別です。時を経て、ボーカルの圭介さんと対談させていただいた時に、当時買ったCDに直接サインもいただきました。ひょえ~! だいすき!!
最新の記憶は、石若駿さんのプロジェクトAnswer to Remember。
洋の東西を問わず、プリミティブなリズム、物語を編む和音、ジャンルのクロスオーバーを圧倒的なテクニックと少年漫画の精神性で駆け抜ける、唯一無二の音楽宝石。
歩里:記憶がある限り、最初にはまったのはセルゲイ・プロコフィエフが作ったバレエ音楽「ロミオとジュリエット」でした。
小さいながらに、今までに聴いたことのない前衛的な音階に衝撃を受けて、音楽活動を始めてからも、その要素を取り入れたりしていました。
あとは、中学生・高校生の時に初期パンクに出会って、SEX PISTOLS、The Clash、RAMONESなどを聴いていました。
真夏と話が合ったのもこの部分で、覚えているのが「音楽何聴くの?」みたいな話を最初にした時に、ふたりともEddie Cochran(ピストルズがカバーしたりしていた)を聴いたりしていて、それまで周りに初期パンクやロックンロールを聴いている人がいなかったので、これは話が合うなと印象深かったです。
コピーバンドをしていた時もクラッシュやラモーンズなどをコピーしていました。
注目してほしい、自分の関わった作品
真夏:うーーーーん、ぜんぶ。歩里:今まで関わった作品どれもと言いたいところですが、選ぶとしたら、永原真夏の「青い空」「オーロラの国」「おはよう世界」は、時期はばらばらですが、3曲とも分岐点に制作された曲で、個人的にこだわった、というよりは、皆で一眼となって集中して作った感覚が強くあります。
あとは、今回作った音沙汰のカヴァーアルバム『怪獣のあくび』ですね!
カヴァーということもあるのか、凄く冷静に俯瞰しながら、自分が思う、曲に必要なパーツを丁寧に組み合わせていった感覚でした。
オリジナルだと、今までどうしても余計な感情が入りがちだったのですが、シンプルに"曲を表現する"ということに集中しながら作れたように思います。
今後挑戦してみたいこと
真夏:知らない国に数ヶ月住んで、アルバムを1枚完成させてみたいです。ニューヨークのような都会もいいし、アマゾンとかもいいなあ。歩里:小さいことだと、今までピアノの音色が基本という脳みそだったのを、沢山面白くて良い音色があるので、そっちの脳みそと両方使えるようになりたいです。
あとは、自分が思っていたより世の中は広くて、今までライブをしてこなかったような素敵な場所や新しいやり方など、知らなかった可能性が沢山あるので、開拓していけたら良いなと思っています。
カルチャーについて
触れてきたカルチャー
真夏:アートからはインスピレーションを受けることが沢山あります。2020年に観ていちばん良かったのは東京都現代美術館で開催されていたオラファー・エリアソンの「ときに川は橋となる」。
コペンハーゲンの芸術家なのですが、彼の作品を観ていると、自然と人工、作為と無作為の境界線の真ん中に立つようで、その感覚のまま歌いたいなと思わせてくれます。
歩里:本だと江戸川乱歩が好きです。
小さい頃に読んで以来、出版社別、初版などなど見つけると買ってしまう。もはや、好きというより、コレクションになっている感じです。
軽くないけど重くもない。雑じゃないけど丁寧すぎない感じの言葉遣いが好きなのと、子ども向けに出している、探偵明智小五郎が出てくるシリーズは、読みやすいのに、子どもがわかるか、わからないかくらいの良い塩梅の伏線が沢山あって、大人になった今でも、わくわく、はらはらと夢中に読める作品です。
今注目しているカルチャー
真夏:葉っぱ!ガンジャじゃないです。観葉植物です。どの世界も蓋を開ければ沼ですが、観葉植物もそれにおなじく。
おうちで育て始めたのがきっかけですが、地球のどこかで自然にできた形たちが我が家に集合し、布やテーブルと調和していく様子が楽しくて仕方ないです。
いつか自分でテラリウムを作りたい。
歩里:ネオンが気になっています。
冬になると、光る看板たちがより一層キラキラして見えて、綺麗だな~と街を歩いたりします。最近はLEDの発展でネオン管が少なくなり、ネオン管職人の方も減少している中で、いろんなアーティストやデザイナー(靴やアクセサリーなど、ジャンルは様々)の方たちとコラボレーションして、新たにネオンアートを作り、未来へ技術を繋ごうという動きをしている「アオイネオン」さんという会社があり、たまたまTwitterで見つけて、その動きに注目しているところです。
ちょうどアオイネオンさん主催の大ネオン展が開催されているので、行こうと思っています。
RELEASE INFORMATION
音沙汰『怪獣のあくび』
2020年12月9日(水)
視聴はこちら
LIVE INFORMATION
音沙汰単独公演 京都編「怪獣のあくび」
2021年1月16日(土)
17:00 OPEN / 17:30 START
会場:京都・紫明会館 (登録有形文化財)
料金 : 前売¥3.500/当日¥4.000 (共に1ドリンク別)
出演:音沙汰
御予約は、12月11日(金) 21:00~
メールフォームのみで受付開始
※人数限定
LINK
永原真夏オフィシャルサイト@manatsu_injapan
@AririKudo
@suika1ban
@ariri01
FRIENDSHIP.