SENSA

2020.11.28

-Highlighter Vol.045-「Helsinki Lambda Club」

-Highlighter Vol.045-「Helsinki Lambda Club」

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。
Vol.45は、11/25(水)に2ndフルアルバム『Eleven plus two / Twelve plus one』をリリースしたオルタナティブ・ロックバンド、Helsinki Lambda Clubに迫る。


アーティスト写真.jpeg
Helsinki Lambda Club
橋本薫(Vo/Gt)、稲葉航大(Ba)、熊谷太起(Gt)からなるオルタナティブ・ロックバンド。
中毒性の高いメロディ、遊び心のある歌詞や実験的なサウンドはガレージロックをはじめ、ファンク、ソウル、ヒップホップ、パンクなど縦横無尽にジャンルを網羅。国内のフェス出演に加え、香港、北京、上海、台湾でのツアーを果たすなど、文化の垣根を越えて独自の音楽を作り上げる。
2013年結成。2017年4月に熊谷太起(Gt)が加入して現在の編成になる。同年6月、UK.PROJECT内に新レーベルHamsterdam Recordsを設立、第一弾としてtetoとのスプリットCDをリリース。2020年11月25日(水)、前作『ME to ME』から約4年ぶりの2ndフルアルバム『Eleven plus two / Twelve plus one』を発表した。

活動を始めたきっかけ
橋本薫(Vo/Gt):小6の終わりごろにいつもどおり外で遊んで砂まみれになって家に帰ってきたら、兄の机の上にSUM41のCDが置いてあり、ジャケットのインパクトもあって、気になって勝手にCDを聴いてみたら1音目からノックアウトされて、「自分もやらなきゃ!」って思ったからです。

熊谷太起(Gt):橋本・稲葉に誘われて。どちらも、もともと友達・後輩でした。バンド自体は高校からコピーバンドをゆるゆるでやっていました。

稲葉航大(Ba):大学生の時にサークルの先輩(昔、薫さんとバンドをやってた人)に、「友だち(薫さん)がベースを探してるからやってみない?」ってことでやることになりました(そのサークルの先輩はタイキさんと同期)。


影響を受けたアーティスト
橋本:もともとロックに目覚めたきっかけはパンクでしたし、ヘルシンキにおいても、キャッチーなメロディという部分に関しては、メロコアやポップパンクの影響はあると思います。メロコアのなかでもNOFXは今でもけっこう聴くバンドです。高校受験期に鬱屈しまくって、部屋でNOFXを聴きながら鏡の前で全力でギターを弾くマネをしていたら、母親が入ってきて「勉強しろ」とブチ切れられ、こっちも恥ずかしさやらストレスやらでブチ切れ返したことがあります。



熊谷:最初にギターを強く意識するようになったのはJimi Hendrixの影響です。学生時代はライブ前夜にジミヘンのライブ映像を見て、テンションを上げていました。



稲葉:ベースを始めたのが高校のときで、もともとはビジュアル系が好きで、それからベースを始めました。
当時好きだったのはJanne Da ArcGLAYなど。
あとは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONZAZEN BOYSストレイテナーゆらゆら帝国とかが好きでした!
高校時代はほんと聖飢魔IIのゼノン石川と雷電湯澤のユニットRXのモンスターリズムバトルをYouTubeで見たりして、友だちと「うめえなぁやっぱり......」ってなったり、ストレイテナーのベース日向秀和さん(ひなっち)がやっていたひなっちゃんねるを見て「うおーー、ベースの音かっちょええ」とか言ってました(笑)。
ちなみに初めてコピーしたのはJanne Da Arcの「Shining ray」です。



注目してほしい、自分の関わった作品
橋本:新譜からだと「IKEA」ですかね。メロコアを聴いて育った人間が作ったとは思えない複雑な曲に仕上がっています(笑)。ファンクやソウル、ジャズ、ヒップホップなどのブラックミュージックの要素もふんだんに入りつつ、しっかりヘルシンキらしさもある曲だと思います。2サビ以降のカオスなパートは何度もセッションをして、ボイスメモで録音していたものからビビッときたテイクを選び、その尺に僕が歌やギターなどを重ねて再度構築するというやり方をしました。



最近は楽曲提供のご依頼もちらほら受けているのですが、先日はグデイというアイドルユニットの楽曲を制作しました。
"令和のPUFFY"というキーワードと"ヘルシンキっぽいノリ"という要望を踏まえて、可愛らしさとバンド感とクセのある感じをうまく融合させられたと思います。歌詞も書き下ろした子でず、令和ということで、主体的な女性像は意識しました。「可愛い」ともてはやされ、女の子扱いされることは商売として受け入れつつも、そんな前時代的な男性を掌で転がしているような曲です。



熊谷:11月25日(水)発売の2ndフルアルバム『Eleven plus two / Twelve plus one』は今まで以上の自信作で、打ち込みだけの曲があったり、ベースの稲葉が初めて作詞作曲をしたり(「Sabai」)、僕がアレンジ・作曲を担当する曲もあったりと、バンドとしては新たな試みをたくさんしたので、かなりおもしろい仕上がりになっています。ぜひ聴いてください。



また、ぼくがもうひとつやっているGroup2というバンドも9月に2ndフルアルバム『Group2 Ⅱ』を出しており、これには僕が初めて作曲した曲も収録されているので、とても思い出深い作品になってます。併せて聴いてほしいです。



稲葉:今回の新譜からだと、僕も「IKEA」です。今回この曲の冒頭のアルトサックスは僕が吹いています。
実は中学の頃、アルトサックスを習っていたことがあり、「この曲の冒頭には絶対サックスがあったほうがいい」と思い、もうやるなら自分でやっちゃえってことで、中学生ぶりに吹きました!

また、最近ではギターのタイキさんが別でやっているGroup2というバンドのこの間出したアルバムの中なかの「オリエント」という曲でも、サックスを吹かせてもらってます。




今後挑戦してみたいこと
橋本:楽曲を他のアーティストとコラボして制作したいです。ファンベースを広げるという意味でも新たな刺激を得るという意味でも、現代の音楽制作においてはとても健康的な選択肢だなと最近強く思うようになりました。
こんなご時世ではありますが、ヘルシンキの音楽は海外展開においても確かな手応えを感じ始めているので、アジアを中心に海外でもどんどんライブをしていきたいです。

熊谷:状況が状況なのでいつ実現できるかはわかりませんが、今後は海外バンドとも交流を深めていきたいので、海外へ自主的に行ったり、逆に日本に呼んだりしていきたいです。あとフジロックには絶対に出たいです。

稲葉:今僕はこのバンド以外にサポートベースをしていて、主にSouth Penguinというバンドでサポートをさせてもらっています。もっといろんなところでベースを弾いていきたいです。
そうすることで、きっと自分にもヘルシンキにも良い影響を与えれる気がしてます。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
橋本:カルチャーは全般的に好きですが、絵画などの美術作品にはインスピレーションを受けることが多いです。特にマルク・シャガールという画家には大きな影響を受けています。大学受験を控えたころに、図書館で勉強をしていて、気晴らしに手にとった画集に魅せられたのがきっかけで、大学に入学後もシャガールについて卒論を書きました。シャガールの魅力は、年代によって作風もかなり違うのですが、色彩や描くモチーフにその時の彼の感情が映し出されているような人間臭さがあるところです。悲しみや喜びが高い純度を保って作品に反映されるというのはアーティストとして憧れますし、芸術の必要性みたいなものを強く感じて希望が持てます。

熊谷:音楽以外に一番のめり込んだもので言うと、映画かと思います。きっかけは好きなアーティストがだいたい映画好きだったというのが大きいです。
特にクラシックなものに熱中しており(アメリカン・ニューシネマや50~60年代ミュージカル、ヌーヴェルヴァーグなど)、学生時代は暇な時は日に3~4本見るくらいのめり込んでました。
当時は自分の知らない世界・時代を体験できるところに魅力を感じていたと思うのですが、今ではそれに加えてインスピレーションが湧くので、制作活動に繋がっています。



稲葉:高校生の時から古着が好きでずっと買ってます!
高校の頃、初めてできた彼女が古着好きで、いろいろ連れて行ってもらったというのと、周りと服が被りたくないという尖りから、友だちと学校帰り吉祥寺や下北の古着屋さんに寄って家に帰るということをしていたのがきっかけです。
ただ、こだわりとか、この服はどこどこで作られていてとかそういう詳しいことは全然わかりません(笑)。
休みの日など古着屋に行っては自分に合いそうなビビッときたやつを買っています。


今注目しているカルチャー
橋本:個人で作るZINEってすごく良いなーと思っています。ただ好きなものを好きなように表現するだけという。思想はあってもなくてもいいし、どれだけニッチでも構わないし。
今僕も「日記ZINE(仮)」という、いろんな人たちのリアルな日記の1ページを集めたZINEを作ろうと企画しているので、よかったらご参加ください(突然の告知)。
詳しくは僕のTwitterの固定ツイートをご覧ください。



熊谷乃木坂46ですかね。音楽もいいんですが、存在が美しいので日々の活力になっています。
South PenguinというバンドのVo.アカツカから毎日のようにお勧めのラインが来たので、「乃木坂工事中」というバナナマンがMCをやっている乃木坂のバラエティ番組を見たのがきっかけです。
バナナマンの日村さんが神宮球場での乃木坂のライブにサプライズで潜入して一緒に踊る、という回があるのですが、それがおもしろいし、泣けるし、バナナマンと乃木坂の関係性もすごい良くて、いいグループなのが伝わってきたのでそこからハマってしまいました。一番いいです。



稲葉:緊急事態宣言が出ていた頃に『梨泰院クラス』にハマり、数ヶ月TWICEにハマってしまい、ここ半年ぐらい韓国のドラマだったり、音楽を聴く機会がなぜか多かったです。いままで全然行ったことなかった新大久保にもこの数ヶ月で既に2回は行ってます(笑)。
意外と韓国について調べていると、こんなに日本と近い距離にあるのに文化だったり、ファッションだったり、違うことに面白さがあり、今年は無理かもしれないですけど、海外にまた気軽に行けるようになったら絶対に韓国には行きたいです。
これは一番新しいTWICEの曲なのですが、1日一回は必ず聴いてます。



RELEASE INFORMATION

HelsinkiLambdaClub_J.png
Helsinki Lambda Club『Eleven plus two / Twelve plus one』
2020年11月25日(水)
視聴はこちら

LIVE INFORMATION
「Eleven plus two / Twelve plus one」release tour "MIND THE GAP!!"
2020年12月5日(土)金沢GOLD CREEK
開場 18:00 / 開演 18:30

2020年12月6日(日)新潟CLUB RIVERST
開場 17:00 / 開演 17:30

2021年01月30日(土)梅田Shangri-La
開場 16:30 / 開演 17:00
※開場・開演時間は変更となる可能性がございます。

2021年01月31日(日)名古屋APOLLO BASE
開場 16:30 / 開演 17:00
※開場・開演時間は変更となる可能性がございます。

2021年02月15日(月)恵比寿LIQUIDROOM
開場 18:30 / 開演 19:30

LINK
オフィシャルサイト
@helsinkilambda
@helsinkilambda
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