2020.11.11
音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。
Vol.43は、11/11(水)にバンド初となる6曲入りEP「Les」をリリースしたインディーロックバンド、A.L.P.Sに迫る。
A.L.P.S
Masashi Tsuruoka(Vo&Synth) Hyuga Ohtani(Gt.) Shinji Hayashi(Ba.) Iori Tomoshige (Dr.)からなるインディーロックバンド。
ポストロックにも通ずる変則的なリズム、繊細でミニマリスティックなギターフレーズ、空間の広がりを感じさせるシンセワークに透明感溢れるボーカルが合わさりドリーミーな世界観を創り上げることが特徴的。
またライブでは5人目のメンバーともいえるYuto MukaiによるVJパフォーマンスにより世界観を視覚的に表現する演出も試みられている。
2019年6月24日、無名ながらも渋谷clubasiaに出演し、好評を博す。同年10月1日デビューシングル「Friend」を配信。2020年11月11日バンド初となる6曲入りEP「Les」の配信が予定されており、翌日の11月12日、同月24日に、下北沢BASEMENT BARでの出演が予定されている。
Hyuga(Gt.):The Smithsです。初めて聴いた時は、僕が当時聴いていた音楽を否定されるかのようなインパクトをうけました。そこから80年代の音楽をよく聴くようになり、The Cureをはじめ、いわゆるニューウェーブやポストパンク全般が好きですね。
Shinji(Ba.):中3の頃に聴いていたQueenやVan Halen等のハードロック系のバンドが洋楽を聴くようになったきっかけです。その後、KansasやKing Crimson等のプログレにどハマりしていたのですが、大学3年の頃に地元の図書館で借りたTahiti 80とThe CardigansのCDがオシャレで気に入り、インディーロック、インディーポップを聴くようになりました。最近は、自分の中でまたプログレブームが再燃しています。
Iori(Dr.):小さい頃はダンスをやっていたので、The Black Eyed Peas、will.i.am、Eminem等を聴いていました。高校卒業後、ファッション関係の学校に通っていたのですが、ランウェイで流す音楽を探していた時に、テクノやエレクトロニカにハマりました。Aphex TwinやOneohtrix Point Never、Memotone等をよく聴いていましたね。初めて聞いた時は、衝撃を受けたというより安堵感を得た感覚だったのを覚えています。
また、今回のEPの1曲目である『No Thing』は、A.L.P.Sで初めてMVを撮った思い入れの強い曲です。撮影時、この曲には歌詞がなかったのですが、撮影した映像からインスピレーションを受けて歌詞が出来ました。YouTubeにアップした動画の概要欄に歌詞とその和訳も載せたので、合わせてチェックしてもらえたら嬉しいです。
Hyuga:前作の『Friend』に続き、アートワークに関しては僕とIoriでアイデアを出し合って決めました。今作は全ての楽曲がとても繊細で、その質感を伝えられるジャケットを目指しました。写真家の木村朗子さんの写真を使わせていただいたのですが、木村さんの写真はどれも壮大なスケール感とその中に潜む繊細さのコントラストが絶妙で、今回使用させていただいた写真の他にも候補に挙がった写真がたくさんありました。その中から一つを選ぶのにかなり苦労したのですが、結果的に理想的なジャケットになったのでとても満足しています。
Shinji:今回のEPに収録されている「Heima」という曲は、デモ音源の段階ではベースがほぼ入っていない状態でした。そこで、イントロにベースの高いフレットでアルペジオを弾くことにしました。ギターのフレーズとは異なるアルペジオを弾くことで、ポリリズムを作っていくというのを取り入れてみたんです。
Iori:Tsuruokaがデモ段階で作ってくるドラムはかなりハチャメチャで、彼の意図を汲み取りながら自分なりにトリートメントしていく作業が、楽しくもあり大変な部分でもあるので、そこにも注目してもらえたら嬉しいです。またMVの撮影時、モデルさんに着てもらうための衣装を制作しました。サイズの問題で結局使用しなかったのですが、次にMVを撮るときにはリベンジをしたいと思っています。ライブの時やアーティスト写真を撮る時など、服装の指南もしているので、スタイリングの面も力を入れていきたいです。
Hyuga:服が好きなのでブランドと何か一緒にやってみたいですね。RAF SIMONS 19AWみたいにショーで生演奏とかいいですね。アンビエント的な要素もあるので僕たちの音楽性に合ったブランドとコラボできたら最高です。
Shinji:今までの路線を踏まえて、ポップさと実験性との両立を目指した音楽をやっていきたいと考えています。ベースという立ち位置に縛られることなく、シンセやパーカッションなども触りたいですし、最近は民族音楽に興味が湧いているので、いずれ生の民族楽器をバンドに取り入れられたらいいなと思っています。
Iori:海外でライブすることにとても憧れています。アイスランドの広大な自然、山脈に囲まれてライブするっていうのは、いつか絶対実現させたいです。
*ポストアポカリプス...フィクションのサブジャンルの一つで、文明が死に絶えた後の世界を描くもの
Hyuga:車ですね。常に頭の60%くらいは車のことを考えています。今乗ってみたい車は、PEUGEOT 406です。
Shinji:僕は映画が大好きで、自宅には趣味で集めたBlu-rayがジャンル分けして保管してあります。好きな映画がありすぎて一つに絞れませんが、最近改めて観て良かったなと思ったのは、1990年作の「ダンス・ウィズ・ウルブズ」です。自然保護や異文化を理解すること、といった普遍的なテーマをテンポよくまとめていて素晴らしい作品でした。
Iori:ファッションですね。高校生の頃はモード系がかなり好きで、着心地がいいものというより最先端でブラックコーデ、装飾や変形した服をよく作ったり着たりしていました。今は着心地がよく、高品質な素材でシンプルな服が好きです。
Hyuga:建造物ですね。特に旧ソ連時代の建物が好きです。見た目重視で作ったんじゃないかってくらい歪な形の物が多くてSFチックでカッコイイです。それに関連して、最近はロシアのバンドにかなり注目していて、ニューウェーブ、ポストパンク好きにお勧めです。Molchat Domaのジャケは最高です。
Shinji:やっぱり映画の話になってしまうのですが、今特に注目しているのは「アバター」の続編企画です。ジェームズ・キャメロン監督は2027年までに「アバター」を5部作まで作る予定らしくて、構想では「スター・ウォーズ」を超える壮大なものになるとか。あと、アバターで描かれている世界観は、Yesのジャケットを手掛けたロジャー・ディーンからの影響も受けてるみたいで、音楽と映画の親和性を改めて感じますね。
Iori:僕も映画が結構好きなんですけど、最近は「グットフェローズ」や「レザボアドッグス」等のギャング、マフィア系にハマッています。ファッションスタイルや俳優が身につける装飾、小物や建物など、あの世界観はたまらないですね。
あと、プライベートクルーザーが欲しいです。それで皆で旅行したいです。
A.L.P.S「Les」
2020年11月11日(水)
視聴はこちら
1st.Single「Friend」
2019年10月1日(火)
2020年11月12日(木) 下北沢Basement Bar
2020年11月24日(火) 下北沢Basement Bar
詳細はこちら
@alps_theband
FRIENDSHIP.
Vol.43は、11/11(水)にバンド初となる6曲入りEP「Les」をリリースしたインディーロックバンド、A.L.P.Sに迫る。
A.L.P.S
Masashi Tsuruoka(Vo&Synth) Hyuga Ohtani(Gt.) Shinji Hayashi(Ba.) Iori Tomoshige (Dr.)からなるインディーロックバンド。
ポストロックにも通ずる変則的なリズム、繊細でミニマリスティックなギターフレーズ、空間の広がりを感じさせるシンセワークに透明感溢れるボーカルが合わさりドリーミーな世界観を創り上げることが特徴的。
またライブでは5人目のメンバーともいえるYuto MukaiによるVJパフォーマンスにより世界観を視覚的に表現する演出も試みられている。
2019年6月24日、無名ながらも渋谷clubasiaに出演し、好評を博す。同年10月1日デビューシングル「Friend」を配信。2020年11月11日バンド初となる6曲入りEP「Les」の配信が予定されており、翌日の11月12日、同月24日に、下北沢BASEMENT BARでの出演が予定されている。
活動を始めたきっかけ
メンバーは全員ネットの掲示板を通じて知り合いました。Shinji(Ba.)が発起人となり、他の3人を集めた形です。Tsuruoka(Vo./Syn.)は当時、愛知県でソロ活動をしていたのですが、Shinjiは何故か東京の人だと勘違いして声をかけ、それが奇しくも加入のきっかけになりました。Tsuruokaはソロ活動時はシティポップ系の音楽を作っていたのですが、インディーロックやインディーポップにも関心があり、それがメンバー全員の共通項でもあったので、最初はThe StrokesやCraft Spellsなどのコピーをしていました。そこから自分たちでも作ってみたいと思うようになり、2年前くらいからオリジナルでの活動を始めました。影響を受けたアーティスト
Tsuruoka(Vo./Syn.):Animal Collectiveの『Merriweather Post Pavilion』は、よく聴くアルバムの一つです。曲を作るときに特別意識しているわけではないのですが、今回のレコーディングの時、エンジニアさんから「Animal Collective好きでしょ?」と言われて、影響を受けていたんだなーと改めて思いました。Hyuga(Gt.):The Smithsです。初めて聴いた時は、僕が当時聴いていた音楽を否定されるかのようなインパクトをうけました。そこから80年代の音楽をよく聴くようになり、The Cureをはじめ、いわゆるニューウェーブやポストパンク全般が好きですね。
Shinji(Ba.):中3の頃に聴いていたQueenやVan Halen等のハードロック系のバンドが洋楽を聴くようになったきっかけです。その後、KansasやKing Crimson等のプログレにどハマりしていたのですが、大学3年の頃に地元の図書館で借りたTahiti 80とThe CardigansのCDがオシャレで気に入り、インディーロック、インディーポップを聴くようになりました。最近は、自分の中でまたプログレブームが再燃しています。
Iori(Dr.):小さい頃はダンスをやっていたので、The Black Eyed Peas、will.i.am、Eminem等を聴いていました。高校卒業後、ファッション関係の学校に通っていたのですが、ランウェイで流す音楽を探していた時に、テクノやエレクトロニカにハマりました。Aphex TwinやOneohtrix Point Never、Memotone等をよく聴いていましたね。初めて聞いた時は、衝撃を受けたというより安堵感を得た感覚だったのを覚えています。
注目してほしい、自分の関わった作品
Tsuruoka:今作のタイトルである『Les』というのはフランス語の冠詞です。男性名詞、女性名詞関係なく名詞の複数形につけられるそうです。それをタイトルにすることで、「自由」、「解放」といったテーマが浮かび上がりました。空間の広がりや奥行きを意識することで、固定観念や偏見などから解放されたいという思いが込められたかなと思います。また、今回のEPの1曲目である『No Thing』は、A.L.P.Sで初めてMVを撮った思い入れの強い曲です。撮影時、この曲には歌詞がなかったのですが、撮影した映像からインスピレーションを受けて歌詞が出来ました。YouTubeにアップした動画の概要欄に歌詞とその和訳も載せたので、合わせてチェックしてもらえたら嬉しいです。
Hyuga:前作の『Friend』に続き、アートワークに関しては僕とIoriでアイデアを出し合って決めました。今作は全ての楽曲がとても繊細で、その質感を伝えられるジャケットを目指しました。写真家の木村朗子さんの写真を使わせていただいたのですが、木村さんの写真はどれも壮大なスケール感とその中に潜む繊細さのコントラストが絶妙で、今回使用させていただいた写真の他にも候補に挙がった写真がたくさんありました。その中から一つを選ぶのにかなり苦労したのですが、結果的に理想的なジャケットになったのでとても満足しています。
Shinji:今回のEPに収録されている「Heima」という曲は、デモ音源の段階ではベースがほぼ入っていない状態でした。そこで、イントロにベースの高いフレットでアルペジオを弾くことにしました。ギターのフレーズとは異なるアルペジオを弾くことで、ポリリズムを作っていくというのを取り入れてみたんです。
Iori:Tsuruokaがデモ段階で作ってくるドラムはかなりハチャメチャで、彼の意図を汲み取りながら自分なりにトリートメントしていく作業が、楽しくもあり大変な部分でもあるので、そこにも注目してもらえたら嬉しいです。またMVの撮影時、モデルさんに着てもらうための衣装を制作しました。サイズの問題で結局使用しなかったのですが、次にMVを撮るときにはリベンジをしたいと思っています。ライブの時やアーティスト写真を撮る時など、服装の指南もしているので、スタイリングの面も力を入れていきたいです。
今後挑戦してみたいこと
Tsuruoka:より多くの人に聴いてもらえるようになったらいいなと思います。フェスとか野外でのイベント、海外でのライブとかもしてみたいです。あと、アイスランドに行ってMV撮影をしたり、Sigur Rósの『Route One』プロジェクトみたいなこととかもやってみたいです。地平線を眺めながら皆とお酒を飲むっていうのもやりたいですね。Hyuga:服が好きなのでブランドと何か一緒にやってみたいですね。RAF SIMONS 19AWみたいにショーで生演奏とかいいですね。アンビエント的な要素もあるので僕たちの音楽性に合ったブランドとコラボできたら最高です。
Shinji:今までの路線を踏まえて、ポップさと実験性との両立を目指した音楽をやっていきたいと考えています。ベースという立ち位置に縛られることなく、シンセやパーカッションなども触りたいですし、最近は民族音楽に興味が湧いているので、いずれ生の民族楽器をバンドに取り入れられたらいいなと思っています。
Iori:海外でライブすることにとても憧れています。アイスランドの広大な自然、山脈に囲まれてライブするっていうのは、いつか絶対実現させたいです。
カルチャーについて
触れてきたカルチャー
Tsuruoka:ポストアポカリプスの世界が好きです。荒廃した都市に草木が生い茂っている、みたいな写真や絵をみると創作意欲をかき立てられます。松尾芭蕉の『夏草や 兵どもが 夢の跡』という句がとても好きで、自然の無情さやそれに対比される人間の儚さ、みたいなものを自身の音楽でも表現していきたいと思っています。*ポストアポカリプス...フィクションのサブジャンルの一つで、文明が死に絶えた後の世界を描くもの
Hyuga:車ですね。常に頭の60%くらいは車のことを考えています。今乗ってみたい車は、PEUGEOT 406です。
Shinji:僕は映画が大好きで、自宅には趣味で集めたBlu-rayがジャンル分けして保管してあります。好きな映画がありすぎて一つに絞れませんが、最近改めて観て良かったなと思ったのは、1990年作の「ダンス・ウィズ・ウルブズ」です。自然保護や異文化を理解すること、といった普遍的なテーマをテンポよくまとめていて素晴らしい作品でした。
Iori:ファッションですね。高校生の頃はモード系がかなり好きで、着心地がいいものというより最先端でブラックコーデ、装飾や変形した服をよく作ったり着たりしていました。今は着心地がよく、高品質な素材でシンプルな服が好きです。
今注目しているカルチャー
Tsuruoka:火おこしの技術を身につけたいです。最近、YouTubeでサバイバル生活の動画をよく観ていて、火おこしにもいろいろな方法があることを知りました。単純に木をこする技術だけじゃなくて、薪選びや火床の準備も大切らしいので、その辺もマスターしたいです。Hyuga:建造物ですね。特に旧ソ連時代の建物が好きです。見た目重視で作ったんじゃないかってくらい歪な形の物が多くてSFチックでカッコイイです。それに関連して、最近はロシアのバンドにかなり注目していて、ニューウェーブ、ポストパンク好きにお勧めです。Molchat Domaのジャケは最高です。
Shinji:やっぱり映画の話になってしまうのですが、今特に注目しているのは「アバター」の続編企画です。ジェームズ・キャメロン監督は2027年までに「アバター」を5部作まで作る予定らしくて、構想では「スター・ウォーズ」を超える壮大なものになるとか。あと、アバターで描かれている世界観は、Yesのジャケットを手掛けたロジャー・ディーンからの影響も受けてるみたいで、音楽と映画の親和性を改めて感じますね。
Iori:僕も映画が結構好きなんですけど、最近は「グットフェローズ」や「レザボアドッグス」等のギャング、マフィア系にハマッています。ファッションスタイルや俳優が身につける装飾、小物や建物など、あの世界観はたまらないですね。
あと、プライベートクルーザーが欲しいです。それで皆で旅行したいです。
RELEASE INFORMATION
A.L.P.S「Les」
2020年11月11日(水)
視聴はこちら
1st.Single「Friend」
2019年10月1日(火)
LIVE INFORMATION
2020年11月12日(木) 下北沢Basement Bar
2020年11月24日(火) 下北沢Basement Bar
詳細はこちら
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FRIENDSHIP.