SENSA

2025.10.26

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!三浦透子・The fin.・Mama Ragほか全27作品 -2025.10.25-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!三浦透子・The fin.・Mama Ragほか全27作品 -2025.10.25-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


みさと:10月20日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全27作品の中からPart-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。まずはアルバムをリリースする、aiver



金子:ひさしぶりのリリースで、まだちょっと謎めいてるというか、正体が掴めていない感じもあるんですけど、かっこいいエレクトロニックなサウンドを鳴らしていました。セルフライナーノーツが届いてるんですけど、"サウンドは特定のムードや気分に寄り添うような意図を持って作られてはいません。それどころか、むしろ何かしらのムードの形成を阻害するようなものとして作っていますし、実際そう聞こえるのではないかと考えています"と。
昨今はプレイリストに入るように、似たようなムードや共通するジャンル感が大事にされたりするけど、ご本人たちの言葉で言うと、"我々はできる限り新しい音楽の形を追求したい。それに基づいて未知の体感や構造を産出したい。よって我々が納得いく作品が作れたと理解するには既存のムードや気分から外れていることが前提的に必要となる"ということで、この哲学を持ってサウンドが作られているんだと知って聴くと、より深みが増すというか、こういう哲学を持っているということが非常に重要だなと感じました。

みさと:哲学性とサウンド感の電脳世界がすごくマッチしていて、どんな展開になるのか読めない構成というのは、メタバースな空間であったりとか、私たちの意図とはまた違ったところの世界観が現実になってきた今だからこそ、鳴らせる音であり、フィットする音なのかなと思いました。続いて、yeti let you notice



金子:半年ぶりのシングルで、今年11月で現メンバーでの活動10周年。

みさと:おめでとうございます!

金子:タイトルが「continue?」で、バンドを続けるということがテーマになっています。セルフライナーノーツでは"途中何度もゲームオーバーになるけど即コンティニューするっていう様な表現になってます"とあって、実際マスロック的な感じで、リズムが止まって、また始まって、リズムが止まって、また始まって、みたいな。そういう面白い展開になっていて、それが何度ゲームオーバーになってもコンティニューする、続けていくという表現になっているというのは、すごく面白いなと思いました。

みさと:コンティニューになっても、ゲームオーバーになっても、続けてきた10年。それでも穏やかで希望に満ちたサウンドにしているのは、愛しい10年だったんだろうなということが伝わってくるし、タイトル的にもっと紆余曲折感、先が読めない構成にしてもいいかもしれないけど、そうじゃないのはきらめいた10年だったんだろうなというのが伝わってきて、ファンからするとたまらない曲になってますよね。まだまだ先に進みたいと思っている人には胸に刺さる1曲になっているかと思います。そんなPart-1からどうしましょう?

金子三浦透子さんの新曲を紹介しようと思います。



みさと:この人の才能はどうなっているんですか!?

金子:FRIENDSHIP.からは初めてのリリースになりますね。俳優でもあり、歌手でもある方で、役者としては『ドライブ・マイ・カー』をはじめ、本当にたくさんのドラマや映画に出演されています。歌手としては『天気の子』でボーカルとしてフィーチャーされていたりと、音楽活動もとても精力的。今回のEP『Condominium』では、ODD Foot Works有元キイチくんがプロデュースを担当していて、彼はプライベートでもパートナーであり、この関係性があってFRIENDSHIP.からのリリースにつながったのかなと。
音楽的にも本当にかっこよくて、参加メンバーもCRCK/LCKSなどで活動している小田朋美さんをはじめ、すごく豪華だし、ジャズやアンビエントを軸にしつつ、いろんな曲が収録されていて、『Condominium』というタイトルは、個性的な各曲がひとつのマンションのように集まっている、そういうイメージなのかなと感じました。「ほうき星」に関しては、今作の中でも一番ダンス色が強く、ジャージークラブやUKガラージといった、最近の流行りのビートを独自のアレンジで取り入れていて、すごくかっこいい曲でした。

みさと:弾き語りスタイルで完成してしまうほど、歌詞もメロディーもボーカルにも力があって、シンプルで素朴なものに仕上がりそうなのに、いい意味で裏切られたというか。このビートやシンセの使い方っていうのは、きっと有元キイチの素晴らしいプロデュース力なのかなと思いますし、それがより没入感を高めてくれるなと思っていて、彼女の魅力がすごく引き出されたEPになっているかと思います。

New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。さあ、はじめましてさんです。RILY(リリー)。

金子:彼女は神奈川県出身のシンガーソングライター。R&B、ソウル、ヒップホップを軸にブラックミュージックから強く影響を受けつつ、歌謡曲やロックなども取り入れたジャンルレスなグルーブを展開と。東京のクラブシーンではDJとしても活動しているとのことで、曲を聴くとまさにこのプロフィール通りではあるんですけど、個人的に気になったのは脇を固めているのがバンド系の人たちだということで。HOTVOXLarksLouでベースを弾いているALTA ALTAさんがプロデュースしていたり、ギターのアレンジ、ボーカルレック、ミックス、マスタリングがヘンショクリュウの真津永浩士さんだったりとか、バンド勢が脇を固めていて、そこがいわゆるトラックメーカーと一緒に作るのとはちょっと違う生感を生んでいるのかなという印象を受けました。



みさと:スムースさの中にフックになるようなギターが入ってきたり、ベーシストがプロデュースしてるんだろうなと思わせるグルーヴ感が彼女の声にもすごくマッチしていて、フロントに彼女がいますけど、脇にいる人たちも輝いている、そんなステージングも見えるので、ライブでこの体制で聴いてみたい!

金子:ライブもバンドセットでやってるみたいですね。

みさと:続いて、folk enoughがアルバムリリースです。



金子:folk enoughは1990年代から活動している福岡のインディーシーンをずっと引っ張ってきたバンド。FRIENDSHIP.的には、aldo van eyckのonoueくんの師匠である井上さんのバンドと言ってもいいかも。

みさと:そうだそうだ。

金子:アルバムとしては6年ぶりで、福岡の山奥にあるmnt/studio(マウントスタジオ)というところで作られている作品なんですけど、今のDTMで作られた音楽に慣れ親しんだ耳で聴くと、ローファイとも言えると思うし、リズムがよれているのかなと思う箇所もあったりするんだけど、そこがかっこいい。なおかつ、ちゃんとポップさも残ってる。そのいびつなバランス感はaldo van eyckとも通じる部分がある気がしたし、aldo van eyckに比べるとキャリアがある分、どっしりと構えている部分もあったり、個人的に大好きです。

みさと:こういうマニアックな番組を続けていくと、ミックス、マスタリングは誰がやっているのかとか、どこのスタジオで録られているのか、厚武先生からいろいろ学ぶわけなんですけど、今作はオタク心が刺激される作品としても楽しめるアルバムになっているかなと思います。ちなみに、aldo van eyckのonoueくんですが、最近ボロボロの家を借りて、それを改造してmnt/sudioみたいな感じにするっぽいんですよ。やっぱり系譜というか、師匠の姿を追い求めて...そちらも合わせて注目したいですね。

金子:一緒に作ったりとかしてもいいですよね。

みさと:するかもしれない。さあ、そんなPart-2からどうしましょう?

金子The fin.の新曲を紹介しようと思います。



みさと:今回はアルバムからの先行シングルになりますね。

金子:11月に4年ぶりのアルバムのリリースが決まったと。

みさと:楽しみ〜。

金子:今回の新曲を聴いて、ますます楽しみになりました。新しいモードになって、ジャズ、ソウル、R&Bとか、生楽器を使った柔らかい音色の曲が多かった印象なんですけど、今回の曲は結構シンセが効いていて、もともとのエレクトロポップ的な質感もありつつ、がっつりエレキギターがフィーチャーされているのもThe fin.の曲としては珍しい。

みさと:確かに。

金子:先行でリリースされた曲と今回の曲が一緒に混ざってるアルバムはどうなってるのか。非常に気になります。

みさと:今までのThe fin.に感情的なボーカルとギターが乗っている、次のフェーズに来ているような楽曲だなと感じていて。セルフライナーノーツでは、"欲望と恐れの階段を終わりなく登り続ける中で、色も声も、そして自我さえも溶け落ちていくという曲"といただいています。多重コーラスパートの迫力と、もともとYutoくんが持っている中性的な声、さらに今回の感情的なボーカルがソウルディーバのようでもあって、ますます国境、人種、性別を超えた存在になっていくんじゃないかなと。新しい世界を感じてます。

New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。なんと、アルカラ先輩がFRIENDSHIP.からリリースです。

金子:J-ROCK好きな人にはおなじみのバンドだと思いますが、2002年に神戸で結成されたバンド。 キャリアとしてはもう20年以上ですか。2013年からは地元・神戸で主催イベント『ネコフェス』を開催していて、今年も11月1日に史上最大、1万人キャパで開催することが決まっていると。

みさと:神戸って印象的なバンドたくさんいますけど、アルカラもその1組ですよね。



金子:今回はアルバムを控えての先行リリースということで、アグレッシブなバンドサウンドにちょっと歌謡曲っぽさもあるメロディーの歌というのは、僕がイメージするアルカラそのもので、「これこれ!」となるような一曲でした。

みさと:とんでもなくロックなのに、いつも琴線に触れるような品性も感じられるのがアルカラだなと思っていて、声とメロディーと言葉にまた救われる人たちがいるだろうな、なんてことを感じさせていただきました。続いて、ヘンショクリュウ



金子:ヘンショクリュウはちょっとひさしぶりのリリースですけど、デビュー作のリリースが2015年ということなので、今年はそこから10年ということになりますね。メンバーの萩原慈悲之くんが別でVooDooCooをやってましたけど、7月に解散したということで、ひさびさにヘンショクリュウとしてのリリース。そういう経緯もあるからか、作品紹介の中でも"初期衝動"という言葉が出ていて、ファンクを軸にした独自のポップという、ヘンショクリュウらしさがストレートに表れた作品になったのかなと思います。

みさと:ファンクと、ベースラインのグルーヴ感だったりとか、まさにジャンクフードのような1曲になっていて。

金子:EPのタイトルが『JUNKIE』。

みさと:先ほどPart-2でお送りしたRILYさんにもヘンショクリュウの真津永浩士さんが参加されているので、ぜひ2曲続けて聴き比べていただきたいですね。そんなPart-3からどうしましょう?

金子Mama Ragの新曲を紹介しようと思います。今年5月にファーストアルバム『なんの日』がリリースされてるんですけど、リリース以降に口コミで広がりを見せ、タワーレコードなどのCDショップではその音楽性の高さから取扱い店舗、展開が拡大したそうで。

みさと:結構嬉しくないですか?口コミで広がるって、また違う嬉しさがありますよね。

金子:それも納得というか、Mama Ragはやっぱりすごくいいんですよね。今回の新曲も非常に端正なポップスで、キリンジを思い出すくらいのクオリティの高さがある。2人組なんですけど、寺田さんのボーカルも素晴らしいし、ギターのsaboさんはちょっと前に「設計図」というバンドでもFRIENDSHIP.からリリースしてて、それもすごく良かったし、この2人が作り出す音楽はやっぱり素晴らしいなと思います。

みさと:楽曲紹介では"1970年代コーラスグループによるスウィートソウル、ただスウィートと言っても和菓子のようにほのかな、また国産であるという安心感を感じられるような甘みに仕上げています"とユニークな一言をいただいているんですけど、まさにクラップもコーラスもさりげないんだけど必要で、ギターもさりげないんだけど必要で。だから甘さ少々、砂糖少々みたいな、少々の加減が絶妙で素晴らしいバランス感覚になっています。



番組の後半はHarunaがゲストで登場!



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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